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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『Robert Fripp / Exposure』

Robert Fripp_Exposure キング・クリムゾンのリーダーのロバート・フリップが発表した初のソロアルバム『エクスポージャー』、1979年発表です。79年という事は、再結成した80年代クリムゾンより先ですね。

 キング・クリムゾン、現代音楽、ニューウェイヴ、スタジオミュージシャンとしてのポップスの仕事…ロバート・フリップがやってきた事をチャンポンしたアルバムでした。

 イントロダクションとして入っていたのが現代音楽調な和声の無伴奏合唱。お、これはいいんじゃないか…と期待に胸ふくらませたところで、チープでヘタクソなニューウェーブ系ロックンロール(^^;)。これはふざけてるのかな…な~んて思ったんですが、ロバート・フリップはこの後に「リーグ・オブ・ジェントルマン」なんていう本当にパンク/ニューウェイヴ系のバンドを作ってしまうから、意外とマジだったのかも。その次は『太陽と戦慄』あたりのクリムゾンっぽいトリッキーなアルペジオを使った曲。でもコーラス系のエフェクター挟んじゃってるもんだから音が安っぽい、安っぽいぞ。そしてヴォーカリストを立てて、ブライアン・イーノと作った環境音楽的なポップス…マジでチャンポンです。

 う~~ん、これは一貫性がないし、僕の趣味のクリムゾン方面に行った時ですら音がチャラくて指先だけの音楽にしかなってませんでした。この後ロバート・フリップはキング・クリムゾンを再結成し、また「リーグ・オブ・ジェントルマン」というパンク/ニューウェイヴなロックンロールバンドも作り、フリッパートロニクスなんていうものを使った環境音楽みたいなものまで手を出しますが、うまいからやろうと思えばいろいろ出来ちゃうわけで、やりたい事をひとつにまとめる事が出来なかったのかも。スーツを着た時点で、僕にとってのロバート・フリップは終わっていたのかも(^^;)。あ、でも、『リザード』『太陽と戦慄』あたりのクリムゾンと比べるからそうなのであって、70年代後半のニューウェーヴなアルバムとしては聴きどころが色々あって悪くない気がしました。


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書籍『芸術歌唱のための発声法』 エミー・ジットナー

GeijyutuKashou no tameno Hasseihou 僕が歌い手さんへのアドバイスのために読んでみた本の中で一番高度なものが、これと『うまく歌えるからだのつかいかた』でした。たぶん、すごく良い本なんだろうと思います。ただ、この本は本格的に声楽を学んでいる人(しかも恐らく中級以上)のための本だったので、僕みたいな初心者にはハードルが高いかも。でも、声楽のレッスンってこんな感じなんだろうな、というのを垣間見れただけでも貴重な経験でした。

 著者のエミー・ジットナーさんという方ですが、昔の音楽教師みたいに、けっこう癖が強いです。例えば、最初に語られているのは人間形成についてですし、「そうする事で宇宙に開かれる」みたいな表現も…こういう音楽教師の方って、僕も人生で何人も出会いましたが、先生が伝えようとしている事を理解するのが本当に難しかった。。でも、若い人がこういうのを「不思議ちゃんだな」と馬鹿にして読むのをやめちゃったらそこでオシマイ、だから先生が本当にただの不思議ちゃんなのか、それとも本当に素晴らしい人なのかを見極めたうえで、後者なら何とか理解しないといけない。この本を読む人って、きっと声楽で何らかの行き詰まりを覚えた人が読むのだろうから、先生がどういう事を言いたいのかを理解しようとする姿勢や能力が問われるんじゃないかな(^^;)。
 こういう感覚的というか主観的な表現になってしまうのって、身体技術的なものではどうしても仕方がないと思うんですよね。たとえば「横隔膜を下げる」とか「鼻腔を広く保つ」といっても、どちらも目に見えるものではないので、体性感覚としてどんなイメージや感触なのかを伝えるしかない、みたいな。あくまで僕の印象ですが、この人がイメージして使ってる言葉って、実際にそれを出来た人の言葉なんだろうな、とは感じました。

 で、本題。この本、声楽のいろんな発声に対してかなり具体的な対処を書いているんですが、ベースには「自然な体勢で」とか「力を抜いて」とか、あくまで基礎がメインになっているように感じました。それを守った上で、それぞれの対処について書いてある、みたいな。
 で、それぞれの指導ですが、ムチャクチャ実践的です。たとえば、コロラトゥーラは「初めの音は十分に保つ」、「コロラトゥーラが続いている間は口の構えはずっと同じ」とか。僕は声楽のシロウトなのでぜんぜん知らないんですが、「へえ」って思いました。こういうのって、うまくできないで悩んでいる実際のプレイヤーにはものすごいヒントになると思うんですよね。声楽じゃないけど、僕はピアノでそういう体験を何度も何度もしたので、なんとなく分かる気がします。
 で、具体的な指導は、「高い位置による発声法」、「声の矯正」、「母音を均質化する訓練」、「頭部共鳴腔を広げる練習」、「フラジオを得る練習」、「高音を得るための練習」、「コロラトゥーラのための練習法」など。ね?初心者やポピュラーではちょっと高度すぎるでしょ?でも、クラシックの声楽家にとってはまさにここ!ってところのアドバイスなのかも。そして、すごく実践的なアドバイスだらけでした。しかも、アドバイスは実践的だけど我流じゃなくて、ちゃんと科学的なものと参照しながら「科学的にはこうらしいけど、イメージとしてはこんな感じで…」みたいになってるのが素晴らしかったです。

 エミー・ジットナーさんという方は、ウィーン国立音大などでも教鞭をとっていた優秀な指導者らしいし、この本も海外では名著と言われているんだそうです。声楽家じゃない僕が評価出来るようなレベルにはない高度な内容でしたが、クラシックの歌手で何か悩んでいる人には、読んでみると大きなヒントになるかもしれない本なんだろうな、と思いました。いやあ、まじで高度だった(^^;)>。。


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書籍『はじめての発声法 基礎を学ぶポイント30』 ジャン=クロード・マリオン

Hajimete no Hasseihou_Jan Kuroudo Marion 人にアドバイスをする以上、適当なことは言えないので発声法関連の本を読みまくりました。講師自体がちょっとアヤしいポップス系初心者向け本は避けたのですが、この本はタイトルが「はじめての」と書いてあるところがちょっと心配だったものの、出版社が音楽之友社だったし、初心者向けの方が実際の初心者の僕にはいいのではないかとも思い、トライ!

 な~んて舐めてたら、装丁やタイトルとは裏腹に、本格的な本でした(^^)。書いてあることは他の発声法の本と大体同じだったので、発声法のメインテキスト候補に入れてもいいんじゃないかと。他の発声法関連の本より良いと感じたのは、図や写真が多く、そこが分かりやすかったです。デメリットは、ページ数は少なく図が多い分だけ言葉が少ないので、説明が分かりにくかったです。正直言うと、もし僕が最初に読んだ発声法の本がこれだったらピンと来ない事が多かっただろうという意味で、2択なら、僕なら『発声法の手引』を先に読むかも。で、それで問題ないようなら、この本は読まないで終わらせそうです。

 でも、1冊で問題点が残った場合は、メソッド本は何冊でも読んで問題を解決させるべきと思うので、そういう時にはやっぱり候補に入れてもいいんじゃないかと思いました。セカンドオピニオンの本として良さそうだったのは、、喉頭、咽頭、舌の構造と使い方と、それらのエクササイズやチェック方法が書いてある事でした。他の本だと、姿勢や呼吸法などは素晴らしく良く書いてあるんですが、咽頭や舌はあまり細かく書いてなかったんです。咽頭が3つあるなんて知らなかったよ(^^;)>。図版を期待するなら、『うまく歌える「からだ」のつかいかた』という本が素晴らしくて、そっちを推薦したいです。あ、その本についてはまたいずれ紹介したいと思います。

 というわけで、なかなか良かったけど、初学者が読むなら、『発声法の手引』や『コンテンポラリー・シンガーのためのヴォーカル・ワークアウト』を先に読む事を推奨でしょうか。あ、でも間違いなくいい本でした!


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書籍『発声法の手引』 狩野了衛

Hasseihou no Tebiki_KanooRyouei ちょっと前に、あるヴォーカリストさんに曲を提供しまして、その流れでその曲の簡単な歌唱指導をする事になりました。作曲家が歌唱指導する事ってたまにありますが、あくまでメロディを伝える程度で、僕もそれぐらいのつもりでした。それって、ピッチやリズムやブレス位置の指摘程度のもので、それ以上は越権行為でもあるし、だいたい発声もろくに勉強した事もない僕に指導なんて出来るわけないっす(^^;)。でも今回のヴォーカリストさんはそういう訳に行かなかったんです。ピッチもリズムも発音(ちゃんとアイウエオになってるかとか、その程度の事なんですが)も、何回指摘しても直らないので、どうやれば治るのか、何が障害になってそれが出来ないのかまで入り込む必要が出てしまったのです。
 で、指導しているとだんだん分かってくる事があって、高低とか音を伸ばすとかだけでも、姿勢とか呼吸法とか色んな事が関わってるんだな…みたいな。これは発声法からやらないと修正出来ないんじゃないかと思いまして、発声法に関する本を何冊か読みました。7冊かな?これはその中の一冊です。ちゃんと学びたいと思ったので、ポップス系ではなく、クラシックの声楽を学んだ指導者か、ジャズならバークリーでメソッド化されたもの、そして初心者の僕にも分かりやすそうなものから選んだわけです。教科書を間違えるのがもっともやってはいけない事で、ここを誤るといくらやったってうまくなりませんものね。

 おお~これは分かりやすい、そしてものすごく的確!自分でやってみながら読んだんですが、こんなに違うものなのか、驚くほど効果てきめん…まあ、すぐに成果が出るという事は、自分がどれだけダメな歌い方をしていたかという事なんでしょうけど(^^;)。。

 内容は基礎に重点が置かれていて、以下のような構成でした。僕的には6章は不要なので、大事だったのは1~5章、特に2章がものすごく大事でした!

第1章 姿勢
第2章 呼吸法
第3章 構音(調音)
第4章 発声の方法
第5章 技術的な各種唱法
第6章 変声期の実態とこの時期の歌唱指導

 1章の姿勢。胸より上は完全に脱力して、下半身に乗せるような形でまっすぐ立つみたいです。で、目線は自分の目より少し上ぐらいが正解。当たり前と思うでしょ?でも、これが実際にやってみると簡単でない、舐めちゃダメ。出来る人には簡単なんでしょうが、ヴォーカリストでも出来る人は多くないのだろうし、つまりほとんどの人はこのベストポジションをキープするために何年も練習を続けるんでしょうね。。で、脱力しての姿勢が出来ないと、次の呼吸法が出来ないのです。いやあ、やっぱり教科書は読むべきだな、我流で太刀打ちできるものじゃないと1章にして痛感(^^;)>。

 2章の呼吸法、これが白眉!呼吸には胸式呼吸と腹式呼吸がありますが、歌を歌う時には腹式呼吸で歌うという事。この腹式呼吸、シロウトの僕には出来てるんだか出来てないんだか自分で判断するのがとっても難しかったです。実際、腹式呼吸で歌えてない人は、ポップスやロックだとそれなりにいるんでしょうね。もちろん、ポピュラーなら腹式じゃないとダメという訳でもないんでしょうけど、僕が良いと思うヴォーカリストで胸式の人っていない気がするので、胸式だとやっぱり最初からある程度ハンデを背負うのかも。腹式って、はじめは腹や胃も動いてしまうけど(今回のヴォーカリストさんがそうでした)、練習しているうちに横隔膜そのものをコントロールできるようになるそうです。そして横隔膜を下げて支えを作り、横隔膜より上の胸や顔はとにかく脱力。いやあ、「支えを作る」という言葉は声楽の世界でよく聴きますが、実際にやってみて初めて何となく分かった気になれました。横隔膜で支えを作るという事なんですね。横隔膜を下げた状態でその部分だけ少し力を残し、ここで呼吸を制御する…なるほど、理屈は分かったしどうするかも何となくわかったけど、これがけっこう難しい。横隔膜が通常時より上に来た状態で歌うようでは全然ダメ、常に通常時より下に下げた状態で歌うのだそうです。
 横隔膜の下げ方は2種類あって、ひとつは下腹部に押し下げる方法、もうひとつは横隔膜を両脇腹の下に抱え込む形にする方法。どっちでも良いそうなんですが、自分では2つ目はどうやればそうできるか分かりませんでした(^^;)。。
 もうひとつ大事なことは、腹式呼吸で吸い込んだ息を留めておくことだそうです。
 腹式呼吸の具体的な練習方法。
 1. 横隔膜を中心に胴回り一帯に充分吸い込む
 2. 横隔膜を支えたまま呼気をいったん止める
 3. 上下の歯の隙間より「ス…」という音を、ムラのないように30~40秒をかけて出す。


 第3章の構音(調音)。まずは、のどの開き方。開くのが理想ですが、開きすぎはダメ(共鳴を失う)。じゃあどこがちょうど良いかというと、笑う時やあくびの時ぐらいがちょうどいいんだそうです。で、口腔(こうくう)と鼻腔(びくう)の両方に、腹から来る呼気を通すという事ですね。で、首や舌根に力が入ると、呼気が通りきらずに音がこもるので注意。こういうのが、読んでると何でもないんですが、ヴォーカルのレッスンをやっていて、歌い手さんの声が鼻づまりになる事があって、その原因はここなんじゃないかと思ったので、当たり前と思っても出来てない人は多そう。AKB なんてみんなこれですしね。。
 アイウエオ、この口の形をしっかり作って歌う。これも当たり前のようで、歌い手さんは「ア」が「エ」に近くて、口が横に広がるんです。これも当たり前のようで、ヴォーカルさんは何回指摘しても直せませんでした。基礎って大事だ。。

 第4章の発声の方法。これも「ム」と「ン」の発音方法とか、ものすごく勉強になりましたが、特に自分の勉強になったのは声区(声のレジスター)のところ。声区は、胸声、頭声、中声、ファルセット、地声、の5つ。頭声も言葉は知っていましたが胸声と何が違うのかぜんぜん知りませんでしたが、頭を響かせた声。頭声を作るには笑顔にして歌うと出しやすくなるそう…マジか?(ただ今実践中…)おお~本当だ、確かに胸じゃなくて頭を響かせてる感じがする!で、胸声~中声~頭声というのは明確に境界を作のではなく、低い音から高い音までを発音して境界を滑らかにしていく訓練をするんだそうです。ファルセットは西洋でいうと上頭声の事、地声は声帯自体が力で振動されている状態の発声だそうです。いやあ、まじで僕は何にも知らないんだなあ。理解が正しいかどうかは分からないけど、自分でやってみるとなんとなく分かった気がする。
 で、腹式呼吸の呼気で振動させられた声帯が諸共鳴腔に直行できるフォームを作る、と。で、「声帯の振動を自然にするために首筋や舌根に力を入れては絶対にダメ」、「横隔膜の支えで共鳴腔をひろげてやる」みたいな。

 5章は技術的な各種唱法。まずはピアノとフォルテ。この技術が簡単そうで一番難しいんだそうで。ピアノでも喉を詰めたり共鳴腔を縮小してはダメで、フォルテと同じように共鳴腔を開いておくんだそうです。マジか…。フォルテは、喉頭部や胸部を締め付けるのは論外、横隔膜から鼻腔までを一体として共鳴を目指すんだそうです。
 トリル。喉元の力をぬいて、うがいの要領で口蓋垂を震わせながら発生。ええ~そうやるの?!ちょっとやってみよう…なるほど~!!うまくはできませんでしたが、どうやるのかはじめて知った!!いずれにせよ、僕がカラオケで歌ってる歌い方はすべて間違いじゃないか…。
 メザ・ヴォーチェ。ごめんなさい、これだけは読んでも分からなかったです(^^;)。こういう歌唱法があるんですね、音楽ってどの分野も奥が深い。。

 この本が扱っているのは発声法の基礎の基礎だと思うんですが、それがいい加減じゃなくてきちんと根拠をもって書かれているのが素晴らしかったです。そして、実際にやってみると、すぐにはうまく出来なかったけど、なるほどこうやって歌うものなのかとちょっと感動。で、出来ない時は難しい事をやるんじゃなくて、基礎の何かが出来てないんでしょう、だからここがきちんとした教本がある事が重要なのかな、と。今回、発声法の本を7冊ほど読んだんですが、歌を始める人の最初の一冊として良さそうだったのはこの本でした!この本、ジャンル問わず使えると思います。超おススメ!


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『タイの音楽 (世界民族音楽大集成17)』

Tai no ongaku_SekaiMinzokuongakuDaishuusei17 タイの3つの古典音楽のうち、モーラムクルアン・サーイは一応聴く事が出来ましたが、一番有名なピー・パートを聴く事が出来てない(T-T)。というわけで、ピー・パートを聴くことのできるCDを探し求め…おお~ありました!キングレコードが出した世界民族音楽大集成の17巻が、タイの音楽でした!こうやって見ると、僕のタイ音楽体験はキングレコードにおんぶにだっこですね。。このCDは、ピーパート1曲、クルアン・サーイ合奏1曲、クルイ独奏1曲、マホーリ―合奏3曲の構成でした。タイ音楽を網羅じゃないですか、これは良いぞ(^^)。

 ピーパート。おお~これはカッコいい!!なるほど、金属製や竹製(?)の旋律打楽器が2チームに分かれて、センターにはチャルメラみたいな管楽器がいました。ムエタイみたいで、かなり白熱した音楽。争うようにどんどんアッチェルして…みたいな所を聴くと、かなりバリのガムランに似てる感じでした。というか、インドシナ半島は竹製や金属製の旋律打楽器をけっこう聴く事が出来ますね。もう、このカッコ良すぎるピーパートを聴けるだけでも、このCDは買いじゃないかと。

 クルアン・サーイは、歌のうしろに打楽器、チン、それに擦弦楽器に撥弦楽器、ついでに笛まで入って、まさにアンサンブルによる歌伴奏って感じ。ピーパートみたいな白熱する熱い音楽じゃなくて、夕方に酔っぱらって気持ち良くなってる、みたいな音楽に聴こえました(^^)。

 マホーリーは、弦楽器中心のアンサンブルでの歌の伴奏音楽という事でしたが、旋律打楽器に擦弦楽器に笛にチンに…と、何でも入ってる感じ。昔は弦楽器中心だったかもしれないけど、今はもう編成が拡大したのかも知れません。でもそうなると、僕にはクルアン・サーイとの差が分からなかった。。っす。でも、こっちの方がちょっと厳かな感じがしました。厳かと言っても、リズムは緩やかにアッチェルしたりリットしたりするし、音楽も盛り上がったり引いたりとゆるい起伏に富んでいて飽きずに気持ちいい。。この緩く押し引きする感じも、インドネシアの音楽に似て感じました。

 クルイ独奏。説明がないんで分からないんですが、音から判断するにクルイというのは竹製フルートみたいな楽器なんじゃなかと。あと、独奏と書いてありましたが、片面打楽器とチンの伴奏がついてました。そして、演奏がなかなか雰囲気があって良かった!アンチクライマックスで、湯上りに月を見ながらずっと聴いていたくなるような笛…何いってるんだか分かりませんね(^^)>。

 タイの古典音楽の3つの形式であるピーパート、マホーリー、クルアン・サーイの3つ全部聴けるし、演奏も今回聴いたCDと比較して一番いい!というわけで、今回聴いた4枚のタイのCDから1枚だけ選ぶならこれ!あと、タイとか関係なく趣味で聴くなら、超絶のケーン演奏を聴く事が出来る『イサーンのスピリチュアル・ソング~タイのモーラム』もいいかも。でも、この世界民族音楽大集成のシリーズ、昔はバラで売ってたのに、今は手に入れにくいみたいなんですよね。。


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『イサーンのスピリチュアル・ソング ~タイのモーラム』

Isan no Spiritual song_Thai no moLam タイの古典音楽は、音階打楽器中心のピー・パートと、弦楽器中心の歌伴奏のマホーリのふたつがある…な~んて民族音楽の本で学んだ僕でしたが、このCDに入っていたモーラムは、ケーンというタイの笙を伴奏に歌う音楽。そして…この笙の演奏が超絶でビックリ!!歌もうまかった!

 まず、ケーンという笙ですが、日本の雅楽で使う笙に比べてもの凄くおっきい!そして音にビックリ。シンセサイザーか足踏みオルガンのような音で、なんというか…えらくデジタルな感じ。演奏はモデラートぐらいで、グイグイ進む感じ。演奏はトーンカム・タイカーという人で、べらぼうにうまい。これは演奏で金取っていいわ、すげえ。
 歌もうまくて、歌唱法は日本の民謡みたい。歌っているサウィーワン・ダムヌーンという女性歌手はなんでもモーラムの家系の7代目だそうで…なるほど、うまいわけだな。

 いや~、モーラムっていう音楽をまとめて聴いたのは、僕はこのCDぐらいなんですが、凄かったです!例えれば、プログレ民謡みたい。この生き生きした感じだと、古典音楽を保存目的で演奏してるんじゃなくて、リアルタイムでバンバン演奏して、新作も生まれまくってる音楽な感じがしました。やっぱり音楽は生きていてなんぼですよね。これは超絶にカッコいい、超おススメです!


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『アユタヤ追想 ~タイ古典音楽の巨匠』

AyutayaTuisou TaiKotenOngakuNoKyoshou 『アユタヤの栄華 ~タイの古典音楽』と姉妹関係にあるCDだと思います。どちらも1991年のタイ録音ですしね(^^)。タイトルからしてこれもタイの古典音楽と思いますが、曲名は書いてあるけどサブタイトルにも解説にもジャンルが書いてなかったので、何と呼ばれるスタイルなのかは分かりませんでした。編成は、擦弦楽器が中心で、後ろでチンという鈴と、トーン、ラムマナーといういずれも片面太鼓の伴奏がついてました。伴奏楽器が同じなので、これもクルアン・サーイに入るのかな?あるいは、擦弦楽器の演奏見本みたいな感じなのかも。

 このCDに入っていたのは3曲で、センターの擦弦楽器の種類だけが変わる状態でした。2弦のソー・ドゥアン、同じく2弦で少し大きめのソー・ウー、3弦のソー・サム・サーイです。最初のふたつは、僕には楽器の差はあんまりわからなかった(^^;)。ソー・サム・サーイはいろんな演奏の可能性がありそうですが、中国のムッチャうまい演奏家たちに比べると、タイの演奏家は今ひとつかも。もしかすると、音楽の専門家じゃなくて、普段は違う事やってる人たちなのかも。

 面白かったのは、テンポがあるタイミングで一斉に速くなって、また一斉に遅くなって…みたいな所があったんですが、これはバリ島のガムランケチャに通じるものを感じました。楽器の音も音楽も中国音楽に近く感じるんですが、少しだけインドネシア方面の音楽が入り込んでるのかも。音楽は、CD『アユタヤの栄華』と似た印象で、日ごろ演奏している音楽じゃなくて、行事の時にだけ演奏される形式化された音楽という印象でした。

 このCDで残念に感じたのは、解説が雑な事。音楽学者が同行せずに録音班だけでタイに行ったのかも知れませんが、楽器や曲の紹介ぐらいしかなくて、音楽の紹介はほぼ無し。古典音楽を聴く時の楽しみは音だけでなく、、西洋音楽にはない種類の音楽がどのように出来ているのかを知ったり、そのアングルを知る事にもあったりするので、いろいろ説明が欲しかったなあ。


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『アユタヤの栄華 ~タイの古典音楽』

Ayutaya no Eiga_Tai no KotenOngaku ずばりタイトル通り、タイの古典音楽のCDです!日本のキング・レコードのCDですが現地録音という所がいい!とはいえ、音がスタジオ録音っぽいんですけどね(゚∀゚*)エヘヘ。入っていたのは、チャケーという3弦の箏の演奏(ハンドパーカッションと鈴の伴奏つき)と、クルアン・サーイ合奏というのが入ってました。

 チャケーという名の3弦箏の演奏は、トレモロで1.2.4.5.6という5音音階を行ったり来たりするもので、音楽的にはけっこうつまらなかった(∵`)。雰囲気的には、中国とインドネシア両方の朝廷音楽をミックスして俗楽化した感じ…って、それが東南アジア音楽という事ですね、きっと。曲種がカメーン(カンボジア風)とかラーオ(ラオス風)なんてなってたのは、東南アジア音楽でも、国ごとの色があるという事なんでしょうね…修行が足りなくて、僕にはまだその差が分かりませんが(^^;)>。

 クルアン・サーイ合奏は、タイの結婚式などの祝い事で良く演奏されている音楽で、チャケー(3弦箏)ソー・ドゥアンとソー・ウー(胡弓みたいな楽器)、それにハンドパーカッションにベルという編成でした。これも雅な感じの音楽で、ゆったりしていて…悪く言えば退屈?ちなみに、タイの合奏音楽には、古くは旋律打楽器中心でダイナミックな「ピー・パートと、弦楽器中心の声楽伴奏音楽「マホーリのふたつがあって、後年になってこの弦楽器と笛と太鼓の「クルアン・サーイ」が加わったんだそうです。後年といったって、18世紀ぐらいらしいです。

 何となくですが、これは市民の中で生々しく演奏され続けてる音楽というより、行事の時にだけ演奏される形式化された宮廷音楽という感じがしました。なんか、形だけなぞってる感じで、躍動するものがないんですよ。タイというからキック・ボクシングの時に鳴り響いてる音みたいな激しいのを期待していた僕が悪いのかな?
 

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『Charles Mingus / Mingus Ah Um』

Charles Mingus Mingus Ah Um 1959年にチャールズ・ミンガスが発表したアルバムです。これもよく名盤ガイドで見かけた1枚ですが、確かにカッコいい!!いやあ、ミンガスの音楽は本当に素晴らしいものが多いなあ。編成はセプテットで、Charles Mingus (b)、John Handy、Shafi Hadi、Booker Ervin (sax)、Jimmy Knepper またはWillie Dennis (tb)、Horace Parlan (p)、Dannie Richmond (dr)。

 このアルバム、セクションの決まり具合が素晴らしかったです。綺麗に揃えるんじゃなくて、アクセントを強くしてゴリゴリ押し込んでくるうえ、ブラス・アレンジ自体も素晴らしく、音楽全体が躍動しまくり!「Boogie Stop Shuffle」なんて、セクションの決まり具合だけを聴くような曲なんですが、どす黒い決まり具合がカッコ良すぎる…。「Bird Calls」のドラムソロあけにひとりフライングしている人がいますが、アルバム全体がそのぐらいの突進感、やっぱり人生は前のめりじゃないとね(^^)。これに似た音楽ってないんじゃないかというほどの個性と攻撃力でした。エリントンビバップバッハを混ぜて攻撃性と抒情を増したのがミンガスだと思ってるんですが、僕はエリントンやビバップより攻撃性や抒情が前に出た時のミンガスが大好きなもんで、2曲目「Goodbye Pork Pie Hat」のなんとも言えないブルーな抒情性や、有名曲「Fables Of Faubus」の怪しい感じが特によかったです(^^)。
 ただ、このアルバム、かなり長くて、あれこれやってまとまりに欠けるきらいもあり、聴いていて途中で集中力が切れちゃうんです。『タウンホールコンサート』『直立猿人』ぐらいに、やりたい事を絞り込んで、短めにやってればもうちょっと有り難かったかも。アホなもんで、あれもこれもやられると混乱しちゃうんです(^^;)>。

 このへんの時代のミンガスはアトランティックだけでなくCANDID からもアルバムをリリースしてました。1年のうちに4枚も5枚もアルバムをリリースしている状態だったのが驚き。それでも、ロリンズやプレスティッジの時のマイルスみたいに、テーマ演奏したらあとはみんなでアドリブまわしてオシマイならどんどん作れるでしょうが、ミンガスはちゃんとアンサンブルを書いている所が凄い!う~ん、ミンガスのレコードは若い頃に買いまくったもんで、少し数を減らしたいと思ってるんですが、カッコいいものだらけなのでぜんぜん減らせません。こまったもんだ。


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『Charles Mingus / Blues & Roots』

Charles Mingus _Blues and Roots チャールズ・ミンガスによる9重奏団のアルバム、1959年発表です。これはむっちゃくちゃカッコいい、ロック好きでもクラシック好きでも、音楽が好きな人だったらこのレコードは絶対に聴くべし!!というか、1959~60年と、ドルフィーが参加した1964年のミンガスは、傑作のオンパレードです!

 とにもかくにも、音楽がえらく攻撃的で攻めまくり!アルバムタイトルから、「ブルース曲をサクッとセッション的にやってお茶を濁したアルバムなのかな」な~んて心配してたんですがとんでもなかった。そういえば、ジョン・コルトレーンにもブルースアルバムがありましたが、あれも素晴らしかったな。。ブルースの意味をどうとらえるかという問題があるんでしょうね。ミンガスさんの場合、ブルースなんかのジャズのルーツにある音楽に黒人音楽のアイデンティティを求めた上で発展させる、みたいな思いがあったのかも。「My Jelly Roll Soul」なんて、たしかに古き良きジャズって感じの音楽でしたし。

 なんでこんなにカッコいいと感じるんだろう…ビートミュージックとしてビートの推進力が強烈とか、ジャッキー・マクリーンやブッカー・アーヴィンのソロが強烈とか色々とあるんでしょうが、いちばんは複雑さ、分かりやすく単純なものじゃなくて複雑に入りくんだ情報の多さじゃなのかも。例えば、このアルバムは6管編成ですが、かなり対位法的なアンサンブルで、しかもそのうちの何人かがアドリブに行く事もあって、これが形式的にも非常に複雑になってるし、サウンド自体も混沌とした部分を生み出しているように感じます。これはクラシックやロックや純邦楽などなどの他の音楽ではなかなか聴けないカッコよさ。それでいてアンサンブル部分はしっかりしているから全体のフォルムが崩壊してしまう所まではいかない、みたいな。いや~これはカッコいい。。あ、ついでに、この管楽器アンサンブルですが、ボントロはいるけどペットがいません。狙ってやったのかペッターがいなかったのか分かりませんが、結果的にこれで管の重心が低い所に固まって、暗黒な感じでやばカッコいい。。

 マイルス・デイビスもジョン・コルトレーンもチャーリー・パーカーも好きですが、ジャズの名コンボでひとつだけ無人島にレコードを持っていっていいと言われたら、僕ならミンガスだなあ。これは素晴らしい音楽、墓場まで持っていきたいレコードのひとつです(^^)。。


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『Charlie Mingus / Tijuana Moods』

Charlie Mingus _Tijuana Moods 日本タイトルは『メキシコの想い出』、チャールズ・ミンガスが1957年に録音したアルバムです(リリースは62年)。56年が『直立猿人』で57年が『道化師』にこのアルバムですから、ドルフィーを迎えて強烈な演奏を聴かせた64年に並んで、ミンガスのコンボが絶好調の時期のひとつですね(^^)。ミンガスがメキシコに行った時の想い出をもとにして書いた曲を収録しているそうで、思いっきりフラメンコっぽい曲もあったり、異国情緒たっぷりな1枚でした。

 このアルバム、ミンガスの作品にしてはアドリブ頼りのところが多くて、かなりラフでした。アレンジ部分の素晴らしさが、ミンガスのコンボを聴く時の楽しみのひとつなもんで、ここはちょっとがっかり。1曲目なんて、フラメンコをパクったようなコード進行の上でえんえんとアドリブするだけですからね(^^;)。。それから、マリアッチの音楽っぽい引用があったり、フラメンコっぽいリズムの引用があったりするのは、なんというか…遊びに聴こえてしまいました。素晴らしいミンガス作品を知っているもんだから、なにも他の音楽から上澄みだけ持って来たような事をする必要なんてないのに、みたいな感じで、継接ぎに聴こえるのでした。

 名盤扱いされる事も多い1枚ですが、僕的にはちょっと残念だったかも(*゚ー゚)。


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『Charles Mingus / Mingus at the Bohemia』

Charles Mingus _Mingus at the Bohemia チャールス・ミンガスの作ったDebut レーベルが発表したレコードの中で、『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』に並んで有名な一枚じゃないかと!1955年録音、ミンガス自身のリーダー・アルバムです。僕が持ってるのは日本で編集された『コンプリート・チャールス・ミンガス・アット・ザ・ボヘミア』という2枚組CDで、発売当初は未発表テイクや途中で切れていた曲の完全版などが追加されていた事もあって、ジャズ雑誌で大きく取り上げられていました。

 ところが僕、このCDにはすぐには飛びつけなかったのです。ミュージシャンが、マル・ウォルドロン(p)、ゲストにマックス・ローチ(dr) という所までは良かったのですが、他がエディ・バート(tb)、ジョージ・バーロウ(ts)、ウィリー・ジョーンズ(dr) …ぜんぜん知らないミュージシャンばかりだったのです。しかもこのちょっと後、ダニー・リッチモンドにジミー・ネッパーにエリック・ドルフィーといった強烈なミュージシャンを揃えたジャズの歴史に燦然と輝く黄金のコンボが待ってるので、そのグループ登場前夜の佳作、みたいな印象があったのです。というわけで、中古盤屋でけっこう安く出るまでこのCDを聴かないまま時は過ぎ、ようやく聴いたのは実に40代を過ぎてからだったのでした(^^;)>。

 そして聴いたら…うおおおおおおおお~~~これはカッコいい!!大人しめな演奏が多いのでパッと聴きは渋く、あのグイグイくる『直立猿人』『道化師』、それにドルフィー参加時のコンボの破壊力やコンセプトの徹底度には敵いませんが、クラシックにジャズにブルースにと、色んな音楽を渡り歩きながら音楽を追及してきた感じがとてつもなくカッコいい!!

 1曲目「Jump Monk」は、大名曲「Pithecanthropus erectus」に似た構造。オスティナートを刻むベース独奏から始まって、見事にアレンジされた2管のアンサンブルが重なり、それがベースとシンコペーションを起こし…みたいな感じ。テーマをパッとやってあとはブレーキングコーラスでアドリブ…みたいな同時代のハードバップとは一線を画した音楽です。
 「Percussion Discussion」、これはほとんど古楽のコントラバス(オーバーダビングしてる?2重奏になってます)と、マックス・ローチのドラムのインプロヴィゼーションを掛け合わせたような音楽。ミンガスはジャズのど真ん中と思われがちですが、黄金のコンボを作る前から色んな音楽上の挑戦を繰り返していて、この時点で月並みなジャズなんてとっくに超えてます。

 これは黒い室内楽!2管のアンサンブルは実によく出来てるし、ところどころにバロックもラフマニノフもドビュッシーも出てくるし、クラシックとブルースとジャズのハイブリッドみたいな音楽は、ジャズどうこうというよりも音楽そのものを追及した結果んじゃないかと。
 それはコントラバスでのアルコの扱いの多さや、たぶんガット弦(!)を張ってる事なんかからしても、ジャズベースというのではなくコントラバス音楽そのものを追及してきた背景があるんだろうな、と感じます。ミンガスって「闘士」みたいなイメージが強いですが、実際にはインテリジェントな部分はすごくインテリジェントです。最初に聴くミンガスはこれじゃないと思いますが、『直立猿人』や『道化師』あたりを聴き終わったら、次はぜひこれも!あぶないあぶない、ミンガスが大好きなくせに、こんなに素晴らしい音楽を聴かずに人生を終えてしまうところだったよ。。


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『Charlie Mingus / Jazz Composers Workshop』

Charlie Mingus_Jazz Composers Workshop SAVOY原盤、1954~55年と、ミンガスとしてはかなり古い録音です。ところでこのレコード、クレジットが「Charles」じゃなくて「Charlie」なんですね。そういえば、アルバム『メキシコの想い出』もチャーリー表記だった気がします。ジャケットがダサく感じたし、『直立猿人』より前の作品なので、習作期だろうと推測して敬遠していたアルバムだったんですが、同じバンドでサックスを吹いていた先輩のアパートでこのレコードを聴かせてもらって超感激、ぶっ飛んだ!鳥肌が立つほどでした。あまりの感激に、僕が「仕事とはいえ、テーマやってアドリブなんてジャズばかりじゃなくて、こういうしっかりしたコンポジションものも出来るといいですね」と言うと、先輩は「そうしたいならお前がリーダーになるしかないだろ」。そうだよな、演奏でお金貰ってるプロミュージシャンなんだから、好きな事やりたいなら自分でやるしかないよな、みたいな。サックスの先輩にはチャーリー・パーカーの名盤を教えてもらったり、とにかく色々とお世話になりました。ジャズ演奏のあれこれを教えてもらって、聴くべきレコードを教えてくれて、バンドで辛い思いをしていた僕の精神的な救いにもなってくれて、いまだに感謝してます。

 このアルバム、カルテットのジャズ演奏と、ワークショップの実験が半々ぐらいのレコードです。そして、ワークショップ方面の実験的な3曲がすごい!!「Gregorian Chant」なんて、名前から均等分割の7音音階のモードのどれかを使った曲なのかな…と思ったら、メロディック・マイナーの第4モードじゃないかい?しかも、ベースのアルコから始まるし、なんと独特なんだろう、素晴らしい。。「Eulogy for Rudy Williams」は、ピアノが音列技法を基にした和声音楽の外にある無調のうえで、2本の管楽器が平行してアドリブ演奏しながら徐々にジャズ和声に近づいていくという曲。こんな素晴らしいレコードがあるでしょうか。僕個人としては、普通のジャズ演奏をやった半分はいらないから、アルバム全部をこっち方面で進めて欲しかった。。

 ジャズという作編曲がもの凄くいい加減な音楽で、立派な作曲と即興を両立しているのがミンガスの音楽の素晴らしさだと思います。聴いてない方にはなかなか伝えるのが難しいですが、ミンガスの音楽に触れた衝撃は、僕の中に今も残っています。「フォーバス知事」「So long, Eric」「直立猿人」「Haitian Fight Song」などなど、どれも今まで聴いた事もないようなコンポジションやアレンジに感激したものでした。そのミンガスの作曲やアレンジの原点が分かったようなレコードが、これでした。このジャズ・ワークショップというバンド、もとはハーモニーの勉強会から始まったらしく、このCDに参加している人だと、テオ・マセロ(tsax, bsax) が12音音楽の研究をしていたそっち方面の先生役で、ジョン・ラポータ(asax, cl) がトリスターノ門下生でそっち方面の先生。ミンガスは、なんといってもチャーリー・パーカーのバンドに起用されたほどの人ですから、エリントンからビバップまでの王道ジャズの先生だったんでしょう。これほどの人なのに、食えなくて郵便局でバイトをしていたというのだから、合衆国で民間が芸術音楽をやるというのがどれだけ大変だったのか分かるというもんです。それが成立しないのって、音楽を「癒し」とか「娯楽」としか捉えていない聴く側の動向にも左右されちゃうんでしょうね。2,3,9曲目は超クリエイティブ、必聴と思います!


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『マルチヌー:交響曲全集 ノイマン指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団』

Martinu_Symphonies_Neumann_CzechPhil.jpg マルティヌーの交響曲全集です!CD3枚全6曲、10年ぶりぐらいに聴きますが、前回聴いた時の印象は良かったので楽しみ(^^)。指揮者のヴァーツラフ・ノイマンはチェコの名指揮者、チェコフィルもチェコの代表的なオケという事で、チェコ出身のマルティヌーのシンフォニーを奏でるに最善のキャスティングだったのでは(^^)。

 音楽や演奏の前に、録音について。ちょっとオフ気味な録音で、よく言えば残響たっぷりでリッチな感じもしますが、ちょっとポワポワすぎる気も。ひどい訳ではないんですが、もうちょっとクリアな録音の方が音楽が分かりやすかった気がしました。

 マルティヌーの交響曲は、協奏曲より圧倒的に僕の好みでした、これはなかなか(^^)。僕はほとんどの作曲家で交響曲より協奏曲の方が好きなんですが、マルティヌーさんは交響曲のほうがいいなあ。協奏曲はどの曲も「どこかで聴いたことあるような」とか「よくある」という感じだったのに、交響曲は「すげえ、どうやったらこんなの思いつくんだ」みたいな(といっても、ちょくちょく他の作曲家の有名な作品からの引用があるんですが^^)。交響曲1番の冒頭なんて、短調系のスケールをあがっていった最後にメジャー系の和音に達し、すぐに次のスケールが上向してまた和音に、と思ったらまた次の…というように、構造もアイデアも和声アプローチもまったく独特で創造的、それでいて難しくならない所がすごい。。古典、ロマン、新古典を通過して、次に前衛に向かわずに独特な調音楽に踏み込んだ様子は、プロコフィエフブリテンを聴いているような感覚でした。前衛に向かわずに、それでいて新鮮な音楽を生み出す事が出来るんですねえ。。

 久々にマルティヌーの作品をまとめて聴きましたが、アーティストというより職業プロフェッショナル的に感じました。古典派~ロマン派~新古典~現代の調音楽、というクラシックの伝統を残して、聴きやすい良い作品を書く感じ。アイデアも素晴らしいしオーケストラの書法も聴いていてメチャクチャ勉強になるほど素晴らしいんですが、どこかエンターテイメント的というか、お客さん向けに書いてる感じがしました。それでも比較的こういう系に近く感じるプロコフィエフやブリテンよりアイデアに優れているように感じて、僕の好みでした(^^)。


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『マルチヌー:ピアノ協奏曲全集 エミル・ライフネル(p)、ビエロフラーヴェク指揮、チェコフィルハーモニー管弦楽団』

Martinu_Concertos for Piano and Orchestra_Leichner_CzechPhil 前回は「マルティヌー」、今回は「マルチヌー」と書いてますが、書き方は統一されてないみたいです。僕が読んできた本では「マルティヌー」が多かったですが、チェコ語の発音では「マルチヌー」の方が近いそうです。そしてこのCDは、マルティヌーのピアノ協奏曲全集!全集ものを買う時って勇気がいりますが、買うとやっぱり満足感があっていいですね(^^)。マルティヌーはピアノ協奏曲をパリに移住した時から死ぬ1年半前まで書いたので、この全集を聴くと色々と作風を変えていったマルティヌーの変化を感じる事が出来て良かったです。

 まず、ピアニストのエミル・ライフネルという人は、チェコ人で、プラハ音楽院の教授にしてマルティヌー・ピアノ四重奏団の主宰者で、マルティヌーのピアノ全作品をほとんど演奏しているのだそうです。地元の名ピアニストという感じかな?ソフトなタッチで、上品なピアノを弾く人だと感じました。

 「ピアノ協奏曲第1番」「2番」は1925年と1934年作曲。マルティヌーの生年が1890年なので、35~44歳の時に書かれた事になります。いいなあ、技術も知識もついて、いちばん生き生きとしている頃ですよね。。それが音楽にあらわれているようで、後ろ向きな所がまるでなし、生気と幸福感に満ちあふれている感じの曲でした!どちらも3楽章形式で、あくまで古典派の様式をベースにしたロマン派音楽という感じ。すべての楽章が暗くなく爽やか、天気のいい日の大草原を見ているかのよう(^^)。明るさや爽やかさがマルティヌーのベースにある感覚なのかな?

 「ピアノ小協奏曲」は1938年作曲。第2次世界大戦がすぐそこに迫っている時期ですが、これは反ナチのユダヤ系ピアニストからの委嘱作なんだそう。なるほど、こういう作曲をしたからナチに目をつけられて亡命する事になったんですね。こうした経緯も影響してか、悲壮感も不穏な雰囲気も感じる音楽でした。1楽章の出だしがもうね。3楽章なんてもっとね(^^;)。当時のチェコの状況を考えるに、本当に戦争前夜の恐怖があったのかも。音楽の作りとしては、この辺まで来ると新古典っぽいでしょうか。大らかさや爽やかさを感じるストラヴィンスキーみたい…メチャクチャ言ってますね、僕(^^;)。素晴らしかったのはレントの第2楽章。いやあ、これは物悲しくも美しい。。始まり方がものすごく月光ソナタですが(^^;)、後半になってようやく出てくるオケがクライマックスを作っていき、主題が渡されていく構造も見事、これはよかった!

 「ピアノ協奏曲第3番」は戦争中に書かれ48年に完成。このあたりから「あ、作曲家の個性がはっきり出てきたのかな?」と感じました。もちろん作風はどんな曲だろうが常に作曲家の個性ですが、はっきりと自分の語法がにじみ出てきたのはこの辺から、みたいな。作曲の傾向は新古典、音楽は爽やかで明るい所がベースにあると感じるのは相変わらずですが、そこに深さが入ってきたように感じました。2楽章の冒頭はいいなあ。

 「ピアノ協奏曲第4番」は56年完成。2楽章制で、これはもうはっきりと新古典主義。作曲家の個性が音響構造自体に入り込んでる感じ。ピアノコンチェルト1~2番までは「このシーンはこういう絵の具で」みたいに、既製品のパッチみたいに思わなくもなかったんですが、ここに来ると絵の具自体を自分で作ってる感じ。マルティヌーのピアノ協奏曲の中では一番オリジナリティが強く、響きも構造もいちばん独特だと思いました。大きな所よりも小楽節単位での構造の創造性に耳を奪われました、これは素晴らしいな、真面目に分析したらいろんな発見が出来そうです(メンドクサイからしないけど^^;)。これだけ複雑にして難解ではなくなお爽やかに響くのは、名人芸と言っていいんじゃないかと。マルティヌーのピアノ・コンチェルトを1曲だけ聴くならこれだな。。

 「ピアノ協奏曲第5番」は57~58年に書かれたマルティヌー最後のピアノ協奏曲。これは1~2番のころに作風が戻った印象。僕自身がそうなんですが、20歳前までの若いころにいいと思ったものって、それ以降の善悪の基準になるのかも。または、晩年が近づいて若いころを思い出してこういうのを書いたのかな?

 というわけで、ピアノ協奏曲を聴く限り、国民楽派から現代音楽にかけての人だと思っていたマルティヌーさんは、古典派ベースのロマン派から新古典へと進んだ人のように聴こえました。この区分けだって、要するに「構造を重視する人で、好きな構造が安定した古典派時代の構造だった」といひと言で済むかも。多作家という事は、毎度クリエイティブな事をするわけでなく、ひとつの様式のバリエーションを作っているからいっぱい作れる、という事なのかも。


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『マルティヌー:二重協奏曲、弦楽四重奏とオーケストラのための協奏曲、3つのリチェルカーレ コンロン指揮、フランス国立管弦楽団』

Martinu_DoubleConcerto_Conlon.jpg ヤナーチェク以外の近現代のチェコの国民楽派作曲家といえば、マルティヌーが思い浮かびます。でもマルティヌーは近現代で随一の多作家でもあり(そんなにマルティヌーに傾倒してない僕でもディスク5枚も持ってる!)、時代によって作風も違うようなので、簡単に国民楽派と言ってはいけない人かも知れません。そんなマルティヌーですが、音大時代の先生が「マルティヌーの作品をひとつだけ聴くなら二重協奏曲」と教えてくれて、それで買った一枚です。コンロンという指揮者さん、僕は知らなかったのですが、メトロポリタン歌劇場やケルン歌劇場の音楽監督を務めた事がある人だそうですので、歌劇に優れた指揮者なのかも。チェコ出身とはいえ、マルティヌーはパリに長く住んでいた事があって(3カ月の予定が17年間!居心地が良かったんでしょうね^^)、ナチのブラックリストにさえ載らなければアメリカに亡命せずそのままパリに居住し続けたかったらしいです。認められたのもパリなので、半分フランス音楽と見做されているのかも。

 「二重協奏曲」は1938年作曲、「2つの弦楽合奏、ピアノとティンパニのための」という副題がついています。3楽章制で、弦楽とピアノが協奏関係になるところもあれば、ふたつのオケがカノン風に絡むところもありました。作風としてはけっこう古典的というか新古典的というか。そして曲想が…けっこう暗いです、特に第2~3楽章。3楽章なんて、戦争の不穏さや恐怖そのもののように聴こえてしまいました。どうもこの曲が書かれたのが、ナチがチェコを併合する前後に書かれたらしいです。なるほど、そういう事でナチのブラックリストに入ってしまったのか…すごい時代でしたね、怖い。

 「弦楽四重奏とオーケストラのための協奏曲」は1931年作曲で、これも3楽章制。マルティヌーはバロックのコンチェルト・グロッソの形式に傾倒した作品をいくつも書いたらしいんですが、これはその最初期のもので、プロ・アルテ弦楽四重奏団からの委嘱作だそうです。1楽章は躁状態のような狂ったようなバロック!妙な明るさが逆に怖い(^^;)。2楽章は、まるで新ウィーン楽派のような際どい緩徐楽章ですが、これは好きだなあ。弦カル部分の精緻なスコアも耳に残った、若い人の書きそうな元気いっぱいの面白い作品でした。

 「3つのリチェルカーレ」は、いくつかの楽器グループがアンサンブルするという内容の曲で、すぐに思い浮かべたのはヒンデミットの室内音楽。あっちほど響きが前衛的ではなく、むしろ古典的だとすら感じましたが、聴きどころは構造。よくもまあこんな曲が書けるなあ、僕は構造がぜんぜん追えませんでした(゚∀゚*)アハハ。。ある意味で、2重協奏曲のひな形なのかな?

 このCDに関して言えば、国民楽派というより新古典派の音楽のようでした。響きが伝統的すぎる嫌いがあって個人的な趣味ではありませんでしたが、構造がすごい。プロフェッショナルな作曲家としては信じがたいほどに優秀な人と感じました(^^)。


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『Los Rupay / Folklore de Bolivia』

Los Rupay_Folklore de Bolivia アウトクトナ音楽を標榜して、フォルクローレだけでなくそれより前の土着の音楽も演奏するグループとして登場したグループのひとつが、このロス・ルパイだそうです。あと、コジャマルカもそういうグループらしいんですが、僕は未聴。

 ロス・ルパイはボリビアのインディオ楽団で、楽団というだけあって集団で歌うし、チャランゴにギターにサンポーニャにパン・パイプなどが一斉に鳴る大所帯でした。
 楽団なので、土着の音楽そのものではなくプロ的なアレンジは入っているのでしょうが、伝統を尊重していると感じました。曲も、ボリビアのクエカ・チャパカカルナバリート(という舞曲の形式がある)や、ペルーの古典曲「太陽の乙女たち」、アンデスのワイノ(という2拍子系の舞曲形式)を取りあげたりしてました。いや~本で読んだ事はあったけど、実際に音を聴いたのは初めてかも。フォルクローレだけでなく本当のボリビアの土着の音楽だったアウトクトナ音楽も演奏するというコンセプトが、こうした舞曲を取りあげる理由なのかも。

 アウトクトナも演奏するという事なので、もっといなたい楽団かと思ってましたが、これは正式に音楽の教育を受けてきた人の演奏に間違いなし、まとまった演奏でした。アマチュアではないな。。雰囲気を言うと、マリアッチあたりのメキシコの音楽、ウクレレ演奏のハワイアン、そしてちょっとノリがいい合いの手が入るところは中米のラテン音楽、このへんの中間ぐらいに感じました。いやあ、フォルクローレと合わせてアウトクトナも聴けるなんて、なかなか貴重な1枚でした(^^)。


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『豊穣への祈り~アンデスの祝祭音楽 グルーポ・パクシ・カナ Grupo Phaxsi Qhana』

Houjou heno Inori これは面白かった!南米の民族音楽というと歌音楽かそれをインスト化したようなフォルクローレを聴く事がほとんどでしたが、このCDは儀礼音楽でした。国で言えばボリビアになるみたいですが、ボリビアと括るよりもアンデスの伝統音楽と把握した方が良さそう。というのは、なんとインカ帝国時代の名残がある音楽だそうです。

 まず、このCDを聴いて本当に良かったと思った事。僕は、南米の伝統音楽はフォルクローレだと思ってたんですが、実際にはアウトクトナ音楽というものがより伝統音楽に近いものなんだそうです。フォルクローレの成立は意外と新しくて、2次大戦後の農地改革と関係して、農地の音楽の要素を取り入れた都市音楽が形作られたものなんだそうで。へえ、ユパンキなんかは30年代の録音とかあるけど、あれは後からフォルクローレって呼ばれるようになったのかな。まああれはスペインのクラシック・ギターっぽいしな。このフォルクローレの形成に決定的な役割を果たしたのがチュキサカ県のマウロ・ヌニェスというミュージシャン。一方、ラパス市ではスイス人も加わったロス・ハイラスというグループが活躍して、これで現在までつながるフォルクローレのスタイルがだいたい確定したんだそうです。
 でも、ボリビアの心だとか「民俗」音楽なんて呼ばれる事になったフォルクローレですが、音楽的にはけっこう西洋音楽で、農村部にあるリアルな民俗音楽とはぜんぜん違うものだった事から、フォルクローレに対するアンチテーゼとしてアウトクトナ音楽を主張する動きが起きたんだそうです。ちなみに、フォルクローレとアウトクトナの中間ぐらいの音楽にシクーリ(シクリアーダ)という音楽もあるそうです。

 というわけで、これはフォルクローレ誕生以前からボリビアに存在していたアウトクトナ音楽を演奏するグルーポ・パクシ・カナというグループの演奏でした。リーダーはなんと日本人の杉山貴志という方で、ボリビアの伝統音楽の伝達と保存を目的に作られたグループなんだそうです。
 ボリビアは国土の半分が低地平原地帯、でも人口の大半はアンデス高地か渓谷地帯なんだそうで、村ごとに音楽が違っているそうです。それをこうやって色々演奏できるのは、土着の音楽そのものではなく、それを採取して保存してる楽団だからできる技なんでしょうね。

 ジャケット写真を見ると分かりますが、使われる楽器はシーク(パンパイプ)と打楽器。大きな打楽器、音はバレルドラムそのものでした。シークはユニゾンの合奏。こうして奏でられる音楽は…印象でいうと厳かな感じで、そのゆったりした感じが仏教音楽や雅楽っぽかったです。太鼓も派手にバンバン叩くのではなく、ゆったりと「タン、タン、」みたいに叩いてました。シークも技巧的ではなくて皆でシンプルなフレーズを繰り返し合奏。そうそう、シークはアルカとイラの2つで一対らしく、ふたりいないと旋律が完成しないんだそうです。シークを使った音楽のすべてがそうとは思えないので、この地域の音楽がそうだという事なんでしょうね。1本で旋律を吹ける楽器も作ろうと思えば作れると思うので、宗教的な意味もあるのかなあ。そうそう、楽器も乾期と雨期のものが区別されていて、シークは乾期に吹く楽器で、雨期に吹くのは不吉としてタブーなんだそうです。

 このCD、フォルクローレ以前のボリビアやアンデス土着の音楽を聴く事が出来るだけでも貴重ですが、どういう音楽かを知るには説明がないと理解不能。その説明となっている解説がものすごく学術的で細かく、ブックレットだけでも価値がある1枚だと思いました。いやあ、これは僕が娯楽で聴いてきたたくさんのレコードと違って、これ1枚で色んな事が学べる素晴らしいCDでした。ビクターのワールドミュージックチームって、いい仕事するなあ。


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『Viviana & Condorkanki』

Viviana and Condorkanki ボリビア&アルゼンチンのフォルクローレ・グループのコンドルカンキが発表したアルバムです。ビビアーナは女性ヴォーカリストで、コンドルカンキのリーダーであるレネ・カレアーガ Rene Careaga の娘さんだそうです。このレネ・カレアーガという人がフォルクローレの世界で有名な人らしくて、この人の書いた「アミーゴ」という曲は、ボリビアやアルゼンチンのフォルクローレを聴く人では知らない人がいない曲だそうです。僕は聴いても知らなかったんですけどね( ̄ー ̄)。

 アレンジやアンサンブルがちょっと新しいので、モダン・フォルクローレという事でいいのかな?ギターにチャランゴにケーナにサンポーニャに打楽器と、伝統的なフォルクローレに使われるアコースティック楽器を使ったバンドで、有名な曲もやっていましたがオリジナルも多く、少なくとも伝統的な曲をやって聴かせる観光客目当てなフォルクローレではありませんでした。

 でも、モダン・フォルクローレって、アルゼンチンの白人系だと本当にモダンな感じがするものも多いんですが、これはインディオ系の「コンドルは飛んでいく」系のフォルクローレの延長線という感じで、そこまでのモダンさはありませんでした。日本の演歌やアメリカのカントリーやアフリカのハイライフみたいなもので、インディオ系のフォルクローレというのは、新曲が出たとしてもあくまで伝統にのっとったものになって、スタイルとして安定している音楽ジャンルなのかも知れません。南米の演歌を聴いているような気分でした(^^)。


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『ルスミラ・カルピオ Luzmila Carpio / un people qui ne chante pas est un people mort』

Luzmila Carpio un people qui ne chante pas est un people mort ペルーを南下すると、海岸線はチリ、内陸部はボリビアに接します。ボリビアって、アルゼンチンにもブラジルにもペルーにもチリにも接してるので、地理だけでなく文化的にも南米のど真ん中って感じがします。日本では南米のフォーク音楽を「フォルクローレ」と呼ぶ事が多いですが(本当は南米じゃなくったってフォーク・ミュージックはみんなスペイン語でフォルクローレというはず)、それってアンデス山脈に接した地域のインディオが演奏したものをいう事が多く、しかもボリビアのグループが紹介される事が多い印象です。ボリビアは、インディオが多く残ってる地だからなんでしょうね。同じアンデス沿いと言っても、コロンビアはもっと黒い人が多いイメージですし。
 そんなわけで、これはボリビアの女性歌手ルスミラ・カルピオのチャランゴ弾き語りのCDです。いわゆるインディオによるフォルクローレで、チャランゴの他にジュラ(パン・フルート)チャイチャス(カバサみたいな振りものの打楽器)の伴奏も入っていました。録音は1983年で、ラジオ・フランスのスタジオでの録音。

 これは僕が思ってる南米インディオのフォルクローレにちかくて、「コンドルは飛んでいく」みたいな雰囲気の曲がいっぱい入ってました。そして、曲というより詩に近いものと感じました。言葉に少しだけ節をつけて、伴奏がついてるぐらいの感じ。素朴です。

 ルスミラ・カルピオさんはケチュア語を話すケチュア族(インカ帝国を興した民族)の末裔のインディオ。ルックスは思いっきり黒髪のモンゴロイドなので、純正のネイティブ・アメリカンなのかも。そういう人なので、CDに入ってるコメントがなかなか辛辣でした。「スペイン征服以降、ケチュア族もアイマラ族も恐怖で皆黙ったままで、鉱山や工場で昼夜働かされている。だから私は兄弟たちのために歌う。」「征服者たちは彼らの言葉を無理やり押しつけたけど、私はケチュア語で話して歌う。」「征服者たちは私たちを野蛮人と呼んだけれど、それは私たちが自然と調和を保って生きてきたからだ。」反論のしようがありません、ごもっともです。これは立派な思想で、もしかすると今の西洋文化が持っている哲学よりも正しいかも知れないなあ…。

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『Jack Bruce / Out of the Storm』

Jack Bruce_Out of the Storm おおっ!ブラインド・フェイスのレコードの隣にこんなレコードが!ロックバンドのクリームで、ジンジャー・ベイカーとともにエリック・クラプトンを圧倒しまくっていたベース&ヴォーカルのジャック・ブルースのアルバムです。1974年発表の4枚目のアルバム…メジャーから4枚も出たという事は、クリーム解散後もそれなりに売れていたのかも。しかしこのレコード、学生のころに中古盤屋で買った気がするけど、内容を全然覚えてません(゚∀゚*)エヘヘ。
 クリームのメンバーの解散後の活動はちょっと微妙で、クラプトンとジンジャー・ベイカーが参加したブラインド・フェイスも、クラプトンのソロもイマイチ。そういう前例があったもんだからジャック・ブルースも嫌な予感がしたものの、大好きだったバンドで衝撃の演奏をしていた人のソロ・アルバムですから、不安を振り切って買ってしまったんでしょう、きっと。そして…不安的中、チャチャッと曲書いてチャチャッと演奏してるだけでした(^^;)。

 僕がクリームのジャック・ブルースにぶっ飛んだのは、インプロヴィゼーションを含めたベースの爆発的なプレイや口から心臓が飛び出すんじゃないかというほどの熱いヴォーカル。こんなふうに、コード進行にただ合わせてるだけのデモテープを聴かされても、何とも思わないのでした。リハが30時間たりない、もっと魂をこめてアルバムを作ってくれ~!
 同じ2000円を払うんでも、費用対効果や締切の事ばかり考えてメロとコード進行だけ作ってチャチャッと録音したようなレコードを聴くより、新しい和声や作曲システムをつくり出して練り上げたメシアンの『世の終わりのための四重奏曲』や、毎日長時間のリハを重ね何年もライブを重ねて、新しいアドリブ方法や音楽のあり方を追いまくった末にステージにあがったコルトレーンの『ライブ・イン・ジャパン』みたいなものを聴きたくなるものじゃないですか。雑に作られた音楽をたくさん聴かされて、僕は産業化したロックから卒業してしまったんだな…。

 クリーム解散後のジャック・ブルースは、既製品をキッチリ作るプロのミュージシャンになって、アーティスト的な意識を持った活動をするのはやめたのかも知れません。このアルバム、演奏の素晴らしさも音楽的な挑戦も何もなかったけど、見方を変えれば教科書通りのアメリカン・ソングを書き、はみ出すことなく演奏して、レコード会社が文句をつける隙のまったくないものを作ったとは言えるかも…ああ、かわいさ余って憎さ百倍な感想文になってしまった(^^;)。
 こんな事を書いておきながら、僕がロックのベーシストといってすぐに思いつくのはジャック・ブルースとラリー・グラハムぐらいというほど、大好きな人なのです。ジャック・ブルースは他にもアルバムを出しているので、他に素晴らしいものがあるのかも知れません。あってほしい。


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『Blind Faith』

Blind Faith クリーム解散直後のエリック・クラプトンジンジャー・ベイカー、それにトラフィックのスティーヴ・ウインウッドが参加して、クリーム並みにすごいメンバーの揃ったロックバンドが登場!みたいにデビューしたであろうブラインド・フェイス唯一のアルバムです。69年発表で、邦題は『スーパー・ジャイアンツ』だったかな?

 ジャケットデザインがダサい気がして、若いころは買うのを躊躇しました。なにせ限られた小遣いをどうやりくりするかが最大の課題でしたから、友達たちと「俺はこれ買うから、お前はこれ買って貸し借りしよう」とか「それ、レンタルに入ったから買うのをやめて、みんなで借りよう」とか、それぐらいシビアな問題(^^)。で、このアルバムはクリーム狂の僕が買う事になったんですが、ものすご~く外しそうな予感がしたんですよね。で、外した(^^;)。。
 このアルバムを買った時点で僕はまだトラフィックを聴いた事がありませんでした。なので、すごいヴォーカリストという触れ込みだったスティーヴ・ウインウッドに期待が高まったんですが、声は細いわピッチはフラフラだわで、あ~今月の小遣いをこれに使ってしまったんか、やっちまったな、みたいな^^;。一番信頼していたジンジャー・ベイカーもバックバンドやって流してるだけでぜんぜん叩いてませんでした。クラプトンもあんまり弾いてません。プレイのうまい人がいっぱいあつまって作った、あんまりプレイしてないアルバムだったのです。
 バンド名の「Blind Faith」って「盲信」という意味です。こんな内容のアルバムなもんだから、メンバーたちが「ろくな音楽にならなかったな。でも、音なんて何にも聞いてなさそうなレコード会社の人間や評論家のなかには『クラプトンとベイカーとウインウッドが参加した凄いアルバムだ!』とかいって有り難がっちゃうヤツもいるんじゃね?」みたいにつけたバンド名なんじゃないかと思えたりして(^^;)。そうだとしたらロックで、一周回ってカッコいいですけどね。。

 というわけで、もしこのレコードの演奏がすごかったら、僕はクリームの後もジンジャー・ベイカーさんをフォローしたんでしょうが、残念ながらこれで卒業してしまったのでした。ところがジンジャー・ベイカーさんはこの後、クリームどころじゃないアーティスティックな活動をしてるみたいなんですよね。音楽だけじゃなく、生き方もカッコいいな、みたいな。音を聴いた事がないので何とも言えませんが、機会があればいつか聴いてみたいです。


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『Cream / BBC Sessions』

Cream BBC Sessions 局スタジオでのライブ演奏を放送する音楽番組を持っていた英BBCは、60~70年代のロック・バンドの音源の宝庫。当然、モンスターバンドだったクリームの特集もあったようで、今ではそれがCD化されています。それがこれです。

 やっぱり演奏がべらぼうにうまいです。特にジンジャー・ベイカーのドラムがヤバい、ぶっちぎりのうまさです。ライドだけでリズムをキープしてあとは全部おかずなんて事も普通にやりますが、ここまで来るとジャズですね。ただ、ジャズみたいにアドリブが強すぎてリズム形がなくなるという事はなく、リズムの形はしっかり作るので、ジャズよりもビートがカッコいい。「Sweet Wine」なんて、歌とドラムだけでも成立しちゃうんじゃないかなあ。「Traintime」に至っては本当にヴォーカル/ハープとドラムだけでやっちゃってるし。。

 ただ、ラジオ番組的な都合からか、曲がみんな短めでした。「Rollin' And Tumblin'」なんて、ヘッドが終わってようやくブローイングコーラスでインプロヴィゼーション炸裂!…ってところでフェードアウトしちゃう(^^;)。音も、正規のスタジオ盤やライブ盤に比べるとかなりショボかったです。

 こんな感じなので、クリームの音楽のすごい所を体験できるわけではなく、クリームというバンドのさわりだけ紹介した音源に聴こえました。実際にそういう番組だったんでしょうが、今クリームの音楽を楽しむなら、こういう構成じゃなくてちゃんと全力で演奏してる音源を聴いた方がいいと思います。同じBBC音源でも、レッド・ツェッペリンのものは録音も演奏も良かったんだけどなあ。さすがにクリームを聴くのに、最初にラジオ音源に手を出す人はいないと思いますが、もしこういう音源や『Disraeli Gears』『Wheels of Fire』のディスク1を聴いて、「クリームってこんなもんか」みたいに、クリームの凄さを知る前に卒業しちゃう人がいるとしたら怖いなあ。僕みたいにクリームに熱狂した人としては、最初にクリームを聴くなら、やっぱり『Farewell Concert』『Fresh Cream』、2枚の『Live Cream』のどれかを推薦したいですが、名盤ガイドって、こういう驚異の演奏を収めたレコードには触れずじまいで、スタジオでチャチャッと録音しただけのポップなものばかり紹介するんですよね…。


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DVD『Cream / Farewell Concert』

Cream_FarewellConcert.jpg ジンジャー・ベイカーさんのドラムでいちばん驚いたのは、このライブビデオでした。音だけ聴いても強烈でしたが、実際の演奏をこうやって見せつけられてしまったら、ドラミングもろくに知らないガキだった僕がぶっ飛んだのも当然の事だったんじゃないかと。1968年11月26日、スーパー・グループのクリーム解散コンサートとなったロイヤル・アルバート・ホールでのライブの映像です。クリームのライブでのジンジャー・ベイカーさんはどれもみんな凄いんですが、やっぱり叩いている姿を目で見た衝撃は大きかったです。

 わざとカメラを揺らしたり、サイケな映像を重ねたりと、とにかく映像が落ち着かないんですが、これってサイケな映像表現というだけでなく、少ないカメラの台数をどうにかするための苦肉の策だったのかも。しかしそれを補って余りあるものすごい演奏!なんといっても、動くジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーのプレイが凄すぎる!死んだから言うわけじゃなく、特にジンジャー・ベイカーのドラミングがすごくて、まだジャズをちゃんと聴いたことのなかった僕にとって、「うわあすげえ、俺が今まで聴いてきたロックのドラムとぜんぜん違う…」と、呆気にとられ、魅了されたのがまるで昨日の事のようです。

 そうそう、僕が観たのはVHS版だったんですが(はじめてこれを観た時、DVDなんてまだなかった^^;)、VHSにはメンバーそれぞれのインタビューが間に挟まっていて、ベイカーがドラムの叩き方をレクチャーしていたんですが、それがまた圧巻。フラム・トリッパーの実演なんて、凄すぎて呆気にとられてしまいました。はじめて観た時、自分の膝をタム代わりにして手足を動かして真似してみましたが、全く歯が立ちませんでした。。そうそう、当時は「ジャズだ!」と思ってましたが、今見るとこういうコンビネーション・ショットは常にポリリズムにしてパターン化されているので、西アフリカの打楽器音楽のようにも聴こえました。ジャズ的なアドリブのシステムにせよポリリズミックなパターンにせよ、僕が今までに聴いてきたロック・ドラマーの中ではジンジャー・ベイカーさんがナンバーワンですが、久々に見ても、基礎からして「この人は音大の打楽器科を出た上にジャズやアフリカの打楽器音楽をマスターした人なんじゃないか」と思ってしまうレベル。また、それを綺麗に叩くんじゃなくて、忘我の境地かというほどに自分の限界のところで打ちまくる姿勢がロックで素晴らしい!ショーやコンサートとして人に聴かせて金を取っているタイプのクラシックやシャンパン・ジャズが忘れたものが、全部ここにありました。

 ロックのライブ・ビデオってそんなにたくさん観たわけではないんですが、これは鮮烈に記憶に残っている1本。いや~60年代後半からしばらくのロックって、やっぱりすごいものがひしめいていたんだなあ。この頃のロックって、「飼いならされた大人と違って、若いヤツの方がすごいことをやる」ぐらいの力があったと感じます。80年代以降のロックでは、「まだ若いから、下手でも馬鹿でも幼稚でも、まして自分が社会に飼いならされている事に気づいていなくても、まあ仕方ないよね」ぐらいに感じちゃうものが大半ですからね(^^;)。ロックが好きでこれを観てないようではニワカ認定レベルの伝説的パフォーマンスだと思います。


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俺的ロック史上最高のドラマー ジンジャー・ベイカーさん 逝去

GingerBaker_Portrait.jpg いったい何なんでしょう、ここ数日の押し寄せる訃報の数々は…。10月6日、今度はスーパーグループのクリームでドラムを叩いていたジンジャー・ベイカーさんが逝ってしまいました。享年80歳。若い頃はいかにも麻○中毒っぽかったので、80歳まで生きたのは大往生かも知れません。

 僕にとってのジンジャー・ベイカーはなんと言ってもクリームでの神がかりのドラミング。クリームをはじめて聴いた時、僕はまだモダンジャズ未体験だったもので、ドラムというのはロックでよく聴く、ある単純なパターンを繰り返し叩いてバンドのメトロノーム代わりになっているものぐらいにしか思ってなかったんです。ところがジンジャー・ベイカーのドラムはぜんぜん違いました。コンビネーションを叩けばアフリカ音楽かというほどのポリリズム、アドリブさせればライドでキープしてあとはみんなオカズという千手観音。ロックの人とは、ドラムの考え方が根本的に違っていたのです。とくに、ジャズのフォービート・ドラミングをベースにしたそのドラミングに若い頃の僕は完全に魅せられてしまい、「ドラムってこんなに凄いものだったのか」とぶっ飛ばされました。その後僕はエルヴィン・ジョーンズとかトニー・ウイリアムズといった驚愕のジャズドラムにのめりこんでいったのですが、そういう驚異のジャズ・ドラムのファースト・インパクトは間違いなくジンジャー・ベイカーでした。

 僕が人生で聴いてきたロックの中では、明らかに、そしてダントツでナンバーワンのドラマー。僕はきっとクリームを一生聴き続けると思うよ、素晴らしくエモーショナルな体験を有難う、ベイカーさん!


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VHS『豪球列伝』

GoukyuuRetsuden.jpg 金田正一さん、世代が違うので僕は現役時代を見たことがありません。ロッテの監督時代ですら記憶になく、かろうじて漫画『巨人の星』で引退の頃が描かれていたのを読んだ事があるぐらい。でも、400勝とか、64イニング(約7試合強!)連続無失点とか、伝説は色々と知ってます。
 そんな金田さんの現役時代を記録したものとして、こんなビデオを持ってます。全体の構成は、歴史に残る速球投手の映像が3割と、投手本人へのインタビューが7割ぐらい。もっと全盛期の映像を見せて欲しいと思いましたが、昔の投手になると映像自体があんまり残ってないのかも。また、豪球投手の語りが面白くて、自分の知らないプロフェッショナルの世界を見る思いがして、これはこれでいいのかも。というわけで、取りあげられてるピッチャーで面白いと思ったものを備忘録として書いておこう。

 金田正一。とにかく体が大きくて、国鉄スワローズなんていう弱小球団で400勝しちゃうんだから桁外れに凄かったんだと思います。恐らく、日本プロ野球界でもっとも凄いピッチャーといったらこの人になるんでしょうね。このビデオでは長嶋茂雄から4打席4三振を奪った伝説のピッチングの映像が入ってました。すげえ、だって長嶋って、入団1年目でヒット数も打率もホームランも打点もとんでもない数字を出してましたよね、それが子ども扱いじゃないか。 

 稲尾和久。V9以前のジャイアンツがどうしても勝てなかった超強豪チーム西鉄ライオンズの大エースです。日本シリーズで巨人に3連敗した後に4連勝、その4試合をすべて一人で投げ切った…ありえねえ、化け物か。その伝説の投球が収録されてました。おお~。そして、その時の事を語る稲尾さんの話が面白かったです!

MurayamaMinoru.jpg 村山実。すべてが全力投球、長嶋茂雄に勝つために野球以外のすべてを犠牲にして、フォークボールの切れを良くする為に自分の手の水かきをナイフで切るほどのパラノイド型野球狂。ものすごい形相で球を投げ込むさまは、まるで死ぬ覚悟で相手に突っ込んでいく特攻隊みたい。なるほど、ザトペック投法と言われたのも分かる、これはカッコいい!

 鈴木啓示パリーグのお荷物球団とまで言われた超弱小球団の近鉄で300勝。これ、巨人や阪急にいたら400勝したんじゃないかな…。高校時代の江夏さんが大阪予選で鈴木さんを見て、「カーブは凄いしストレートは速い、この人は別格だ」と思ったらしいです。このビデオでは「相手がストレート待ってるのを分かっていてストレートで三振を取りに行っていた」なんて話してますが、そういう事を出来たのも近鉄だからだったのかも。

 堀内恒夫。史上最強、9年連続で日本一という伝説のV9巨人の大エースです。ただ、門限は破るは悪さはするわで、ついたあだ名が悪太郎。まあでもそれぐらいの肝っ玉じゃないとエースなんて務まらないんでしょうね。そして、この堀内ですら「比較したら失礼」と言われた江夏って、やっぱりトンデモない投手だったんだろうなあ。

EnatsuYutaka_hansin.jpg 江夏豊。子どもの頃、僕はプロレスとプロ野球が大好きだったんですが、今まで観たプロ野球のピッチャーでいちばん好きな人は江夏さんです。好きなだけでなく、瞬間的には金田さんより江夏さんの方がすごかったんだろうと思ってます。だって、シーズン奪三振記録とか、ノーヒットノーランしといてサヨナラホームランを自分で打つとか、阪神でのデビューから5年目あたりまではマジで化け物。江夏で有名なのは広島時代の「江夏の21球」ですが、全盛期はやっぱり広島時代ではなくて阪神のエースだった頃。このビデオで扱われてる江夏は阪神時代にスポットが当てられていて、伝説のオールスター9者連続奪三振の映像を観る事が出来ます(^^)。しかも、9者連続奪三振の時には全盛期を過ぎてるというんだから、やっぱり普通じゃないわ…。傲岸不遜でカッコよいんですよね。

 江川卓。きたないやり方で巨人に入団する、退団時も引退理由でしょうもない嘘をつくなど、人間的には大嫌いなんですが、でも投手としては確かに凄い人でした。江川さんは高校時代が一番速かったという伝説が残っていて、高校時代にノーヒットノーランを連発(!)、はじめて登場した甲子園では誰もバットに当てる事が出来ず、はじめてバットに当たったのが7番打者のファイルで、それで球場がどよめいたなんていう伝説も残ってます(^^;)。プロでも速球とカーブしか投げないのにあれだけ勝ったんですから、巨人に入りたいとか言ってないで高校卒業後すぐプロに入ってたら色々と記録も残したでしょうね。でも、このビデオでのトークを聴いたらやっぱり鼻につく奴だった、やっぱり人間的には嫌いだわ。。

 江川以外は、まだ一般家庭にビデオが普及する前の映像ばかりなので、貴重な映像が多く見れて良かったです。このビデオはDVD化されてないのが残念ですが、もしするならこのままでは無理かも。今なら野茂と松坂は追加したいところですね(^^)。とにもかくにも、カネやんのご冥福をお祈りいたします。


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金田正一さん、逝去

KanedaShoichi.jpg うわああああマジかああ、プロ野球伝説の400勝投手の金田正一さんが亡くなってしまいました。享年86歳なら大往生かも知れませんが、この人と張本さんは殺しても死なないと思っていたのでショックです。カネやんが死ぬようでは、僕が永遠に生きるなんて絶対無理やん…。

 僕は金やんのリアルタイム世代ではないので、現役時代はおろかロッテの監督時代も見たことがありません。でも、記録を見るととんでもない人なんですよね。僕が子どもだった80年代はジャイアンツ戦の解説をよくやっていて、べらんめえ口調で陽気で外向的。日本ハム大沢監督みたいな親分肌の人なんだなと感じて、すごく好きでした。会社の社長だとしたら、嫌われたらヤバいけど、そうじゃなければすごく面倒見がいいタイプ、自分の事ばかり考えて文句ばっかり言ってる社長ではなく、ついていきたいタイプだな、みたいな。

 プロ野球のビデオって、巨人のV9時代ですらろくに残ってないじゃないですか。でも、金田さんの400勝とか、稲尾さんの日本シリーズ4連騰4連勝とか、江夏さんのノーヒットノーランした挙句自分がホームラン打って試合を決めるとか、今では考えられないような伝説的な人って、そういうビデオが残ってない時代の人たちなんですよね。金田さんの長嶋茂雄4打数4三振だけはビデオで観た事がありますが、リアルタイムで金田さんの現役時代を生きていたら熱狂させられたんじゃないかと思います。天国でも、楽しく野球をやって豪快に高笑いしていてほしい。ご冥福をお祈りします。


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『Jessye Norman / In the Spirit』

Jessye Norman _In the Spirit ジェシー・ノーマンによるクリスマス曲集です。全16曲、教会の讃美歌が半分ぐらいでした。ほかには伝承されてきたクリスマス曲や、ニグロ・スピリチャルの中のクリスマス曲など。これって、きっと選曲自体がジェシー・ノーマンさんなのでしょうね。そういうところが、職業的な歌手という以上にアーティストだと感じます。
 演奏は、管弦伴奏のもの、教会オルガン伴奏のもの、聖歌隊の合唱がついたものなど、編成は色々でした。合唱はプロっぽい少年合唱団(アメリカ少年合唱団)、アマチュアっぽい教会少年聖歌隊、混声の大人の教会聖歌隊の3つ。

 僕が素晴らしいと感じたのは、管弦やオルガン伴奏のものではなく、アメリカ少年合唱団と、混声の聖歌隊との無伴奏声楽でした。教会の少年聖歌隊はちょっとリズムやピッチがね(^^;)…あ、でも、音楽のプロを目指しているわけではなく祈りを捧げようとしている教会合唱隊にケチをつける気はないです。まあそんなわけで、素晴らしいと思ったのがCD7曲目以降なもんで、もし最初の数曲を聴いて「あ、これはダメだ」と聴くのをやめていたら、素晴らしい所を聴かないまま終わってしまうところでした(^^;)。実は、『Sacred Songs』でも似たような経験をしたので、ジェシー・ノーマンさんのCDを聴く時はちゃんと最後まで聴くようにしよう!最初の1~2曲だけ素晴らしいスコーピオンズとは反対で、途中からどんどん良くなるのです(^^)。

 中でも心から感動したのは、「Mary had a baby」。これは聖歌ではなくニグロ・スピリチャルらしいです。ノーマンさんのソプラノのうしろで、カウンターラインを作るように少年合唱団が唄うのですが、ノーマンさんの歌が祈りのようでやばい、合唱団が美しい、ラインアレンジが素晴らしすぎ…聴いていて、凍りつくほどの素晴らしさでした。
 他では、混声の教会聖歌隊と歌った「薔薇の花がほころんだ」(讃美歌96番)、「おさな子ベツレヘムに生まれたまいぬ」、「ギリアデの香油」も、調和した合唱が例えようもなく素晴らしかったです。讃美歌96番は、もともとはラテン語のコラールだったそうです。「おさな子ベツレヘムに生まれたまいぬ」は14世紀から歌い継がれてきたクリスマス歌謡だそうで、荘厳さが素晴らしかったです。「ギリアデの香油」も荘厳さが素晴らしかったですが、その中にどこか喜びを感じるような…と思ったら、黒人霊歌なんだそうで。黒人霊歌って、どこかに人生讃歌のような匂いがあって、そこが好きです。

 クリスマスの音楽って、キャロルを含め色んなものがありますが、「アヴェ・マリア」とか「きよしこの夜」みたいなものより、古いコラールみたいに清廉として荘厳なものが、僕はいちばん好きなのかも。本当に魂があらわれるような気分になるというか、死ぬ時に安らかな気持ちを迎えられる音楽って、西洋の古い無伴奏の教会合唱音楽なんじゃないかと思ってしまうんですよね。ジェシー・ノーマンさんもそう感じている人のようで、決してテクニックを聴かせる歌唱も、個人的な感情をあらわにする事もせず、祈るように歌うのが本当に素晴らしいと思います。自分が望むものではなく、歌が望むものを優先させているように感じるのです。素晴らしい…。


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『Jessye Norman / Sacred Songs』

JessyeNorman_SacredSongs.jpg 先日他界してしまったジェシー・ノーマンによる聖歌集です。聖歌と言ってもけっこうポピュラーで、「グリーンスリーヴス」や「アメージング・グレース」、それにシューベルトの「アヴェ・マリア」なんかも収録されていました。ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による管弦楽伴奏で、曲によっては無伴奏合唱やオルガン伴奏のものもありました。

 ジェシー・ノーマンさんは、子どもの頃から黒人教会でニグロ・スピリチャルを歌っていたそうなので、「互いにパンを分け合おう」や「なにゆえにイエスは」あたりは当然のように慣れ親しんだ曲だったのでしょうが、狙ったわけでなく本当に「グリーンスリーヴス」や「アメージング・グレース」も歌っていたのかも。ミラノ・スカラ座という大舞台でヴェルディ『アイーダ』のアイーダ役を務めた後でも、ずっとスピリチャルや聖歌を歌い続けたのは、彼女にとっての歌の根本とはこういうものだったのかも知れません。

 このCD、曲によってはオケがポピュラーコンサート調で、そこがあまり好きではないのですが、そこを除けば素晴らしい歌でした。自分のためでもエンターテイメントではない、誰か、または何かのために捧げられたような歌と感じるものも少なくありませんでした。たとえば、グノーの「悔悟」。かみしめるように「Ipray Thee grant me pardon」なんて歌うんですよ、これは胸が締めつけられる…。他では、チャーチ・オルガン伴奏でのアダムズ「聖なる都」、ハープ伴奏を基本にした「グリーンスリーヴス」、無伴奏合唱「なにゆえにイエスは」と「スウィート・リトル・ジーザス・ボーイ」も、言葉に出来ないほどに素晴らしい歌唱でした。

 よもやジェシー・ノーマンさんの方が聖歌で見送られる日が来ようとは…時というのは切ないです。あらためて、ご冥福をお祈りいたします。


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ジェシー・ノーマンさん逝去

Jessye Norman portrait 今週の月曜(2019年9月30日)、アメリカのソプラノ歌手・ジェシー・ノーマンさんが逝ってしまいました。享年74歳、死因は敗血症性ショックと多臓器不全だそうです。ああ…。

 ジェシー・ノーマンさんのCDは、黒人霊歌を取りあげた『Spirituals』を聴いたばかり。はじめて聴いた若い頃は感動して、何度も繰り返して聴いたものでした。キャスリーン・バトルさんもそうですが、アフリカン・アメリカンのソプラノって、僕の場合はジワッと来てしまう経験が多かったです。最初の音楽経験が黒人教会だからなのか、どこかにソウルが入って感じるんですよね。『Supirituals』収録の「There is a balm in Gilead」や「Mary had a baby」なんて、歌っているというより祈っているようで、何度ウルッと来たことか…。
 そんな事もあって、僕はオペラ歌手としてのジェシー・ノーマンさんはあまり体験していなくて、オリンピックみたいな何かの祭典の機会に見ることの方が多かったです。だから、ソロ歌手という印象が強かったです。アフリカン・アメリカンのソプラノで、クラシック以外に黒人音楽も積極的に歌っていたので、歌手という以上の意味を持っていた人なのでしょう。

 素晴らしいソプラノでした。どうぞ、やすらかに…


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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