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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『Bill Evans / New Jazz Conceptions』

BillEvans_NewJazzConceptions.jpg 信じられないほどの音楽を作り出したジョージ・ラッセルの『Jazz in the Space Age』に参加し、ジャズのアドリブもクラシック出身らしいスコアへの強さも光ったビル・エヴァンスが、リバーサイド・レーベルからスカウトされて作ったソロ・デビュー作です。1956年録音、ピアノ・トリオで、メンバーは、Teddy Kotick (b) とPaul Motian (dr) です。

 いやあ、これはすごい…ビル・エヴァンスが、50~60年代ジャズにとって、どれだけ得難い存在のピアニストだったのかが、このレコード一枚で死ぬほど分かる内容でした。それぐらい凄いアルバムだと思います。日本だと判を押したように「ヴィレッジ・ヴァンガードのセッションが」とか「スコット・ラファロが」な~んてすぐに言われるようですが、好き嫌いは人の趣味としても、ビル・エヴァンスのリーダー作では、音楽的にはどう聴いたってこれと『Unknown Session』がベストでしょ…。

 最初の2曲は、のちにパブリック・イメージとなる耽美派ピアニストというより、まるでニュージャズか理論派作曲家ピアニストみたい。「Conception」あたりは、思いっきりバド・パウエルな感じ。そして、すでに「My Romance」「Waltz for Debby」という、生涯通じて演奏し続けた曲を耽美的に演奏してもいます。他には「Easy Living」や「Speak Low」というスタンダードも。つまり、うしろにドビュッシーもビバップもクラシックもハードバップも、そしてアドリブもコンポジションも全部聴こえるのです。

 これぐらいマジでクラシックやってた人がジャズの世界に食い込んだのって、ビル・エヴァンスが初めじゃないでしょうか。ビル・エヴァンスがいなければ、マイルス・デイビスの「Blue in Green」も、ジョージ・ラッセルの「Jazz in the Space Age」も成立しなかったんじゃないかと考えると、モダン・ジャズの進化のキーマンになった超重要なピアニストだったんじゃないかと思います。ただこのアルバム、リリース当時はまったく売れなかったそうで、これで天才ジャズ・ピアノストは、ジャズクラブで毎晩演奏して日銭を稼ぐ貧乏プレイヤーのひとりに落ちぶれ、以降は普通のジャズファンにも分かりやすい耽美的なバラード弾きに落ちぶれてしまった…みたいなところだったんじゃないかと。まあ、その人生自体を耽美的に美化して語った日本の評論家に文筆の才があったという事かな?でも、音楽そのものを聴くなら、間違いなくこれでしょうという1枚だと思っています。ファンの耳が肥えてさえいればもっと飛躍出来ていただろうミュージシャンって、少なくないんですよね。。


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書籍『楽譜のしくみ』 西原弦志

Gakufu no sikumi_Nisihara  子どものころ、楽譜を読むのが苦手でした。ピアノはまあまあだったと思うんですが、とにかく楽譜音痴、初見なんてボロボロでした。子どもなので好きな事はいくらでもやるけど苦手な事はとにかくおっくう、いつまでたってもスコアリーディングは上達しませんでした。そりゃそうだ、練習しないんだから(^^;)。そんなある時、僕に可能性を感じてくれていたピアノ教室の先生が、集団レッスンの時に「○○くんはピアノが上手なのに、楽譜が読めないとプロになれないよ。楽譜が読めないプロのミュージシャンなんていないのよ」と言われました。これほど説得力のある言葉もありませんでした。人から教えてもらうのが当たり前だった子供の頃の僕が、はじめて自分で何とかしないと思った瞬間だったかも。そこで意を決して、自分の小遣いで買ったのがこの本でした。この本、言葉づかいは優しいし、説明も初心者でも分かるように噛み砕いているんですが、実際には子ども向けではなく、楽譜が読めない大人が対象の本じゃないかと思います。

 この本、スコアリーディングで苦労している人は、一度読んでみる価値があるかも。少なくとも、子どものころの僕には、目からウロコな事がいっぱい書いてありました。
 例えば、たぶんスコアリーディングの最初の壁(ギターでいうFコードみたいな感じかな?)、シャープとフラットです。僕だって子どもながらに楽典はやってました。でも、楽典だと「ト長調はファにシャープ、ニ長調はファとドが♯…」みたいに書いてあるじゃないですか。僕はそれを一生けんめい暗記して、でも何度やっても覚えきれず、ピアノの前に座るとアタマ真っ白。要するに、アタマで「C調はFがシャープ…」な~んていう覚え方が悪かったんです。じゃ、どうやれば良かったのか。ここで、「楽譜のしくみ」が登場します。要するに主音からのインターバルが問題なので、主音を変えると、全音と半音が混在している楽譜(またはピアノの鍵盤)上では、インターバルが狂う所があるんですよね。ここで「当たり前だろ」と思って軽く見て、結果いつまでも体に入らなかったのが子どものころの僕で、人の話を聞かないとか軽く見てしまうのは、ものを学ぼうとする人にとって最大の敵です。この本を読んで、「あ、ト長調の導音はF♯なんだから当たり前じゃんか」…そう、音をイメージすればよかっただけだったのです。どうやって覚えるのか、何を考えればいいのか、こういうものをきちんと指導してくれたのがこの本で、そこがただ単に「シャープはF,C,G,Dという順でつく」みたいに書いてある本との大きな違いでした。言われれば当たり前、だけど言われないで自分ひとりで気づくのはかなり時間がかかる事ってあるんですよね。

 他にも、示唆に富んでいる記述がいっぱいありました。「忘れたことよりも、それをもう一回読み直さなかったことのほうが大きな損なのです」とか、「楽譜を読みながらドミソと声に出して歌う」なんていう文章は、まさに自分に言われているよう。どうやって練習すれば覚えられるのか、音が聴こえるようになるのか、こういうのを馬鹿にしてやらなかった僕の胸に刺さりましたねえ。よく区別して覚えるとか、とにかくこの本から学んだことは多かったです。当たり前の事を丁寧に書いてある本なので、先生に叱咤激励される前の僕みたいに、ヒントを貰っても馬耳東風で自己流を通すとか、軽く見て「そんなの知ってる」みたいな言う人だと、ただの子ど向けの本に見えてしまうかも知れませんが…。

 というわけで、いつまでたってもスコアが読めるようになれない大人の人にこそ、この本はうってつけと思います。いつまでもスコアが読めるようになれない方は、むずかしい本を何冊も買いこんだり、逆に「サルでもわかる」みたいな何冊読んでもいつまでも初心者以上のところには行けない本を読むより、こういう立派な音楽教師さんが分かりやすくていねいに書いた本から始めると良いんじゃないかと!


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『ペルト:アルボス《樹》 ヒリアード・アンサンブル、ギドン・クレーメル(vln) 他』

Pert_Arbos_HilliardEnsemble.jpg 新古典時代やセリー時代のペルトを知らない僕にとって、ペルトは第1に「ヨハネ受難曲」を作曲しちゃうぐらいのキリスト教音楽家な人で、第2に現代オーケストラでドミソを普通に使っちゃうようなイージーリスニングな人。そしてもうひとつ感じるのは、同じ音型を執拗に繰り返すある種のミニマリズムな曲もけっこう耳にしてきまして、このCDに入ってる曲のいくつかは、まさにそんな感じ。キリスト音楽のような声楽で、オルガンの3和音が鳴って、そしてミニマル。というわけで、僕にとってのペルトのステレオイメージは、まさにこのCDなのでした。収録曲は、以下の通りです。

・アルボス「樹」
・私達はバビロンの河のほとりに座し,涙した
・パリ・インテルヴァロ(断続する平行)
・デ・プロフンディス(深淵より)
・何年もまえのことだった
・スンマ
・アルボス「樹」
・スターバト・マーテル

 すべての曲が、最初に書いた、僕が勝手に思ってるペルトの特徴のどれかを持っています。この中で特に有名な曲は「スターバト・マーテル」。
 スターバト・マーテルというのは、ローマ・カトリック教会にあるセクエンツァ「スターバト・マーテル」がたぶん大元で、それと同じ詩を使った曲が書かれる事が結構あって、それらの曲は慣習として「スターバト・マーテル」というタイトルが付けられる、みたいな感じでしょうか。ヨハネ伝のセリフを使って作られた声楽曲が、どんな曲であっても「ヨハネ受難曲」と言われるようなもんですね。
 ペルトのスターバト・マーテルは、3声のヴォーカルと3つの楽器によるもの。スターバト・マーテルって、詩がすごいんです。「聖なる処女よ、われが地獄の火に焼かれざらんが為、審判の日にわれを守りたまえ」、みたいな。ここにはキリスト教の死生観がもろに出ていて、いずれ最後の日が来て、そこで地獄送りになるものとそうでないものが分かれる、みたいな感じですよね。日本人はどちらかというと自然から生まれて自然に帰るみたいな死生観を持ってると思うんですが、そういう文化圏に生きてる僕からすると、「死んだ後で地獄に落ちる」なんて言う世界観は怖すぎて、それこそスターバト・マーテルみたいな救いへの祈りや音楽に縋りたくなるのも分かる気がします。そして、この詞の内容に、ペルトの音楽は実にマッチして聴こえました。だからこれは、現代の作曲技法とか作曲作として聴いてはいけない音楽なんじゃないかな、と思っています。

 でも、それでペルトの音楽や、ここでのヒリアード・アンサンブルあたりの演奏に心を動かされるかというと、話は別。僕は、あんまりペルトの音楽にはチャンネルがあってないみたい(^^;)。バッハデュファイラッススの宗教曲には心を動かされるのに、ペルトの宗教曲に今ひとつ心が動かないのは、これが現代に書かれてるという所にあるのかも。16世紀や17世紀なら、キリスト教音楽が当時の時代思潮を反映していると思えるんですが、現代にそれを踏襲してもそれはあくまで個人の宗教観と思えてしまって、否定する気はないけど共有できるほどそれが普遍的なものとは思えない、という事なのかな?


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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