このアルバム、セクションの決まり具合が素晴らしかったです。綺麗に揃えるんじゃなくて、アクセントを強くしてゴリゴリ押し込んでくるうえ、ブラス・アレンジ自体も素晴らしく、音楽全体が躍動しまくり!「Boogie Stop Shuffle」なんて、セクションの決まり具合だけを聴くような曲なんですが、どす黒い決まり具合がカッコ良すぎる…。「Bird Calls」のドラムソロあけにひとりフライングしている人がいますが、アルバム全体がそのぐらいの突進感、やっぱり人生は前のめりじゃないとね(^^)。これに似た音楽ってないんじゃないかというほどの個性と攻撃力でした。エリントンとビバップとバッハを混ぜて攻撃性と抒情を増したのがミンガスだと思ってるんですが、僕はエリントンやビバップより攻撃性や抒情が前に出た時のミンガスが大好きなもんで、2曲目「Goodbye Pork Pie Hat」のなんとも言えないブルーな抒情性や、有名曲「Fables Of Faubus」の怪しい感じが特によかったです(^^)。 ただ、このアルバム、かなり長くて、あれこれやってまとまりに欠けるきらいもあり、聴いていて途中で集中力が切れちゃうんです。『タウンホールコンサート』や『直立猿人』ぐらいに、やりたい事を絞り込んで、短めにやってればもうちょっと有り難かったかも。アホなもんで、あれもこれもやられると混乱しちゃうんです(^^;)>。