メラネシアに続いて、ミクロネシアの音楽です!いや~ここも全然しらない地域、ミクロネシアの国家をあげろと訊かれてもまったく答えられましぇん。まして、どんな感じかと訊かれても、腰みのつけて踊ってるイメージしか思い浮かびましぇん(^^;)>。
オセアニアの北西部分がミクロネシア、名前の通り小さな島々なのが特徴で、太平洋戦争を境にアジア的な生活様式から西洋的な生活様式に転換したそうです。国でいうと、
マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオ、キリバス、ナウル。アメリカ領では、グアム、北マリアナ諸島など。
グアムの音楽。4曲入ってましたが、
うち3曲は思いっきりアメリカン・ソング形式。シンセとエレキベースで伴奏してるし(^^;)。なるほど、人はモンゴロイド系だけど、文化はもうアメリカに塗り替えられちゃってるんですね。
1曲だけネイティブっぽい音楽が入ってましたが、イメージとしてはハワイのファイアーダンスの伴奏みたいな、太鼓の「ドンドコドンドコ…」みたいな音楽でした。これはカッコいい!
北マリアナ諸島の音楽は、7曲入ってました。北マリアナ諸島と言っても僕はぜんぜんピンとこないんですが、
サイパンは北マリアナ諸島の中のひとつだそうです。位置はオーストラリアと日本の中間ぐらい。ネイティブな音楽に聴こえたのは女性の斉唱3曲と、踊りの音楽。女性の斉唱はまるで小学校で習う歌みたいにゆったり素朴。CDには女性たちの写真が写ってましたが、腰みのつけて、花輪を頭につけて、いかにもオセアニアという感じ。
踊りの音楽は、ボディーパーカッション含む打楽器がビシビシいう前で「ハッ」「ウーッ」みたいな掛け声が入ってました。これもいかにもオセアニアの音楽な感じでした。
ネイティブな音楽に他の文化の音楽が入り込んだように越えたものもいくつかありました。北マリアナ諸島のものではない他の文化と感じたのは、日本とアメリカ。いちばん驚いたのは、なんと日本語で、エレキギターとベースの伴奏のフォークロックみたいなものが入っていたこと!いや~大東亜協和圏構想や、アメリカの文化侵略の両方の名残のようで、ちょっと複雑な気分でした。
ミクロネシア連邦の音楽は、4曲入っていて、いずれも舞踊音楽でした。最初の2曲は女性の踊りのようで、音楽もソフト。ビートはそんなに強くなくて、日本の民謡を合唱で歌ったみたいな感じ。1曲は
男性の戦闘訓練のための棒踊りで、リズムも強くて豪快!いや~これはカッコよかった!!打楽器に聴こえる音は、もしかすると戦闘棒同士がぶつかる音なのかも。最後の1曲は、音楽は民謡みたいな最初の2曲に似て優雅な雰囲気なんですが、詞の内容が、ここを植民地にして強制労働を強いていたドイツ人に反旗を翻し、ドイツ人行政官を射殺した1910年の事件を歌った歌。大航海時代の先進国がこの地域にしてきた仕打ちのひどさが胸に刺さります…。
最後は、
マーシャル諸島の音楽。
これも打楽器をドコドコ鳴らして、みんなで合唱。シュプレヒコールのようでした。コール&レスポンス的で、酋長が何か歌うと、「なんちゃらかんちゃら!」みたいな掛け声が続きます。内容は、戦闘歌だそうです。
メラネシアもそうでしたが、
オセアニアのネイティブな音楽には(ボディパーカッションを含む)打楽器と掛け声をつかっての戦闘舞踊みたいなものが絶対あるんですね。南国なので平和なイメージがあったんですが、ヨーロッパの植民地と化して奴隷労働を強制されるまでは、村同士が対立して戦争が続いていた地域なのかも。一方で、
メラネシアよりも呪術的な要素が低くて、かわりに日本や西洋の文化侵略が進んでいる印象でした。そういう歴史が音にあらわれて肌で感じられるって、音楽ってすごいです。
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