ギターがザクザク言ってます。ドラムがツーバスです。ベースがドンシャリです。ユニゾンで叫びます。そして速い!これぞスラッシュ、僕にとってのスラッシュメタルのイメージって、このアルバムとメタリカの『Master of Puppets』です。メタリカとアンスラックスの共通項をあげれば、やっぱりこのギターのザクザク刻むパワーコード。これをカッコいいと感じるか退屈と感じるかで、スラッシュメタルをいいと思うかどうかが分かれるんじゃないかと。
学生のころ、「I am the Law」の超速のザクザクを初めて聴いた時には「すげえ!」って思いました。でも、アルバム1枚を聴きとおせなかったんです。理由は自分にとって難しすぎたんじゃなくて、その逆で単純すぎたから。アンスラックスもメタリカも、全員同じビートで動いちゃうから、一生けんめい弾いてる割に音の情報が多くないんですよね。全員同時に動いちゃったらアンサンブルが発生しなくて、ギターがリフをザクザク刻んでるんだから、ベースがカウンターラインを作るなり、ドラムがギターとシンコペーションを起こすようなパターンを刻めたら、もっといい音楽になれたんじゃ…みたいな感想を覚えてしまう時点で、スラッシュメタルを聴く資格がないんでしょう。ビートに特化したのがこの音楽の特徴で、たしかにシンコペーションなしで全員でガツガツ来るのを魅力的に感じた事もありました。やっぱり、ギターの高速の刻みに感じることができるかどうかがスラッシュメタルの分水嶺じゃないかと。
1960年録音、ブルーノートからリリースされたケニー・ドリューのリーダー作です。2管クインテットで、メンバーはKenny Drew (p), Freddie Hubbard (tp), Hank Mobley (ts), Sam Jones (b), Louis Hayes (dr)。アップテンポなハードバップの連続でこれは熱い!間に挟まる曲がブルースで黒い!そして最後のバラードがニュージャズ一歩手前の素晴らしさ。僕にとってのケニー・ドリューの最高傑作はこれです!
『Pal Joey』吹き込み1年前の1956年に録音されたケニー・ドリュー・トリオのレコードです。メンバーはPaul Chambers (b), Philly Joe Jones (dr)。 完全にマイルス・デイビスのリズムセクションですが、ケニー・ドリューもニューヨーク出身のピアニストだし、もしかしてマイルスのリズムセクションというより、ニューヨークで人気だったリズム隊なのかな?
ビバップの時代からハードバップの時代、そしてその後の時代まで生き抜いたジャズ・ピアニストのケニー・ドリューのレコードです。1957年録音で、レーベルはリバーサイド、ピアノトリオによるスタンダード曲集でした。メンバーは、kenny Drew (p), Wilber Ware (b), Philly Joe Jones (dr)。
一方、フル・ティルト・ブギー・バンドの方は、ピアノが良かったです。「Cosmic Blues」でも「Get It While You Can」でも、メンフィス・スリムのようにポロポロ弾くピアノに泣けました。バンド全体はブート盤のジョニー・ウインターとの共演時の方が素晴らしいですが、これってロックのライブ盤でたまに経験する事で、エリック・クラプトンもツェッペリンもキング・クリムゾンもブートの方に素晴らしいライブがあったりしますからね(^^;)。ブートばんざい!
いや~ライブでのジャニスはやっぱりいいです、70年「Tell Mama」や69年「Raise Your Hand」、あたりは、齢を取って悪い意味で醒めてしまった自分の奥の方に熱いものを思い出させてくれました。白けて感じる今の時代に一番必要なものって、こういうものなんじゃないかという気すらしてしまう(^^)。うまいというのとはちょっと違うと思うんですが、自分の中にあるものをすべて音にして出し切っているというか、これこそロックという感じ。
熱いライブだけでなく、未発表のスタジオ録音「One Night Stand」もメッチャ素晴らしかったです。なんだこれ、ブルースハープが強烈に唸ってるし、『パール』に入ってたショボい演奏より全然いいじゃん…と思ったら、演奏がバタフィールド・ブルース・バンドでした。そりゃうまいわな。
ジョニー・ウインター以前に、コズミック・ブルース・バンドの演奏がムチャクチャいい!!演奏してる曲がほとんどアルバム『コズミック・ブルース』収録のものなので、その時期のバンドの演奏だと思うんですが、正規盤のスタジオ録音ではあんなにショボイ演奏してたのに、この演奏は渾身のパフォーマンス、熱い、最高です!!ライブだと慎重にならずにイケイケになるとか、ライブやりまくって演奏がこなれてきたとか、スタジオ録音だと慎重になってしまうとか、いろいろ理由はあるんでしょうが、それにしても勢いがすごいです。ついでに、ジャニス・ジョプリンの白熱度も正規盤とはケタ違いの凄さ、これは『Cheap Thrill』よりも凄いかも。いや~これは絶対に聴くべきです! ジョニー・ウインター自体は、デビューアルバムやマディ・ウォーターズのバックバンドと録音した『Nothin' But The Blues』みたいなモノトニック・ベースみたいな演奏じゃなくてペンタニックでのシングル・ラインでのソロが基本なので、うまいけど面白くはなかった(^^;)。まあ、ゲストでパッと合わせた程度でしょうから、これは仕方ないですね。。