
スエズ運河を作った時に出来たカイロ歌劇場のこけら落としの演目としてヴェルディに作曲依頼が来たのがこのオペラの始まり。というわけで、エジプトを舞台にした壮大なオペラです!…って、内容はやっぱり
椿姫や
リゴレットと似て、少女漫画風なんですけどね(^^)。ストーリーはこんな感じです。
古代エジプトはエチオピアと戦争してました。エチオピアの王女アイーダはエジプトの捕虜となっていましたが、うまく身分を隠してエジプト王女アムネリスの召使いになってます。そんなアイーダは、エジプトの将軍ラダメスと恋仲。一方でアムネリスは将軍に恋慕。
エチオピア討伐に成功した将軍は国王に褒美としてアムネリスを与えられますが、アイーダを好きな将軍は困ってしまいます。ついでに、この戦の捕虜の中にエチオピア国王にしてアイーダのとうちゃんが混じってます。とうちゃんはラダメスをそそのかしてエジプトを滅ぼそうと提案、そこにアムネリスが来て、将軍はとうちゃんとアイーダを逃がしてやります。
これに怒ったエジプト国王は将軍ラダメスを地下に幽閉。しかしその地下にはアイーダが忍び込んでいて、将軍ラダメスとアイーダは抱き合って、ふたりで死を共にする。
音楽ですが、エジプトが舞台ではありますが、プッチーニの「蝶々夫人」みたいに異国情緒たっぷりに仕上げてあるわけじゃないです。有名な「
凱旋行進曲」がいい例で、エジプト音楽なんてまったくといっていいほど取りいれてない(^^)。いつか、
エキゾティカという音楽を紹介した事がありましたが、西洋世界って自分たちが中心であって、他の世界の理解というのも、異文化を理解しようとするんじゃなくって、あくまで自分たちで思い描いたイメージで済ませるんですよね。現代のグローバリゼーションの考え方に「自分たちを中心に世界をグローブする(掴む)」という考えがあると思うんですが、そういう自己本位な考え方は十字軍遠征の時から何にも変わってないです。
そしてこのオペラ…ああ、また主人公が愛のために死んだ(T_T)。このメロドラマなパターンが、19世紀イタリアのオペラのパターン、舞台がエジプトだろうが現代だろうが関係ないです。日本の昔の少女漫画の多くは、ぜったいに19世紀オペラを題材にしてるな。そして…ワンパターンだと分かってるのに泣ける。。どうせ映画やテレビドラマを見るなら、オペラは話が映画やテレビ以上に面白いし、音楽は完全に上を行ってるので、たまにはオペラを見るのもいいんじゃないかと(^^)。
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