
少年マガジンに連載されていた
「翔んだカップル」について書いた事がありましたが、同じころにマガジンに連載されていたギャグ漫画が「1・2の三四郎」でした。ある意味で「翔んだカップル」以上に夢中になっていまして、毎号ごとに腹を抱えて大爆笑、僕的には
日本のギャグ漫画ベスト3に入れたい作品です!
ギャグマンガといっても、「天才バカボン」みたいにギャグだけがドカンとあるんじゃなくって、青春スポーツドラマがベースにあります。このマンガは、ラグビー編、柔道編、プロレス編に分かれますが、とくにラグビー編と柔道編が最高!ラグビー編は、とある事故がもとでラグビー部を追われた天才ラガーマンの主人公が、ふとしたきっかけから自分を追い出したラグビー部と対決する事になる、という話。ストーリー自体が面白いので、シリアスな展開にしても面白かった思うんですが、そこにギャクを織り込みまくるセンスが最高でした。笑いといっても馬鹿にするんじゃなくって、つらいことでも笑うかんじなので、不快になる事がなくていい!

個人的に大好きだったのが、この漫画に登場する石清水くん。このキャラ、同じく少年マガジンに連載された梶原一騎原作の
『愛と誠』に出てくるキャラのパロディなんですが、すっとぼけていていいんですよ。サンドウィッチマンの富澤さんみたいと言ったらいいんでしょうか、面白いんだけど飄々としている所が最高(^^)。このキャラ、人気があったのか、スピンオフして石清水くんが主役のマンガが書かれたこともあるほどです(^^)。
このマンガが書かれたのは70年代末から80年代アタマ。まだバブル期は来てなくって、新冷戦の真っただ中、日本も世界もまだまだ暗いニュースだらけの頃、学生は受験戦争の詰め込み主義や自殺が問題になり、そこから派生して暴走族や不良が社会問題化していた時代でした。こういう世相だっただけに、笑いが社会の救いというか、いいガス抜きになっていたんだと思います。笑いがないと本当に救われない、みたいなね。熱血ではあるんだけど絶対に笑いを忘れず、すっとぼけている主人公他のキャラクターたちは、
『あしたのジョー』あたりの梶原一騎の漫画の主人公とはまた違った形でのヒーロー像だったのだと思います。
もちろん、こんな事を思ったのはずっと後になってからの事で、僕がこのマンガを読んでいた子どものころは、ただただ爆笑していました。子供の頃に親友だったH君は、僕に影響されてこの漫画を全巻買い揃えていたっけ。このマンガ、大人になってから読んでも十分笑えます。少なくとも昔読んだ事のある人なら、大人になってから読んでも「あれ?当時は面白かったのに」みたいには感じないはず。日本のギャグ漫画の大名作だと思います!
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