
これもシェーンベルクの
「浄められた夜」の演奏の入ったCDで、こちらはシノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏、1991-2年録音です。どちらの曲も後期ロマン派的な作風だった頃のシェーンベルクの名作と言われている曲です。
「ペリアスとメリザンド」は、メーテルリンクという劇作家の書いた戯曲が元で、この戯曲を元に書かれた曲は数知れず。シェーンベルクのこれも有名ですが、フォーレ、ドビュッシー、シベリウスによるものも有名です。
シェーンベルクの「ペリアス~」は詩や芝居のつかない交響詩で、音楽だけでこの物語を表現しています。なんでも、書いている途中でドビュッシーもこの戯曲をモチーフにした音楽を書いていることを知って、そうしたんだそうで。
とはいえ、大元の物語があるもんで、「ここは日暮れの森で迷っているシーンを表現しているのかな?」とか考えたりして聴いてしまいました(^^)。音楽的には、
ロマン派と言ってもドミナントの解決が保留され続けたり、半音階が使われたり、4度和音が出てきたりで、なるほどワーグナーより先に進んだと感じる後期ロマン派な印象でした。それにしても、46分ノンストップのこういう曲を書き上げるって、やっぱり凄いです。単一楽章で46分って、僕は「1年間、作曲以外は何もしなくていい」と言われたとしても、書く自信がないです(^^;)。で、今回、仕事をしながらこのCDをリピートで何回か聞いていたんですが、何回も聴いてようやく「あれ?これが主題で、これが変奏されてたのか」と気づいたぐらいでした(^^;)。もう、ロマン派もこのへんまで来ると、形式を把握している聴衆なんて、ほんの一握りだったんじゃないかって気がします(^^;)。
「浄夜」は、素晴らしい演奏に素晴らしい録音。サロネン指揮ストックホルム室内管弦楽団のほうがよりエッジが効いていて、こちらの方がふくよかな印象。でもそれって、演奏以上に録音ですよね、きっと(^^;)。そして、どっちが良いかは趣味じゃないかと。どっちも良かったです(^^)。
ただ、僕的には、シェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」はものすごくよくできていて尊敬するけど、単純に趣味じゃかったりして(^^;)。「浄夜」はそれよりはずっと好きで、やっぱり素晴らしい…と思うけど、いろんな録音を何枚も持っておきたい程じゃないかも。こういう後期ロマン派的な作風のシェーンベルクの最高傑作は「グレの歌」じゃないかと思うんですが、その話はまた次回!
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