
おっと、音楽のブログなのに、虫プロ制作のアニメ
『アンデルセン物語』の音楽に触れずに終わっちゃう所でした(^^;)。
このアニメの
「キャンティのうた」というエンディングテーマがムチャクチャにいい曲で、涙なくしては聴けないほどなのです。詞がとても子供番組とは思えない内容で、「いつか知らない街であなたと出会い、いつか知らないままにあなたと別れた」という内容。でも、こういう詞を聴いて、幼いながらに感じるものがあったんですから、子どもの感性って馬鹿に出来ないですよね。
そして、詞の展開と音楽のリンク具合がヤバい。AABAという典型的なアメリカン・ソング・フォームの中で、ラストAが別れの場面に割り振られています。だからそのメロディは言ってみれば第1主題の再起部になるわけですが、最後のオチで和声進行に仕掛けが。「あ、元メロに戻った」と思った瞬間に、和声がグニャリと変化して…
tonic はF なのでドミナントモーションを起こすツーファイブはGm-C7-F ですが、このツーファイブ直前の動きが「
C - C7 - Cm6/E♭- Gm7 - C7 -F」。ほんの少しの工夫なんですが、その少しが絶大な効果で、これが泣ける。。
でもこの「キャンティのうた」、CDが見つからなくて苦労しました。ようやく見つけたのが、コロムビア内で仕事を干されたディレクターが何の愛情もなくやっつけ仕事で終わらせた感がにじみ出たようなジャケットのこのCD(^^;)。でも、これを買うしか手がないのでした。やっぱり音楽は素晴らしかった!
「ジャングル大帝」も「リボンの騎士」もそうですが、虫プロの初期アニメは管弦伴奏の歌曲が多くて素晴らしいです。
ついでに、このCDに入っていた曲で、個人的に燃えたものをいくつか。「スペクトルマン」のオープニングは燃えた!スペクトルマンはドラマも面白かったので、いつか感想を書ければいいなと思ってます。「ガメラ」の音楽は懐かしすぎてちびりそうでした。逆に、「帰ってきたウルトラマン」や「仮面ライダー」は何度も聴いているので懐かしさを感じなかったのですが、つまりいまだに卒業できていないのかも。「キックの鬼」「魔法のマコちゃん」「さすらいの太陽」は、アニメの記憶はかすかにあるようなないような…という状態で、音楽に至っては聴いてもまったく覚えてませんでした(^^)。でも、これらのあまり振り返られる事のない曲が収録されてるって、貴重だと思います。こういうのって著作権が切れたら、国立国会図書館でデジタルライブラリー化して公開したらいいんじゃないかな~。
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