ヴェルディ&マリア・カラスの組み合わせでは、こういうものにも手を出した事があります。椿姫ほどではないにせよ、これも超有名なヴェルディのオペラ「リゴレット」、話としては椿姫よりこっちの方が面白かった!
あらすじは…
リゴレットは、領主であるマントヴァ公爵に気に入られている道化役者です。ところがマントヴァ公爵が好色で、すぐ女に手をつけるクズ野郎。娘を公爵にもてあそばれた伯爵を怒らせたり、色々と恨まれます。この色ボケ公爵が教会で見初めた娘というのがリゴレットの娘ジルダ(マリア・カラス)で、ジルダも公爵に惚れます。公爵から愛の告白をされたジルダはのぼせ上りますが、ところがクズ公爵はさらに他の娘にまで横恋慕。その現場を見たジルダはショックに打ちひしがれます。あちらこちらから恨まれまくりのクズ公爵はリゴレットの雇った殺し屋に命を狙われますが、公爵を助けてくれとボケ公爵の新しい情婦に頼まれたジルダは男装し、公爵の身代わりになって殺される決意をします。公爵を殺したはずのリゴレットは、死んだ死体が自分の娘である事に気づいてフィナーレ。ああ、椿姫に続いてまたしてもマリア・カラスは死んでしまった(T_T)。
マリア・カラスより先に、マントヴァ公爵役のジュゼッペ・ディ・ステファノというテノールが凄くて、これにやられました!冒頭から派手で凄いんですが、有名な「
女心の歌」(「か~ぜ~の~な~かの~は~ね~の~よ~おに~」というアレです)も見事。そして、主役リゴレットを務めるティㇳ・ゴッピのバリトンはさらに見事!役的に色んな表情が求められたと思うんですが、この使い分けが素晴らしかったです。このCD、ゴッピの名唱を聴くだけでも価値がありました。そして、
マリア・カラスは歌がうまいかどうか以前に美声。ルックス含め、たしかに無垢な悲劇のヒロインにピッタリ。いや~イタリア・オペラは個人技が凄いです、さすがはオペラやカンツォーネが盛んな歌の国だなあ。録音は1955年で、あまりいい音じゃないです。オケなんてピットに入ったまま吊りマイクだけで録音したみたいにモケモケ。そもそも、ステレオじゃなくてモノラルですし。でも、主要歌手の声はしっかり聴こえて、カラスやゴッビという名歌手の歌は十分に堪能できました(^^)。
リゴレットは椿姫の2年前の1851年に作られたオペラで、これでヴェルディは「イタリアのヴェルディ」から「世界のヴェルディ」に飛躍したそうです。さすがイタリア・オペラ、エンターテイメント性が高くて、悲劇なのに見た後に満足感が残る感じ。音楽も台本も難しすぎず高尚すぎず、肩ひじ張らずに楽しむ事が出来ました(^^)。
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