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心に残った音楽♪

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ステファニー EP『ボーン・トゥ・ビー・フリー/リメンバー・マイ・ラヴ』 『エヴリデイ』 うる星やつら

UruseiYatura3_Stefany.jpg エロかっこいい日本人女性ヴォーカリスト、次はこれです!ラムちゃんじゃないですよ、この曲を歌ってるステファニーさんです。ステファニーさんはジャパメタな人で、寺田恵子さんが抜けたSHOW-YAのヴォーカルに抜擢されました。ステファニーさん時代のSHOW-YA はまったく売れませんでしたが、歌のうまさは寺田恵子さん以上。どっちも素晴らしいヴォーカリストだったと思います。

 音はロック、でも曲は歌謡曲…そりゃそうだ、作曲がゴダイゴのタケカワユキヒデさんだったりするので(^^;)。そうそう、僕は子供の頃にゴダイゴも大好きでした。テレビドラマ『西遊記』のエンディング曲が好きだったなあ…。というわけで曲は歌謡曲っぽいんですが、演奏はメタル的。
 この2枚のシングル盤、どちらも歌詞カードの表はアニメ「うる星やつら」ですが、裏はステファニーさんのシングルのようなデザイン。そこに写ってるステファニーさんのファッションもメイクもメタル的です。ついでに、ステファニーさんのパフォーマンスをYouTube で見ると、ほとんど下着じゃねえかってぐらいに露出が多く、ホットパンツはいてたりしてエロかっこいいのでした…やっとお題目に辿りついた(^^)。

UruseiYatsura_RockThePlanet.jpg ステファニーさんは歌はうまいしルックスも悪くない、ファッションなんてホットパンツはいて腰振りまくってるぐらいにエロい、曲だって良かった…これだけ条件が揃っていたにもかかわらず、残念ながら僕がステファニーさんにのめり込む事はありませんでした。なんでなんでしょうね。

 あとから考えるに、理由になりそうなことがふたつあって、ひとつは声が太く低い事。こんなの完全に趣味の問題ですが、僕は声フェチなのです。色んなものがエロかっこいいのに、僕にとっていちばん大事な声質だけがエロくなかったんですよ。
 もうひとつは、まさにこのシングルが問題で、アニメの主題歌を歌ってしまった事。アニメの主題歌だからと言って音楽が変わるもんでもないですが、そういう事をやった瞬間に、世間も僕も彼女をミュージシャンとして見なくなったのかも。所属事務所かレコード会社の人が一生けんめい取ってきた仕事だったんでしょうが、本物志向で売りたいならこれはやるべきじゃなかったかも。
 あ、でもこのシングル盤、AB面ともアニメ主題歌とは思えないほど素晴らしいです!「リメンバー・マイ・ラブ」なんて、普通に名曲じゃないでしょうか。アニメの使用楽曲なのに英語だった点も、子供の頃の僕に「カッコいい」と思わせる要因のひとつだったのかも。


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『SHOW-YA / greatest 1985-1990』

SHOW-YA_greatest 1985-1990 エロかっこいい日本人女性ヴォーカル特集なんぞやってみようかと。まずはこの人、メタルバンドSHOW-YAのヴォーカル寺田恵子さん!日本のロックバンド、しかもガールズと聞いてナメくさってたんですが、聴いたらめっちゃうまかった!歌だけじゃなくて、色んなものをブワッと吐き出してるようで輝いてみえて、すごくエロカッコよかったなあ。ロックってやっぱり外に向かってエネルギーをブワーッと出す人に向いた音楽だと思うのです。聴いてるだけで、何かをもらえている気がする(^^)。。

 僕が最初にShow-Ya を聴いたのは「限界LOVERS」。エンジンオイルだかタイヤだかのCMで使われていて、スタートグリッドについたF1マシンが熱で揺らめいて見え、ギターがリフを刻んでいて、このギターがカッコよかった!メタル大好きだった僕が「かっこいいじゃん、誰だこれは?!」となったのは当然でしたが、その後のヴォーカルがなんと女、しかも日本語だった!え、これ、日本のバンドなの?しかも女性ヴォーカル?!びっくりしましたねえ。

 そんなShow-yaの音楽をこのスタジオ録音のベスト盤で聴くと、ライブでの寺田さんの凄さは控え目になっていて、凄いのはやっぱりギター、ムッチャうまい!あと、ドラムの音がメッチャいい!ドラムチューナーが素晴らしいんでしょうね、音だけでぶっ飛んじゃいそうな、あのメタルのドラムの「ズバーン!」って音を出してました。メタルってドラムの音がムチャクチャ重要だと思うんですけど、これは完璧だ!

Terada Keiko_photo1 曲は歌謡曲で、メタルなプレイやサウンドとのギャップを感じましたが、そんな中で「限界LOVERS」「私は嵐」「ギャンブリング」の3曲はやっぱりカッコよかった!日本のHR/HMがノイズやパンクや他の音楽やアングラ文化なんかと融合して独自の一歩を踏み出すのはもうちょっと先ですが、この3曲はそれ以前の歌謡メタルの傑作なんじゃないかと。

 スタジオ録音だからか、ちょっとだけ勢いが削がれてましたが、これぐらいの演奏を出来る人なら、スタジオで丁寧に作ったものよりライブで勢いよく突っ走ったものを観た方がさらに良いかも。ライブの寺田さんのパフォーマンスはテレビや動画投稿サイトなどで何度か見たことあるんですが、メッチャカッコよかったです。SHOW-YAさんの全盛期は、自分の事が忙しすぎてライブに行ってるひまがありませんでしたが、「限界LOVERS」があと3年早く発表されていたらライブに行ってただろうな(^^)。というわけで、CDも良かったけど、人に薦めるなら生演奏の勢いもあるだろうしエロカッコよさも見えるだろうライブDVDみたいなものが更にいいかも。


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『Joan Morris, William Bolcom ‎/ After The Ball -A Treasury Of Turn Of The Century Popular Songs-』

Joan Morris, William Bolcom_After The Ball これもジョアン・モリスとウイリアム・ボルコムのデュオのレコードで、直訳すれば「世紀の変わり目の素晴らしいポピュラーソング」みたいな感じかな?ここで言う世紀の変わり目とは19世紀から20世紀のさかいの事で、南北戦争後から第1次大戦前あたりの時代の合衆国の音楽という事になります。ヨーロッパからの移民にとっては、戦争に行った兵隊さんを除いて悪くない時代だったのではないでしょうか。そうした時代の雰囲気が出まくりのレコードでした。

 ガーシュウィン曲集やヘンリー・クレイ・ワーク作品集に比べると、芝居小屋でやってる楽しいアメリカン・ソングというか、ミュージカルのルーツみたいな音楽と感じました。というか、ピアノ伴奏のシンプルな編成という事を除けば、これは今の英米ポップス直結の音楽に感じました。小曲で、明るく楽しい曲が多かったので、これもスティーブン・フォスターみたいにミンストレル・ショーの中から出てきた曲なのかも…勝手な想像ですけど。。作曲家はさまざまで、名前だけは聞いた事ある人もいましたが、9割がた僕は知らない人でした。当時の作曲家というのは1曲いくらで楽曲を提供する職人のような存在だったのかも…まあそれは今も売れるまではそういう形が多いですしね、、そういうシステムって19世紀末の合衆国で確立されたものなのかも知れません。

 なんといっても19世紀末のアメリカ音楽を聴く事が出来たのは貴重な体験でした。音楽でアメリカの歴史や世相が分かってしまうような気分。ところで、僕はこのアルバムをLPで持ってるんですが、それは14曲入り。ところがCDはボーナストラックが入って20曲入り!というわけで、今から買うならCDをオススメします。残りの6曲聴いてみたいけど、買い直すほどのお金がない(^^;)。


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『Henry Clay Work‎: Who Shall Rule This American Nation? / Joan Morris (mezzo soprano), Clifford Jackson (baritone), William Bolcom (piano)』

Henry Clay Work‎_Who Shall Rule This American Nation スティーヴン・フォスターを取りあげて、この人を取りあげないわけにはいきません、ヘンリー・クレイ・ワーク!「大きな古時計」の作曲者です。19世紀のアメリカの作曲家と言っても特に感慨は湧かないのですが、活動年が思いっきり南北戦争とかぶっていると考えると、ものすごく感慨深いものがあります。でも、ヘンリー・クレイ・ワークの作品集ってあんまりない上に、あっても妙にブルーグラスっぽかったり、ジョニー・キャッシュあたりがカッコよくフォークで歌って原曲とかけ離れちゃったり、はては平〇賢がR&Bみたいにコブシまわしまくって歌っちゃったりして、「これは!」という音源が少ない(- -*)。そんな中、人に教えたくないぐらいの決定打がこのレコード、メゾ・ソプラノのジョアン・モリスが唄ってます!1975年録音です。これ、手に入れるのに苦労したんですが、そうするだけの価値はある素晴らしさでした(^^)。

 このレコードで演奏しているメゾソプラノのジョアン・モリスとピアノのウィリアム・ボルコムはアメリカ人の夫婦です。他に、バリトンのクリフォード・ジャクソンと、男女混声合唱が入ってます。ソプラノとバリトンが一緒に歌う事はなくて(多分、男声歌と女性歌で分けている)、基本はピアノ伴奏の歌、それにサビや2コーラス目になると合唱がつくというアレンジでした。ソプラノもピアノも一聴して明らかにクラシックを修めていますが、この夫婦デュオのレパートリーって、このレコード以外でもキャバレー・ソングや、それこそヘンリー・クレイ・ワークスやジョージ・ガーシュウィンみたいな古いアメリカン人作曲家の書いたポピュラー・ソングが中心なんですよね。一貫して古き良き合衆国の歌を唄ってるわけで、さすがにこういうのをやらせたらめちゃくちゃ素晴らしかったです。

 ぜひ聴いて欲しいのが、H.C.ワークスの代表曲のひとつ「Come Home, Father」。このシンプルでレイドバックした雰囲気、これこそアメリカン・ソングです!スティーヴン・フォスターの「ケンタッキーの我が家」や「故郷の人々」に並ぶ大名曲。そしてそれを雄大かつ美しく歌い演奏するジョアン・モリスとレイドバックした演奏をするウィリアム・ボルコムが素晴らしい、合唱も泣けてきちゃう。。技巧どうこうじゃないんです、歌ってこういうものだよなあとジ~ンと来ちゃうんですよね、これぞアメリカン・アーリーミュージックの素晴らしさ。
 一方、「大きな古時計」は、アップテンポでけっこう楽しげに演奏していて、あんまりしっとりしてませんでした。この曲、アメリカのフォークシンガーやブルーグラスバンドも、明るく演奏することが結構あるので、実はこういう演奏スタイルが普通で、しっとりやるのは日本風なのかも。

 超がつくほどのおすすめ盤で、ジョアン・モリスとウイリアム・ボルコムが組んだレコードでは、僕が聴いた中ではこれが一押し、マジで素晴らしいです。問題点は入手がとっても難しいこと。アメリカから中古LPを輸入すれば今でも買えなくもないみたいですが、逆にいうとそれぐらいしないと日本で見つけるのは難しいかも…。そうそう、曲単位であれば、このアルバム収録曲のいくつかはダウンロードして買えるようです。


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『スティーヴン・フォスター歌曲集2 Songs By Stephen Foster volume 2: Jan Degaetani (mezzo soprano), Leslie Guinn (baritone) etc.』

Songs By Stephen Foster2 フォスターの歌曲集、第2弾です!いや~、合衆国の古い音楽っていいなあ。ところでフォスターの音楽ってどうやって知名度を上げたんだろうかと調べてみたところ、ミンストレル・ソングの作曲家として名を成したんだそうです。昔アメリカにはミンストレル・ショーというちょっとした寸劇や音楽、踊りをやる幕間ショーがあって、白人が顔を黒塗りにしたりして、楽しくコミカルに演じたそうです。こうしたミンストレル・ショーのために書かれた歌をミンストレル・ソングというんだそうで。へえ~勉強になった。。ちなみにフォスターはアイルランド移民の家系なので、イギリスやアイルランド方面からバラッドを持ちこんだのかも知れません。たしかに、黒人音楽というよりイギリス系のバラッドに近い感じもあったりして。ラグやブルースとバラッドのあいのこという感じかな?

 でもって、このCD。第1弾についでジャン・デガエターニ(ソプラノ)、レスリー・グゥイン(バリトン)の歌に伴奏がついてました。僕が知ってる曲では、ケンタッキー・フライド・チキンのCMで有名な「ケンタッキーの我が家」が入ってました。これもアメリカ黒人音楽よりバラッドに近い感じ。それにしても、AABAのコーラス形式の曲が多いので、アメリカのフォークやロックの形式はフォスターの時点ではすでに完成してたんだなあ、と思ったり。

 フォスターの歌曲集のレコード自体が珍しいので有り難い2枚、歌も演奏もすごく良かったんですが、ひとつ残念だったのは、日本人でも知ってるようなフォスターの名曲で入ってないものがある事。「草競馬」「スワニー川」「おおスザンナ」は入れて欲しかったなあ。まあ、「おおスザンナ」はジェームス・テイラーが雰囲気ある弾き語りをレコードに残してくれたからいいか。でも『Sweet Baby James』を持ってない人はやっぱり困るよな。。

 フォスターやヘンリー・クレイ・ワーク以前のアメリカ音楽になってしまうと、僕はよく知りませんが、少なくともこれはヨーロッパのクラシックとはけっこう違って、アメリカらしさを感じました。ヨーロッパの歌音楽とアメリカ黒人音楽のミクスチャーにして今のアメリカの大衆音楽のルーツ。庶民的にして雄大、シンプルにして楽しく美しいのが合衆国っぽくて良かったです!


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『スティーヴン・フォスター歌曲集 Songs By Stephen Foster: Jan Degaetani (mezzo soprano), Leslie Guinn (baritone) etc.』

Songs By Stephen Foster 自分が知っているなるべく古いアメリカ合衆国の作曲家と言って最初に思い浮かぶのはこの人、スティーヴン・フォスターです!だって1826年生まれですよ、ガーシュウィンやスコット・ジョプリンやコープランドの大先輩。大衆的で牧歌的なアメリカ音楽のいい所がギッチリ詰まっているのです。あ、あと、「大きな古時計」のヘンリー・クレイ・ワークも同じ世代かな?でもヘンリー・クレイ・ワークは「大きな古時計」と「カムホーム、ファーザー」ぐらいしか日本じゃ知られてない気がするので、フォスターの方が圧倒的に有名かも。
 これはノンサッチ制作のフォスター歌曲集で、ピアノや足踏みオルガンやヴァイオリンでの伴奏。歌手は色々で、男声はバリトン、女声はメゾソプラノ。足踏みオルガンが雰囲気ありまくりで最高。ピアノもちょっと調律が狂っていてホンキートンク気味のアップライト、これが味があっていい!間違っても豊かな倍音が出るグランドピアノなんか弾いちゃいけませんよね、こういう大衆歌謡音楽は(^^)。

 東京ディズニーランドのアトラクションって、合衆国の古い景観をモチーフにしたものが色々あるじゃないですか。蒸気船やトム・ソーヤの島のアトラクションもそうだし、ショップやレストランも古いアメリカ調だったり。あれって南北戦争後から1次大戦前あたりのアメリカのイメージだと思うんですが、このレコードで聴くことのできる音楽は、もろにあの雰囲気なのです。そういえば「カリブの海賊」の出発点で、うたた寝している爺さんの人形がギターをつま弾いてましたが、あれは「草競馬」というフォスターの曲ですし…このレコードには入ってないんですけどね(^^;)。このレコードに入っていた曲でいえば、「金髪のジェニー」や「夢見る人」あたりは、聴けばだれでも知ってると思うんですが、レイドバック感がたまらないです。あ~、なんとホッコリするいい音楽なんだろう。

 フォスターと言えば、スワニー川…じゃなかった「故郷の人々」や「おおスザンナ」あたりが有名と思いますが、このレコードにその2曲は入ってませんでした。でも「夢見る人」や「金髪のジェニー」は入っていたので、狙ってマイナー曲を集めたわけじゃなく第2集を想定して、名曲を分散させたんでしょう。ノンサッチめ、商売上手だな(゚ω゚*)。。このレコード、クラシックの歌い手さんが歌ってますが、クラシックの歌手が歌ったなんちゃって民俗音楽にはまるで聴こえなくて、古き良きアメリカの歌として歌っていて、雰囲気があってものすごく良かったです!これは大推薦!!


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『Pat Martino / Desperado』

Pat Martino_Desperado ジャズ/フュージョン系ギタリストのパット・マルティーノが1970年発表に発表した5枚目のアルバムで、プレスティッジ最終作です。なんとここでマルティーノさんは12弦ギターを弾いているのですが、これはイーグルスやスティーブン・スティルスが弾いていたアコギの12弦じゃなくて、ジャズ・トーンにした思いっきりエレクトリック。というわけで、ずっとオクターバーが入っているような独特なサウンドでした。ウェス・モンゴメリみたいなオクターブ奏法を多用する人なので、「だったら最初からオクターブ奏法みたいな厚みある音が出るギターを弾いちゃえばいいんじゃね?」ってなったのかも。

 1曲目にゲストでソプラノ・サックスのエリック・クロスが入ってますが、そんなに演奏してません(^^)。それ以外は、カルテットの演奏でした。編成はギター、エレピ(Eddie Green)、エレベ(Tyron Brown)、ドラム(Sherman Ferguson)。というわけで、エレクトリック・バンド、やっぱりエレピって気持ちいいなあ。パット・マルティーノがアメリカン・ソングフォームな曲で単旋律のアドリブをしまくる内容なので、電気楽器のサウンドで雰囲気を作るムードミュージック的なフュージョンじゃなくって、ジャズ・ロックみたいでした。バラード1曲以外はすべて押しの一手で、とにかくマルティーノさんのアドリブに聞き惚れるばかり。音楽的には、途中でテンポが変わって圧していく「Express」が、ニュージャズ的な頃のエレクトリック・マイルスみたいで、いちばん硬派に感じました。うーんこれはカッコいい。。

 音楽の熱気を感じさせるのがドラムでした。Sherman Fergusonさんというドラマー、僕は知らなかったのですが、かなりタイトでしかも熱い演奏をしているのですごい熱気!その上でパット・マルティーノがメラメラと弾きまくるので、「おおーこれはロックだ!」って感じで、聴いて興奮!いやー、決してディープな音楽をやっているわけじゃないと思うんですが、このロックな熱はカッコいいなあ。
 
 内容がアコースティックな純ジャズじゃないし、表現なんて関係なしにひたすら押しの一手のアルバムなので、表現力ある音楽的なジャズを好きな人からは好かれないアルバムかもしれません。でもジャズロックと思って聴けばこれはカッコいい!特に、ギターで単旋律のアドリブを取りたいと思っているロックやフュージョン寄りの方には、最高にエキサイティングなアルバムじゃないかと。
 プレスティッジ時代のパット・マルティーノさんのアルバムは、僕的にはマカロニ・ウエスタン映画みたいな印象です。歴史に残る大傑作はないけど、でもいざ触れてみるとどれもこれもそれなりにみんな面白い、みたいな。いや~、マルティーノさんのレコードを大量に持っているので、整理しようと思って今回聴き始めたんですが、みんな面白くてどれも手放せないぞ(^^;)。。


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『Pat Martino / Baiyina (The Clear Evidence)』

Pat Martino_Baiyina 1968年にジャズ・ギタリストのパット・マルティーノが発表した4枚目のアルバムです。ひとつ前のアルバム『East!』から南アジアの芸術音楽からの影響が見えていましたが、このアルバムはさらに加速、もろでした。でもそれが民俗音楽くさくて嫌かというとそうではなく、いろんな音楽のハイブリッドみたいで面白かった!

 収録は4曲で、すべての曲でうしろに「ビヨ~~~ン」とタンブーラがドローンとして鳴り響いています。バックではタブラがリズムを叩き、ベースやセカンドギターが変拍子または複合拍子のリフが延々と繰り返し、その上にインプロヴィゼーションが重なります。1曲目「Baiyina」を例にとると、7拍で一巡するフレーズが延々と繰り返されるうえでのワンコードのモード系インプロヴィゼーション。
 こういう試みの僕の第一印象は、「これは弾きまくりサイケだわ」というもの。宗教くささは感じず、かといってプレイヤーがみんな弾きまくってるもんでクラブ系の雰囲気ものとも違くて、あるモードやリズムが見えてきて、それが繰り返されながらどんどん高揚していくヒンドゥスターニ音楽から精神性を引いて、ジャズ的にインプロヴィゼーションしたらどうなるか、みたいな。全曲こうなんですが、この方向で一番うまく行ってるのは「Baiyina」と感じました。ドローンを繰り返されて意識がぼーっとしてきたところで飛び出してくる途中のタブラのソロ、メッチャすげえ!!

 一方、ギターの凄さを堪能できるのは、3曲目「Israfel」。プレスティッジ時代のマルティーノさんのアルバムには、ぜったい1曲はギター弾きまくりの曲が入ってますが、このアルバムではこの曲がそれでした。この曲、インプロヴィゼーションもそうですがテーマですら超絶で、これ弾けたらギター3級はある、みたいな。ほら、スティーヴィー・レイ・ヴォーンの「scuttle buttin’」とかジェフ・ベックの「Scatterbrain」とか、このテーマを弾けるだけでもギター初心者は卒業だな、みたいなのあるじゃないですか。あんな感じです。

 マルティーノってモード・ジャズの切り口で語られる事がありますが、こういうアルバムを聴くと、マルティーノのモードは、ビル・エヴァンスギル・エヴァンスハービー・ハンコックのモードとはまったく違う角度から入ったんだろうな、と感じました。ハンコックやビル・エヴァンスは4度積みとかとセットで考えているので、フランス印象派への意識があったと思うんですよね。でもマルティーノは(少なくともこのアルバムや『East!』では)そういう所は見ていないで、インド音楽などの「メジャー・スケールやマイナー・スケールを基調に使っていない音楽」の主旋法を使っての旋律的モードといった感じ。近い時代に別のアプローチから似たものに近づいたというのは面白いです。

 60年代後半というと、西洋で「禅」や「インド」が再注目されていた頃で、ロックではビートルズが、ジャズではジョン・マクラフリンがインド音楽に傾倒しましたが、68年でこれという事は、マルティーノはそうとう早く手を付けたことになるんじゃないでしょうか。完成度が高いとは思わなかったけど、面白かったです!


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『Pat Martino / East!』

Pat Martino_East 1968年発表、ジャズ・ギターで独特なポジションを占めているパット・マルティーノのサード・アルバムです。編成は、ピアノのエディ・グリーンを含めたカルテット。マルティーノさんは、ピアノのバッキングをつけるとき以外は、テーマメロですら単旋律しか弾かないので、ギターとはいえ管楽器カルテットを聴いているみたいでした(^^)。

 ジャケットで想像がつくように、このへんからマルティーノさんは南アジア西アジアの音楽が持っている精神性に傾倒していった…のかどうか知りませんが、音楽にそういう匂いが出始めます。これが音楽にとっては良い方に出ていて、それまでのアルバムでは歌謡形式のシンプルなコード進行の上でひたすら単旋律ソロを取る「軽音楽」的な作りだったものが、このアルバムからは大きな構造を持った曲をアルバムに1曲は放り込むようになりました。
 そんな傾向がもろに出たのが、13分近いアルバム冒頭曲「EAST」でした。音の印象だけで言えば、アリス・コルトレーンの音楽。マイナー属でもエオリアンではなくドリアン系のモード曲で、この独特な音階をピアノがアルペジオでバラバラと音をまき散らして、その上にギターとベースが幽玄にテーマを弾きます。途中でダブルタイムフィールしてテンポが倍になり、そしてマルティーノ18番の16分音符の連続の超絶アドリブで高揚していき…マルティーノさんはこの曲で聴き捨てていく軽音楽の域を超えたんだな(^^)。マルティーノに限らず、60年代のジャズはこういう事をやるようになったんですよね。クラシックほどではないにせよ、大衆音楽という枠からはみ出してその道を走り始めたんだと思います。

 でもそういうトライは「EAST」だけで、あとはおいしいジャズでした(^^)。アップテンポの「Close Your Eyes」や「Lazy Bird」なんて、マルティーノさんの怒涛のアドリブを聴くためだけにあるようなトラックですが、分かっていてもこの演奏がすごい。。他の曲はミディアムの「Trick」、スローバラード「Park Avenue Petite」と、アルバム全体は実にバランスが良かったです。

 このアルバムの弱点をあげるとしたら、録音が悪いことです。50年代のハードバップの名盤って、マイルスの『Walkin'』にしてもなんにしても、楽器のセパレートが良くてドラムのシンバルの厚みまで聴こえてくるようなハイファイさもあって、「おお、いい音だ、すげえ!」ってものがけっこうあるじゃないですか。このアルバムもそういう50年代ジャズの録音方法の伝統を引きずってるんですが、60年代のアルバムのくせに50年代ジャズより音が悪かったです。「East」や「Lazy Bird」はピアノの音が歪んじゃってるし、「Park Avenue Petite」なんてそもそもピアノの調律がひどくてハーモニクス起こしちゃってます。まあ、リバーサイドやプレスティッジのレコードなんて、安く作って千枚売れたら次を作って…というモデルの上で作られていたんだろうから、企画も録音も雑に作られたアルバムだらけ。商品としての完璧さを求めちゃいけないんでしょうね。当時いい音でジャズを録音しようとしたレーベルなんてコロムビアぐらいでしょうし。

 プレスティッジ初期のパット・マルティーノさんのアルバムは、基本はウェス・モンゴメリ―直系のストレートアヘッドで熱い単旋律ソロを聴かせるジャズ。で、アルバムごとに経路が違う曲想の音楽が少しだけ入っていて『East!』ではそれがスピリチャルな方向に走った時のコルトレーンになる、という感じ。で、このスピリチャル・コルトレーンへの傾斜が以降のマルティーノさんの音楽に劇的構成を持ち込むことになったという意味で、このアルバムは大きな一歩を踏み出した作品じゃないかと。


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『Pat Martino / Strings!』

Pat Martino_Strings デビューアルバム『El Hombre』と同じ1967年に発表された、パット・マルティーノのセカンド・アルバムです。サックスとピアノを含むクインテットで全5曲。1曲だけラテンパーカッションが入っていました。

 最初と最後がラテンジャズ調なので、アルバム全体の印象はラテン・ジャズ調で、しかも軽く感じました。モントゥーノっぽいところがありますし、1曲目「Strings」に至っては実際にラテン・パーカッションが参加してましたし。やっぱり、デビュー当時のパット・マルティーノは、プレスティッジからしたらクラブ・ジャズ方面のアーティストとして売ろうとしていたんじゃないかなあ。
 ところが実際には熱く燃え上がる曲と演奏が真ん中にドカンとあって、これが良かった!2曲目「Minority」や3曲目「Lean Years」はアドリブがビシバシ入るアップテンポでアグレッシブなナンバーでした。表現も難しい楽理も追求せず、シンプルな循環コードの上をシンプルに熱く疾走、これが最高にカッコいい!!こういう難しくせずに、アドリブの熱さだけを伝えようとするジャズって、60年代にあったじゃないですか。フュージョンとは違うけど、パーカーマイルスコルトレーンと続いてきたジャズともちょっと違う、みたいな。あの雰囲気です。

 和声づけは完全にピアノに任せているので、バンドはサックスとギターとピアノのアンサンブルというより、2管セクステットのよう。しかもソロ・オーダーの1番手がマルティーノではなくサックスなので、まるでサックスのジョー・ファレルのリーダーバンドみたい(^^)。それにしても「Lean Years」ではなかなか登場しないマルティーノですが、いざ自分のコーラスになるとアドリブソロがすげえ…ほとんど単旋律なんですけど、それでここまでのめり込まされるジャズギターを体験したのは、マルティーノさんの他ではジミー・レイニーぐらいしか思い出せません。ギターをちょっと弾いて真似してみましたが、16分音符の連続を切れ目なくここまで演奏できる思考回路が理解できません、途中で僕はどうやったって考えて止まっちゃう、指だけでなく頭が追い付かなかったです(^^;)。またこんなに正確なリズムではとても弾けない…。ウェス・モンゴメリーもそうですが、ジャズ・ギタリストって独特にスクエアなリズム感を持った人が多いと感じます。メカニカルに考えないととても演奏できる楽器ではない、という事なのかも。

 デビュー時のマルティーノさんはプレスティッジから5枚のアルバムを連発して出しました。僕にとっては、最高にお気に入りのミュージシャンというわけでもないけど、でも1~2枚聴いたらもういいやという人でもなく、中古屋で見つけるたびに買っていたら、プレスティッジの5作全部をコンプリートしていたのでした。プレスティッジ時代のマルティーノは、どのアルバムも聴くのは音楽よりもギターのアドリブで、「ギターでフルピッキングのアドリブでこれはすげえ…」なーんて聴いているうちに、あっという間に時間が過ぎちゃうんです。…好きなんですね、やっぱり(^^)。


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『Pat Martino / El Hombre』

Pat Martino_El Hombre 「ギターのコルトレーン」なんて異名がついていた事もあるジャズ・ギタリストのパット・マルティーノ、1967年のデビュー作です!このCDは完全にジャケ買いでした(^^)。だって、すごく良いギターを弾きそうな雰囲気がジャケットから出るんですもの。

 でも、ジャケットで想像していた硬派なジャズだったかというと、半分ぐらいは意外とクラブジャズっぽい雰囲気でした。少なくとも、最初に聴いた時はそう思ったんですよね。というのも、オルガン(トゥルーディ・ピッツ)は入ってるし、ラテンパーカッションは入ってるし、ジルベルトとジョビンの共作ボッサ曲「Once I Loved」は入ってるし、1曲5分ぐらいでサラッと終わっていくし…というわけで、印象だけでなく、実際にクラブジャズと感じて不思議ではない要素が入ってるんです。アル・クーパージミー・スミスみたいなクラブミュージック的な雰囲気の曲もありました。でもそれは決して悪い意味じゃなくて、これはこれで気持ちい音楽だな、みたいな。

 そんな中、パット・マルティーノがほとんど単旋律しか弾いてないのが最初は不満でした。コードを弾いたのは、最後の「Just Friends」でのオルガンソロのバッキングのところだけじゃないかなあ。あとはテーマもアドリブもぜんぶ単旋律なんですよ。僕は旋律だけ演奏するフュージョン系のギタリストが苦手で、ギターならジャズだろうが何だろうが、和音も旋律も一人で演奏しないとギターじゃないじゃん、ジャズだってジョー・パスやジム・ホールみたいな旋律も和音もひとりで演奏できる先人がいるんだから、これはちょっと…と思ったんですよ、最初は。
 ところが、アルバムが進んでいくにしたがって、不満だったはずのパット・マルティーノの単旋律だけのアドリブに引きずり込まれていく自分がいました。2曲目のツーファイブ・フレーズで「お、いいフレージングだな」と思い、3曲目で「ああ、リズム感がメチャクチャいい人なんだな、単旋律のアドリブでもこれだけ聴かせちゃうんだな」となり、アルバムの最後までたどり着いたころには、自分もギターを持って一緒にアドリブしているという(^^)。で、聴き終わったらすぐにまた1曲目から流して一緒に演奏して、2周聴き終わった頃には、完全にパット・マルティーノの虜 (^^)。

 パット・マルティーノの演奏って、ツーファイブモーションにしてもオクターブ奏法にしても、ウェス・モンゴメリーのコピーから始まったんじゃないかと感じました。そしてこのセッションに関して言うと、クラブ・ジャズのバンドの中で、パット・マルティーノだけがお客さんを楽しませるんじゃなくて、ひたすら旋律的ソロに夢中で取り組んでました。メロディアスに歌わせるんじゃなくて、ギターでどうやって旋律的なアドリブを取る事の出来るシステムを作り上げるかという事に夢中になっている、みたいな(^^)。
 15歳の時にはすでにプロ・ミュージシャンとして活動していたそうですから、その時の人脈のバンドで演奏したんだけど、マルティーノさん自身はまわりのミュージシャンと思っている方向がちょっと違っていて、アドリブの追及に夢中、みたいな感じだったのかも。これはギターでアドリブしたい人が聴いたら最高に面白い1枚でしょうが、そこに興味がない人が聴いたら軽いジャズ・セッションしか聴こえない可能性もあるかも。個人的には、お気に入りのアルバムです。


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『シェーンベルク:《グレの歌》 《声楽とオーケストラのための4つの歌曲》 ブーレーズ指揮、BBC交響楽団』

Schoenberg_Gur no uta_Boulez こちらはブーレーズ指揮によるシェーンベルク「グレの歌」です。これがまたすごかった、音楽に感動するとはこういうことだ…。オケのランクとしてはアバドが指揮したウィーンフィルの方が格上かと思いますが、しかしブーレーズ指揮のBBC交響楽団の演奏と、恐ろしいほどいい音で収録された録音が素晴らしかった!!

 「グレの歌」の内容はひとつ前の日記でいっぱい書いたので、ここではブーレーズ&BBC交響楽団の演奏と録音に関する感想を。音のキレが凄かった!録音は、オケのステレオ感が凄くて、チェロは思いっきり右、第1ヴァイオリンは思いっきり左みたいにパッカリ割れてました。そして、弦の響きの美しさといったらありませんでした。あったかいのではなく、ハイがきれいな感じですが、かといって細いわけでもなく、これだけの巨大オーケストラをこんなに分離よく良い音で録音できちゃうんだ、みたいな。でもアバド&ウィーンフィルほどの感動を覚えなかったです。ちょっと冷たい感じなのかな…いやいや、昔聴いた時にはむっちゃくちゃ感動したので、きっとアバドの後に聴いたというのもあるかも。ブーレーズを先に聴いていたら、こっちの方がいいと思ったかも。僕はそういう所があって、先に好きになったものを基準に物を見つめちゃうんですよね。。

 「声楽とオーケストラのための4つの歌曲」作品22。作品22という事は、「月に憑かれたピエロ」の次ですね。シェーンベルク無調時代の音楽で、この次あたりから音列技法に入るのかな?すべて演奏しても12分ほどなんですが、これがよく出来ていて、聞き入ってしまいました。ただ、無調系の音楽は、以降こういうサウンドがレギュレーションになったもんで、ぼんやり聞いていると「またこういういかにも現代音楽なサウンドか」と思ってしまう所が注意かも。だって、現代音楽に似せたんじゃなくて、こういう曲の追従者が増えたから、これがレギュレーションになったんですもんね。
 でもって、詩は4つのうち3つがリルケ。リルケもユダヤ系オーストリア人なので、シェーンベルクにとっては同調できる言葉が多かったのかも。リルケも、新ロマン主義から、汎神論という20世紀前半という当時のドイツ/オーストリアの時代風潮の中で戦った人ですしね。

 録音は「グレの歌」が1974年、「声楽とオーケストラのための4つの歌曲」が1981年。録音年代が違うのに違和感を感じませんでしたし、こんなに良い音で録音できちゃうという事にびっくり。でもこの中域のすっきり感がソニー・クラシックスっぽいというか、ここは昔のグラモフォンみたいな中域があったかい演奏が好きな人だと苦手に感じるかも。色んなことを書きましたが、いま『グレの歌』の規範となっている指揮と演奏と言ったら、ブーレーズ&BBC響のこの演奏なんじゃないかと思っています。大名盤として知られているのも納得、間違いなく推薦!


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『シェーンベルク:グレの歌 アバド指揮、ウィーンフィル、ウィーン国立歌劇場合唱団』

Shoenberg_Gurre no uta_Abbado_WienerPhil 「浄められた夜」「ペレアスとメリザンド」同様、これも後期ロマン派風だったころのシェーンベルクの作品、すべて演奏するのに1時間40分を超え、フルオケに合唱まではいる巨大編成の大作です!後期ロマン派期のシェーンベルクというと、「浄められた夜」「グレの歌」「ペレアスとメリザンド」が有名ですが、この3作の中でこれは真ん中に位置するのかな?ジャンル分けの難しい曲で、オラトリオ的な宗教曲とも、管弦伴奏つき合唱曲とも、芝居抜きオペラともいえそうです。このアバド&ウィーンフィル&ウィーン国立歌劇場合唱団の演奏は、印象としては歌・合唱入りの管弦楽曲という感じでした。

 話はざっくりいうとこんな感じです。中世のデンマークにグレ城という城があり、ヴァルデマール王はトーヴェという少女を愛しています。それに嫉妬した王妃がトーヴェを殺害!怒り狂った王は、王妃を憎めばいいものの神を憎んでしまって天罰が下り、あわれ永遠に天国にいけない亡霊にされてしまいます(第1幕)。亡霊になった王は、同じく幽霊になった家臣たちとともに大暴れ(第2幕)!しかし死んでも王を慕うトーヴェの愛によって、ヴァルデマール王の魂は救済されるのでした(第3幕)。いや~いかにもロマン派らしいお話でした(^^)。

 シェーンベルクと言えば無調か音列技法で、ロマン派時代は習作期ぐらいに思っていたら、超一流のロマン派作曲家ではないですか!!驚きました、これは凄い…。
 冒頭の管弦楽前奏から凄いです。平和な大自然を描く湯たりした音楽から始まるのですが、これが音だけなのに情景が目に浮かぶようなのですよ、すげえ…。これ、木管楽器で反復している音たちは鳥とかそういうものを表現していて、ゆったりと流れる金管楽器や弦は大気とか、風に揺れる大草原とかを表現してるんじゃないかと思うんですが、音でこの情景が浮かんでしまう所がヤバいです。例えれば、ベートーヴェン「田園」ドビュッシー「海」の中間ぐらい。そしてその情景が、日が沈んできてちょっと不安さも増してきて…みたいな。あと、個人的には、トーヴェがはじめて王に愛を告白するクラリの最後の部分の美しさが鳥肌もので大好きです(^^)。
 でも、これだけならロマン派で片付くと思うんですが、さすが後期ロマン派と思う所が満載。例えば、王様が少し不安を感じるところでは半音階の下降が出てきたり、作曲面での表現に使えるパレットがベートーヴェンやモーツァルトの頃とは段違い。もしかするとワーグナーマーラーすら凌駕してるかもと思えるほどの後期ロマン派の芳香にあふれていました。

 でもって、ドラマ部分を表現しているのが詩なんですが、これがロマン派詩ならではのものの感じ方でしびれました。「グレの歌」の第1部は、ほとんどが王と少女のモノローグの交換なんですが、例えば王の来訪を待つ少女トーヴァの独白はこうです。

ああ、月の光の静かに滑りゆくとき、
憩いがすべての上にあるとき、
わが目には海上の波は水と映らず
かの森は木々の集まりとは見えず。
すべては天空を飾る雲となり、
谷や丘はもはや地上の起伏とは見えず、
それは泡沫のごと、形と色との遊びにして、
すべては神のみたまう夢の名残なり。

 いやあ、なんと素晴らしい詞か…。若い頃は、こういうロマン派的な詩って、気障というかナルシストというか、なんでわざわざカッコつけてこんな風に遠回しに表現するんだろうと思ってたんです。でも、この詩の背後にあるものって、「死んだらすべて消えてしまうわけで、すべては理(や神)に帰す泡沫」という観念が背景にあって、そこから逃れられないこの世のあわれを表現してるんじゃないかと感じるようになってから、感じ方が変わりました。でないと、「色々なものがそのままには見えず、それは泡沫」なんて言葉、出てきませんよね。で、こうした観念が「グレの歌」の背景にはずっとあって、王と少女は永遠の死を望むし、王の幽霊は最終的に救済される、みたいな物語になってます。

 そして、こうしたいろんなドラマを通過して最後にドッカーンと来た時の感動が凄い!しかも大オーケストラなもんで、ドッカーンの天井の高さがヤバい!大きな山が1部と3部にそれぞれ1回来るんですが、このエクスタシーは西洋オーケストラじゃないと無理だわ、凄すぎました。。

 音楽的な発見としては、第3部ではやくもシュプレヒ・ゲザング(シュプレヒ・シュティンメ:話すように歌う、シェーンベルクの歌曲の常套句)が出てくるんですね。歌っていたのは歌手ではなくて女優のバルバラ・ズーコヴァさん。話すことにかけては歌手より俳優の方がうまいという事でしょうが、マジでうまい。。ウィーンフィルを後ろにやるなんて緊張しまくりそうなもんですが、堂々たるものでした。俳優って肝が据わってるんだな。。

 アバド指揮ウィーン・フル&ウィーン国立歌劇場合唱団の演奏と、グラモフォンの録音は完璧!これがライブ録音とは信じられないほどの凄さ!音に圧倒されました。いや~、ぜんぜんまとめきれませんでしたが、要するに「ロマン派時代のシェーンベルクの音楽を舐めていたけど、これは凄すぎ、感動でふるえてしまった」と言いたいのでした。超おすすめ!


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『シェーンベルク:《ペレアスとメリザンド》 《浄夜》 シノーポリ指揮、フィルハーモニア管弦楽団』

Schoenberg_Jouya_Pelleas_Sinopoli_PhilharmoniaOrch  これもシェーンベルクの「浄められた夜」の演奏の入ったCDで、こちらはシノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏、1991-2年録音です。どちらの曲も後期ロマン派的な作風だった頃のシェーンベルクの名作と言われている曲です。

 「ペリアスとメリザンド」は、メーテルリンクという劇作家の書いた戯曲が元で、この戯曲を元に書かれた曲は数知れず。シェーンベルクのこれも有名ですが、フォーレ、ドビュッシー、シベリウスによるものも有名です。シェーンベルクの「ペリアス~」は詩や芝居のつかない交響詩で、音楽だけでこの物語を表現しています。なんでも、書いている途中でドビュッシーもこの戯曲をモチーフにした音楽を書いていることを知って、そうしたんだそうで。
 とはいえ、大元の物語があるもんで、「ここは日暮れの森で迷っているシーンを表現しているのかな?」とか考えたりして聴いてしまいました(^^)。音楽的には、ロマン派と言ってもドミナントの解決が保留され続けたり、半音階が使われたり、4度和音が出てきたりで、なるほどワーグナーより先に進んだと感じる後期ロマン派な印象でした。それにしても、46分ノンストップのこういう曲を書き上げるって、やっぱり凄いです。単一楽章で46分って、僕は「1年間、作曲以外は何もしなくていい」と言われたとしても、書く自信がないです(^^;)。で、今回、仕事をしながらこのCDをリピートで何回か聞いていたんですが、何回も聴いてようやく「あれ?これが主題で、これが変奏されてたのか」と気づいたぐらいでした(^^;)。もう、ロマン派もこのへんまで来ると、形式を把握している聴衆なんて、ほんの一握りだったんじゃないかって気がします(^^;)。

 「浄夜」は、素晴らしい演奏に素晴らしい録音。サロネン指揮ストックホルム室内管弦楽団のほうがよりエッジが効いていて、こちらの方がふくよかな印象。でもそれって、演奏以上に録音ですよね、きっと(^^;)。そして、どっちが良いかは趣味じゃないかと。どっちも良かったです(^^)。

 ただ、僕的には、シェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」はものすごくよくできていて尊敬するけど、単純に趣味じゃかったりして(^^;)。「浄夜」はそれよりはずっと好きで、やっぱり素晴らしい…と思うけど、いろんな録音を何枚も持っておきたい程じゃないかも。こういう後期ロマン派的な作風のシェーンベルクの最高傑作は「グレの歌」じゃないかと思うんですが、その話はまた次回!


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『シェーンベルク:《浄められた夜》 《弦楽四重奏曲第2番》 フェイ・ロビンソン(soprano)、サロネン指揮、ストックホルム室内管弦楽団』

Shoenberg_KiyomeraretaYoru_Salonen StockholmChamber 30代後半からシェーンベルク好きが加速した僕ですが、めぐりあわせが悪くて弦楽四重奏曲はあまり聴いてきませんでした。というわけで、これはシェーンベルクの弦楽四重奏曲第2番目的で買った1枚です。この曲、シェーンベルクが調音楽から無調音楽に入っていく瞬間を捉えた曲らしいので、すごく楽しみだったんです(^^)。

 「浄められた夜」はシェーンベルクの若書きで、最初に聴いた時は「え?これがシェーンベルクの曲?」ってビックリしたぐらいのロマン派音楽。でも半音階的なところも目立って、崩壊寸前ってほどではないけど無調を予感させる感じもある…って、この曲はあまりに有名なので、僕が今さらとやかく書く事じゃないですね。昔は前衛的な刺激がないもんだから好きじゃなかったんですが、そういう色眼鏡を外し、ロマン派音楽として聴くと、独創性が強いしメチャクチャいい曲。この曲、弦楽6重奏曲版と弦楽合奏版がありますが、このCDに入ってるのは後者。僕はカラヤン&ベルリン・フィルの演奏を聴いた事がありますが、こちらもいい演奏でした!

 「弦楽四重奏曲第2番」。おお、なんとソプラノ入りなのか、斬新な弦カルだ、しかも魅力的(^^)。1楽章はまだ短調的な調音楽ムード漂いますが、場所によってはドミナントがかなり見つけにくかったです。そして4楽章は…これは無調といっていいんじゃないかい?調から無調に向かう構成なのか、カッコいい!!って思ったら最後に長調に解決しました(^^;)。でもこうした方がまとまるし、普通はこうするか。それにしても、後半楽章から出てくるソプラノのフェイ・ロビンソンさんがめっちゃいい、このソプラノを聴くだけでも買う価値ありかも!

 シェーンベルクの無調時代って、12音列技法の時期以上のいい曲があったりしますが、これは無調時代のギリギリ手前という感じ。調音楽が無調音楽に突入していくその瞬間を聴いているようで、なんかすごい瞬間に立ち会っているような感覚を楽しめたCDでした。シェーンベルクの弦楽四重奏曲、この感じなら全曲集めてもいい…でも3~4番の録音ってあんまり見ないなあ。


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シェーファー&ブーレーズの感想を追記!

 シェーンベルクの『ナポレオンの頌歌』を調べる必要がありまして、以前に感想を書いたCD『シェーンベルク:月に憑かれたピエロ、ナポレオンへの頌歌、他 シェーファー(soprano)、ブレーズ指揮、アンサンブル・オブ・アンテルコンタンポラン』を聴き直しました。前に書いた時は「月に憑かれたピエロ」の事しか書いていなかったもんで、この機会に他の曲についても感想を追記しました。

http://cdcollector.blog.fc2.com/blog-entry-497.html

 持っていて何回も聴いたCDですら、こうやって聴くたびに感じ方が変わっていくんだから、音楽って面白いです。このCD、とにかくソプラノのクリスティーネ・シェーファーさんがクソうまくて鳥肌が立ちました。でもって、『月に憑かれたピエロ』が、ちょっと面白いと感じてしまった(^^)。

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『Rick Wakeman / 1984』

Rick Wakeman_1984 スティーヴ・ハウが苦手、イエスでのビル・ブラッフォードには失望。というわけで、僕にとってのイエスはリック・ウェイクマンが最後の望みでした。ポポル・ヴーアシュラといったドイツのシンセサイザー音楽は好きでしたしね。そんな折、音楽&プロレス&パソコンマニアの友人に、このリック・ウェイクマンのソロ・アルバムを聴かせて貰ったのは中学生の頃。このアルバムをBGMで流しながら、まだあんまり知られてなかった海外のRPGゲームを教えて貰ったのはいい思い出です(^^)。ウルティマやウィザードリィはカルチャーショックでしたねー。

 1981年発表なのになんで1984?と思ったら、ジョージ・オーウェルの小説のタイトルから取ってるそうです。で、その小説に沿って物語が進む…というわけで、ぶっ飛びシンセアルバムかと思いきや、ヴォーカル入りのちょっとポップなコンセプト・アルバムだったのでした。でも、イエスより面白かった(^^)。

 友人がこのアルバムを買ったのには理由がありました。イエスやプログレとは関係なく、新日本プロレスのリングでタイガーマスクと激闘を繰り広げていた小林邦明の入場テーマ「The Room」が入っていたから(゚∀゚*)。まだシンセ音楽をあまり聴いていなかった僕は新鮮な音にも感動したし、ABCを3回繰り返すというポップスやロックの典型ではない楽曲の形式もカッコいいと思いました。やっぱり、若い頃に聴いた音楽のときめきって特別ですね。

 ところで、この友人はプロレスの入場曲をオリジナル盤で揃える事に命を賭けていて、前田日明が入場曲として使ったキャメル演奏「キャプチュード」のオリジナルをはじめて聴かせてもらったのも彼の家でした。あ、「ダダダダダダ」みたいな音がオリジナルは入ってないんだ、みたいな。あれは感動したなあ…ああ、またプロレスの話になってしまった(^^;)。というわけで、ポップでありつつどこかマニアックなシンセ音楽でした!


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『Yes / Close To The Edge』

Yes Close To The Edge 1972年発表、プログレ・バンドのイエス5枚目のアルバムで、邦題は『危機』。僕がこのアルバムを聴こうと思ったきっかけは、ビル・ブラッフォードが参加していたからでした。キング・クリムゾンでの強烈な演奏を聴いていただけに、期待しまくったのです。その結果、メンバーが同じだからといっていい音楽になるとは限らないという事を勉強させられました(^^;)。人生、失敗を繰り返して学ぶもんだなあ。プログレだと、ブラッフォードだけでなくジョン・ウェットンでも同じ失敗をした事があります。
 こういう経験って結構あります。プロレスだと猪木や藤波や藤原と争っていた時はあんなに輝いていた長州力が、全日本プロレスに行った途端にクソ面白くないレスラーになってしまった経験もしました。あんなに面白かった漫画『翔んだカップル』も、続編はクソつまらなかった(^^;)。

 音楽は『こわれもの』と同じ傾向でした。アルバム1枚で3曲の大作…といっても、アイアン・メイデンや小室哲哉のでたらめな転調がましに聴こえるほどの継ぎはぎ…。交響曲がそうですが、曲というのはひとつのまとまりとして捉えられるから曲なんであって、つぎはぎでA-B-C-D-Eと流れていくのは曲とは言わない、それはメドレーであって大曲と言わないよな、なーんて若い頃に思ったなあ。。

 このアルバムに出会った頃の僕は、キング・クリムゾンの『Lark’s Tongue in Aspic』やピンク・フロイドの『ウマグマ』、それにタンジェリン・ドリームやアレアといった素晴らしすぎるバンドやアルバムに出会っていたもので、俺はプログレが好きなんだ…と思っていたのに、なんとプログレ代表格のイエスがまったく体質に合わず。3枚連続で拒絶反応を示してしまったもので、これでイエスを聴くのをやめてしまいました。でも、後期のイエスはかなり違う音楽らしいです。でも、シンセでポップなチャート音楽やってそうで、怖くて聴けないなあ。。


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『Yes / Fragile』

Yes Fragile サードアルバムと同じ1971年発表のイエスの4枚目のアルバムです。邦題は『こわれもの』。このアルバムからキーボードのリック・ウェイクマンが参加して、ギターのスティーヴ・ハウとともにイエスの黄金期を支える事になります。僕にとってのリック・ウェイクマンは、プロレスラー小林邦明の入場曲「THE ROOM」でその名を覚え、幼くしてプログレやシンセ・インスト音楽の道を開いてくれたひとりなので、思い入れがあるんですよね。「ウェイクマン」という名前も、なんとなくカッコよかったしね(^^)。

 1曲目の「Roundabout」は、僕にとってのイエスのイメージにピッタリな曲です。あっちこっちが決め決めで、ピコピコ言ってる感じ。このピコピコ、昔はあんまり好きじゃなかったんですが、いま聴くとまあまあ面白かったかも(^^;)。。

 久々に聴いて、なんで僕がイエスを苦手に感じるのか、理由がひとつ分かりました。楽器の音が安っぽく思えてしまうのです。とくに、スティーヴ・ハウのギターの音が苦手。初期ビートルズみたいにペラペラな音で、ディスト―ションを入れると癇に障る音になり、クラシカルなプレイになるとタッチが無神経だから音がきたない。つまり、弾くので精いっぱいで、音色にまるで配慮がないのです。
 プレイヤーって、迫力ある音にするにせよ美しい音にするにせよ、音色に腐心するもんじゃないですか。クラシックでもジャズでも、ただ楽譜に書かれた音を出せばいいというもんじゃなくて、「あ、もうちょっとソフトなタッチにしたらいい音になるかな」とか、音色を一生懸命追求するもんじゃないですか。ところが、この時代のイエスの演奏はがさつ。なんでこんなに無頓着でいられるんだろうと思ってしまうほど、音が辛いんですよね…。


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『Yes / The Yes Album』

Yes_The Yes Album イギリスのプログレ・バンドのイエスのサードアルバム、1971年発表です。このアルバム以前のイエスはサイケ~アートロック方面だったらしいですが、ギタリストのスティーブ・ハウが参加したこのアルバムからプログレっぽくなったそうです。僕が聴いたイエスはここからでした。

 トゥッティで決めるところが多くて、半インストで、楽曲が大曲といっても継ぎはぎで、ドミソの音楽で、オルガンは分厚いハモンドじゃなくてシンセみたいな音で…というわけで、ちょっと下手めのフュージョン・バンドみたいに感じました。あちこちに決めがあってテクニカルなロックという意味で、イエスとエマーソン・レイク&パーマーはプログレッシヴ・ロックのステレオタイプに感じています。

 プログレ大好きな僕でしたが、このへんのイエスに関しては、音が垢抜けない、和声もリズムも教科書からはみ出ないので面白みがない、演奏がバタバタしてる…などなど、掘り下げている場所が音楽の重要なポイントとずれているように感じたのが、若い時に聴いた印象…だったかな?アート・ロック時代のイエスというのを聴いてみたいものです。でも、聴く暇はもうないんだろうな(^^;)。


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『照葉樹林の息吹 雲南少数民族の音楽Ⅱ』

Shouyoujyurin no ibuki CD『照葉樹林の響き』と同じく、中国雲南省の少数民族の音楽のCDです。雲南省にしかいない少数民族も15ほどいるそうで、それ以外を合わせるとどれぐらいの数なんでしょうね。このCDには、9種族の音楽が収録されていました。イ族は少数民族とは言え国民国家を作っていてもおかしくないほどの人数なので、このCDには入っておらず、そういう事情で前々回に感想文を書いたCD『雲南イ族の音楽』にまとめられたんじゃないかと。

 民族は違ってもすべて笛の独奏でしたが、これが素晴らしかった!! 漢族の音楽に近いもの、日本の横笛に近いものなど、多少の色の違いはあれど、どれも中国らしい、ゆったりというかレイドバック系というか、そんな音楽でした。漢族の音楽はプロのバカテクが多いですが(大道芸的な見せ物にする事が多いからテクニックを聴かせに行く機会が増えるのかも)、民間音楽となると実にゆったりしたものが多くて、このCDもそんな感じでした。
 笛は僕的なジャンル分けでは普通の笛、ドローン声部を同時演奏できる笛、ダブルリード系の笛の3種類。ドローン声部を持つ音楽はバグパイプの音楽っぽくて、もっとタイのモーラムに近づいても良さそうなものですが、このゆったり感が中国を感じさせるのだなあ、みたいな。

 でもって、個人的にノックアウトされたのは普通の笛の演奏。特に、ハニ族のM1「吟尼山歌」にタイ族のM7「マンホワンの歌」(中国の大河っぽい雄大さ!)、ヂンボ族のM3「守山調」(前半はまるで日本の笛のような澄んだ情緒感)、これらが素晴らしかったです。中国感はゆったりしたテンポや表現の傾向だけじゃない気がするなあ、な~んて思ってちょっと音階に注目してみたところ、ハニ族の1曲目は、1、長2、完全4、完全5、長6。7曲目は1、長2、長3、完全4、長6。というわけで、どちらも5音音階でスペースが広く、マイナーな響きも三全音もどこにも含まれていない事が雄大さに繋がってるのかも。

 このブログで中国音楽を取りあげるのは初めての気がしますが、中国主要民族の漢族の音楽じゃなくってすみません(^^;)>。でも、今回感想を書いた雲南省の少数民族の音楽は、漢族の音楽に共通するもの…というか、漢族の地方民謡のひとつという感じのものが多くて、すごく良かったです。中国や韓国は政治的に揉めてる事もあって、心理的に敬遠したくなっちゃう時があるんですが、こと音楽に関してはそんなこと関係なしに素晴らしいです。揉めてる国や部族との交流を文化から始める事が多いのも分かる気がします。


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『照葉樹林の響き 雲南少数民族の音楽』

Shouyoujyurin no hibiki これも中国雲南省の音楽、こちらは『春城の歌垣 雲南イ族の音楽Ⅱ』と違って、色んな少数民族の音楽を集めていました。このCDには管楽器の独奏だけを収めた第2集もあるのですが、このCDは合奏ものの音楽に絞ってありました。収録されていたのは、ナシ族、バイ族、ヂンボ族、タイ族の音楽でした。

 ナシ族は、13世紀にフビライが雲南に攻め込んできたときに協力したとして、フビライから音楽隊を贈られたことがあるんだそうです。そんなわけで、ナシ族の音楽は古いモンゴル音楽だという学説もあるそうです。なるほど、いつかモンゴルのオルティンドーのCDを聴いたことがありましたが、あれによく似ていました。ただ、中国音楽にまったく詳しくない僕にとっては、漢族の音楽とモンゴルの音楽ってそっくりに聴こえるので、違いはよく分かりませんでした。なんというか、宮廷音楽的で、保守的で堅苦しい感じなんですよね。。

 バイ族は、ナシ族とは反対にフビライに対抗して攻め滅ぼされ、最終的に中国に帰属することになったそうです。バイ族の音楽は、哨吶(スオナー)と呼ばれる管楽器を使った音楽でした。スオナーって、要するにチャルメラのことなんですが、チャルメラという言葉はスペイン・ポルトガル語起源なので、中国では使われないそうです。ナシ族の音楽と違って民間音楽色が強く、スオナーのうしろでデンデン太鼓と金属系の打楽器が伴奏している、みたいな。でも、結婚式や祈祷のときに使われる音楽らしく、やっぱりフォーマルな感じ。

 ヂンボ族はビルマ寄りの地域で生活しているそうで、ビルマにもいるそうです。ただし、ビルマではカチン族と呼ばれるんだそうです。う~ん、地続きの大陸で生きる民族地図って難しいです。なるほど、これは漢族の音楽からは遠く、たしかにビルマの音楽に近いかも。ビルマでは仏教音楽以外だと竪琴を使った音楽を聴いたことがありますが、なんかほんわかしてるんですよね。このCDに入っていた音楽は、「やっとこ、やっとこ」みたいなリズムの上で笛がゆったりと演奏していて、ほっこりしてしまいました。打楽器の音も中国みたいに「バシャーン」みたいにけたたましくなくて、むしろ東南アジアのゴングのようにあったかい音で落ち着きがあって僕の好みでした。これは良かったです!

 タイ族の音楽、これがメチャクチャよかったです!!リード付きの横笛である「バウ」という管楽器の音色が、すごくまろやかで魅力的!うしろで月琴のような音の弦楽器と、オルガンのような音がする楽器(笙かな?)、それにやっぱり東南アジア系の太い音がするゴング系の打楽器が伴奏をしていて、実に心地よい音楽でした。

 というわけで、これは中国の少数民族の音楽というより、中国、ビルマ、タイ、ラオス、ベトナムあたりの真ん中にある音楽という感じでした。このへんの音楽だと、僕は漢族系の宮廷音楽より、タイやビルマ寄りにある農民が持っている音楽のほうがほっこりしていて好きみたい。あのあたりに生きている農民の方って、政治的につらい思いをしていそうだけど、大地と一緒に生きている感じでいいですよね(^^)。


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『春城の歌垣 雲南イ族の音楽Ⅱ』

ShujounoUtagaki_unanIzoku no Ongaku2 中国の雲南省にいる最大の少数民族・イ族の音楽です。雲南省は中国の南にあり、ミャンマー、ラオス、ベトナムと国境を接しています。これらの国の音楽って中国音楽色とインド音楽色とインドネシア色のチャンポンという感じがしますが、そのうちの中国色は雲南省から来た人たちが持ってきたものじゃないかと勝手に思っております(^^)…と思ったら、イ族の居住地は雲南省のほかにラオス、ミャンマー、ベトナム、タイなどなんだそうです。似てるんじゃなくて同じでした(^^)。ついでに、イ族は中国に住んでいる56民族の中で7番目に人口が多くて、2010年で800万人ほどだそうです。そうそう、雲南省は類人猿発祥の地じゃなかったかな?

 まず、イ族という少数民族の音楽とはいえ、中国音楽をあんまり知らない僕にとっては漢人音楽にかなり近いものに感じました。少数民族らしく感じるのは管楽器や擦弦楽器がメロディを取る部分が時としてそう感じるぐらいで、撥弦楽器や音階打楽器あたりは思いっきり中国音楽と言った感触でした。

 たぶん、使ってる楽器が揚琴(ヤンチン、ダルシマー族の楽器です)、月琴、三弦、横笛にリード楽器、笙など、漢人音楽と同じ(または近い)楽器が多かったから、音楽のイメージも近く感じるのかも。このCDだと音階が長調系の47抜きが多かったのも、低音楽器がいないのも、馬鹿テク揃いなのも、やっぱり中国音楽っぽく感じる理由かもしれません。そうそう、テクニックで言えば、4曲目の「紅河的春天」の揚琴の独奏なんて、すごいテクニックでした。ちなみにこの曲、中国の音楽大学で揚琴を専攻するとほぼ課題曲に入っている中国音楽の大スタンダードなんだそうです。

 そんな中、まったく想像もしていなかったような音楽が、3曲目の「馬桜花開」という曲。これはすごい!バウという管楽器が主メロ、笙の伴奏がついていたんですが、笙の音がロータリーつきの電子オルガンみたいな音で、これにビビりました。以前にタイのモーラムという音楽に触れた事がありましたが、そこで使われていたケーンという楽器を思い出しました。いやあ、この音は言葉では説明不能(ちょっと「アルプスの少女ハイジ」に近い)、ぜひ聴いてみて欲しいです!

 それにしても中国系のプレイヤーは、民族色が強い音楽ですら出音はきれいだし演奏がはうまい、演奏家としてむちゃくちゃ優秀と思います。雑技団みたいに、子どもの頃から専門教育を受けたスペシャリスト集団なのかも。ただ、毒性の強い現代の音楽に慣れてしまった私には、音楽が保守的でイマイチ刺激が足りないんですけどね。。


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『The Other Half』

OtherHalf the これも1968年発表のアメリカン・サイケのアルバムです。僕が若いころはこのへんのサイケ・バンドの情報はほぼ皆無。ミュージック・ライフという当時でも古かった雑誌のレコード・レビューだけを集めた本を見るぐらいしか情報源がなかったもんです。ミュージック・ライフは、僕の世代ではすでに無くなっていた雑誌で、現物は見た記憶がありません(^^;)。

 これはサイケといってもブルース・ロック系ではなく、ロックン・ロール系のガレージ色と、シスコ・サウンドが混じった感じ。お花畑なドラッグ・ミュージックな方面の曲はジェファーソン・エアプレインに近いぐらい。このアルバム・ジャケットって、ラヴの『Forever Changes』にそっくりですが、なるほど時代も場所も音楽もけっこう近く感じました。ドラッグやってると、本当にこんな感じの視覚になるのかな?

 でも、そっち方面よりガレージっぽい攻撃的な曲が僕は好き。ソニックスファームほどのハードさやブチ切れ感まではいかないけど、なかなかカッコいい!

 とはいえ、そこそこぐらい…かな(^^;)。やっぱり、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスドアーズピンク・フロイドあたりの名を残したサイケ・バンドは、名を残すだけのものがあったんだなあ、と改めて思ったりして(^^)。


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『Canned Heat / Living The Blues』

Canned Heat Living The Blues キャンド・ヒートの代表アルバムと言えば『Boogie with Canned Heat』なんでしょうが、僕がいちばん好きなのは、1968年発表のこの2枚組アルバムです。やっぱり『Booge with…』みたいにグダグダなワンコードのジャムなんですが、よかったのは、C面D面合わせて1曲のライブ録音!ワンコードで40分演奏とかやられるもんで、変な意味で聴いていて「エヘヘヘヘー」ってトリップしちゃいました。。

 ライブは、ヴォーカルが今までのスタジオ盤と段違いで野太い!演奏も大人しくチマチマやってないで、暴れてます。やたら長い事ジャムってるのですが、本人たちも飽きてきたのか、途中でフォービートになったりね(^^)。やたら長いベースのアドリブが終わって、ギターソロになったところの快感はたまらないっす。やっぱりロックバンドはエネルギーを伝えてなんぼ、こうしてくれなくっちゃね(^^)。
 そして、スタジオのA面は、ほとんどが小っちゃい曲は今まで通りのブルースやブギの小曲という感じで、演奏ショボイ(^^;)。ただ、B面に入ってる20分近い「Pathenogenesis」は、色んな曲が出て来ては消えて、アナログディレイとかを色々駆使したサイケです。これはアタマが変な感じで良かった。きっと頭が悪いんですね、やっぱり60年代サイケはいいなあ。

 キャンド・ヒートって、80年代までに主要メンバー3人がドラッグとかで死んじゃってるんですよね。ロサンジェルスのバンドだし、音楽だけ聴くとグダグダなサイケデリック・ブルースなジャムバンドなので、けっこうグレイトフル・デッドみたいな、お客さんも込みでみんなでマリファナ吸って気持ち良くなっちゃうヒッピーなバンドだったのかも。ブルースやブギ、そしてサイケ、さらに長尺のドラッグやっていちゃってそうなジャムと、とっても楽しいアルバムでした!


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『Canned Heat / Boogie with Canned Heat』

Canned Heat Boogie with Canned Heat アメリカのブルースロック系のバンドのキャンド・ヒートを初めて知ったのは、ウッドストックでのパフォーマンスでした。あれがなかったら名を知ることすらないままだったかも。ウッドストックのパフォーマンスに感激したわけじゃないんですが(感激はスライとサンタナジミヘンに全部持ってかれた^^)、名前は覚えたんですよね。このアルバムは1967年のセカンド・アルバムで、キャンド・ヒートのアルバムの中では一番有名なものではないでしょうか。

 デビュー作に比べると、いよいよ自分たちの音楽をやらねば…って感じなのかも。ジャケットデザインや1967年のアメリカ西海岸という時代背景から、もうすこしフラワームーヴメント的だったりヒッピー的だったりドラッグ・ミュージック的な音楽かと思いきや、意外とストレートなブルースでした。強いて言えば、デビューアルバムに比べると、どこに向かうでもなく、いつまでもダラダラと音を出し続けているセッション的。これ、用もないのに友達とトランプしてるみたいなもんで、やってる方は楽しいんだろうな(^^)。このダラダラ感が、キッチリまとめてくるイギリスのブルースバンドとの違いでしょうか。グレイトフル・デッドなんてその典型ですが、この時代の西海岸のロックって、マリファナ文化が強いのか、いつまでもダラダラやるバンドが多いんですよね、「アハハハハ~」みたいな。

 ウッドストックやこのアルバムを聴いて思うのは、キャンドヒートって声小さい(゚ー゚*)。これがすべてで、ズバーンと訴えかけてくるものが弱く感じました。悪くないんですが、ジョニー・ウインターの突き抜けたやさぐれ感とか、チキン・シャックの弾きまくり感とか、そういうのと比べちゃうと一枚下って感じでしょうか。あ、でもそういう事じゃないんですね、きっと。アメリカって、グレイトフル・デッドが名バンドとして成り立ってるところなんかを見ると、このグダグダを良しとする価値観をどこかに持ってる気がします。


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『Canned Heat』

CannedHeat.jpg ブルースの本国アメリカのホワイト・ブルース・バンド、キャンドヒート1967年発表のデビューアルバムです。1曲目が「Rollin' and Tumblin'」、他にも「Goin' Down Slow」「Catfish Blues」「Dust My Broom」「Help Me」などなど、ブルースの大スタンダードナンバーめじろ押しです(^^)。

 カッコいいのは、ブルースハープとリードギター。でも、チキン・シャックのスタン・ウェッブとかバタフィールド・ブルースバンドのマイク・ブルームフィールドみたいに突き抜けてうまくてカッコいいわけじゃなくって、このぐらいなら町にひとりぐらいはいるかな、みたいな感じ。スリーコードだから演奏すること自体はそんなに難しくなさそうですしね(゚ー゚*)。というわけで、ブルース好きの同好会がそのままバンドやって、フラワームーブメントに乗っかってそのままデビューしちゃった、みたいなバンドなのかも、な~んて思いながら聞いていました。

 ブルース・ブレイカーズやローリング・ストーンズやバタフィールド・ブルース・バンドは言うに及ばず、Jガイルズ・バンドドゥービー・ブラザーズなど、ブルース系のバンドのデビューアルバムって、スタンダードなブルース曲をダダッとやるアルバムが多い気がするんですが、このアルバムもそんな感じでした。名刺代わりって感じなのかな?


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『The Omen / original soundtrack』 ジェリー・ゴールドスミス作曲

Omen_Ost.jpg  映画『オーメン』のサントラ盤です!作曲は70年代ハリウッド映画音楽を代表するひとり、ジェリー・ゴールドスミスです!僕にとってのジェリー・ゴールドスミス作品は『猿の惑星』がナンバーワンなのですが、オスカー賞を取ったのはこの音楽だけだそうです。へえ、もっといい音楽をたくさん書いた人なので意外だなあ。。

 オーメンの音楽は、破綻なくきっちり作られたプロ作曲家の管弦曲という感じ。オカルト映画という事もあって雰囲気は不気味なんですが、技法としては普通中の普通で『猿の惑星』みたいな斬新な事はしてないので、面白くは感じなかったです。でも映画を観ていて、歌詞が気になったのです。神父が十字架で串刺しになるシーンの混声合唱が「Ave Satani」と言っているように聴こえたのです。それって「悪魔を讃える」という意味ですよね…。
 映画の冒頭で流れる教会の鐘の音を含んだ混声合唱も不気味で、これがミサ曲みたいにラテン語かギリシャ語に聴こえたもんで、歌詞が気になったんです。で、このサントラ盤を持っている友人に歌詞を見せてもらったところ、やっぱりラテン語のようでした。うろ覚えなんですが、歌詞は「我らは血を飲む、我らは肉を食べる。反キリストを讃える、サタンを讃える」みたいな内容だったんですよ!もしかしてこれって黒ミサで使われていた典礼文なんじゃ…分からないですけど、そんな事を考えて戦慄したのでした。

 若い頃は「フィクションのドラマで使われた言葉でしょ?」と軽く考えていたんですが、いま冷静に考えると、これをキリスト教圏の全国ロードショーで使うってヤバいですよね。いまの日本みたいに、少しでもみんなと違うものは善悪関係なく何でも排除する文化圏でこんな事をやったら袋叩きだったんじゃなかろうか。日本ほどではないにせよ、アメリカやヨーロッパだって保守的な傾向にある地域はあるはずなので、大問題になりうる事を覚悟しないと、こんな詩を冒頭と最後に持ってきた映画なんて公開できないでしょうから、製作する側も相当に肝を据えて作った映画だったんじゃないかと。
 というわけで、僕的には音楽ではなく詞に戦慄した音楽でした。こわい。


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映画『オーメン/最後の闘争』

Omen3_Saigo no tousou 1作目に猛烈に魅了され、2作目でちょっと外したなと思った映画『オーメン』シリーズでしたが、結末が知りたくて、外すだろうなと思いつつ3作目も観た若い頃の僕でした。で、怖かったけど、やっぱり外した(^^;)。でも観ないとずっと「オーメンってどうやって話の落ちがついたのかな」と気になってしまっていただろうから、観ない選択肢はなかったんでしょう…制作側の思うつぼですね(^^;)。

 ダミアンは大人になり、巨大国際企業のCEOになってます。これで世界征服をするというわけですね。でも教会側も黙っていなくて、7人の神父がダミアンを倒そうとするも、悪魔的な力に消されていく、みたいな。

 神秘的な物語って、理屈で説得しようとすると裏目に出る気がします。昔、呪いのビデオを見ると死ぬという『リング』という映画があって、それは面白かったんです。でもなぜ呪いのビデオを見ると死ぬのかという科学的な説明をしようとした『らせん』という姉妹映画がありまして、これがクソつまらなかった…。「呪いのビデオを見たら死ぬ」なんてあり得ないんだから、その部分を語れば語るほど、むしろどんどん嘘くさくなっちゃうんですよ。オーメンもそうで、サタニズムが世界を席巻するというのは漠然とした不安として残しておけば怖いのに、具体的に世界企業のCEOになって…な~んて描いちゃうから神秘性も怖さもなくなっちゃったんじゃないかと。やっぱり映画のストーリーは穴があると興が冷めてしまうんですね、きっと。

 というわけで、オーメンの1作目に感動した人に僕が伝えたいのは、「2作目3作目を見たいという気持ちは分かるが、オーメンは1作目までだったと自分に言い聞かせて、続編は観ないのが一番たのしめる」という事です。でも、1作目が面白すぎるので観たくなっちゃうんですよね(^^;)。。


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映画『オーメン2/ダミアン』 ドン・テイラー監督

Omen2_damien.png 映画「オーメン」が面白すぎて何度も何度も観たもので、当然のように続編も観ました。オーメンは3部作になってまして(4もあるけど、4は1のリメイク。僕は観てません^^;)、これは第2作。結論を言うと…かなり怖かったし、駄目な映画とも思わなかったけど、もう観なくていいかな、みたいな(^^;)。

 エレベーターのワイヤーで胴体が真っ二つになるとか、氷の下を人が流されるとか、ホラー映画としてのショッキングなシーンがよく出来ていました。そこは観ていて「やっぱりオーメンは怖いなあ」と思ったんですが、1作目のような見事なストーリーとは思えなかったのが、何度も観たい映画にならなかった理由かも。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の2作目みたいなもので、3部作を想定していて、物語の展開で必要な事を表現する事に終始したから、こうなってしまったのかな?
 1作目では聖書からの引用を用いるほどに神話めいて表現した「悪魔の子」ダミアンが、「これじゃ単に性格の悪いだけの人だよ」と思えてしまう所もちょっとダメでした(^^;)。。

 1作目だけが面白いと感じたシリーズもの映画といえば、僕の場合は『ダーティー・ハリー』や『猿の惑星』が思い浮かびますが、『オーメン』もこのパターンでした。ダミアンをもっと神秘的に描かないと、聖書という2000年前の預言めいた書物の神秘性が薄れてしまうってことなのかな?そう考えると、もしかすると僕は『オーメン』をホラー映画だと思って観ていないのかも。


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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