
面白すぎてメシも食わずに一気に読んでしまいました。柳澤健さんというルポライターさんの本は、昔「
1976年のアントニオ猪木
」も読んだ事がありまして、それも最高に面白かったですが、こっちも負けないほど素晴らしかった(^^)。一世を風靡したプロレス団体UWFの実際を、かなり公平な目で書いたルポルタージュ本です。猪木からUWFの流れのプロレスの大ファンだった僕は、この本で書かれている試合や出来事をみんなリアルタイムで知っているので、読んでいて「そういう裏があったのか」「なるほど」と、舞台裏や種明かしを知る感じで、メッチャ楽しかった!
今の時代、プロレスを八百長と思ってない人なんていないでしょうが、昔だってそうだったと思います。でも、僕が子どものころのある期間だけは、リアルかフェイクか混然とした時代があったのでした。それは、
猪木さんが異種格闘技戦をやった頃から、
佐山さんや前田さんや藤原さんがいたUWFの頃まで。「ガリガリで動きの遅い馬場がチャンピオンの全日はさすがに八百長だろ。でも、動きは速くて技も多彩な新日はリアルなんじゃないか?」僕が小学生の頃、友だち間の認識はこんな感じ。とはいえ、新日本だって完全に信じてたわけじゃなくて、リアルかフェイクか疑心暗鬼。プロレスは強い方が勝つルールでしたし、またその強さにしびれていたので、その強さが本物であってほしかった、それがリアルであって欲しいと望む心理だったのかも。純真だった子供の僕たちは、優雅な全日のプロレスを芝居と割り切って楽しむ心のゆとりがなかったんですね(^^;)。そして、
「ガチであって欲しい」を裏づけしてくれる救いが、異種格闘技戦の猪木だったり、ロープから跳ね返って来ないUWFでした。実際、その戦いの中にはリアルファイトが少し混じっていたので、嘘と本当を混ぜられて、子どもが判断不能になったのも仕方ない。そこにロマンがありましたね~。
この本は、事実をルポするスタイルなので、信じたい人にはつらい内容もちょっとだけあるかも。でも、何でもかんでも全否定ではなく、何がフェイクで、なにが本物だったのかが分かるし、あくまで公平な書き方なので、僕には最高に面白かったです。僕がプロレスを観なくなってからもう25年近くたっていますが、猪木の異種格闘技戦あたりからUWFまでのプロレスは本当に面白かった!今となってはどれがリアルでどれがフェイクかなんてどうでも良くなっていて、あれだけ熱狂させてくれたことに感謝。そして、実際に何があったかをスッキリ整理してくれたこの本にも大感謝です。
UWF関係の舞台裏をつづった本はゴマンと出ていますが、1冊だけ読むならこれが一番面白くて分かりやすい!時系列で書いてくれてるので浅いファンの人でも安心して読めそう。猪木、UWF、総合格闘技のどれかひとつでもハマった事がある人なら、間違いなく楽しめる本じゃないかと!
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