OCORAがリリースした「CONGO Musique traditionnelle」、1966年の録音です。コンゴという名の国は2つありますが、ここでいうコンゴとは今のコンゴ共和国で、中央アフリカの西側にある国の方です。ちなみに、コンゴ民主共和国という国の方は昔でいうザイール。ザイールはモハメッド・アリの映画で観ましたが、映画の中でも「アフリカ大陸の人のリズム感や身体能力って半端ないわ」と思わされたものでした(^^)。だって、小学生ぐらいの子供がそのへんで前宙して遊んでるんですよ。普通じゃねえ。。
ザイールや中央アフリカと同じように、
コンゴの音楽も強烈にプリミティブ でした。ただ、歌の比重が強くて、打楽器は集団での強烈なポリリズムというのとは違って、歌のうしろでリズムを刻むぐらいの軽い感じのものが多かったです。ただ、そのリズム感が強烈。1曲目は、子ども2~3人がお手製の打楽器を叩きながらコール&レスポンスで歌ってるだけの遊び唄に聴こえるんですが、リズム感がヤベえええ!!いったい何なんだこの天性の音楽感は。やっぱりアフリカって身体能力が半端ないわ。。
ただ、プリミティブなだけでなくて、異様に前衛的に感じる音楽が混じっている のが新鮮でした。色々とぶっ飛んでるんですよ。たとえば、プリペアドしたような音の楽器群。7曲目のバ・ベムべ族の物語歌は、弦楽器をプリペアドした演奏で、僕には思いっきり前衛音楽に聴こえました。4曲目のフィドル演奏も、「キー」っていう音しか出てなくて、しかしこれが異常にカッコいい!どちらもそこに
アフリカの唄ならではの超絶な早口のマシンガンヴォーカルが重なって、メッチャクチャかっこいい!いやーこれは痺れるわ。。 他には、西洋ではありえない和音。平均律でも純正律でもない調律の音がぐしゃっと重なるから、
西洋音楽に侵された僕の耳には刺激が半端なかった です。8曲目の冒頭部分の角笛の合奏は、ありえないような和音で、プリミティブというよりも、一周回って超前衛音楽。11曲目の木製ラッパもの合奏も、どうも一つの楽器でひとつの音程しか出せないらしく、それが折り重なるので、なんとも斬新な音。
民族音楽を聴く楽しさのひとつに、聴いた事もないような音楽を体験できる点がありますが、これは強烈だわ。これをつまらないと思う人は、きっと西洋音楽に毒され過ぎていて、西洋音楽の基準でしか音楽を評価できない人だと思うので気をつけろ!!一方で、創造力の豊かな人には、こんなに興味を惹かれる音楽もなかなかないんじゃないかと。いやあ、アフリカの音楽って、聴きはじめると止まらなくなります(^^)。
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