
夏です。夏と言えば海、海と言えばオセアニア。という訳で、オセアニアの音楽でも聴いて海に行った気分に浸ろう、そうしよう。
オセアニアは漠然と分かります。ただ、オセアニアのくくりって、太平洋の小さな島々の中で、インドネシアとフィリピンとオーストラリアは入れないもんだと思ってたんですが、オーストラリアは入れる事もあるらしいですね、知らなかったよ。ところが、オセアニアを3分割した
ポリネシアと
ミクロネシアとメラネシアは、僕はまったく区別がついておりません。ハワイやクック諸島やイースター島がポリネシアである事は知ってるんですが、あとはどこがどこだか区別がつかず。なんだったら、名前しか知らない所の方が多いぐらいです(^^;)>。というわけで、僕にとっては異文化中の異文化、未知の世界と言ってもいいほどの地域、メラネシアの音楽を聴いてみよう!僕も無知ですが、知らない人はぜひ付き合ってね(^^)。
メラネシアは、オーストラリアのすぐ北にある島々の事みたいです。
それよりさらに北になるとミクロネシア、オーストラリアから東、アメリカ大陸にかけてのあたりがポリネシア。
メラネシアにある国や島は、パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島、バヌアツ、ニューカレドニア(フランス領)、あとはインドネシア領のパプア州&西パプア州。
メラネシアを他のオセアニアと区分けしたポイントは、肌の黒い人が多い事だったそうです。ただ、肌が黒いと言ってもニグロイドではなく、オーストラロイドなのだそうで。ここから派生して、オーストラリアをオセアニアに含める時は、メラネシアとみなすみたい。へ~はじめて知った、そうなんだ!たしかに、このCDのジャケットに写ってる人も、肌がすごく黒いです。

1~5曲目は、
オーストラリアのアボリジニの音楽でした。アボリジニ、僕はディジリドゥぐらいしか知らなかったんですが、打楽器や声と一緒に演奏するのが普通みたいでした。そして僕が打楽器だと思っていたものは、ブーメランを叩いて音を出してるのだそうで。たぶん狩猟にブーメランを使ってるんでしょうね。。5曲入っていた
アボリジニの音楽のイメージを伝えると…子どもの頃、アニメや映画や探検番組なんかで出てきた人食い原住民の音楽みたい。打楽器がカンカン鳴って、ドローンでディジリドゥがウワ~ンと鳴り続けていて、呪文のような歌が延々と唱えられている感じ。解説を読むと、全身にペイントを施した猟師がワラビーを突き刺して帰っていく祭儀の音楽だったりするので、この想像は当たらずとも遠からずかも。だってそれって、要するに呪術ですよね。いやあ、こういう文化や儀式がリアルタイムで残っているのか、すげえ。そうそう、ディジリドゥは、空洞になった長い木を吹いて音を出す楽器で、管楽器でやるホーミーみたいです。
6~8曲目は、かなり似た音楽でした。どれも、打楽器を叩いて、みんなで合唱しながら踊る、みたいな。でも地域が違って、6曲目はオーストラリアのトレス海峡諸島、7~8はヴァヌアツでした。国は違っても、文化的にはあんまり差がないのかも。
9~14曲目は、
ソロモン諸島の音楽でした。まず、9曲目にビックリ。ああこれは
思いっきり西洋音楽とのシンクレティズムが起きてる。だって、ギターでメジャーコード押さえて弾き語ってるんだもの。西洋の侵略の歴史って罪ですよね、色々なものを滅ぼして自分を押しつけて…。一方、土着音楽として残っていたのは、パンパイプの演奏、打楽器、歌、などでした。パンパイプはソロモン諸島の音楽の特徴みたい、メラネシアの中では独特でした。
15~16は
パプア・ニューギニアの音楽、これがすごかった!どちらも舞踊音楽らしいんですが、M15は
ものすごい勢いの打楽器合奏に、忘我の境地で叫んでいるような声!踊り自体も、世界に類を見ないほど露骨なセックス描写だそうで、女性は〇〇丸出しでものすごい腰の振り方をするそうです。

17~20は
ニューカレドニア。ニューカレドニアって、あの「天国にいちばん近い島」じゃなかったでしたっけ?ここは、3曲の
儀式音楽がすごかった!狩猟の踊り、戦闘舞踊、戦闘棒の演武音楽…って、これだと「天国にいちばん近い」の意味が変わってくるじゃん、殺る気満々だぞ。。ところで、僕が思っているオセアニアの音楽って、まさにこれでした。打楽器がドンドン鳴って「イヤホ~」「アイ~」という奇声が飛び交い、異様に高揚していく音楽。これは感情を高揚させながら意識はトランスしていく事を目的としてますよね。
メラネシアは打楽器優勢の音楽が多かったです。打楽器優勢というとアフリカを思い浮かべますが、アフリカの打楽器が低音の効いたものが多いのに対して、低音がないものが多かったです。アフリカみたいな皮ものの打楽器が少なくて木を直接打つからかな、それとも植生の問題かな?そして、
大人数で合唱するものが多いところを見ると、共同体が社会ですごく重要な働きをしてるのかも。ロシアの音楽を聴いてるとほとんど個人だし、地域性ってのは音楽に出るもんですね。
最大の特徴は、音楽がシンプルなものの繰り返しであるものが多かった事です。これはトランスミュージック的というか、聴いているとトリップしそうになります(^^)。もしかしたら、この地域の音楽は儀礼で演奏されるものが多くて、その儀礼が呪術性を帯びているものが多いのかも。日本にいたらまず体験できないトランス系の呪術音楽、すごくプリミティブで面白かったです!