
キングレコードが出した「世界民族音楽大集成」は、32巻が「
イラクの古典音楽」で、31巻は「イラクの音楽」。というわけで、これも「
砂漠のアラベスク アラビアの音楽」と同じように、イラクにある色んな音楽を集めてありました。色んな音楽とはいっても、ベドウィンの音楽は入っていなかったので、すべてがアラビア音楽で、めっちゃエキゾチック!!ほかのCDにもそういうのがありましたが、すっごくエコーが大量なトラックがあるんですが、これってイラクの建物が石の壁だたりするのかな?
全12曲中、前半6曲はイラク国立伝統音楽合奏団のメンバーの演奏でした。1曲はマカームの一部、3曲は器楽独奏のタクシーム、1曲は打楽器合奏、そして残りがイラキ・マカーム。
1曲目のヒジャーズ旋法を使ったマカームの合奏がメッチャかっこいい!!サントゥール(ツィター属の楽器)の金属の響きがカッコいい、擦弦楽器
ジョーザがエキゾチック!
いや~これはアラビアン・ナイトの世界だよ。。
アルバム後半は、日本の録音チームがイラク各地で録音した音楽の詰め合わせでした。子どもの遊び唄、ウードのタクシーム、カーヌーンの演奏、
アザーン(礼拝の呼びかけ)などなど。これらもメッチャ面白かったんですが、まあこれは他のCDでも聴けなくはないかな?このCDではじめて知ったイラクの音楽は、ムハンマダーウィーとアブーディーヤでした。
ムハンマダーウィーは、農民の悲哀をテーマにした民謡のジャンルなんだそうです。これ、もしエキゾティカかなんかだったら、ジャングルの奥に生息している先住民の音楽と言って通っちゃいそう、あやしさ満点でした(^^)。いや~これは
ロックなんかより全然ヤバいわ、農民恐るべし。でも、歌唱がタハリール満載でメッチャうまい。
アブーディーヤは、イラクで最も人気がある民謡のジャンルだそうで、4行詩節で出来ているそうです。そういえば、有名なるバイヤートも4行詩だったし、ペルシャ周辺は4行詩の伝統があるのかも。これもすごくエキゾチックで、民謡なんてレベルのもんじゃないレベルの高い音楽と演奏でした!
いや~、イランに負けず劣らず、イラクの音楽もレベルが高い!!
マカームやタクシームは音楽の専門家が演奏しているだろうからレベルが高くても分かるんですが、よもや民謡にしてこのレベルとはすごい。ヨーロッパもアメリカ大陸も東南アジアも、民謡って音楽は簡素だし演奏は下手なのに、西アジアはアマチュアですら西洋のロックやポップスに入ったら達人レベルというほどのうまさです。科学レベルは西洋を尊敬してる僕ですが、文化のレベルは西アジアが圧倒的にすごいと思わされたここ数日間でした(^^)。。
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