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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『古代ギリシャの音楽 Musique De La Grece Antique / グレゴリオ・パニアグヮ指揮、アトリウム・ムジケー古楽合唱団』

Musique De La Grece Antique アトリウム・ムジケーという古楽アンサンブルによる古代ギリシャの音楽集です!古代ギリシャの音楽を聴ける録音ってこれしかないと思うので、音楽好きなら絶対に買いの1枚です!!また、古代ギリシャというのを抜きにしてもいい音楽なんですよ、これが。ところで、なんでこれしかないかというと…

 僕は音楽理論を勉強している頃にギリシャ旋法という古いギリシャの音楽理論にふれたことがあるもんで、古代ギリシャの音楽って写本なり羊皮紙なり、何らかの形できちんと残ってるものだと思ってたんです。でも、このCDの解説を読んでびっくり、古代ギリシャの音楽って、理論はいろんな言語に翻訳されて残ったらしいんですが、音楽そのものはほとんど残らなかったんだそうです。というわけで、このCDも、パピルスや大理石に残されたわずかな音符やリズム符号の断片から再構成されたものとか、伝え残された教会音楽とか、詩だけが残っているものに音楽を付けたとか、そういう形で音楽化したものでした。

 19曲目「テレンティウス『義母』第861行は、古代ローマ音楽の現存する唯一の断片なんだそうです!20秒で終わったんで、本当に断片でしたけどね(^^)。ほかにも、断片的に残っていたものに音楽を付け足したりしていましたが、雰囲気としては、中東の音楽に近かったです。旋法にエキゾチックなものがあるとか、響きが石壁の中で演奏してるみたいで異様にムーディーだとか、そういうのもあったんでしょうが、楽器が、わざわざ古代ギリシャにあったと言われるものを作って使ってるそうで、撥弦楽器の音も打楽器の音も、減衰が速いし音はふくよかだしと、古風でいいんですよ。。素朴な中東の音楽に、ギリシャで盛んだっただろう詩や戯曲的なものが絡んでくる感じ。この古風な感じがたまらない快感で、ため息でまくりでした。いや~これはいい…。

 そんなわけで、大昔のギリシャ人が上の句を読んで、現代の音楽家が下の句を付けたような音楽なんですが、それでも感じ入って何度も聴いてしまいました。だって、僕が知ってる西洋の古い音楽って、ルネサンスの音楽よりさらに古い吟遊詩人の音楽とか、教会音楽だとグレゴリオ聖歌あたりがせいぜい。それだってせいぜい12世紀ぐらいのものなので、古代ローマの音楽となるとそれより1200年以上も古いんですから、この時間の超越具合に震えてしまいました。これはいいCDです、いい仕事するんですよね、ハルモニア・ムンディというレーベルは(^^)。大おすすめ!!


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『笠井紀美子 / トーキョー・スペシャル』

KasaiKimiko_TokyoSpecial.jpg 笠井紀美子さんのアルバムと言っていちばん有名なのってこれじゃないかと思います…って、昔、中古番屋でこのジャケットをよく見かけたというだけなんですけどね(^^;)。『トーキョー・スペシャル』、1977年発表。作曲は山下達郎、矢野顕子、筒美京平というポップス系の人たち、そして鈴木勲というジャズ系の人も。それをコルゲンさん(鈴木宏昌)がアレンジしてクロスオーバー風味なサウンドに仕上げていました。

 そっちに行っちゃったか…。70年代中後半の日本のジャズをつまらなく感じるのは、右へ倣えでクロスオーヴァーに走ってしまった所なんですよね。そういう人がいてもいいとは思うけど、みんな同じ方向を向いちゃうところがちょっと…。いきなり宗旨替えをされると、今までやってたのは何だったの、と思っちゃうんです。で、宗旨替えした先の音楽がライトなポップスだと、寂しい理由しか思いつかないという。。でもこういう感想は、『Just Friends』を先に聴いて、しかもそれに感動した人の感想であって、一般的にはこのあたりから笠井さんに入った人の方が圧倒的に多いはずなので(ジャズとポップスではマーケットの規模が桁違いですもんね^^;)、僕みたいな感じ方をする人の方がレアなのかも知れません。

 さらに、このアルバムでの笠井さんは、音痴が取り返しのつかないレベルになってきた気が (^^;)。ワンセンテンスでワンシラブルの日本語詞だとピッチをキープしなくちゃいけないけど、それが苦手な人なのかも。

 でも考えようによっては、大野雄二さんのピアノ・トリオとの共演から始まって、コルゲンさんに辿りついたのなら、ある意味で一周して元に戻ったとも言えそうです。だって、コルゲンさんのバンドって、大野雄二さんの代名詞になったルパン三世のテーマを演奏したYou & The Explosion Band とほとんど同じメンツですもんね。久々に笠井紀美子さんを聴き直したところ、青春の1枚としてデビュー作の『Just Friends』さえ残しておけばいいや、という結論に至った僕でした(^^)。あれは、一生聴いていたいなあ。


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『笠井紀美子 with ギル・エヴァンス・オーケストラ / サテン・ドール』

KasaiKimiko_SatinDoll.jpg 笠井紀美子さん、1973年のアルバムは、なんとギル・エヴァンス・オーケストラとの共演!一体どうやったらこんなシンデレラ・ストーリーを歩む事が出来るんでしょうか。こんなすごいメンバーとばかりやってたら、デビューアルバムの大野雄二さんが霞んじゃうじゃないか、やめてくれ~。僕はあれが好きなんだよ。。

 な~んて心配は無用でした(^^;)。笠井さん、ヴォーカルがやっぱりダメでした。ピッチがね…。セカンド・アルバム以降は変な癖がついちゃったのか、ニュアンスを大事にするのはいいんだけど、リズムとピッチが取れなくなってます。ついでに、ギル・エヴァンスのスコアもかなり残念に感じました。『Out of Cool』でギル・エヴァンスに大熱狂した僕でしたが、このアルバムでの「Poor Butterfly」なんてアレンジなんて何もしてないに等しいし、1曲目「Day by Day」や3曲目「Bye Bye Blackbird」でソロを吹いてるサックスがヘタクソだしね。。エレピを弾き始めて以降のギル・エヴァンスのスコアはちょっと面白くないです。

 僕が笠井さんの純ジャズを聴いたのは、このアルバム、大野雄二トリオとの『Just Friends』、マル・ウォルドロンとの『ワン・フォー・レディ』の3枚で全てです。純ジャズ時代の笠井さんは大物ジャズ・ミュージシャンとの共演だらけでしたが、いちばん良かったのはひいき目抜きにして大野雄二トリオとのライブ。圧勝です。やっぱり演奏ってネームバリューじゃなくて、作りこんで弾き込んで歌い込んで、バンド全体が歌うようにならないとダメですね。「あの海外の大物と?!」な~んて形で売ろうとしている時点で、もう精神的に負けているという事なんでしょうね。。


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『笠井紀美子 & マル・ウォルドロン / ワン・フォー・レディ』

KasaiKimiko_OneForLady.jpg 笠井紀美子さんが大野雄二トリオと作った大傑作アルバム『Just Friends』の翌71年に発表したアルバムです。これもピアノトリオによる伴奏で、ベースは鈴木良雄さん、ドラムは村上寛さん。そして…日本人の新人シンガーが、2作目にして歌伴にマル・ウォルドロンを使うのか?!デビューから連続でこんな厚遇を受けた日本人ジャズヴォーカリストが、他にいるだろうか(いや、いない)。

 バラード弾きの大野雄二さんに対して、マル・ウォルドロンはブルース弾きという感じ。マルさんは『レフト・アローン』が日本で大ヒットして来日回数が多かったので、こういうブッキングが出来たのかも。ただ、マルさんはフォルテになると途端に雑になるというか、そこがちょっとイマイチだったかな?ビリー・ホリデイの歌盤をしていた人として有名ですが、実はあんまり歌伴のうまくない人だと僕は思ってたり…な~んて事は人には言えないですね(^^;)。

 そして笠井さんですが…あら?ピッチがかなり怪しいぞ。歌もなんかアンニュイな雰囲気を出す事にとらわれ過ぎている気もしてしまいました。「Lover man」や「You’re My Thrill」というスローナンバーがいい例で、フェイクやヴィブラートを入れまくるもんだから、感情のこもった素晴らしいヴォーカルにも聴こえるし、聴き方を変えると音痴にも聴こえるという。ヴォーカルって難しいですね、ニュアンスや表現をやりすぎるとフォルムが崩れちゃう、みたいな。


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『笠井紀美子 / Just Friends』

KasaiKimiko_Just Friends このレコードはぜひ聴いて欲しいです、日本のジャズ・ヴォーカルの大名盤、日本のジャズ・ヴォーカリストで僕がトップクラスで好きなシンガーさんの笠井紀美子さんが1970年に発表したデビュー作です。僕が飛びついたのは、歌伴が大野雄二さんだったからで、映画やアニメの劇音楽を作る前の大野雄二さんは、ジャズピアニストだったそうです。でもその演奏を聴くのはなかなか難しくて、レコードがあんまり残ってません。いつだったか、若い頃の僕の愛読書だったレコード・コレクターズで劇伴の特集がされまして、そこでこんなレコードがある事を知りました。

 「There Will Never be Another You」、「Bewiched」、「Just Friends」など、ジャズの有名曲がズラリと並ぶスタンダード集です。そして、笠井紀美子さんの歌がめっちゃくちゃうまい!うまいけど、うまさを披露するんじゃなくて歌に心を入れるようにして歌うのが素晴らしいです。どこかに日本的な歌心があるとも感じました。70年代の日本人の女性歌手って、八代亜紀さんでもちあきなおみさんでも、独特の詩情で歌うじゃないですか。このアルバムは、ジャズの中にああいう空気感が混じってる、みたいな。
 そして、大野雄二トリオの伴奏が素晴らしい!大野さんというと「犬神家の一族」や「処刑遊戯」のような映画音楽でも、「ルパン三世」や「コブラ」のようなテレビBGMでも、フュージョンな人の印象が強かったんですが、これは見事なジャズ・ピアノ。それも、ビル・エヴァンスじゃないけどけっこうセンチメンタルなバラード弾きという感じで、これは素晴らしかったです。

 他のアルバムだともうひと声だったりもするんですが、このアルバムでの笠井さんのヴォーカルは神憑り。奇跡のライヴだったんじゃないかと。そして大野さん。こういういい仕事をしていても、ジャズでは食えなかったんでしょうね。70年代以降の日本のジャズマンは辛いよ。。日本人ジャズなのでジャズの歴史から消えてしまいそうな1枚ですが、これは聴き継がれないといけない1枚じゃないかと思います。日本とか関係なしにしても、ジャズ・ヴォーカルの名盤と呼んでまったく問題のない素晴らしいアルバムと思います。


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無料の動画編集ソフトを比較してみた

 先日、ちょっとしたライブに出演させていただきまして、その時に撮影した映像の編集を頼まれたんです。同期させていないハンディカメラ2台の動画編集です。撮影時間は、カメラ1台につきおよそ1時間40分ほど、どちらも4KじゃなくてAVCHDでした。このほかにライブで録音した音素材が別途あり、これを編集して合成するわけです。
 ちょっとした動画編集は何度もしたことがあるので、安請け合いしたんですが、これが大変な事態に(- -*)。メインで使っていたAbobePremiere Pro がフリーズしまくりで使い物にならず、無数の動画作成ソフトを比較しながら試す羽目となり、丸3日ほど不眠不休となりました。動画編集ソフトってただでさえUIが複雑なのに、使ったことのない動画編集ソフトを立て続けに4つも5つも使うのは地獄としか言いようがありませんでした。
 この時に味わった地獄の苦しみを他の人に味わわせたくないという思いから、こんな備忘録を残すことにしました。名付けて、動画編集ソフトはどれを使えばいいのか?!

■Adobe Premiere Pro
Adobe Premiere pro_photo 今回使ったものの中で有料であるソフトはこれだけです。このソフトを持っていて、またある程度使ったことがあるから仕事を引き受けたわけですが、この時僕は「2カメ、音声1、2時間近いライブ」という規模の編集をやったことがなかったことを忘れており、これが地獄の始まりでした。簡単に言うと、データが重すぎるのか、フリーズして「応答していません」というメッセージが出て、うんともすんとも言わなくなったのです。ちなみに、動画編集に使ったPCのスペックはソフトの要件を満たしており、しかもハードディスク容量も十分にありました。
<長所>さすがに販売されている商品だけあって、機能面では何の不満もなし!UIも最初は難しいと思いましたが、いざ他のソフトと使い比べると、このソフトを参考にUIを構築しているソフトが多いので、実はPremiere Pro で動画編集ソフトの使い方を学んでしまうのがいちばん近道なうえ、分かってしまえば実はこれが一番使いやすいとすら思いました。
<短所>シャレにならないほど重いので、データ量が多かったりPCのスペックが低いとフリーズ地獄に嵌って使いものにならなくなるんじゃないかと。一度でもフリーズし始めたら何をやってもソフトを立ち上げただけで「応答なし」状態になり、まったく使えなくなります。僕の場合、タイトルを作りこみ、1カメの映像に音を同期させ、字幕を入れ…という感じで作業を進めていたところ、作業の半分ほどが済んだところでいきなりフリーズ!応答なし!以降は、PCを立ち上げ直しても、メモリーを開放しても、PC側のハードディスク容量を空けても、ソフトを開いた瞬間にフリーズです。PCをぶっ壊したくなるほど頭にきました。

 というわけで、他の映像編集ソフトを買って解決するなら買ってもよかったんですが、動画編集ソフトの代表格がこれという事は、ほかのソフトでも同じは目にあう可能性があるわけで、そうなったら目も当てられません。というわけで、僕のフリーソフトを試す旅が始まりました。

■AviUtl
Aviutl_photo.jpg ここからが無料ソフトの比較になります。まずは「使いこなすことが出来さえすれば最強」との呼び声高いソフト、AviUtlです。これは使った事があるのですが、出来れば避けたいと思う理由がありました。
<長所>すこぶる評判がいいので、多分本当に「使いこなすことさえできれば」いいんだと思います。でも、その為には映像に相当に詳しくないと無理そうなのです。
<短所>すべて自分でカスタマイズして使うような仕様なので、ソフト本体を入れただけでは使い物になりません。それに関連して、UIが無茶苦茶に分かりにくいです。そして、けっこう重い。さらに、音ズレしやすいです。
<感想>重いこと以外は、自力で解決できるぐらいに映像の知識とソフトの探求心がある人なら解決できるのかも知れません。というわけで、これはアリだけど、他にもっといいソフトがあるならそちらを選びたい感じでした。

■Olive
Olive_photo.png 今回の作業は重いのが問題のようなので、動作の軽いソフトを検索しました。そこで見つけたのがこのソフト。これで行けるなら、このソフト一択でいいと思ったぐらいに優秀でした。しかし…
<長所>軽い!UIがいい!必要なことが何でも簡単にできる! これはものすごくいい!!と思ったんですが…
<短所>第1は、意味不明の動作不良。動画1のうしろに、動画2を並べたんです。すると、動画2が動かない…。読み込みに時間がかかっているのかと思い、しばらく待つも動かず。20分待っても30分待ってもダメ。第2は、音ズレしてしまうのでした(^^;)。
<感想>結果として使い物になりませんでした。しかしこのソフト、2019年に開発が始まったばかりのようなので、改良が進んで不具合が修正されれば、軽いしUIは優れているし使いたい機能は一通りそろっているという事で、ぜひ使いたいと思うソフトでした。不具合さえなければ、このソフトをメインにしたいと思ったほどです(^^)。

■Avidemux Portable
 軽いし使い方が簡単そうだったんですが、複数の動画をレイヤーとして並べられなそうなので、今回は使うことが出来ませんでした。自分では試しませんでしたが、音ズレも発生しやすいんだそうな。

■Kdenlive
Kdenlive_photo.jpg 結果的に、これと「ShotCut」というソフトが、無料ソフトの中では使える方かな、という結論に至りました。良いとは言いませんし、「こんな基本的なところがこんな状謡なんて、明らかにダメじゃん」という所もあるんですが、無料で提供していただいてるんだから文句は言えず…。
<長所>いちおう一通りのことが出来ます。音ズレもしません。つまり、使える!
<短所>第1に、けっこうフリーズします(ただし、Premiereと違って、立ち上げ直せば復活できます)。第2に、編集すると音がブチブチ鳴ります(書き出した後もそうなるかは未確認)。第3に、字幕をフェードアウトすると、黒にフェードアウトして文字が残る…つまり、背景にが黒以外のときは、字幕のフェードアウトは無理という事です。そして、UIがまあまあ面倒です。
<感想>というわけで不満は色々とあるんですが、無料ソフトで使うとしたら、このKdenliveか次に紹介するShotcutのどちらかと思いました。

■ShotCut
shotcut-photo.png KdenLiveともうひとつ、何とか使えたのがこのソフトでした。使えたといっても「なんでこんな当たり前のことが出来ないんじゃボケ」というぐらい不満だらけでしたが、無料なんだから文句言っちゃダメですね(^^)。
<長所>基本的な機能が一通りあります。音ズレもしませんでした。そして、使用に耐えたソフトの中では一番軽く、ここが大きかったです!
<短所>第1に、UIが鬼のように面倒です。使い方が分かりにくいだけならまだ良いのですが、ひとつの作業をするのに他のソフトだと2~3回の作業で済むところが、このソフトだと8回も9回もしないといけないので、ものすごく面倒なのです。例えば、字幕を入れるなんて言う単純な作業をやるだけで、8工程ぐらいかかります。第2に、編集ポイントが生まれるたびに音がブチブチ言います。これは作業時はひどい状態ですが、書き出すと意外と直っている…とはいうもののちょっと残っているので、仕事としては使えませんね(^^;)。第3に、字幕のフェードアウトをすると、やっぱり黒になってフェードアウトしません。つまり、背景が黒以外は字幕のフェードアウトは無理です。それはスタッフロールも同じです。
<感想>というわけで、UIが煩雑なのでPremiereなら20分で済む作業がこのソフトだと1時間ぐらいかかるという点と、「字幕がフェード出来ない」とか、それほど複雑な事でもない作業に対しても制限が加わりまくるんですが、それでもフリーズせずに最後まで仕事が出来たのはこのソフトだけでした。というわけで、何とか使えるソフトはこれかも。

以下は、試す前に、何らかの理由があって使用をあきらめたものです。

■Filmora
見た目は使いやすそうだし、評判も悪くありませんでした。でも無料版は画面に透かしが入るそうで…つまり無料版は使い物にならず、「ためしに使ってみて、良かったら買ってね」という事みたいです。

■Lightworks
これも評判が良かったんですが、それなりに重いらしく、また無料版は書き出しが最大720pと制限が加わるそうです。

■Avidemux
使い勝手は良いらしいんですが、いざ書き出そうとすると「無料版は書きだせないよ、書き出したかったらお金を払ってね」と言われるらしいです。

■結論
 これだけ試しておいてなんですが、結局は無料ソフトはどれも基本的なところで何らかの不具合があり、Premiere の足元にも及ばず。結局、Premiereの使い方を工夫して対処したのでした(^^;)。動画のすべてを一気に作ってしまおうとせず、ライブの切れ目ごとに違うプロジェクトで制作していくつものMP4ファイルを作り、それを後でオーサライズソフト(僕が使ったのはAdobe Encore)で繋いだのです。音楽のミックスダウンはこうやるものなので、動画も本当はこうするんだろうなと気づいたのはこれだけのソフトを試した後だったという(^^;)。あ、オーサライズソフトでも似たような苦労をしたので、これについてもいずれ書きたいと思います。
 でもって、オーサライズソフトを使わず、多少雑でもいいので動画をパパッとつなぐぐらいで良いというなら、Premiereなんて高いソフトを買うまでもなく、Kdenlive かShotcut を使うのが僕のおすすめでしょうか。無料ソフトを使うなら、現状ではKdenlive かShotcut のどちらかがおすすめです。UI がクソだったり、編集ポイントでノイズが入ったりしますけど、それでも他のソフトほどの致命的な欠陥はありませんでした。で、もしバグやら不具合が修正された暁には、UI的にはOlivew がおすすめ。現状では音ズレや再生しないリージョンがある状態だったので、使い物になりませんが。。

  いや~疲労困憊の数日間でした。マジでしんどかったので、この記事が無料ソフトを導入しようとしている方の助けになってくれると嬉しいです。それではまた!


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『ドビュッシー:前奏曲集 第1巻、子供の領分 ベロフ(p)』

Debussy_Preludes1_Beroff.jpg フランスのピアニスト、ミシェル・ベロフが演奏したドビュッシーの前奏曲集1巻と、子供の領分です。ベロフのドビュッシー前奏曲の演奏というと、若い時に演奏したものが有名ですが、これはそれじゃなくて1994~95年の録音。

 テンポはゆったり目。表現も前面に押し出す感じじゃなかったので、かなり落ち着いた演奏でした。う~ん、ポリーニの演奏でも感じた事ですが、これって表現としてこういう演奏を選んだんじゃなくって、単純に齢とって指が回らなくなって速い演奏は出来なくなってるんじゃないかしらん。第7曲「西風の見たもの」なんて、弾き倒してなんぼの曲だと思ってるもんで、綺麗に丁寧に演奏されてもちょっと違うんじゃないかと思ってしまったりして(^^;)。いや、それだって素晴らしい演奏なんですが、ツィマーマンさんを聴いてしまったのが仇になったかも。

 このCD、録音はDENON なんですが、音は昨今のグラモフォンのピアノ録音より全然良いと感じました。名前だけだとグラモフォンの圧勝ですが、音楽は名前じゃないですね。さすがオーディオメーカー、音の良さにはこだわりがあるのかも。。


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『ドビュッシー:前奏曲集 第1巻 ポリーニ(p)』

Debussy_preludes1_polini.jpg ポリーニが1998年に録音したドビュッシーの前奏曲集第1巻の演奏です。ポリーニは、80年代録音だったアバド&ベルリンフィルと共演したシューマンのピアノ協奏曲の演奏で「おおっ!すげえ!」と思ったんですが、90年代後半あたりの録音からは、うまいけど演奏がなし崩しに流れてイージーリスニングみたいに聴こえちゃったり、本人の趣味なのか90年代からのグラモフォンの録音陣の問題なのか、妙に残響がボワンボワンすぎたりして、意外と「ポリーニなら間違いない」とは思えなくなってたんです、僕の場合(^^;)。

 すごくマッタリしてました。ドビュッシーの前奏曲集というより、シューマンの「子供の情景」あたりを聴いてるような気分。「沈める寺」なんて、いくらなんでも遅すぎるんじゃないか、これは溜めたんじゃなくて指が回らないんじゃ…な~んて巨匠に向かって考えてはいけない言葉が頭をよぎったり(゚ω゚*)。でも、このマッタリが演奏によるものだけなのか、録音でそうなってるのかはちょっと僕には分からない所がオーディオに疎い人間の悲しい所。。ただ、残響が多くて、どうやって弾いてもボワ~ンとした響きになっちゃうのは確か。タッチやペダルでの音色操作なんか、ぜんぜん聴きとれませんでした。もしかして、けっこうオンで鮮明に録音してあるミケランジェリの録音に慣れちゃってそう聴こえるのかな…。

 90年代後半以降のポリーニのピアノソロ演奏の録音では、ベートーヴェンのピアノソナタ1~3番の録音もこんな感じでした。残響がブワ~ンと鳴っちゃってて、なんかはっきりしない音なんです。近年のグラモフォンのピアノ録音がダメなのか、ポリーニがこういう音を所望してるのか知りませんが、僕にはちょっと理解できない感じ。あ、あくまで言っておくと、僕は多分残響はある程度ある録音の方が好きで、ミケランジェリのドビュッシーはあまりにも残響がなさ過ぎて好きじゃないと思うぐらいの人です。そんな僕でも、こんなに風呂場みたいな音にしちゃったら、タッチを変えようがペダルを踏もうがみんな同じ音になっちゃうんじゃないか…みたいに感じちゃって、どうも苦手でした。。


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『ドビュッシー:前奏曲集 第1巻 B.ミケランジェリ(p)』

Debussy_Preludes1_Michelangeli.jpg ドビュッシーの前奏曲集は、ツィマーマンの快演に出会うまでは、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリさんのこのCDをよく聴いていました。モニク・アースさんは教科書のように素晴らしい演奏だったけど曲が抜粋だったし(僕が抜粋のCDを買ってしまっただけなんですけど^^;)、なんといっても録音がめっちゃくちゃいい!ツィマーマンの録音に比べるとかなりオンで、こもる事なく透き通ったような音、それでいて低音もきちんと出ていて、音にしびれていた1枚です。ミケランジェリさんのこれは昔から名盤と言われていた1枚だけあって、スバラシイ1枚だと思います。

 何度も聴いてきた演奏なので、けっこう頭に入っていて、覚えています。「沈める寺」なんて、僕はこの演奏を手本にして練習した事もありました。でも、ツィマーマンの演奏を聴いた後に聴くと、慎重すぎるように聴こえてしまいました。いや、この演奏が悪いなんて事は全然なくて、素晴らしい演奏なんです。一音一音をしっかり演奏してクリアに聴かせる構築的な演奏で、これがドビュッシーの前奏曲演奏の手本だった時代だってあったはず。ただ、これは僕には堅すぎて思えて、結局ミケランジェリさん演奏の前奏曲第2集は買わなかったんです。

 ところで…僕が持ってるCDは、「前奏曲集第1巻」全12曲だけが収録されてます。ところがアマゾンを見ると、まったく同じジャケットで子供の領分がカップリングされてるもの、映像の1と2がカップリングされてるものなどなど、色々と組み合わせを変えて再発しているものが4つも5つも出てきます。これは独グラモフォン自体のやり口か、それともグラモフォンの日本代理店になってるポリドールのやり口なのか。レコードメーカーのやり口って、企業倫理としてどうなんでしょう。グラモフォンの場合、未発表を入れてるんじゃなくて、他の既発CDのものを組み合わせて出すもんで、色々とダブってくるんです。それって最低だよなあ…。


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『ドビュッシー:前奏曲集 第1巻・第2巻 クリスティアン・ツィマーマン(p)』

Debussy_Preludes_Zimerman.jpg 僕のドビュッシーのピアノ曲に対する考えが変わってしまったぐらい衝撃的な演奏でした。久々に聴いた今回も、朝から何周聴いてるか分からないほどのヘビーローテーションです。この曲に限らず、超絶的なテクニックと表現力をもつポーランドのツィマーマンの演奏には、「この曲ってこんなにすごかったのか」と思わされた事がけっこうあるんです。ルトスワフスキの曲なんて、ツィマーマンさんの演奏で目覚めてしまったぐらいですから(^^)。巨匠世代でも、70年代の日本のクラシックブームに乗った人でもないもんで、僕はどうしてもアルゲリッチポリーニの次ぐらいに聴いていましたが、最近では全盛期アルゲリッチと同格、大好きなグールドより上とすら思ってます。

 ドビュッシーのピアノ曲集というと、「映像Ⅰ」「映像Ⅱ」「版画」の方に親しんできたんですが、本当にすごいと思うのはこの前奏曲集です。作曲やピアノ音楽の歴史的にもそうなんじゃないかなあ。ただ、耳あたりの良さとは裏腹に簡単な曲ではなく、内容も技術も和声もかなり高度で斬新、場合によっては晦渋な所まであったりして。ドビュッシーというと4度や6度の和音が有名ですが、前奏曲集だとそれだけじゃなくて、1巻だと#2「ヴェール」がかなりの部分が全音音階2巻#2「枯葉」は部分的にジャズでいうコンディミ#10「カノープ」は部分的に並行和音ドビュッシーの作曲技法を学ぶにも素晴らしい教材と思います。

 そんなわけで、「前奏曲集」はそれ以前のドビュッシーのピアノ曲とちょっと違う印象で、色は大事にしないといけないけど実はリストみたいにエスプレッシーヴォに弾いた方がいいのかも。ただし、何曲かは相当に難しいスコアなので、それが出来る技術と表現力があれば、ですけどね(^^;)。そしてそれをやってしまったのがツィマーマンのこの演奏なんじゃないかと。1集「西風の見たもの」「沈める寺」、2集「枯葉」(コンディミが深い!)「妖精は素敵な踊り子」「花火」の演奏は、言葉が出ないほど感動してしまいました。これはギーゼキングやアースが演奏してきたドビュッシー前奏曲集とは全く別物、目指してるものが違うのでどっちが上とかじゃないと思いますが、この演奏でこの曲の演奏のされ方が変わっていくんじゃないかというほどに凄かった!これは印象派和声を鳴らしつつリストのように個人の表現に昇華してしまった超弩級名演じゃないでしょうか!

 こういう前奏曲集の演奏が好みかどうかとは別に、間違いなくぶっ飛んでしまう神がかりな演奏でした。ただし、ピアニストがこれを聴くのは注意した方がいいかも。ピアノやめたくなるかも知れません(^^)。


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『Glenn Frey / Soul Searchin'』

GlennFrey_Soul Searchin 1988年にイーグルスのグレン・フライが発表したソロアルバムです。これを聴くと、「あ、マイアミ・バイスやビバリーヒルズコップみたいだ!」と思ってしまうんですが、実際にその時代ですよね。AORというかシティポップというか、そんな感じです。

 ギターにはコーラス系のエフェクターが入っていて、シンセサイザーがうしろになっていて、奇麗なハーモニーがついて、ムーディーなサックス・ソロが入って、中域がものすごくすっきりして楽器のセパレートが良くて…もろに同世代だったはずなのに、若い頃はこういうAORな音楽が軟弱に聴こえて受け入れられなかったんです。でも、大人になった今聞くと…アップテンポのロック調の曲はやっぱり軽薄に感じてしまってしっくり来なかったんですが、ミドルやスローのムーディーな曲になると心地よいです。昼間に一生懸命働いた大人が夜のバーや車の中で聴いて、昼間の緊張を解く音楽、みたいな。特に「True Love」と「Some Kind of Blue」の2曲にやられてしまいました。あ~これは気持ちいい、そして懐かしい。。

 AORって、何となく車のラジオで聴く音楽だと思っているもので、自分で買って家で聴くのは少し違う気がするもんで、今のストリーミングの時代には意外と合った音楽なのかも知れません。これを部屋の中で流すと部屋のムードが一変、最高に心地よいです。80年代なんて僕にとってはつい昨日のことのようなのに、グレン・フライさんももうこの世にはいないんですよね。イーグルスの『One Of These Nights』のようなアーティスト性みたいなものは薄れて、ちょっと商売に寄せすぎな音楽な気もしますが、それでも上質なポップスでなかなか。AORの名盤のひとつと思います。


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『Eagles / Hotel California』

eagles_hotel california イーグルス最大のヒット作というだけでなく、アメリカのロック/ポップスでも空前のヒットとなったアルバム『ホテル・カリフォルニア』、1976年リリースです!ロックは大好きだったけどポップスはどうも…という若いころの僕でしたが、このアルバムを聴いて、そんな偏見は吹き飛んでしまいました。自分の好き嫌いより、相手が持っている善悪の判断基準を理解できるようになることのほうがよほど重要なんですよね、自分にとっても有益だし。メンバーは、グレン・フライ(vo, kbd, g)、ジョー・ウォルシュ(g, kbd)、ドン・フェルダー(g)、ランディ・マイズナー(b)、ドン・ヘンリー(dr)。

 実は、タイトル曲「ホテル・カリフォルニア」をいいと思ったのは後の話で、最初聴いた時は好きじゃなかったんです。暗いし、ギターソロが書きソロで「こんなのソロじゃねえだろ」と思ったり、諸々ありましてね(^^;)。むしろ虜になったのは、2曲目の「New Kid in Town」。うっすら鳴っているオルガンとエレピ、その前に綺麗な音のアコギ、素晴らしいコーラス…美しすぎるジャケット写真と合わせて、アメリカ西海岸の幸福感が音にぜんぶ出ているような心地よさでした。アメリカ西海岸の音楽と言ったら、その前はサイケビーチボーイズというイメージだったので、イーグルスの『呪われた夜』とこのアルバムのふたつがウエスト・コースト・サウンドの分岐点になったんじゃないかと思ったほど。あの泥臭かったドゥービー・ブラザーズですらこういうサウンドになりましたし、このへんでLAに何かが起きたんでしょう。80年代以降のLAサウンドはメタルでさえこんな感じですもんね。。
 以降、「Life in the First Lane」はポップロックでカッコいい、ピアノとストリングスから始まる「Pretty Maids all in a Row」なんてあまりの美しさにゾクッと来てしまいました。「Wasted Time」のストリングス・アレンジ版も、ちょっと前のカントリーとフォークをやっていたイーグルスからは考えられないほどの洗練のされ方、まるで映画音楽を聴いているかのようでした。

 そして、「Hotel California」です。この曲を本当にいいと思ったのは、なけなしのお金をはたいて高いオーディを買った時で、音の良さがすごかった!!「うわあ…」と、しばらく絶句したほど。この素晴らしい音はいいオーディオでないと楽しめない。でも、曲の真ん中のブレイクで音がふっと消えて、編集した事が分かってしまったのもその時で、聴こえなくていいものまで聞こえてしまった(^^;)。画質の良すぎるテレビで女優を観たら肌荒れが見えてしまった、みたいな感じ。良いオーディオも良し悪しですね。。でも、「ホテル・カリフォルニア」の音の良さに気づいた瞬間、実は「Pretty Maids all in a Row」と「New Kid in Town」も、実は音の美しさに感動していたのではないかとはじめて気づいたのでした。

 曲や演奏だけでなく、録音というものが新しい時代に踏み込んで、新しい録音技術が出てきたのも、70年代中ごろのロック/ポップスの進化の大きな一歩だったと思います。スティーヴィー・ワンダーの『Innervisions』が73年…やっぱり、録音の大転換点はだいたいこの辺。このへんから、レコードとライブは別という道をたどるグループが増えましたが、でもマテリアルが違ったら、違う中でベストなものを目指すのは不自然な事じゃないですよね。その中で生まれた「録音に感動する」名盤が、イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』や、スティーリー・ダンの『Aja』だったのかも。


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『Eagles / One Of These Nights』

Eagles_One Of These Nights 邦題は『呪われた夜』、1975年にイーグルスが発表した4枚目のアルバムです。このアルバムを聴くと、翌76年発表の『ホテル・カリフォルニア』がラッキーパンチではなく、生まれるべきして生まれた傑作だったんだなと思えます。それぐらい、このアルバムは素晴らしかった!

 AORとカントリーとロックのハイブリッドのような音楽、それでいて洗練度が半端ない!時代のサウンドを作り上げたアルバムのひとつと言えるんじゃないかと。イーグルスが先陣を切ったのかどうかは分かりませんが、当時のアメリカのチャート音楽は、多くのポップ/ロックのバンドが洗練された音を目指していて、その中でトップクラスの音を作っていたのがイーグルスだったと感じます。このアルバムの音を聴いてしまうと、それ以前のアメリカン・ロックの音がみんなやぼったく感じてしまうほどで、それぐらい洗練されてました。そんなわけで、このアルバムをいいと思うかどうかは、音が美しいと感じるかどうかがけっこう大きい気がするんですよね。、いいオーディオ装置で聴けば聴くほど感動。逆にいうと、小さいスピーカーで聴いたらなんでもないアルバムに感じるかも。

 そして、僕がこのアルバムで一番好きなのは、4曲目のインスト「Journey of the Sorcerer」。チャランゴみたいな楽器の音が真ん中にいて、それにロックバンドとストリングスが絶妙に絡みます。フォルクローレとロックとAORが混じり、壮大でドラマチックに展開…いや~これはいい!!音がいいと言ってもやっぱり産業ロックには違いないアルバムではあるんですが、そういう中にこういうセールスよりクオリティ優先の曲が入っている事で、一段上のアルバムになったんじゃないかと。

 僕は、イーグルスのセカンドとサードを聴いてません。だから、カントリーロックなファーストとこの異様に洗練されたアルバムの間で何が起きたのか分かりません。それにしても3年でここまで進化するとは恐るべし、東京に行って数年ぶりに帰ってきたら急に美人になっちゃってた姉ちゃんみたいだよ。。翌年、あの大ヒット作『ホテル・カリフォルニア』が生まれるのも当然に聴こえる素晴らしいアルバムでした(^^)。


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『Eagles』

Eagles_first.jpg 「ホテル・カリフォルニア」のヒットで知られるイーグルスのデビューアルバム、1972年発表です!イーグルスというと、ギターヴォーカルのグレン・フライが有名ですが、このデビューアルバムを聴く限りでは、ワンマンなバンドには感じないです。そして、久々にクレジットを眺めていて気づいたんですが、ジャクソン・ブラウンが作曲に関わった曲が2曲あるんですね。でもメンバーではないみたいだし、どういう関係だったんだろう。

 「ホテル・カリフォルニア」のころとけっこう違って、ハートウォーミングなカントリー・ロックという感じです。バンド形式で演奏はしてるけど、コーラスは綺麗だし、フォークギターのジャカジャカというストローク演奏が中心で、スライドギターが入ってくるとなおさらカントリーっぽく感じます。ヒット曲「Take It Easy」では、最後にバンジョーまで入ってきます(^^)。こうなると、むしろ芸のないエイトビートを刻むばかりのドラムはいない方がいいと僕は感じちゃうので、ドラムレスまたはドラムの目立たない「Train Leaves Here This Morning」や「Most of Us Are Sad」あたりの曲が好きです。

 音楽はすごく保守的であんまり面白く思わなかったんですが、さすがカントリー系の音楽だけあって詞がいいものが多かったです。それにしても、こういう音楽をやっていたバンドがわずか数年後にアルバム『ホテル・カリフォルニア』みたいなサウンドを作り出すとは、とうてい信じがたいっす(^^;)。


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『炸裂の音曼荼羅 ~チベット仏教の音楽』

Sakuretu no Otomandara ChibettoBukkyou no Ongaku チベットの仏教音楽は、前に色々と日記を書いた事があるぐらいに好きで、中古盤屋で見かけると間違いなく買ってしまうのです(^^;)。これは最近ゲットしたチベット仏教のCD。日本のキングレコードが1990年に制作したもので、日本のキングレコード第1スタジオでの録音。あ、そうそう、チベット仏教ってブータンネパールにもあったかと思うんですが、このCDに入っていたのは中国のチベット自治区にあるナムギュル学堂という寺院の僧侶によるものでした。

 それがいい事なのかどうかは聴き方次第でしょうが、さすがにスタジオ録音だと音が良いです!楽器ひとつひとつの音が明瞭だし、また低音の鳴りぐらいが現地録音とは比較になりません。チベット仏教の音楽って、トゥン・チェン dung chen という長低音の出るムチャクチャ大きい長官ラッパを吹くんですが、これが「ブオオオオオオ~ン!!」って感じの超重低音で強烈なんです。それだけに、重低音を見事に録音したこのCDの価値は大きいぞ!僕がいままで聴いたチベット仏教の読経の録音では、間違いなくナンバーワンのハイファイ録音です。

 そしてこのCD、「ヴァジュラバハイラヴァ成就降魔」という読経を収録してるんですが、CD1枚で1トラック、45分ノンストップです。もしかすると、この儀礼をフル収録したのかな…。でもって、これが今までに聴いてきたチベット仏教のちょっと違って感じました。
最初は僧侶みんなで読経。それがある程度続いたところで、銅鑼やトゥン・チェンが一斉に鳴り響いて突然の爆裂音!これが消えたと思ったら、余韻のうしろではさっきの読経が続いてた!こういうのを繰り返しているうちに、いつの間にか読経のうしろで低音の聴いた太鼓の伴奏がついていて、まるで魔を払うように鈴(金剛鈴ティルブ)がかすかに鳴り、そしてまた銅鑼やらトゥン・チェンの波状攻撃が!!つまりですね…こういう言い方が正しいかどうか分かりませんが、まるでバリのケチャやガムランみたいなコロトミー構造なんですよ。日本の読経だと、最初から最後までモニョモニョと詠まれて終わり、みたいな感じがあるじゃないですか。でもこれは緩急自在、静かに読まれたと思ったらドッカーン、波状攻撃が来たと思ったら一斉に引いてメゾピアノ…みたいな感じで、意識を反らしてるなんて暇がありませんでした。そしてこれをえんえん繰り返されると、意識がはっきりしたままトランス状態に入ってしまうぞ…。

 音や音楽の事ばかり書いてしまいましたが、「ヴァジュラバハイラヴァ成就降魔」というのは、徳の高いラマに従って曼荼羅世界を瞑想して、ヴァジュラバハイラヴァに生まれ変わっていくという儀式みたいです。ヴァジュラバハイラヴァが何かはよく分かりませんが、解脱の境地の擬人化みたいなものなのかな?チベット仏教のCDって当たりはずれが結構ありますが、これは大当たり。個人的にはチベット仏教レコードの1位です。いやあ、すごかった。。


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『Tibetan Buddhist Rites From The Monasteries of Bhutan Vol 2 / Sacred Dances and Rituals』

Tibetan Buddhist Rites From The Monasteries of Bhutan Vol2  ジョン・リーヴィーによるブータンのフィールド録音シリーズの第2弾です!70年代初頭の録音なので、今みたいにポータブルで高性能な録音機材があるわけではなかったと思うので、録音も決して楽じゃなかったんじゃないかなあ。テープだって多分オープンリールのものを持ち運んでいたんでしょうし。1972年のブータンの仏教音楽のフィールドレコーディングが残っているというだけでも、貴重な文化遺産なんじゃないかと。

 サブタイトルから想像して、チベットの儀礼音楽ではじめて舞踊系という、これまでと違ったタイプのものを聴けるのかと思って買ったんですが、意外とチベット仏教のマントラ軽音楽と変わらなかった(^^;)。でも他のチベット仏教系の録音に比べるとそうとうに音楽が全面に来ているものでした。日本だと、京都の祇園祭で独特な管楽器と打楽器を鳴らしながら山車がゆっくりと行進するじゃないですか、あれをブータン風にしたように感じました。

 なんで僕はブータンやチベット仏教の音楽にこんなに魅かれるんでしょうか。世界でも例を見ないほどの瞑想音楽という所もあるんでしょうし、昔に原始仏教の本を読んで猛烈に感動した事があって、その影響もあるのかも知れません。原始仏教の本、いつか感想を書きたいと思いますが、残りの人生で読み返している暇が果たしてるかどうか(^^;)。人生ってちょと短すぎますよね、人の一生が2000年ぐらいあってくれればいいのになあ…そういう考えをしている時点で、僕は仏教を理解できてないですね(゚∀゚*)エヘヘ。


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『Tibetan Buddhist Rites From The Monasteries Of Bhutan Vol.1 / Rituals of the Drukpa Order』

Tibetan Buddhist Rites From The Monasteries Of Bhutan Vol1 ネパールに続いて、ヒマラヤ山脈沿いにある国ブータンの音楽を!音楽だけで判断すると、ネパールはインド文化圏という感じでしたが、ブータンは仏教文化圏と感じました。この録音は、世界中でフィールドレコーディングを続けたJohn Levy というイギリス人の学者さんが1972年にブータン現地で録音したものの第1集です。

 これは思いっきりチベット仏教の音楽でした。チベットの仏教音楽については前に何回か感想を書きましたが、寺院によってけっこう違うんですよね。まあ、日本の読経が宗派によってかなり違う事を考えれば、それが自然なのかも知れません。日本のビクターのフィールド録音だと、ほとんどが読経でここ一番で重低音ホルンが「ブオ~ッ!!!」ときていたのに対して、これは重低音ホルンよりもその上で鳴っているとチャルメラ上の楽器の合奏が利きまくっていて、読経はのべつまくなしというわけではありませんでした。それだけに瞑想系ながらとても変化に富んでいて、僕が聴いてきたチベット仏教の音楽の中ではいちばん音楽的なものだったかも。そして読経部分は長い経文ではなく、同じ言葉を繰り返すマントラのよう。いやあ、これはカッコいい。。

 それにしてもチベット仏教の音楽のトランス具合はやばいです、これぞ瞑想音楽、聴いているだけでトリップしてしまいそうでした(^^;)。


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『Bharat Nepali Party / Himalaya Roots: Traditional Music of Nepal』

Himalaya Roots Traditional Music of Nepal これもネパールの伝統音楽のCDです。いやあ、これは民族音楽を聴かない人もぜひ聴いて欲しい素晴らしい音楽、シンセで作ったインチキじゃない、本物のヒーリングミュージック体験でした!

 楽器自体はインド音楽でした。タブラがリズムを刻んで、その上でナイみたいな管楽器と擦弦楽器(サーランギー)がメロディとドローンを奏でるというのもインド古典音楽に似ています。でも、この音楽はインド音楽みたいに大きく展開したり劇的構造を取るわけでなく、ず~っとたゆたうように同じ所をゆったりと動いている感じ。こうなるとドローンがじわじわと効いてきて、なんかトリップしちゃいそう。なんというか…ボリビアのフォルクローレなんかもそうでしたが、森林限界を越えた酸素の薄い高地で、鳥だけが飛んでいて、その中を余韻の長い音だけがず~っと鳴っているような心地よさでした。これは最高に気持ちいいです(¯﹃¯*)ヨダレダラー。。

 ネパールは中国やブータンに文化が近い国だと思ってたんですが、少なくとも音楽はインド系。同じ所をぐるぐる回る構造は仏教音楽的とも感じたので、宗教だけでなく音楽もシンクレディズムを起こしている地域なのかも知れません。これは最高のヒーリング・ミュージック、推薦!


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『ネパールの古典音楽 (世界民族音楽大集成21)』

Nepal no KotenOngaku_21 ヒマラヤ山脈沿いの国といえばネパールブータン!ヒマラヤはいちど登ってみたいですが無理でしょうね、今年もたくさん死んだらしいし…。これは現地録音ではなく日本のキングレコードの第1スタジオで録音したものとの事でした。収録されていたのは、サロードの演奏が2曲とシタールとサロードのデュオ。CDのタイトルには「サロード独奏」なんてクレジットされてましたが、どっちもタブラの伴奏が入ってるんですがそれは(^^;)。。

 楽器からしてすでにそうでしたが、北インドのヒンドゥスターニ音楽の系統でした。ネパールって仏教とヒンズー教とその他宗教が混在してると聞きましたが、ここに入ってた音楽はヒンズー文化系統という事かな?それにしても、ものすごくゆったりと演奏するサロードの美しさったらありません!1曲目はネパール民謡を演奏していて、2曲目はキールワーニーというラーガを用いてのの演奏。インドのサーロード演奏のテクニカルさに対し、ネパールのものは宮廷音楽のような優雅さでした。いやあ、このサロード演奏を聴くだけでも、このCDは買いです!めっちゃいい!!

Nepar_photo.jpg シタールとサロードの演奏も、めっちゃくちゃ心地いい!!これは共演というより、交互に演奏してました。使ってるラーガはアヒール・バイラブというもので、30分近い演奏はアーラープ/ジョール/ジャーラー/ヴィランビット・ティーンタール/ドゥルット・ティーンタール、という順。いやあ、インド音楽のCDって長い演奏抜粋してしまうものも多いので、こうやってフル収録してくれるのは嬉しいです(^^)。

 ネパールってもっと村の民謡みたいなのしか残ってない地域なのかと思ったら、インドから高度な音楽文化を吸収してるんですね。これはメチャクチャ良かった、超おススメです…といっても、今は世界民族音楽大集成のディスクって手に入れにくいんですよね、昔は中古盤屋でけっこう安く入手できたんですが(゚ω゚*)。


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『シベリウス:歌曲集 トム・クラウセ(baritone)、ユープショーバッカ(p)』

Sibelius_songs_TomKrause.jpg シベリウスの歌曲を集めたアルバムです。レーベルはフィンランディア。フィンランドのCDというと、とにかくこのフィンランディアというレーベルのものが多いですが、キューバのEGREMみたいな国営のレーベルなのかな?

 綺麗なメロディの曲が多くて、そこは素晴らしいと思ったのですが、ピアノがマジで伴奏しかしていない曲が多いです。まあでも、フォーレの歌曲にしても、モノディのピアノ伴奏つき歌曲というのは大体がそう言うものですが、ジャズとか70年代ポップスあたりに慣れていると、気の利いたオブリを入れるわけでも印象的なイントロを作るわけでもないこういうのって、ちょっと物足りなく感じてしまいますね(^^;)。同じ歌曲でも、もう少し時代が下るかフランスに近づくと気の利いたピアノ伴奏になるんですが。

 あと、けっこうドイツ語で歌われる曲が多いのがびっくりでした。シベリウスって国民楽派として語られる事が多いので、フィンランド語のものが多いのではと勝手に思ってたんですが、音楽もドイツ・ロマン派にとても近く感じました。国民楽派と呼ばれはするものの、ドイツ・オーストリア音楽の影響が圧倒的に大きい作曲家なんだなあと、あらためて思いました。


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『シベリウス:交響曲第2番、タピオラ、悲しきワルツ ブロムシュテット指揮、サンフランシスコ響』

sibelius_Symphony2 Blomstedt_SanFranciscoSymphony もう1枚シベリウスの交響曲第2番のCDで持っているのは、ヘルベルト・ブロムシュテッㇳ指揮、サンフランシスコ・シンフォニー演奏のものです。

 交響曲2番の感想は前回に同じで、僕にはフィンランドとか国民楽派とかはぜんぜん分からないんですが、ロマン派音楽としていい曲だな~と思います。

 交響詩「タピオラ」は、シベリウス最後の交響詩で、フィンランドの「カレワラ」という叙事詩を題材にしています。「カレワラ」は天地創造から、木や土が出来、超人的な神のような人が…まるで旧約聖書みたいなおはなしです。シベリウスは「カレワラ」を題材にした交響詩をいくつも書いていますが、この曲は物語そのものを写実しているのではなくて、カレワラに登場する森の神タピオがテーマみたい。でも、なんか暗くうっそうとした森の中みたいな雰囲気のところがあったり、光が射してきたりと、物語を写実しているのではないにせよ、やっぱり写実的な音楽です。色彩感がすごくて、ロマン派音楽としての完成度がそうとう高くてゾクゾクきました。シベリウスの傑作のひとつだと思うんですが、この曲を最後にシベリウスは作品を発表しなくなっちゃうんですよね(T_T)ナニガアッタンダ。

 「悲しきワルツ」は、「クレオマ」という劇音楽の中の1曲を改定した、少しもの悲しげな、どこか夢の中にいるようなワルツで、これもシベリウスの代表曲のひとつです。これは、曲自体よりも、抑揚をはげしくつけたブロムシュテット&サンフランシスコ響の演奏が見事!

 レヴァイン指揮ベルリン・フィルのCDとは交響曲第2番がダブっていますが、2番に関していえば、僕はこっちの方が好き。演奏にキレがあるのと、このCDは音がメチャクチャ良いのです!でも、ブロムシュテットとレヴァインは似たところがあって、どちらもコントラストがはっきりしていて思い切りがいいです。僕はどっちの指揮者も好きです(^^)。そしてシベリウスですが、やっぱり僕は「国民楽派」とか「フィンランド音楽」ではなく、絵のような色彩感と小説のようなドラマ性のある典型的な後期ロマン派音楽に聴こえるのでした(^^)。


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『シベリウス:交響詩フィンランディア、悲しきワルツ、交響曲第2番 レヴァイン指揮、ベルリン・フィル』

Siberius Symphonie2_Levine_BerlinerPhil 友人の画家の女性が、「シベリウスのフィンランディア好き!ムーミンも好き!北欧っぽくて好き!」なんて言ってました。たしかにフィンランドといえば湖、シベリウス、ムーミンですよね。僕にとってのフィンランドのイメージも似たようなものですが、1点だけ分からないところがありまして…シベリウスのフィンランディアがフィンランドっぽいという感覚が、昔から理解できないのでした(^^;)。僕の感性が鈍いんですかね‥。というわけで、もう1回シベリウスを聴きなおしてみよう、そうしよう。

 チェコの国民楽派の代表がヤナーチェクなら、フィンランドの国民楽派代表は間違いなくシベリウス。国民楽派についてはヤナーチェクさんの感想文で書きましたが、要するに19世紀末から20世紀初頭のフランスやドイツといったヨーロッパの資本主義の強国のブルジョアが、自分の利益を守ろうとして民族主義的な考えにどんどん傾いて、これが極端な国家主義や侵略主義・植民地主義へと発展し、これに反発する形で資本主義の風下にいた北欧や東欧の国の人たちが民族独立運動を起こして、それと連動した民族主義的な音楽、みたいな感じです。だから、クラシックではあるんだけど、どこかに「チェコ!」とか「フィンランド!」という主張が入るわけですね。でも、あらためてシベリウスのフィンランディアを聴いてみた結果…やっぱり「フィンランドだ!」って感じませんでした。そして、あんまりいい曲とも思わなかったりして(゚ω゚*)。。

 でも、僕がはじめてシベリウスを国民楽派だと少しだけ認識できた曲があります。それがこのCDに入っていた「悲しきワルツ」。ワルツではあるんですが、すごくしっとりとして、ある意味暗いとすらいえそうな音楽、これはいい!途中に民族性の強そうな舞曲みたいな所が出てきますが、もしかしたらこれはフィンランドのカレワラとか民族舞曲から取っているのかも知れません。国民楽派とか抜きにして、素晴らしい後期ロマン派の小曲でした。
 もう1曲入っていた交響曲第2番。これも国民楽派とかはよく分かりませんでしたが、いかにも20世紀初頭らしい、よく出来た後期ロマン派音楽。とくに第2楽章の幻想的な前半、そして雲がぜんぶ晴れて一気に明るい所に抜ける最終楽章へのドラマは良かったです!

 ヤナーチェクにしてもシベリウスにしてもチャイコフスキーにしても、国民楽派と言われるものの、思いっきり民族性が強いわけでも、バルトークみたいに音楽のシステム自体から根本的に作り替えるわけでもなくって、機能和声の中にちょっとだけ民謡のリズムやメロディや旋法をすべりこませる程度で、僕的にはほとんどロマン派音楽と感じます。というわけで、「フィンランディア」とか「交響曲第2番」を聴く限りだと、シベリウスは国民楽派というよりも後期ロマン派の巨匠と感じる僕なのでした(^^)。


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『The Jazz Crusaders / At The Lighthouse』

Jazz Crusaders_At The Lighthouse デビュー作セカンド・アルバムを聴いて、クルセイダーズ時代はともかくジャズ・クルセイダーズ時代は素晴らしいなあ…な~んて思うようになった僕が、このライブ・アルバムに手を出したのも当然でした。ただ、ジャズ・クルセイダーズはアルバムジャケットのデザインが購買意欲を掻き立てられません(^^;)。編成は例によって2管クインテット。

 これは2枚のスタジオ録音よりもセッションっぽいかな?こうなると初期のジャズ・メッセンジャーズ的というか、かなりオーソドックスなハードバップに感じました。ちょっとだけ新主流派っぽいモーダルな所もあったけど、テーマを演奏したらあとはソロ回しなので、スタジオ録音盤の見事なアンサンブルやまとまりは後退しちゃったなあ。。
 と思った所で、やっぱりトロンボーンのウェイン・ヘンダーソンのブローイングコーラスが素晴らしかった!トロンボーンってあくまでアンサンブル楽器で、いいアドリブを取る人はいるにしても、ものすごいアドリブソロってあんまり聴いた事がないです。でもヘンダーソンさんは「ブロロ、ブロロロロオオオオ~~!!!」ってな感じで、ものすごい熱かった!

 とはいえ、やっぱり最初の2枚のスタジオ録音の方が個人的には趣味でした。ソロ回しするだけのジャズだと普通すぎてもの足りなかった…。こういう主張の弱さが、時代に左右されてクロスオーバーに走っちゃった原因なのかも(゚ω゚*)。


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『The Jazz Crusaders / Lookin' Ahead』

The Jazz Crusaders_Lookin Ahead ジャズ・クルセイダーズのセカンド・アルバム、1962年発表です!ファーストアルバムのクールさにしびれた僕がセカンドアルバムを買わないわけがない、そしてこれも素晴らしかった!!

 おお、1曲目がいきなりリムスキー・コルサコフの曲のアレンジものでモーダル!なんという事をするんだ、見事というしかないじゃないか。。そして2曲めはいかにもハードバップ的なズシンと来るカッコよさの曲。最初の2曲を聴かされた時点で、僕のハートはまたしても鷲づかみされてしまいました。そして3曲目は、なんとウエストサイド物語の「トゥナイト」。でもバラードで演奏せずに4ビートで演奏してます。テーマをサックスとボントロにリレーしつつ演奏してます…いや~工夫が素晴らしいです。

 その後の「507 Neyland」も「Till All Ends」も、アレンジとアンサンブルが見事。出てくる曲でてくる曲、素晴らしい完成度です。ガッチリ作ってあるわけじゃないんですけど、楽器の抜き差しとか、テーマのリレーとか、要所で決まるトゥッティとかハーモニーとか、そういうさりげない所がパチッとしてるだけで、ジャズってこんなにしっかりした音楽だったのかと思ってしまう素晴らしさ。こういうアレンジものは個人事業主の集まりのジャズバンドでは難しい、ジャズコンボの魅力がいかんなく発揮されたアルバムと感じました。どちらを先に聴くかというなら、僕的にはファーストが先がオススメですが、ファーストをいいと感じた方ならこれも間違いなく行けるはず。素晴らしい1枚でした。なんでこれだけ見事なコンボが、イージーリスニングみたいなクロスオーバーに走っちゃったんだろうな…。


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『The Jazz Crusaders / Freedom Sound』

Jazz Crusaders_Freedom Sound ジャズのコンボにも色々ありますが、ジャズ・クルセイダーズミンガスのように戦闘的でも、メッセンジャーズのようにエンターテイメントでもなく、MJQ からクラシック要素を抜いたようなクールさとハードバップっぽさがカッコいい超優良ジャズコンボ。これは1961年発表のジャズ・クルセイダーズのデビュー作です!ジャズ・クルセイダーズは後にクルセイダーズと改名してシンやエレピを使ったライトなクロスオーヴァー系のフュージョンバンドになってしまいましたが、この頃はものすごくカッコいいのです。中でもこのファーストアルバムは必聴!!

 クルセイダーズといえばシンセのジョー・サンプルとサックスのウィルトン・フェルダーを思い浮かべてしまう僕ですが、ジャズ・クルセイダーズの頃の印象はウェイン・ヘンダーソンのトロンボーンが一番で、2管のアンサンブル部分のトロンボーンがとにかく気持ちいいのです!そんなウィルトン・フェルダーとウェイン・ヘンダーソンのホーン・アンサンブルの中でも一番好きなのが、このアルバム1曲目「The Geek」のテーマ部分。いや~これは最高にクール、最初の1分でこのアルバムの虜になってしまった若いころの僕でした。トロンボーンでいうと、トロンボーンが単独でテーマメロの前半を奏でる5曲目「Theme from Exodus」も、あったかい音のトロンボーンの良さが出まくり。この曲も素晴らしい。

 とにかく管楽器チームが素晴らしく感じるレコードで、ピアノは伴奏に徹してる印象すらあるんですが、4曲目「Freedom Sound」のジョー・サンプルのアプローチはマッコイ・タイナー的な部分があって、「お、これは?!」って感じ。そうそう、演奏もそうですがこの曲自体のプログレッションが秀逸なんですね。

 さらに、ファースト・アルバムでいいのは、2曲に入っているRoy Gainesというブルース・ギタリストの演奏。ギターが単独で良いというより、アンサンブルの中に溶け込んだギターの音が心地良かったです。ジャズ・ギターって高域を削った甘い音を出す時があるじゃないですか、あれです。あれがトロンボーンやコントラバスの音に見事に溶けて気持ち良すぎ。これは至福だわ。。

 というわけで、プレイヤーそれぞれが素晴らしいんですが、それ以上に素晴らしいのがバンドのまとまりの良さでした。聴けば聴くほど、「いや、実はベースがムッチャタイトなうえに綺麗にバスのラインを作ってるんだな」と思ったり、「ドラムのブラシが実にタイトでいい」と思ったり、全体がいいのです、さすがグループだけあるなあ。音楽の作りはハードバップ的なものが多いのですが、どこでどの楽器を入れるとか、テーマ前半をボントロに任せて後半からサックスが入るとか、曲を立体的に作り込むのがうまいと感じました。あんまり有名じゃないアルバムかも知れませんが、個人的には大好きな1枚、大推薦です!


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『バイオハザード CODE:Veronica 完全版』 PlayStation2 ゲーム

biohazard code veronica プレステの3作目でバイオハザードを見限ったはずの僕でしたが、プレステ2になって発売されたこの作品もやってしまったのでした。よほど1作目2作目の体験が素晴らしかったんでしょうね(^^)。ロックバンドのレコードでも、たった1枚の名アルバムを聴いたがために、以降は何度はずしても新作に手を出しちゃう事とかありますし。。そしてまた、「あのおっかないバイオハザードの画面が綺麗になったらもっと凄いんじゃないの?!」という期待もあったのです。ところで、このゲームのタイトルにある「完全版」の意味、僕はいまだに分かってません(^^;)。完全版の前にほかのプラットフォームで不完全版でも発売されてたのかな?

 たしかに画面はきれいになったけど、微差かな…そこまで凄く綺麗になったとまでは感じませんでした。スーパーファミコンからプレステの進化はすごいものがあったけど、プレステからプレステ2の進化はそんなに大きいと感じなかったので、ここはソフトじゃなくハードの問題かも。そしてなにより、ゲームもストーリーもいまいちに感じて、1や2をやった時の目くるめく緊張感や新鮮さを感じる事が出来ませんでした。もしかすると、このゲームが面白くないのではなく、僕がこういうゲームに慣れちゃったのかも。でもトゥームレイダースは1から5までやってもまったく飽きなかったので、やっぱりバイオ自体にも何か飽きやすい要素があったのかな…。

 というわけで、これが僕にとってのバイオハザード卒業作品となったのでした。今ではストーリーすら覚えてないし、そもそも自分が最後までプレイしたのかすら覚えてない状態です(^^;)。僕にとってのバイオハザードは1と2だったなあ、あの2作は大名作だったと今でも思います。そして、今は初期の2作はものすごくきれいな画面になってリメイクされてるらしいですね。Youtube でプレイ動画をちょとだけ見ましたが、本当にきれいになっていてびっくりしました!でも、もう自分でやらなくていいやと思ってしまったのは年齢的なものなんでしょうね。。


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『バイオハザード3』 PlayStation ゲーム

BIOHAZARD3.jpg 大ヒットホラーゲームの第3弾です!プレステで遊べたバイオハザードは全部で3作。に嵌まった僕は、当然のように3にも手を出しました。ゲームって怖いですよね、本当は仕事や睡眠に時間を割きたいのに、そういう時間を削ってでもやりたいと思っちゃうほど楽しいんですから、若い頃の僕にとっては一種の麻薬でした。今となっては、なんであんなに夢中になれたのか不思議なぐらいですが、当時はそれぐらい夢中でやってました。

 3は、追跡してくるメッチャ強い敵がいて、こいつがしつこくてなかなか強烈です。うまく逃げたと思ったのに、壁をつき破ってド~ンと出てきたときにはマジでびっくりした!
 でも3は僕の中ではもう一声に感じていました。2と似すぎてるんですよね。だから遊んでいて「次はこうなるんだろうな」と思っちゃって(実際そうなる^^;)、新鮮味が薄れたのが痛かったのかも。最後は自爆装置が働いてカウントダウン内に逃げないといけないというのも同じですし。一度ときめかなくなると、謎解きもお使いに行かされてるだけに感じてきて、「ああ、バイオハザードは1と2で燃えつきたんだな、マッドマックスやランボーと同じか」と思ってしまいました。シリーズものって、なんで3でダメになるんでしょうね。マンネリに感じるのは3回目という人間の心理的な仕組みがあったりするんでしょうか。そういえば音楽も変奏なしで主題を3回繰り返したらもうアウトだもんなあ。

 というわけで、よく出来てはいましたが、飽きた為に面白く思わなくなってしまったバイオハザードでした。もしかすると、このゲーム自体より飽きっぽい僕の人間性の問題かも(^^;)。


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『バイオハザード』 PlayStation ゲーム

biohazard.jpg 名作ゲーム「バイオハザード2」に思いっきり嵌まった僕は、この1作目もやりました。内容は2と似ていて、謎の事件が起こった町に特殊部隊が潜入、しかしゾンビに襲われまくって洋館に避難、でも洋館の中はもっとヤバかった…みたいな。謎を解きつつこの洋館から脱出するのが目的です。

 恐いです!ゾンビ自体というより、ドアを開けると奴らがいるんじゃないかという不安でビクビクもの。これも今年の正月に妻と二人でやったんですが(どれだけバイオばっかりやってたんだ^^;)、急に出てきたりするから本気で「うわあ!」とか叫んでました(^^;)。当時もぎゃあぎゃあ騒いでましたね、なつかしいなあ。。

 謎解きも面白かったです。古びた猟銃を拾って、本当の猟銃が壁にかけてあって、銃を取らなきゃいけないんだけど取ると扉が閉まってしまって、「う~ん…あ、これって壊れた銃を代わりに掛けるとドアを開きっぱなしにできるんじゃない?」みたいな(^^)。ストーリーも良かったなあ。

 2に続いてこれもよく出来たゲームで、ぼくは先にやった2の印象が強すぎたもんで、バイオハザードは2が最高傑作だと思ってしまうんですが、もしこの1を先にやってたら1を最高傑作と感じていたかも。それぐらい、バイオハザードは1と2が飛びぬけてよくできたゲームだと思ています。いや~、ゲームって、僕の中ではプレステの初代ぐらいまで進化してくれていれば、もうそれで十分だったかも。PCだって、Macの10かWindows のXPあたりまでで十分ですしね。。


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『バイオハザード2』 PlayStation ゲーム

BioHazard2.jpg あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします!

 さて、正月に何をやっていたかというと…妻と一緒にキャーキャー言いながらホラーゲームをやっておりました。しかもプレステーションの古いやつです(^^;)。なにせ、新しいゲーム機を持っていないものでね。。というわけで、今回は一世を風靡したゲーム『バイオハザード2』のご紹介です…音楽ブログじゃなかったのか(^^;)。。

* * * * * *
 はじめてこのゲームが登場した時には度胆を抜かれました!プレステで大ヒットしたゾンビゲームの第2弾、やっている頃は面白すぎて夜更かしの連続でした(^^)。

 このゲームを知ったのは、深夜にテレビでやっていた情報番組。見るともなくたまたまついていた番組で、出演者の中に伊集院さんがいたのを覚えてます。画面は3D(実際はちょっと違うんですが、当時はそう思ってました)、コンクリート打ちっぱなしの地下通路みたいな所で、どでかいワニが襲ってきて、必死に逃げるんですがバクッと食われた!なんだこの凄いグラフィックは?!3Dでこんなでかいキャラを動かせるのか、今のゲームってすげえええ!!(←1998年当時の感想です。)家庭用ゲーム機でこんなでっかい3Dのキャラが動くなんて信じられない事で、まさにカルチャーショック。翌日にダッシュでこのゲームを買いに行ったのでした(^^)。

BioHazard2_photo1.jpg バイオハザード2は、感染するとゾンビになってしまうウイルスの蔓延したアメリカの地方都市に赴任した警官を操作して、町から脱出するのが目的のゲームです。赴任した街はゾンビだらけ。逃げ込んだ銃砲店の店主もあわれゾンビの餌食に。必死に警察署に逃げ込めば、街中のゾンビどころじゃないヤバいのが天井に張り付いてます。やばい、やばいよこれは!脱出するためには部屋の鍵を開けたり、謎を解きながら進めてくんですが、ストーリーも映画を観ているようで面白かったなあ。。でっかい蜘蛛やゴキブリのいる通風孔を通るのは気持ち悪すぎて勘弁だったけど。

 いや~、こういう絶体絶命の危機を逃れるって、「生きてる!」って感じがしていいです。そして、こういうサバイバルするスリルは映画よりゲームの方が感情移入しやすくていい、第3者じゃなくて自分が当事者なんですからリアリティが増すというもんです。これが僕のバイオハザード初体験という事もあってか、僕にとってのバイオハザード最高傑作はこれ!…って、シリーズ全部やったわけじゃないんですけど、本当に面白いゲームでした。久々にやりましたけど、けっこう忘れていて妻と一緒にギャーギャー叫んでました(^^;)。。


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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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