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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『Spinners / Pick of the Litter』

Spinners Pick of the Litter スピナーズも、フィリー・ソウルの代表的な黒人コーラス・グループです。もともとはモータウンからデビューしましたがアルバム2枚で契約打ち切り。でもその後にアトランティックと契約しちゃうんだから、モータウンから離れたのはむしろ幸いだったかも。これは、アトランティック移籍後の1975年、スピナーズの6枚目のアルバムです。邦題は『フィラデルフィアの誇り』。

 基本がフォーリズムにストリングスなので、モータウン・サウンドに似ていると感じました。こっち系の音楽に明るくない僕にとっては、フィリー・ソウルにどういう音楽的な特徴があるのか、いまだに分かない状態なんですけどね(^^)。でも、こういうモータウンなサウンドもフィリー・ソウルと呼ぶのだとしたら、フィラデルフィアのソウルをそう呼んだだけで、音楽的に共通する特徴があるという訳ではないのかも。しいて言えば、僕が知っているフィリー・ソウルのグループはみんなコーラス・グループな事ぐらいかな?このアルバムの場合、コーラス・グループと言っても、メインヴォーカルがいて、そのうしろでコーラスが支えていました。音楽が暗くなくてけっこう爽やかで、このへんはスタイリスティックスに近い所かも。聴いていて心打たれるとか、すごいパフォーマンスに圧倒されるとか、そういうのではなくて、何気なく聴いていてちょっと気分が晴れる感じ。ラジオ・チャート向けに作った音楽なのかも知れませんね。

 このアルバム、A面1曲目の「Honest I do」がいい曲で、好きです。そうそう、このアルバム、僕はLPで持ってるんですが、色はシルバー、ジャケットは変形ジャケット、デザインも素晴らしくて魅力的。やっぱりLPっていいなあ。。


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『The Stylistics / Thank You Baby』

Stylistics Thank You Baby 1975年リリースのスタイリスティックス6枚目のアルバムです。このアルバムで有名なのは「愛がすべて Can't give you anything (but my love)」。ちなみに、僕がこの曲を知ったのは、ビジーフォーのものまね (^^)。ビジーフォー、面白かったなあ。ブルーコメッツのものまねも、ロス・パンチョスの真似もヤバすぎる面白さでした。

 あれ、なんでビジーフォーの話になってるんだ?…そうそう、スタイリスティックスの話でした。このアルバムはかなりディスコっぽかったです。「愛がすべて」も、A面ラストの「Disco Baby」も、ソウル以上にかなりディスコな感じ。そこに、チャート音楽風の「Thank You Baby」、伝統的な黒人コーラス・グループっぽい曲「Sing Baby Sing」などなど、当時の黒人チャートに入っていた曲種が色々と取り揃えてありました。きっと、ディスコブームに対応しつつ、ポップなコーラス・グループとして生き残ろうと頑張ったんじゃないかと。

 というわけで、けっこう軽めの曲が多いアルバムでした。しかしその頑張りもむなしく、スタイリスティックスは時代の波を越えられず、このアルバムを最後にチャートから退いてしまったのでした。ディスコが流行してた頃、僕はまだ子供でしたが、お兄さんお姉さんがうらやましくて、大きくなったら行ってみたいと思ってたんですよね。その頃にイメージしていた雰囲気がこういう音で、結局子供の頃にあこがれたようなディスコには行けず仕舞いだったにも関わらず、すごく懐かしく感じるという(^^)。


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『The Stylistics / Rockin' Roll Baby』

Stylistics Rockin Roll Baby フィリー・ソウルというと、O'Jays みたいなカッコいいタイプのグループもありましたが、どちらかというとスタイリスティックスみたいなショー・バンドの方が多かったイメージです。これはスタイリスティックスが1973年に発表したサード・アルバムです。もちろん僕のお目当ては大名曲「You Make Me Feel Brand New」でした。この曲、メチャクチャ良い曲で、知らない方も、この曲だけでもいいので聴いて欲しいです。

 フィラデルフィア・ソウルって、そのほとんどがシグマ・サウンド・スタジオというレコーディング・スタジオで録音されたそうで、これもその中のひとつ。同じ作家が曲を書いて、スタジオ付きのプレイヤーが演奏して、同じプロデューサーやディレクターが手掛けて、ソウル系のコーラス・グループが歌を歌って…みたいなシステムだったんでしょう。O'Jays はそれでも独特の個性がありましたが、スタイリスティックスは、用意された曲を歌ってる感じ。

 それでも特徴があるのは、メイン・ヴォーカルがずっとファルセットな事と、ストリングスとコーラスが壁のようになって音をフワーッとさせている点でしょうか。黒いキャバレー音楽が聴けそうなアルバム・ジャケットですが、実際に聴くと、ずっとフワーっとしたムード歌謡的。これが単調に聴こえる事もあれば、めっちゃ気持ち良かったりもして。その中の傑作が、「You Make Me Feel Brand New」でした。これはいい曲だ、エレピもストリングスもコーラスも、ぜんぶ泣ける…。ちなみにこの曲、むかし僕はあるライブでタイバンのグループがピアノとトロンボーンと歌だけで演奏しているのを聴いたことがあります。あまりの素晴らしさに涙が出そうになった…ムッチャクチャいい曲なんですよね、やっぱり。

 というわけで、70年代初期の黒人チャートを席巻したフィリー・ソウルの傑作アルバムでした。とはいっても、僕は「You Make Me Feel Brand New」ばかり聴いてるんですけどね(^^;)。


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『Hozan Yamamoto / Otoño』

Hozan Yamamoto Otoño 他流試合方面の山本邦山さんのCDのひとつです。これはnuba records というスペインのレーベル制作で、1997~8年録音。シンセサイザーやピアノ、それからジャズ・ミュージシャンっぽい演奏をするサックス、クラリネット、ドラム、パーカッション、ウッドベースのバンドあたりと共演していました。

 音楽の傾向は大きくふたつで、ピアノやシンセサイザーのものは、ニューエイジやイージーリスニング系。バンドとの共演はジャズまたはフラメンコのグループに尺八を組み込んだものでした。

 ニューエイジ系がこのアルバムの大半で、10曲中7曲がこれ。イージーリスニングでたまに耳にするオリエンタリズム的な志向で、「Nippon」という記号として尺八を使ってました。日本じゃなくて思いっきり中国な曲想のものもあるあたり、60~70年代のB級ハリウッド映画やエキゾティカと同じぐらいにいい加減な世界観(^^;)。シンセやピアノを音色の雰囲気として使っているので、浅いと感じてしまいました(^^;)。でも作曲も編曲も録音もよく出来ていて、プロの仕事でした。

 ジャズやフラメンコとのコラボレーションは、フルートの代用ぐらいの感覚で尺八を使ってる感じ。音の立ち上がりやタイム感に無配慮なんですよね。よく出来た楽曲とセッションだとは思うんですが、深く尺八を研究している暇はなかったか、あるいはそういう所を理解できないのかも知れません(悪い意味ではなく、日本人がどんなに頑張っても英語のLとRを理解できないようなもんでね)。
 ジャズっぽいセッションは7曲目「Balada de un camino」で、ミュージシャンのうまさに舌を巻きました。スペインのジャズ事情、僕はまったく分からないんですが、ピアノもベースもドラムもレベル高い!!
 フラメンコものは2曲で、「Encuentros」「Aires de Luna」のどちらもヌエヴォ・フラメンコ調。こっち系はスペインのミュージシャンからすればお手のものなんでしょうが、まんまアレグリアスをやってるところもあったりするもんで、尺八なんていらねえんじゃないの、みたいな(^^;)。

 よく出来たニューエイジ系ワールドミュージックと思いました。こういうCDって、90年代型のエキゾティカというか、「欧米の価値観で作ったアフリカ音楽」欧米の価値観で作ったインド音楽」「欧米の価値観で作ったタンゴ」…みたいな感じで、どうしても浅く感じちゃうものが多いんですよね。もう少し踏み込めれば間違いなく面白そうなことやってるのに、そのもう少しが高い壁というか。ジャンルを跨ぐときには、一時の現代音楽がやったみたいに専門ジャンルに深く入って理解するところから始めないと、後に繋がるものなんて何も残らないただの親善セッションで終わっちゃうのかも、みたいな。あ、でも、プレイヤーも作曲家も、さらにエンジニアもCDのデザイナーも、能力の高い人揃いだとは思いました。


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『山本邦山 / 銀界』

YamamotoHozan_Ginkai.jpg 尺八の流派どころか、純邦楽という枠を超えた活動をして枠を破ろうとしていた頃の山本邦山の他流試合を代表するアルバムです。1971年録音で、共演は菊地雅章(p)、ゲイリー・ピーコック(wb)、村上寛 (dr) という、実力がありつつ保守ではなく革新派と言っていいジャズ・ミュージシャンたちでした。

 この手のジャンル違いのコラボレーション作品って、ただ一緒にやって終わりとか、どちらかのジャンルの上で民族楽器を演奏するだけとか、そういうものが少なくないです。ライブでも、ただ一緒にやっただけという国際交流基金が喜んでお金を出しそうイベントっていっぱいあるけど、その時パッとやっておしまいで、先に何もつながってないものがけっこうあります。ところがこのアルバムは違いました。尺八の良さもジャズの良さも両方残したまま、どちらの音楽でもないものを完成させられているのではないかと思いました。

 うまくいった最大の理由は、作曲のコンセプトにあったんじゃないかと。このアルバム、作曲はほとんど菊地雅章さんでしたが、このプーさんの作曲が尺八の音楽を十分に研究して、かつ尺八をリスペクトしたうえでされたように聴こえました。
 このアルバム、「序」で始まって「終」で終わる組曲形式になっていたのですが、曲ごとにジャズと邦楽の関係のさせ方というか距離というか、こういう所に挑戦がありました。ほら、完全にニュージャズの上で尺八を演奏してもらっちゃうのかとか、バロック時代の協奏曲みたいに互いの演奏パートを分けてしまうのかとか、どうすれば一番うまく行くのかって、あるじゃないですか。尺八とジャズなんて、まだ誰も深く取り組んだことがなかっただろうから、答えなんてまだ出てなかったと思うんですよね。そこをプーさんは本気で考えて、いろんな距離間でのコラボレーションをテストしたのだと思います。
 中でも一番うまく行ったように聴こえるのが、アルバムタイトルにもなった「銀界」に聴こえました。この曲、互いの演奏パートを分けるという武満徹「ノーヴェンバー・ステップス」に近い方針。尺八のような独特な発音をする楽器は、たしかにこういう方法を取った方が殺してしまわずにいんだろうな、と思いました。制作年代的にも、プーさんだって「ノーヴェンバー・ステップス」は先例として研究していたと思うんですよね。色々と批判も受ける曲ですが、僕はあれはタイム感もブレスも違うこういうコラボレーションを確実に成功させることのできる素晴らしい形式だと思います。

 このアルバムが意義深かったのも、山本邦山さんが人間国宝級の尺八奏者であった事にもあると思います。これが民謡尺八や我流のプレイヤーだったら、ここまで意味あるアルバムにはなれなかったんじゃないかと。それは音楽的にもそうで、やっぱり邦山さんの演奏は素晴らしんだな、とあらためて思った僕でした。でもやっぱり都山流の本曲やってる演奏の方が好きですけどね(^^;)。


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『山本邦山 / 尺八(日本の音)』

YamamotoHouzan Shakuhachi Nihon no oto 日本コロムビアがリリースした山本邦山さんの録音、「人間国宝」シリーズは本曲を中心としたものでしたが、こちらの「日本の音」シリーズはコンテンポラリー系でした。だって、1曲目からして山下洋輔に富樫雅彦というフリージャズ寄りなミュージシャンとの演奏ですし(^^)。1曲目にこれを持ってくるって、ジャズとのコラボレーションアルバム『銀界』の大ヒットがあったからなんでしょうね。このCDは5曲収録で、山本邦山作曲が2曲、現代音楽作曲家の広瀬量平さん曲が2曲と、作曲面からみてもやはりコンテンポラリー色の強い尺八CDでした。編成は、独奏、ジャズとの絡み、箏(沢井忠夫)とのデュオ、尺八三重奏、オーケストラとの協奏曲がそれぞれ1曲ずつでした。

 心を持っていかれたのは、アルバムの最後に入っていた広瀬量平作曲、N響演奏の「尺八とオーケストラのための協奏曲」でした。現代音楽と純邦楽のコラボレーションで尺八を含む作曲と言えば、武満徹&横山勝也と広瀬量平&山本邦山のコンビが有名ですが、さすが長年関わってきた両者だけあって、ぱっと書き下ろしたなんて言う安易なコラボレーションではなく、音楽が見事に鳴り響いていました!オケのサウンドは思いっきりコンテンポラリーで、かといって難しだけではなくて実に音楽的。尺八も妙に西洋音楽ナイズされた表現に引き込まれるのではなく、尺八音楽のあの独特のアイデンティティを保てているように感じました。これは『ノーヴェンバー・ステップス』並みに素晴らしいと感じました。

 一方で、山下洋輔&富樫雅彦さんとのコラボレーションはつまらなかった(^^;)。結局、邦楽器のスケールを調べてちょっとだけ和声づけをして、あとはセッション…な~んていう程度で、何百年にわたって「ここは揺りをいれて、ここはもっと息を強くして…」と積み上げ、不要物をそぎ落としてきたものと同等のものを作れるほど音楽は甘くないという事なんでしょうね。僕は、前衛やコンテンポラリーな音楽が好きなくせに、純邦楽&ジャズとかジャズ&クラシックとかロック&クラシックとかそういうのが趣味に合わなかったりします。今回、その理由がちょっとだけ分かった気がしました。一緒にやっただけという薄っぺらいものが多いという事なんだな(^^;)。同じことを、沢井忠夫さんとのデュオにも感じました。

 でも、コラボレーションへの挑戦自体は良いことだと思ってます。純邦楽って家元制だったり、尺八に至っては本曲が指定されたりするので、悪い意味で専門化するというか、純邦楽以外の世界が存在しなくなってしまうと思うんです。だから、音楽以外の社会も文化も関係なしになって、それが閉塞したオナニーになってしまい、それに危機感を覚えて山本邦山さんや沢井忠夫さんや山田千里さんのような人たちが積極的に動いた時流が生まれたんでしょう。だから問題は外に開こうとしたことではなく、開いたあと、どれぐらい深い作業を出来たかという所だったんではないかと。このCDで言うと、その失敗例が洋輔さんらとの絡みで、成功例が広瀬量平さんとの尺八協奏曲だったんじゃないかと。
 というわけで、このCDは最後に入っている広瀬量平&山本邦山による「尺八協奏曲」を聞くためだけにずっと持っていて、それだけでもおつりがくる素晴らしさでした!


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『山本邦山 / 人間国宝 尺八(都山流) 山本邦山』

YamamotoHouzan_NingenKokuhou Shakuhachi Tozanryuu 日本コロムビアがリリースした純邦楽の「人間国宝」シリーズの尺八、都山流(とざんりゅう)の山本邦山です!都山流といえば尺八の最大流派、その中でも僕の世代では山本邦山がいちばん有名でした。ジャズと絡んだり、革新的な活動の目立つ人だったんですよね(^^)。収録は5曲で、都山流本曲が2曲、作曲家の広瀬量平作曲が1曲、邦山さんを含む昭和になって書かれた曲が2曲。編成は、尺八独奏2曲、尺八合奏1曲、箏(奏者は沢井忠夫さん!)1曲、三曲が1曲(三味線:杵屋五三郎、箏:宮下伸!)。

 このCDを聴いてすぐに思ったのは、「尺八ってこんなに音が高いものがあるのか」という事。極端に言えば篠笛の音の低いやつ、ぐらいに甲高い音だったんです。音程だけでなく、音の立ち上がりも息の成分がそれほどなくパッと出るので、余計そう感じるのかも。尺八って「一尺八寸管」みたいにサイズで呼んでいるので、色んな音高のものがあるんでしょうが、それにしてもこれはびっくりしました。竹を切り出してるから、音色だって一本ずつ違うだろうし。でも、三曲合奏という琴や三味線と合奏するジャンルがあるので、ピッチは一本ずつバラバラでよいわけではないんだろうな。

 そして、けっこう技巧的でした。「木枯」という都山流本曲でもターンやプラルトリラーを普通に使っちゃうんですよ!広瀬量平「鶴林」なんて尺八でどういう技巧を使えるかを試したような部分すらある曲でしたし、尺八って音を出すだけでも大変と聞くのに、こんなこと出来ちゃうんだ、みたいな。でもこれは良し悪しの気もして、西洋音楽に寄せすぎたようにも感じもしました。間が十分でないと感じちゃったのです。その理由は、表現よりも技巧が優先しちゃったからなんじゃないか、みたいな。山本邦山と言えば現代尺八最大の超ビッグネーム、ジャズでいうマイルス、クラシックでいうカラヤンみたいな人なので、現代の尺八全体がこういう傾向にあるのかも知れません。

 このCDで特によかったのは、三曲合奏を聴くことが出来た事でした。純邦楽ってそれぞれの楽器の演奏はよく聴いてきたんですが、三曲合奏はほとんど聴いたことがなかったのでね(^^)。でも、本当にこれを三曲と呼ぶのか自信がないです。だって解説のどこにも「三曲」という言葉が出てこないんですもの。。

 山本邦山はゲイリー・ピーコックや山下洋輔とも絡んでいたし、現代曲にも挑戦していたし、尺八の近代化で大きな仕事をした人なんだと思います。西洋音楽的な良さを得るところがあって、引き換えに古典的な尺八の美感の一部を失ったという事なのかも。このあたり、すべてを取る事は出来ないでしょうから、どれが最善かを決めるのは聴く人それぞれに託されてしまう所なのかも。曲も演奏も、かなり現代的な尺八のCDだと思いました。
 そして…ええ~このCD、今は1万円近い値段がついてるのか?!僕が中古で買った時には1000円ぐらいなもんだったけどなあ。日本ってセドリ文化が広まってしまって、本当にその作品を読んだり聴いたりしたい人の手元に適正価格で渡らない所が残念です。コロナ騒動の時のマスクの買い占めもひどかったしなあ。


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映画『デッドゾーン』 スティーヴン・キング原作、デヴィッド・クローネンバーグ監督

DeadZone.jpg スティーヴン・キング原作の映画といって思い出す映画のひとつで、1983年の作品です。スティーヴン・キング原作の映画って、他には『シャイニング』や『ペット・セメタリー』あたりも観た記憶がありますが、『デッドゾーン』はスティーヴン・キングではなく、監督のデヴィッド・クローネンバーグに興味を持って観た映画でした。

 教師であるジョニーは、交通事故で5年も意識を失い、目覚めた時には婚約者が別の男と結婚していて、自分は体が思うように動かなくなっています。代わりに人に触るとその人の過去や未来が見える超能力を手に入れていました。この千里眼の能力はジョニーにとっては辛い事でもありますが、次第にジョニーはこの能力を持つ自分の使命を感じるようになっていきます。ある日、ジョニーが大統領候補のグレッグと握手した瞬間に、核戦争の未来が見えてしまいます。この男が大統領になったら…


 あらすじだけ書くと、なんて事はない超常サスペンス映画に思えてしまうんですが、でもクローネンバーグ監督というのが面白い表現をする人で、80年代にはじめて彼の映画を見たときは、カット割とか色んなところに新しいセンスを感じて、ちょっと衝撃を受けたんです。つまりこの映画、僕はストーリーではなく、映像の見せ方に魅力を感じたんです。絵や構図が奇麗とかそういうのでもなく、なんというか…映画のストーリーとは直接関係のないところにフェティッシュなこだわりがあったり、分かる人にだけ分かるような暗喩が仕掛けてあったり、ストーリーを言葉で語らずにカットの繋ぎで見ている側に想像させたり。こういうところが、それまでの大資本映画会社が作ってきた映画とは違って、映画マニアが大資本を得て作った映画というか、音楽でいうニューウェーブに似て、良し悪しはともかくとしてそれまでになかった表現やセンスを感じました。
 80年代にはそういう監督が何人かいて、『ブルーベルベット』で見たデヴィッド・リンチ監督や『エレメント・オブ・クライム』で見たラース・フォン・トリアー監督あたりも、クローネンバーグと同じように、やたらと頭の良い映画マニアがそのまま映画監督になったような、カルトなムードを持った監督たちでした。「これは70年代までの映画とは違うぞ」みたいな。

 僕的なクローネンバーグ最高傑作は『戦慄の絆』で、『デッドゾーン』はそこまでは届かなかったけど、それでも独特な映画センスを感じる映画でした。いまの若い人が、ビッグネームになる前のクローネンバーグやリンチやトリアーが作ったこういうカルト気味な映画を観たら、どう感じるんでしょう…って、スティーヴン・キングの話をするつもりが、クローネンバーグの話ばかりになってしまいました(^^)。でもこの映画の魅力は、間違いなくクローネンバーグにあると僕は思っています。書いている暇があるか分からないけど、いつかこれまでに見たクローネンバーグ映画の特集もやってみたいなあ。


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映画『ショーシャンクの空に』

Shawshank no Sorani 『ショーシャンクの空に』、僕は小説よりも映画を先に体験してました。1994年のアメリカ映画で、スティーヴン・キング原作の脱獄もの感動映画です。やたら評判のいい映画で、「いい映画ないかな」な~んてネットで検索をかけると、この映画や『ニュー・シネマ・パラダイス』を推す人がけっこう多くて、それで観たようなものだったんですが、個人的にはそんなに面白くなかった(^^;)。たくさんの人が推薦するものだから、期待しすぎちゃったのかも知れません。

 冤罪で逮捕されてしまった若い銀行副頭取が主人公です。刑務所での彼はゲイの集団にしょっちゅう襲われて生傷の絶えない状態でしたが、銀行マンというキャリアを活かして看守たちの税金対策の面倒を見てやった事から待遇が変わります。しかしそれが裏目に出て、今度は出所のチャンスになっても出所させてもらえなくなってしまい、だったら逃げてやる!ってわけで19年掘りつづけた抜け穴からついに脱獄!…以上です。

 脱獄もの映画特有のドキドキがあるので、面白くないとは言いませんが、だからと言って脱獄に成功するかどうかという映画が名作かと言われると…いやいや、感じ方は人それぞれですから、他の人がどう感じたかに文句をつける気なんてないんです。きっと、脱獄した後の青い海岸線に生きるという自由で美しいこの世界に感動したりするんじゃないかと思うんですが、僕個人はメインとなっている「穴を掘りつづけて脱獄したというだけだろ?」という所が大きすぎたんですね、きっと(^^;)。世間では高評価だけど、僕にはさっぱりというものは、音楽だとクラプトンの461とか、ロリンズのサキコロとか、それなりにあります。こればっかりは、人の感じ方は人それぞれだし、しかたがないのかなあ(^^;)。。


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小説『ゴールデンボーイ』 スティーヴン・キング、朝倉久志訳

GoldenBoy_StephenKing.jpg スティーヴン・キング『恐怖の四季』秋冬編がまあまあ面白かったもので、春夏編も読んでみました。それがこの文庫本で、日本版のタイトルは『ゴールデンボーイ』でした。「ゴールデンボーイ」は夏編にあたり、この本には春編の「刑務所のリタ・ヘイワース」も収録してありました。「刑務所のリタ・ヘイワース」は、映画『ショーシャンクの空に』の原作です。スティーヴン・キングって、ホラー映画の原作者だと思ってましたが、この短編~中編小説4つのうち3つが映画化され、うち2本がホラーではない名作扱いってすごいです。

 「刑務所のリタ・ヘイワース」は、無実の罪で終身刑を喰らってしまった男の話です。映画『ショーシャンクの空に』とほとんど同じでした。原作なんで、同じなのは当たり前ですが、原作小説と映画がけっこうかけ離れたものってそれなりにあるじゃないですか。邦画の『寒椿』なんて、似ても似つかない作品だったし(^^;)。違いは微々たるもので、主人公の無実を証明できるトミーが殺されるわけではない事と、主人公の前に図書係を務めていた人の描写がちょっと違うぐらい。ここまで同じだと、小説か映画のどちらかを見てれば十分かも。しいていえば、小説の方が、19年も刑務所に入ってるというのが、伝わってきやすかったです。映画よりも小説の方が文字が多いので、色々と表現しやすいのかも。

 「ゴールデンボーイ」は、少年と、近所に住む元ナチの将校の老人が交流しているうちに、お互いに狂気に見舞われ、人殺しに走っていくというもの。お、『恐怖の四季』4作の中で、やっとスティーブン・キングっぽい小説が出てきました。でも、長い割にはあんまり面白くなかった(^^;)。まったく知りませんでしたが、これも映画化されたみたいです。

 読んでいて思ったのは、それなりに面白かったんですが、そもそも小説って、面白い面白くないというだけのものならもう興味を持てない年齢になってしまったのかも知れないな、という事でした。面白いだけだと娯楽にしかならないし、娯楽にしては時間がかかるというか手間がかかるというか。僕は子どものころから本が好きで、小説もけっこう読んだ方だと思うんですが、高校生ぐらいからあんまり読まなくなりました。小説じゃなくて、科学や学問の本の方が圧倒的に面白くってね。だって、「宇宙がどうやってできてるか」なんていう物理の本は、本当に宇宙がどう出来ているかを教えてくれるわけだし、心理学の本を読むと人間の精神構造が理解できてきたりというわけで、そういう本の方が小説より全然面白いと感じるようになったんですよね。小説でも、いつか紹介したカミュの『異邦人』みたいに、重要なテーマを扱ったものはいいのですが、人が捕まって脱走したとか、人を殺したくなったとかのフィクションって、余暇を潰す娯楽程度にしか感じられなくなった自分がいました。この本も確かに面白くはあったので、若いうちに読んでいたらもっと楽しめた1冊だったかも知れません。


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小説『スタンド・バイ・ミー』 スティーヴン・キング 山田順子・訳

Stand By Me_StephenKing 古本屋で見つけた1冊です。映画「スタンド・バイ・ミー」に猛烈に感動した事があるものだから、見つけた途端に「おっ!」と思って、買ってしまいました。あのめちゃくちゃに良い話をホラー小説の大家が書いている点も興味があったんです。映画も、ある死体をめぐるストーリーだったので、原作って本当はホラーだったんじゃないかと思ってね(^^;)。
 「スタンド・バイ・ミー」は、スティーヴン・キングの「恐怖の四季」という春夏秋冬に分かれた四部構成の小説の秋の部分でした。でも、元タイトルは「The Body」となっていたので、この文庫版小説のタイトルは原作ではなくて映画から拾ったんでしょうね(^^;)。僕が買ったこの文庫本は、「恐怖の四季」の秋と冬が収録されていました。

 「スタンド・バイ・ミー」=「秋」=「The Body」。本当にホラー小説じゃなくて、ほぼ映画と同じストーリーでした。そして面白い!!映画との違いは大きく言うとふたつだけで、ひとつは、小説には、映画には出てこない主人公ゴディの書いた物語がいくつか出てくる事。これは、実際にある種の比喩になってるとは思いますが、僕的にはあんまり面白くなかったので、映画でカットしたのは正解だったのではないかと。小説でもカットして良かったような(^^;)。そして、もうひとつの違い、これはけっこう大きな違いで(ここから、ネタバレを書くので、読みたくない方は少し先に飛んでくださいね^^)…最後に銃を撃つのが、主人公ではなくて親友のクリスになっている事。へ~そうなのか!こうすると、ちょっと意味が変わってくると思うんですが…いや、このシーンを、少年たちの少年期の終わりの象徴として書いてるんだとしたら、どちらがやったにしてもそこまで意味は変わらないのかな?ついでに書くと、バーンはのちに焼死し(バーンだからか?)、デディは自動車事故で死にます。クリスの結末は、映画と同じ。ゆく川の流れは絶えずして…ですね。諸行無常。

 「マンハッタンの奇譚クラブ」。ページ数は「The Body」の半分以下でしたが、これも面白かったです!こっちの方がスティーヴン・キングっぽくて、幻想的でした。ある法律事務所に勤める紳士が、その事務所のトップのおじいさんからとある紳士クラブに誘われ、そのクラブに通うようになるというもの。そのクラブは高層ビルのあるフロアで開催されていて、珍しい本があったり、上等な酒を出してくれたり。しかし、ビリヤード台が観た事のないメーカー製であったり、深い質問をすると諭されたりと、少し不思議な空間なのです。そしてこのクラブ、クリスマスになると、クラブ会員の誰かが面白い話を持ち回りで話す事になっています。
 以降、ネタバレを書いてしまいますが…あるクリスマスに話された話は、とある産婦人科医が、父なし子を産む決心をした魅力的な若い女性の話。医師は彼女に大変な関心を抱き、妊娠からお産までをがんばって助けています。いざお産の日になると、ニューヨークはひどい渋滞で、タクシーに乗って駆け付けた彼女はタクシーの中で産気づいてしまいます。そして、病院の前で事故に巻き込まれ、首が飛んで死亡。でも医師は、何とか子供だけは取りあげ、それを見ていた彼女の首は医師に礼を言います。また、主人公の紳士は、この奇譚クラブのある空間自体が、普通でない異次元にあるものなのではないかと確信を抱くようになった…スティーヴン・キングっぽくて、面白いでしょ? ある種ラヴクラフトっぽくて、なかなか魅力的な話でした(^^)。

 映画抜きにしても、あるいはホラー抜きにしても、小説として面白かったです。内容的には、あくまで電車の中などの空いた時間に読んで捨てる本だとは思いますが、読んでいる最中は夢中になってしまう面白さでした。スティーヴン・キング、なかなかやるな。。これで僕は、「恐怖の四季」の春と夏も読むことになったのでした(^^)。


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『ルトスワフスキ Lutoslawski:Concerto for Orchestra, Mi-prti, Musique funèbre Yan Pascal Tortelier (cond), BBC Pilharmonic』

Lutoslawski Concerto for Orchestra_YanPascal BBC 最近わが家から発掘されたCDです。僕は昔ルトスワフスキをロシアの作曲家だと思ってまして、ロシアのクラシックの棚にしまっていたんです。ところが途中でポーランドの人だと気づいて東欧の棚に移したんですが、この1枚だけ移動し忘れていた…たぶんこれが真相ではないかと(^^;)。

 「管弦楽のための協奏曲」は1950年代前半に書かれた作品で、ルトスワフスキはこの作品で西ヨーロッパ世界で知られるようになったんだそうです。内容は、ポーランドの民謡をモチーフにした音楽。2次大戦直後で、ドイツにもロシアにもムチャクチャにされた国ですからね、自分たちを守るのに民族主義が台頭するのは必然の流れだったんでしょう。とはいうものの、僕はポーランド民謡というのをほとんど知りませんで、民族音楽のCDもジュネーブ民族博物館リリースのものを1枚聴いた事があるだけ。だから、どこが民謡からの引用でどこがルトスワフスキさんの作品か見分けがつかない(^^;)。響きとしてはそれほど前衛な感じはせず、でも複調っぽい所とかも見えるので、ちょっと新古典が入ったプロコフィエフみたいな感じかな?スターリン統制下のポーランドではソ連と同じく政治で音楽が統制されていて、モダニズムあふれる音楽とかは禁止だったそうなので、こういう作品を書いていたのかも。

 「ミ・パルティ」は1976年の作品で、これは良かった!制作年代としては「ノヴェレッチ」や「交響曲第3番」を書いていた頃。というわけで、ルトスワフスキさんが「偶然性の対位法」も抜け出して、いよいよ自分の音楽言語を見出した時期の作品です。和声の色彩感覚が独特で、なんといえばいいのかな…透明感があって神秘的です。4分音符で音列的な無調の旋律が淡々と繰り返されて、真ん中でオケがグワーンって来て最後に音列に戻るというアーチ構造は、アイヴスの「宵闇のセントラルパーク」やバルトークの弦チェレみたい。

 「Musique funèbre」は1958年の作品。これはさらに良かった!前衛的な作風に走っていた時代ですね。これは「Mi-Parti」以上に神秘的なサウンドで、不穏な音を鳴らす弦の和弦の前で、木管楽器がいくつも折り重なって旋律を奏でます。この木管の演奏、スコアで特殊な指示がされてそうな気がします。「この中から好きなフレーズを選んで吹け」とかね・・・まったく何の根拠もない僕の想像ですけど(^^;)。

 このCD、昔聴いた時は掴みどころがなくてわけがわかりませんでした。1曲ごとに作風が違うから、「何がやりたいんだ?」と混乱したのかも。ところが、最近ルトスワフスキの作曲技法の変遷が少し整理できたからか、それぞれの時代のルトスワフスキの技法を1枚のCDで把握できて面白いCDだなと、感じ方が変わりました。ルトスワフスキは前衛の時代ですら響きが不協和音の嵐にならずに整序されてるので、現代音楽にしては聴きやすい作曲家だと思います(^^)。


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『ルトスワフスキ:弦楽四重奏曲 クロノス・カルテット』

Lutoslawski kronosQ 僕が最初にルトスワフスキの作品を聴いたのはこのCDでした。高校生の時に大ハマりした弦楽四重奏団クロノス・カルテットの新作という事で、作曲家関係なしに飛びつきました。クロノス・カルテットをきっかけに知った作曲家や曲はけっこういて、どれも面白かったのですごくワクワクしてました。ジミヘンやるのは商売っ気丸出しな上に面白くもなんともなくてウンザリでしたけど、そこはアメリカという事で(^^;)。それにしても、アヴァンギャルド専門の弦楽四重奏団がブレイクするって、まだ音楽が真面目に聴かれてた時代だったんですね。

 ところがこれがいまいちピンとこなかった(^^;)。僕が持ってるのは輸入盤なんですが、その解説には「here the composer asks each performer to play his part ad lib as if alone」なんて書いてあります。ライナーには他にも色々と書いてあり、つまりこの作品、プレイヤーがかなり自由に即興したりページを飛ばしたりしていい作品みたいです。なるほど、アレアトリー導入の音楽なんだな…。それでどういう音楽になったかというと、点描的で、なんだかバラバラにグチャグチャ演奏してるフリー・インプロヴィゼーションのような、ぼんやりした音楽になってしまった(^^;)。リズムがストラヴィンスキーなみに強烈で色彩の豊かな「ピアノ協奏曲」や「ノヴァレッチ」と正反対の音楽だったんです。なるほど、これがよく言われるルトスワフスキの「偶然性の対位法」なんだな、きっと。

 これで僕はルトスワフスキに苦手意識を持ってしまい、ピアノ協奏曲に出会うまでルトスワフスキを避けてしまったのでした。ああ、なんてもったいない十数年を送ってしまったんだろう。第1印象ってやっぱり強烈に残ってしまうもんなんですね(^^;)。


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『ルトスワフスキ:交響曲全集 サロネン指揮、ロスアンジェルス・フィル』

Lutoslawski_Symphonies_Salonen.jpg ルトスワフスキのピアノ協奏曲に感動した勢いで、最近買ったCDです。ルトスワフスキの交響曲全集が出てるなんて知らなかった(^^;)。ザックリいうとシンフォニーの1番が新録(と言っても2012年)で、あとは既発のCDから持ってきたセットみたいです。指揮者のエサ=ペッカ・サロネンはルトスワフスキと同じポーランド出身の指揮者で、大事な演奏会のたびにルトスワフスキの曲を取りあげてきたので、ルトスワフスキさんからも可愛がられてたみたいです。

 音楽の前に、日本盤の解説が素晴らしかった!ルトスワフスキの情報って、僕が愛読してる「作曲の20世紀」にも1ページしか書いてないし、ウィキペディアなんて書いてないに等しいぐらいの状態なので、とにかく情報が少ないです。そんな中で、はじめてルトスワフスキのまとまった情報を得る事が出来ました。なるほどなあ。
 そして、恥ずかしながら、僕はこのCDに入ってる4曲とも、最初に聴いた時はピンと来ませんでした。最初は寝っころがってぼんやり音だけ聴いてたんですが、よく分からないので解説読んだり、真剣に構造を追いに行ったりしているうちに、だんだん分かった気になってきた感じ。これは、マジメに何回も聴いてるうちにジワジワくる音楽なのかも。

 交響曲第1番は、これまでに取りあげた作品の中で一番古いものでした。2次大戦中に書きはじめられた…って、ポーランドの2次大戦って、映画「戦場のピアニスト」で観たあのナチ占領下の悲惨な状況だよな、な~んて思ったんですが、まさにその通り。ルトスワフスキもワルシャワ蜂起を実体験していて、ナチに捉えられた後に脱獄、お母さんと8カ月以上も郊外の屋根裏部屋に潜み続けていたそうです。音楽は、なんといったらいいか…いちばん近い言葉を使うなら新古典。第2楽章なんて、構造も様式もバルトークの弦チェレの第1楽章そっくりですし。でも全体には新古典だけじゃなくて、色んな音楽が混じってる感じで、色んな技法の乱立時代に、どうやって作曲するか格闘していた習作期の作品に聴こえました。

 交響曲第2番は、ひとつまえに書いた日記にかいたものと演奏も録音も同じものなので、そちらを見てね(^^)v。4つの交響曲でいうと、これがいちばん無調/前衛に近づいた作品かも。

 交響曲第3番は、1974-83年の作品。この時期だと、ちょっと前の日記で書いた「Novelette」が作曲されてます。なるほど、このあたりには前衛期を過ぎて、ルトスワフスキが若い頃に好きだった音楽と前衛のバランスを取った作風になったように感じました。というのは、細部の技法はモダンなんですが、主題は見えるし、構造も「これはソナタ的だな」みたいに分かるし、モダンでありながらも前衛の頭でっかちにならないで良い音楽を作りに行ったような。30分超で連続して演奏される3楽章形式。

 交響曲第4番連続して演奏される2楽章(?)形式。3番と4番の間に、「チェイン3」と「ピアノ協奏曲」が書かれてます。この時期になると、セリーやアレアトリーといった手法はますます後退して、シンフォニー4番に至っては「後期ロマン派の音楽だよ」と言われても信じてしまうほど。曲想は3番と対照的で、ババンと派手な3番にたいして、4番は重くずっしり。溜めに溜めて、後半でグッとくる感じ。この曲、第3番は評価されまくったけど4番の評判は今ひとつだったそうですが、僕は4つの交響曲の中ではこれが一番良かったです。

 ルトスワフスキの交響曲4曲をまとめて聴いて、はじめてルトスワフスキさんの作風が実感として理解出来た気がしました。なるほど、新古典から始まって、セリーとアレアトリーを併用した作曲をして、最後にすべてを統合した、みたいな感じなんですね。そして、1番も4番も、構造もサウンドもバルトークの弦チェレを感じるところがあって、ルトスワフスキのフェイバリットって弦チェレだったんじゃないかと思わされました。
 20世紀の作曲って、16世紀から19世紀までと違って、西洋音楽だけでいくつもの作曲技法が混在するので、学習しながら作風を変化さえていって、最後にやっと自分の音楽にたどり着く作曲家が多いと感じます。ルトスワフスキもそういう音楽家だったんじゃないかなあ。仮にルトスワフスキの作風を3つの時期に分けるとすると、僕は最後の折衷的な時代が特に好き。ルトスワフスキの交響曲、あと何回か聴いたらもう少し入ってくる気がするので、いつか感想を書き直すかもしれません(^^)。


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『ルトスワフスキ:《ピアノ協奏曲》《交響曲第2番》《歌の花と歌のお話》 ポール・クロスリー(p)、サロネン指揮、ロスアンジェルス・フィル』

Lutoslawski Symphony2 Salonen な~んて言いつつ、ルトスワフスキのピアノ協奏曲ってどこかで聴いた事あるなと思っていたら、こんなCDを持ってました。情けない、自分で買ったCDの音楽を覚えてないなんて(T-T)。指揮者サロネンはルトスワフスキと同郷のポーランド出身、ピアノのポール・クロスリーは…正直言うと全然知らなかったんですが、イギリス人ピアニストで、ティペットのピアノソナタのいくつかは、クロスリーのピアノを念頭に書かれたそうです。

 交響曲第2番は、1966-7年の作品で、2楽章制。この時期のルトスワフスキはセリー&アレアトリーの「偶然性の対位法」期なのかな?第一感は「リゲティみたいだな」という印象。明確な和声や旋律がドカンとあるんじゃなくて、断片的なフレーズや分散された音が重力のはっきりしない和音世界を描き出していて、音量もメゾピアノ以下でゆらゆらしてる感じ。でも、そのまま終わらないでクライマックスを作っていくあたりは、なるほどあのピアノ協奏曲を書いた作曲家だと感じました。最後、ドカン→GP(終わったかな?)→ドカン!→GP(今度こそ終わったかな?)の後に来た、ピアニッシモのたゆたうコーダがメッチャかっこいい!シュトックハウゼンやクセナキスでいうグルッペンやフェルトといったところなのかな…な~んて思いながら聴いてましたが、どうなんでしょうか。

 「歌の花と歌のお話」。おおおお!ベルク以降の時代のオケ伴奏の声楽は大好物の僕ですが、メッチャよかった!詩はシュールレアリスト詩人ロベール・デスノスのもので、ソプラノと小管弦楽による9つの連作歌曲。1曲目を聴いた時は「これは12音列か?と思ったんですが、他の曲を聴くと違うみたい。調的な重力は感じるものの、もちろん長調や短調なんてものじゃなく、しかし響きが強烈に見事。

 さて、本命のピアノ協奏曲ですが…あら~?ツィマーマン&BBC響の演奏ではあんなに感動したのに、こっちでは心が動かないぞ?途中で止めて、ツィマーマンの演奏を聴きなおしてしまいました…いやあ、やっぱりこれはすごい、心が震える。そしてこっちに戻すと…だ、だめだ、感じない。。でもクロスリーさんの演奏が傷があるとか悪いかというと、そうは感じません。何回も聴き比べてみた結果…演奏って、作曲作品であっても「いま、ここで生まれた」かのように演奏しないと駄目なのかも。本当にわずかな差なんですが、瞬間瞬間のタッチが、ツィマーマンは渾身なんですね。クロスリーさんは全体の大まかなプランを考えていて、瞬間瞬間が機械に演奏させたように平たい感じ。いや、素晴らしい演奏で、クライマックスのffなんてメッチャかっこいいですが、序盤の引きずりこむところが淡泊なのかも。なるほど、覚えていなかったというのはこういう事か。当たり前のことだけど演奏の表現と録音って、メチャメチャ大事なんだなあ。

 最近、このサロネン&ロスアンジェルス響によるルトスワフスキ交響曲全集を買いまして、このCDの交響曲2番はお役御免。ピアノコンチェルトはツィマーマンに軍配。というわけで、すでに役割を果たし終えてくれたCD…かと思いきや、声楽曲が見事で手放せない(^^;)。この声楽曲を聴いて思ったんですが、ルトスワフスキさんって、新古典に寄った時も前衛に寄った時も、リズムがどうとか偶然性がどうとかいうより先に、和声がとんでもなく素晴らしいという事なんじゃないかと。


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『ルトスワフスキ:《ピアノ協奏曲》《チェイン3》《ノヴァレッチ》 ツィマーマン(p)、ルトスワフツキ指揮、BBC交響楽団』

Lutoslawski_PianoConcert_Zimerman.jpg 最近はじめて聴いたCDです。あまりに素晴らし過ぎて人に教えたくないほど感動しました(^^)。いや~これはすごすぎだろ。。
 僕がいちばん好きな音楽って、たぶんクラシックの現代音楽なんですが、でもはずれが多いのも現代音楽の特徴で、そこはモダンアートやフリージャズに似てます(^^;)。僕的に現代音楽を単純にまとめると…

① 20世紀初頭、新ウィーン楽派印象派新古典の頃。いろんな技法が咲き乱れる(当たり多い)
② 1945年直後、メシアンの弟子たちが活躍した戦後前衛の時代。日本もヨーロッパも強烈な作品多し (当たり多い)
③ そのちょっとあと。技法の追及に夢中になりすぎて音が演奏がないがしろになりがちな、難しい音楽が増える(良し悪し以前に理解できないもの多い)
④ ケージとかの偶然性の音楽がもてはやされる(面白いけど安っぽい)
⑤ ポストモダン期。セリーも偶然性も旧来の機能和声もいっしょくたにして色んな作品生まれる(当たるとでかいがハズレ多い、中途半端なものが多いので過渡期に感じる)
⑥ 2000年代から。音楽がゲームのようになっていく(能書きばかりで幼稚な音楽多し、自分から聴く気になれない…が、実は大好きな作曲が何人かいる)

 えらく大雑把なこの現代音楽史に当てはめて考えると、ポーランドの作曲家ルトスワフスキは5番に入るのかな?新古典あたりから入って、ポストモダンという時代背景を背負いながら音列技法を偶然性の中で使うようになる、みたいな。ところがこのCDに入ってる曲は、その先に進んだところで作られた曲みたいです。いちばん古い「ノヴェレット」でも1978年作、いちばん新しい「ピアノ協奏曲」は1988年というわけで、ルトスワフスキの後期作品集という事になります。前衛と調音楽の間ぐらいの作風で、特にピアノ協奏曲は強烈、僕的には思いっきり当たり!!現代のピアノ協奏曲の最高傑作と思ってるほどです(^^)。
 このCDで聴く事の出来るルトスワフスキの音楽は、色彩が豊かで、同時にリズムのメリハリが明確でダイナミックです。リズムに関していうと、このCDに入ってる「ピアノ協奏曲」も「ノヴェレッチ」も、ストラヴィンスキーなみの強烈さ。ここは、セリーやアレアトリーよりも新古典の色の方が強い感じ。ここに前衛志向な和声の色彩感覚が加わってるので、カッコ良くならないわけがないです。現代曲の小難しい理屈より先に、音楽の感覚的な強烈さが先、って感じです。それでいて感覚だよりじゃないので何かの焼き直しにならず、えらく創造性が高く感じます。
 そして、同郷のピアニストであるクリスティアン・ツィマーマンの演奏がすげええええ!!!なんでこんなに速くレガートを連打できるんだ?いや~これは名演どころではなく快演、僕は早々にクラシック・ピアノをあきらめて良かったよ、こんな人に勝てるわけないわ。。

 これはいろんなジャンルの音楽ファンの方に推薦したい1枚。いいものに出会うと「やっぱコルトレーンだわ」とか「ハードロックだよな」「ドビュッシーのこの色彩感覚が…」な~んてひとつの殻に閉じこもりがちな僕ですが、すでに知ってる似たようなものを「こっちもいいな」なんて何百枚も聴くより、知らない音楽に感動して吹っ飛ばされる時の感動の方がはるかに大きいと改めて思い知らされた1枚でした。いや~これはすごい。


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Windows でWaveファイルのサンプリング周波数とビットレートを知る方法

仕事で音楽データのやり取りをする事がけっこうあるんですが、送られてきたWAVEファイルのサンプリング周波数とビット・レートが分からなくて困る事がけっこうあります。それが分からないと、音楽ソフトに取り込むときにちょいと困るんですよね、これを合わせれば一番いい音の状態で作業できると思うので。

で、それを知る方法は、Waveファイルのビットレートから換算するしかないみたいです。ちなみに、ビットレートはファイルのプロパティから知ることが出来ます。

というわけで、いつも計算するのは大変なので、一覧表を作っておこう、そうしよう。

1411kbps | 44.1kHz / 16bit
1536kbps | 48kHz / 16bit
2116kbps | 44.1kHz / 24bit
2304kbps | 48kHz / 24bit
2822kbps | 44.1kHz / 32bit or 88.2kHz / 16bit
3072kbps | 48kHz / 32bit or 96kHz/ 16bit
4608kbps | 96kHz / 24bit
6144kbps | 96kHz / 32bit or 192kHz / 16bit

どうぞ、役立ててくださいね(^^)。。


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『Carly Simon / SPY』

CarlySimon_SPY.jpg なんでうちにカーリー・サイモンさんのアルバムが3枚もあるんだろうか…と思ったら、全部妻のものだという事が判明(^^)。妻め、日本のポップスしか聴かないと思ってたのに、洋楽も聴くんだな。。これは、79年発表の8th アルバム。

 う~ん、ここまで来ると、完全にレコード産業の流れ作業で作られたアルバムに聴こえてしまいました。悪くないんですが、作曲したら、あとはアレンジャーとスタジオミュージシャンに丸投げ。そしてリハなしでスタジオでいきなり合わせて録音…そんな音でした。でもこのAOR的な音の小奇麗さって、今では聴く事の出来ないものなので、懐かしくてそこは良かったです(^^)。好き嫌いじゃなくって、中学生のころに戻ったみたいで泣けてきた。。それにしても、ミュージシャンがそつなくうまいな…ギターにデヴィッド・スピノザ、ベースにトニー・レヴィンにウィル・リー、ドラムにスティーブ・ガッド、ホーンにブレッカー・ブラザーズにデヴィッド・サンボーン…まあ、そんな感じの音です。主張しないけどさりげなくうまい、さわやかAOR!

 でも、歌は相変わらずかなりアレだし、音もフワーッと綺麗なばかりなもんで、残念ながらあんまり心に残らない音楽でした(゚ω゚*)。でも、AOR って一歩間違えるとそうなってしまう音楽でしたよね。深く聴くというより、聞き流して気持ちいい、洗練されてる、みたいな。カーリー・サイモン、人生で聴いたのはこの3枚だけになりそうですが、「Playing Possum」は思いのほか良かったな。。キャロル・キング、カーリー・サイモン、松任谷由実と、70~80年代の女性シンガーソングライターは、歌がうまくてはいけないという伝統があるみたいでした(゚∀゚*)。。


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『Carly Simon / Playing Possum』

Carly Simon_Playing Possum 70年代アメリカのシンガーソングライターのカーリー・サイモン、75年発表の5thアルバムです。邦題は「人生はいたずら」。

 前回、「色々と野暮ったく雑なのに、透け乳首とか無理ポップアレンジとか、背伸びしてるみたいで心配だ」、と好き勝手な事を書きましたが、ここに至っては半ケツ出した下着です(゚∀゚*)エヘヘ。これは痛い道をまっしぐらに転げ落ちてしまったか…と思いきや、曲もアレンジもめっちゃ洗練されてました!最初の3曲が絶品、とくに1曲目「after the storm」と2曲目「love out in the street」は、よくこんな曲書けるなと聴き入ってしまいました、本当に素晴らしい。演奏もAORみたいに洗練されてる…おお、リー・リトナーやアンドリュー・ゴールドが参加してるのか、そりゃ整うわね(^^)。素朴な女の子でも、メイクをずっとしてるうちに化粧が板についてくる、みたいな感じでしょうか。人間、なんでも頑張ってみるもんですね(^^)。歌は相変わらず残念だけど、これだけいい曲を書けるだけで、それ以上は望んじゃいけないのかも。

 前作でフォーク上がりなのかと思った僕なのですが、そういう思い込みに反省をさせられました。フォークとかポップとかでイメージするステレオタイプみたいなものが僕にはあって、そのステレオタイプの中心に同じ価値観を僕は求めていたんだな、みたいな。個性というのも、この僕が求めている価値観の上での個性を求めていて、そこから外れると「ダメ」みたいになるという事。さて、僕は女性シンガーソングライターに何を求めていたのでしょうか。素朴さ、弱さ、誠実さ、女性らしさ…たぶん、こういうもの。でも、カーリー・サイモンって、根っこのところが根本的に違っていて、例えればフォークやポップスよりロックに近いんじゃないかと。自立して、「ふざけんな、もっと事実を受け止めろよ」みたいな自分の意見をガンガンいう女性が好きな日本男児ってあんまりいないと思うんですが、でも女性ならそういう人に憧れる人も少なくなさそう。実は、カーリー・サイモンさんってそういうタイプなんじゃないか…と、このアルバムを聴いて思ったのでした。フォークやポップスだと思うから、こういうジャケットや歌い方が「いきりやがって」と思っちゃうだけで、これがロックだったら全然アリどころか、むしろ大歓迎ですよね。

 女性シンガーソングライターだなんて思わず、プロの作曲家とプレイヤーが作ったアルバムだと思って聴けば、素晴らしく聴こえた見事なアルバムでした!これは推薦です!


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『Carly Simon / No Secrets』

Carly Simon_No Secrets 70年代アメリカの女性シンガーソングライターというと、僕はキャロル・キング、ジョニ・ミッチェル、そしてこの人を思い出します。カーペンターズも大好きだけど、あれは作曲がカレンさんじゃないしね(^^)。これは、カーリー・サイモンさん1972年発表のサードアルバム、彼女の代表作と言われている1枚です。

 50年代のカントリーや、60年代を席巻したブルース系ロックバンドと一線を画してるのは作曲。どこが違うかというと、スリーコードだけじゃない曲を書けるか。もう少しちゃんというと、曲中で転調してる曲を書けるか。でもポップスなので、複雑なテンションとかアッパーストラクチャーとかはなし、みたいな(^^;)。でもこれが流行歌のいいところで、分かりやすくていいです。70年代のアメリカの音楽って、僕はロックよりポップスの方が好きかも。

 でも、カーリー・サイモンさんって、ポップスの女性ヴォーカルにしては声が野太いし低いです。ついでに歌唱力が(以下省略(゚∀゚*)エヘヘ)。曲はいいと思うんだけど、雑な歌い方を含めて声がどうも好きになれないのでした。あと、このアルバムのジャケットのサイモンさん、ファションとか色々と野暮ったいと思いません?音楽もフォークがベースにあるみたいだし、そういう意味で野暮ったいんじゃなくて誠実で素朴とも思えなくもないのに、よく見ると透け乳首(^^)。透け乳首自体は大好きですが(゚ω゚*)、声とかルックスとか色々と野暮ったいのに、背伸びしてるように見えちゃったのです。それがアレンジや歌い方にも出てて…なんか、カッコつけて見えちゃうんですよね。日本のシンガーソングライターに古内〇子さんという人がいたじゃないですか。ムッチャ野暮ったいのに、ブランド物で身を固めて、発言はクソ生意気でイキってて…みたいな。「そんな高校デビューみたいに背伸びしてないで、普通でいればいいのに」と思っちゃったんですが、それと似たものをこのアルバムの色々なところから予感した僕なのでした。マライヤ・キャリーやトレイシー・ローズとかの透け乳首ならウェルカムだったんですけどね(^^;)。そしてその予感は…また次回!


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『Miles Davis / Bags' Groove』

Miles Davis Bags Groove 『Walkin'』に続いてこれも54年録音、そしてこれも50年代初期のハードバップ時代のマイルス・デイビスの名盤として名高い1枚です。マイルスがセロニアス・モンクミルト・ジャクソンソニー・ロリンズと演奏しているのが、プロレス的なマッチメイクの意味で魅力的だったんでしょう(^^)。1954年の6月29日と12月24日の2回のセッションを収録、特に12月の方は「クリスマス・セッション」なんて呼ばれています。僕が持っているのはLPですが、LPだと5曲7テイクが収録されていました。

 まずは、A面の2テイク収録の「Bag's Groove」。これはクリスマスセッションの録音で、メンバーはMiles Davis (tp), Milt Jackson (vib), Thelonius Monk (p), Percy Heath (b), Kenny Clarke (dr)。マイルスとモンクの共演を看板にして、MJQのリズム・セクションを借りてきた格好です。テーマを演奏して、ソロをマイルス、ミルト・ジャクソン、モンク、マイルスの順で回して、テーマに戻って終わりという典型的なハードバップ・セッションでした(^^)。
 それにしても、この曲でモンクはテーマとマイルスのソロの時にピアノを弾かないんですね。マイルスが「モンクのピアノの前だと吹きにくいから、俺がトランペットを吹いてるときは演奏しないでくれ」といった、みたいな伝説も残ってますが、実際はどうなんでしょうね。モンクは大御所なので、モンクにバックをつけていただくなんておこがましいと思った、な~んてこともありそうですが(^^)。ちなみに、この日の残りの録音は『Miles Davis and the Modern Jazz Giants』というレコードに収録されているそうですが、残念ながら僕は未聴。

 B面は6月セッションを収録、メンバーはMiles Davis (tp), Sonny Rollins (t.sax), Horace Silver (p), Percy Heath (b), Kenny Clarke (dr)。演奏曲は「Oleo」「Airegin」「But Not For Me」というわけで、すべてロリンズの18番。ロリンズってムッチャクチャに性格が良かったと言われますが、マイルスもそんなロリンズを迎えて「いいよいいよ、ソニーの好きなナンバーやろうよ」な^んて言ったのかも(^^)。
 アップテンポの曲がなくて、みんなマッタリしたミドルテンポなので、よく言えばBGMとして聴くにはすごく心地よかったです。特に、マイルスはオープンでもミュートでもすごく良い音を出していて、調子が悪いとすぐに音をひっくり返してしまうマイルスにしては相当に好調だったのかも。悪く言えば、みんなミドルテンポなので、ロリンズやマイルスの白熱したプレイは聴くことが出来ない、みたいな。まあでも、強烈な個人技を聴かせるビバップの時代と違って、ハードバップのスタジオ・セッションってこういうものが多いですし、これぐらいが普通なのかな?レギュラーバンドではなく一期一会のセッションですしね。。

  『Walkin'』と『Bags' Groove』を聴いて感じるのは、ここで50年代ハードバップの優秀録音のフォーマットが完成したように聴こえる事です。各楽器にマイクを立てて、ベースが大きめ、ドラムはシンバルの厚みまで伝わるほどにオン、そしてセパレートが良く独特のプレートエコーがかかっていること。実際には生ででこんな音で響くわけがないので、これは完全にレコード用の音ですが、この「ジャズ録音」な音場が確立されたのがこのへんのアルバムだったんじゃないかと。以降のハードバップは、56年のロリンズ『サキコロ』にしても、58年のキャノンボール『枯葉』ブレイキー『モーニン』にしても、この音像を踏襲していきます。
 ハードバップのファンの方って、音楽よりもこの録音に魅惑されてる節もあるんじゃないかなあ。だって、僕がそうですし(゚∀゚*)エヘヘ。若い頃の僕は、ほとんどのハードバップのスタジオ録音のレコードで「こんな保守的で、しかも同じもののキンタロー飴で、ろくに練習もアレンジもせずにパッと合わせておしまいみたいなものを、なんでジャズファンはありがたがって聴くんだろう」と思っていたんです。でも、いい音がするオーディオで聴くようになってから、音楽や演奏じゃなくて音に魅了されるようになったという(^^;)。いい音の魅力っていいオーディオで聴かないと分からないんですよね。昔、真空管アンプに馬鹿でかいJBLのスピーカーを持ったジャズ喫茶が流行したのも分かるなあ。


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『Miles Davis All Stars / Walkin'』

Miles Davis All Stars Walkin 1954年録音、プレスティッジから発表されたマイルス・デイヴィスのリーダー作です。僕がこのアルバムをはじめて聴いたのは高校生の時でしたが、ロックと違ってジャケットが大人だなあと感じ、これから自分は知らない大人の文化の中に入っていくんだとワクワクしたものでした(^^)。そうそう、マイルスには『Workin’』という名のアルバムもあるので、気をつけろ!

 1曲目は、以降のマイルスのライブでの定番曲となる「Walkin'」ですが、テンポはライブでの超速とちがってミドルテンポの心地よい感じ。この曲、それぞれの楽器がクリアに録音されていて、「あ、いい音だな」と思ったんです。ウッドベースがアンプを通さずにピチカートで「ボン、ボン、ボン…」と心地よい低音を出して、ドラムはライドもハイハットもぶ厚い音で鳴っていて、ピアノもちゃんとすべての音が明瞭に聴こえて、音も鉄板エコーかルーム・エコーのような音で、すごくふくよか。曲がどうとか、ソロがどうというんじゃなくて、若い頃の僕はこの音にやられたのでした。僕が持っているのはLPで、CDを聴いた事があるわけじゃないんですが、ジャケットのカッコよさと言い、この音といい、これはLPで買うべきアルバムじゃないかと。50年代のハードバップのジャズ録音の音が好きなレコード・コレクターの人って少なくないと思うんですが、これは「50年代ジャズ的な良い音」の代表格じゃないかなあ。実際にはこんな風にライブで音が鳴るわけはないのでライブ再現というレコード芸術ではなく、オーディオによるオーディオ観賞のための録音という感じですが、これが「ジャズのレコードの録音」というひとつのフォームを作ったんじゃないかと。

 音楽は、テーマとアドリブという典型的なハードバップ・セッションでした。ソロでびっくりしたのは、B面に入っているデイヴ・シルドクラウト Davey Schildkraut というアルト・サックス。なんだこれ、サウンドはアート・ペッパースタン・ゲッツみたいなウエストコーストなサブトーンで、しかも「Solar」や「Lome or leave me」のソロなんて短いけどすごくうまい。。このアルト奏者、僕は全然知らなかったんですが、スタン・ケントン楽団にいた白人奏者みたいです。

 マイルスはこのアルバムからコンスタントにアルバムを発表するようになり、モダン・ジャズ最大のスターへの階段を上っていきました。プレスティッジ時代のマイルスというと『Bag's Groove』やマラソン・セッションの4枚が有名ですが、僕はこのアルバムが一番好きです(^^)。


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『Miles Davis / Vol.1』『Vol.2』

Miles Davis_Vol1 1952~54年、ブルーノートに録音されたマイルス・デイヴィスのリーダー録音です。もともとは3枚の10インチ盤『Young Man With a Horn』、『Miles Davis Vol.2』、『Miles Davis Vol.3』に収録されていたものを、未発表曲も追加して2枚にまとめたのがこのCDでした。セッションは52年、53年、54年にそれぞれ1回ずつの計3回。メンバーもセッションごとにかなり違います。そうそう、ブルーノートは1500番台と4000番台のレコードが人気があるんですが、この録音は1500番台のトップを飾ったレコードなんだそうです。でも僕は、CDでしかこれを見たことがないんですけどね(^^)。。LPや10インチ盤は、今だと超プレミア価格かも。

 内容は、意外と普通のハードバップ・セッションでした(゚∀゚*)エヘヘ。。普通にソロ回しするだけのセッションだったもんで、アドリブの良さを聴く前に、音楽が面白くないな、な~んて思っちゃったりして。「あのマイルスがブルーノートに残した唯一のレコード!」「名作揃いのの1500番台のトップ!」なーんて言われていて、LPでは見たことがないというプレミア感もあったもんで、ちょっと期待しすぎたかな。。でも、ピアニストが自分のソロ番で入り損ねたり、昔のレコードだからか「ブチッ」という編集点がまるわかりだったり、そういう音楽以外のところが楽しかったりしました。

MilesDavis_Vol2.jpg 驚いたのは音で、50年代前半の録音にしてはとってもクリア!50年代の録音って、ロックやポップスだと、プレスリーでもなんでもかなりショボいじゃないですか。でもこの録音は、ピアノだけはちょっと遠かったですが、管楽器はもちろん、ベースもドラムもすごくクリア。とはいっても「古い録音にしては」であって、今この音を聴いて「おお、すごいい音でうっとりする」というものではないですが、でもなんでルディ・ヴァン・ゲルダーが名エンジニアと呼ばれるようになったのか何となくわかった気になりました。ジャズのコンボのオンな録音の伝統って、このへんからずっと今まで続いているのかも知れません。

 50年代前半のマイルスって、ソニー・ロリンズらとの「DIG」セッション、ジェリー・マリガンらとの「Birth of the Cool」セッション、モンクやミルト・ジャクソンらとの「Bags Groove」セッションなどなど、有名ミュージシャンをドバっと集めて、有名曲をセッションで演奏する録音が多いです。50年代後半以降の、コンセプトをしっかり決め、厳選したメンバーとリハやライブを重ね、いいものを作りだしていく感じはまだありませんでした。この頃のマイルスは麻薬でヘロヘロだったとも言いますし、プレイにしても音楽にしても、何とかいいプレイをする事で精いっぱいだったのかも。


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『Miles Davis featuring Sonny Rollins ‎/ Dig』

MilesDavis_Dig.jpg リリースは1956年ですが、録音は1951年なので、マイルス・デイヴィス名義のアルバムとしては『Birth of the Cool』の次に古いものじゃないかと。あ、そうか、56年というと、マイルスが大メジャーのコロムビアに移籍した年なので、その宣伝効果に乗っかろうとして、弱小レーベルのプレスティッジが未発表音源を出したんだな、きっと(^^)。
 管はマイルス・デイヴィス (tp) のほかにジャッキー・マクリーン(a.sax)、ソニー・ロリンズ (t.sax)。ピアノはウォルター・ビショップ、ベースはトミー・ポッター、ドラムはアート・ブレイキーというわけで、かなり豪華なメンバーでのセッションです!

 このレコード、曲によって音が変で、あとから妙なリヴァーブが追加されていてボワンボワン。そのままリリースできないぐらい録音に問題があったんでしょうね。でも聴いているうちに病みつきになってきて、ものすごくそっけない、ただ録音しただけ、みたいな当時のジャズ・アルバムより面白く聴こえてしまったりするのは、僕がロック世代の人間だからに違いありません(^^)。

 で、3管とはいえ、セクションのアレンジが施されているとは限らず、ついでにアレンジしてあるものも、特に手の込んだ事はしてありませんでした。だから、あくまでセッションだったんじゃないかと。となると、聴きどころは音楽の雰囲気とそれぞれのソロ・アドリブと思って聴いていました。雰囲気は軽快なアップテンポの曲が多くて、なかなかご機嫌!ハードバップって、軽快なセッションになると、炭酸飲料を飲んでいるような軽い爽快感があるのがいいです(^^)。
 アドリブに関しては、ソロを取るのはマイルスとロリンズがほとんどで、たまにジャッキー・マクリーンも、って感じで、ピアノやリズムセクションにはソロを回さない感じ。
 マイルスのソロ、何となく聴いていると良い感じなんですが、まじめに聴くとリズムが8分音符を続けてしまって歌えてなかったりして(^^;)。でも、スケールをパラパラやるんじゃなくて、テーマをヴァリエーション化していって、途中でぱっと展開部を作るという作曲家のようなソロの組み立て方をすでにしていて、聴いていてかなり勉強になりました。こういう知的な組み立てをしているソロに対して「ロリンズより下手」とか安直な感想を言っちゃうのはシロウトくさいというか、ちょっと違う気がするなあ。ジャズのトランペットというと、サッチモから始まって、ガレスピーにクリフォード・ブラウンと、派手で馬鹿テクなソロイストが揃っているので、マイルス本人もいろいろ悩んだのかも知れませんね。
 一方、ロリンズとマクリーンはかなりいいソロを取っていました。僕、どういうわけかロリンズのアドリブでいいと思うものって、ロリンズのリーダー作じゃないものばかりなんです。なんでだろう。

 僕はこの後のマイルスを知っているもんだから、ついついそれ以降と比べてしまうんですが、でも以降を知らずに50年代前半でこれを聴いたら、突出したプレイをするというより、管アレンジも出来るし色々とバランスのいいトランペッターだな、と思うかもしれません。時として悪く言われる事もあるアルバムですけど、ハードバップのセッションなのにこれだけ曲がまとまって聴こえること、それがマイルスの才能なのかも知れません。


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『Miles Davis / Birth of the Cool』

Miles Davis_Birth of the Cool 邦題は『クールの誕生』、1949~50年に録音された、マイルス・デイビスの有名なレコードです!これがマイルス・デイビス名義での初アルバム…のはず。歯切れが悪いのは、このレコード、もともとは『Miles Davis / Classics in Jazz』というタイトルの8曲入り10インチ盤だったから。これが米キャピトル盤は3曲追加11曲入り(日本盤は4曲追加12曲入り)12インチ盤となっての登場という経緯があるそうです。

 「クール」とありますが、個人的な印象は「ワーム」で、すごくあったかく心地よい音楽、これが独特の温かみがあってよかった!!はじめてこのレコードを聴いた時、まだこういう音楽を体験したことがなかったもんで、独特な魅力を感じたのを覚えています。
 そして、ホーンライティングが粋でした!このレコードは3つのセッションを合わせて編集されたもので、どれも8重奏~9重奏と大きめの編成。ここでのホーンライティングや、熱しすぎず心地よく流れるムードなどをひっくるめて思い出したのが、ジェリー・マリガン・カルテットの音楽でした。ほら、チェット・ベイカーとの2管でピアノレスの有名なレコードあるじゃないですか。ムードがあれとそっくりなんですよ!でもって、たしかにジェリー・マリガンも参加してるんですよね、このレコード。というわけで、久々に聴いて最初に思ったのは、「これはホーンライティングやヴォイシングの勉強会をやったセッションだったんじゃないかな」という事でした。9重奏なのに、スモールコンボのようにきれいに響くんですよね。このホーンライティングの技術がウディ・ハーマン級の素晴らしさでした。

 3つのセッションすべてに参加しているのは、マイルスのほか、ジェリー・マリガン(バリトン・サックス)とリー・コニッツ(アルト・サックス)、ジョン・バーバー(チューバ)。2つのセッションに参加しているのはMJQのジョン・ルイス(ピアノ)。あと、アレンジャーとしてギル・エヴァンスやガンサー・シュラーも参加していたみたいです…やっぱりこれ、若手ミュージシャンのジャズ・アレンジの勉強会だったんじゃないかな(^^)。

 いまではこういう50年代初頭のウエストコースト・ジャズ風のサウンドって、歴史の中に埋もれてしまいましたが、でも50年代初頭の合衆国の東海岸や西海岸の都市部って、とんでもなく幸福な地域だったと思うんですよね。労働者もスーツ着てカッコいい帽子かぶって摩天楼の中を颯爽と歩いて、夜になるとジャズクラブに行ったり映画を観たりデートしたり、家族がいればディナーを楽しんだり、ラジオもテレビも面白くて、景気も良くて…みたいな。子供や青年はポップス聴いてたかもしれませんが、当時は大人のための文化もちゃんと残っていて、音楽で言えばそのひとつがジャズ。ジャズだって大衆文化には違いありませんが、それでも今みたいに「スター・ウォーズ」みたいなガキくさいものを大人が見るなんてところまで落ちていなかったと思うんですよね。大衆文化なりにも大人のラインを持っていた、みたいな。そういう大人文化の空気を感じる心地よい音楽でした。もろに自分の趣味というわけではないのに、妙に好きなんです、このレコード(^^)。


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『JUJU ROOTS 1930s~1950s』

juju roots キング・サニー・アデ出現以前、ジュジュ・ミュージックのルーツとなった30~50年代のアフリカン・ポップスのコンピレーション・アルバムです。いや~、ナイジェリアのこんな古い録音が残ってるんですね、すごい。

 コロンビアのクンビアとか、ナイジェリアのジュジュとか、北アフリカのアル・アンダルースとか、トリニダード・トバゴの初期カリプソみたいな音楽は、日本にいると聞くのがなかなか大変です。ロックやジャズみたいにレコードがひとつの基準になってる音楽だと聞きやすいんですが、そうでない音楽って、ジャンル自体は有名でも何をどう聴けばいいのか分からずに困ったことになったりして(^^;)。こういうジャンルこそコンピレーション・アルバムの力の見せどころで、見事なコンピレーションを作ってくれると本当に助かります。このCDはROUNDERというアメリカのレーベルが作ったコンピレーションで、キング・サニー・アデが歌った曲の元ネタまで入ってました。

 全体としては、ギター伴奏にメインヴォーカルを据えた少人数コーラスという小歌曲といった感じでした。これに、ヴァイオリンがオブリを入れたり、打楽器が入ったり。打楽器は、後年のキング・サニー・アデのようにアフリカ系の打楽器を使っているとも限らなくて、そのへんにあるものを叩いているように聴こえるものも…いかんせの録音が古くてアナログレコードから起こしたみたいなので、バチバチ言ってよく分からない(^^;)。あと、マーチングバンドのようなブラスセクションが伴奏になっている曲までありましたが、この辺はイギリスの植民地だったんだなあと感じました。
 きわだって聴こえるのはコーラスで、普通に6度でとっていたりして、しかも子供が歌っているように聴こえるものですら、ピッチがメッチャいい!なるほど、アフリカの民族音楽のひとつにコール&レスポンス形式の合唱がありますが、あれとイギリスのフォーク音楽が融合した感じなのかな?これは一朝一夕で出来るようになるとは思えないので、アフリカの民族音楽なりキリスト教会で鍛えられたのではないかと。

 第1次世界大戦から第2次世界大戦までの西洋植民地のポピュラー音楽を聴くと、キューバでもコロンビアでもアフリカでもアメリカのブルースでも、僕には似た音楽に聴こえます。キーワードは、奴隷海岸と言われたギニア湾沿岸地域のアフリカ音楽、イギリスのバラッド、そしてスペイン音楽なんじゃないかという気がします。これのブレンド具合で多少の差があるものの、使ってる豆は同じなので似てくるのかも。そんな中、古いジュジュ・ミュージックはコーラスの素晴らしさが際立っていて、音楽性は基本的に明るく平和な感じが特徴に感じました。これを「古いブルーグラスのルーツになった音楽だよ」と言われても、信じてしまいそう。コーラスに関しては、子どもが歌った歌ですら、ビートルズよりもぜんぜんうまいぐらいに素晴らしかった!

 音楽はもちろん、このCDは企画自体がすばらしかったです!こういうのって、専門知識がなかったらとうてい作れないですよね。。というわけで、ジュジュのド素人の僕には実にありがたいコンピレーションでした(^^)。


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『King Sunny Adé / Classics Volume 6: Merciful God & Baba Moke Pe O』

King Sunny Ade_Classics Volume 6 Merciful God Baba Moke Pe O 偶然に世界デビュー前のキング・サニー・アデのアルバムを手に入れる事が出来た僕でしたが、以降は出会う事すら難しい状態でした。80年代のアフリカン・ポップスのレコードの蒐集は、戦前ブルース以上の難しさでしたね。今ならネットでいくらでも買えそうですが、昔はレコード屋で買うしかなく、そのレコード屋だってサニー・アデどころかアフリカのレコード自体がまず置いてなかったですし。そんな時に、こんなCDをタワーレコードで発見!「Classics Volume 6: Merciful God & Baba Moke Pe O」というタイトルからすると、古いアルバムを2in1 したCDなのかな?世界発売になった82年のアルバム『Juju Music』は妙にアメリカに寄せていて嫌でしたが、このCDの「Classics」という言葉から、あの世界デビュー前の呪術的ポップスの心地よさがあるんじゃないかと想像してゲット!

 うわ~これも素晴らしかった!『FESTAC 77』がそうでしたが、これも切れ目なくメドレーのように演奏していくスタイル。どの曲もリズムとキーが同じなので全部で1曲に聴こえます(^^)。そして、例によってコーラスがものすごい気持ち良く、ゆるめで演奏される西アフリカのポリリズミックな打楽器群の上にたゆたうスライドのエレキギターもヤバいほど気持ちいい。やっぱりこの芸風こそキング・サニー・アデのジュジュなんじゃないでしょうか。詞が分からないもんで(ナイジェリアだからヨルバ語か何か?)、どのアルバムもワンパターンなのかも知れないけど、この心地よさはそんなこと気にならないほどにヤバいです。。

 というわけで、ジュジュ・ミュージックを代表するキング・サニー・アデの音楽は心地よすぎてヤバかったです。これは確実に嵌まる、有り金はたいてレコードを集めたくなるヤバさです。あ~良かった、当時の日本では手に入れにくくて。もしレコード屋にいっぱいあったら、片っ端から買ってるところでした。ところで、これは「Classics Volume 6」という事ですが、今はこのシリーズがアマゾンで簡単に手に入るぞ…お金がいくらあっても足りないわ、見なかった事にしよう(゚ω゚*)。。


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『King Sunny Adé / FESTAC 77』

King Sunny Ade _FESTAC77 欧米に媚を売ったようにしか聴こえなかったサニー・アデの世界進出アルバム『Juju Music』でしたが、僕はあれ以前に素晴らしいジュジュ・ミュージック体験も、サニー・アデ体験もしていたのでした。僕のキング・サニー・アデ初体験は、とあるワールドミュージック専門店で投げ売りされていたこのアルバムで、この出会いが素晴らしかった!!サニー・アデの情報はミュージック・マガジンで得ていたんですが、なにせ聴いた事がないので、このアルバムでいいのかどうかで躊躇。タイトルから推測するに、77年のフェスティバル録音だよな…開催期間を見るとひと月近くやってるし、「2nd World Black and African Festival of Arts and Culture」とか書いてあるし、ジャケットには凄い数の観客が写ってるし、もしかしてアフリカ版ウッドストックレベルのフェスティバルだったんじゃなかろうか。しかも77年ならアイランドとの契約以前…ジャケットはボロボロだけど捨て値同然の安さだし、これは買いじゃ!というわけで、めでたくわが家に来たLPでした。

 おお~これがナイジェリアのJuju Musicというやつか、メッチャ気持ちいいじゃないか!ふわ~っとしたコーラスの心地よさ良さが最高だ!そしてその気持ちいいコーラスが、レゲエのような「ウン・チャカ・ウン・チャカ…」というリズムの上に乗っかって延々と続くので(クレジットから推測するに曲は分かれているっぽいんですが、演奏は切れ目なく演奏されていました)、気持ちいい状態のままトランス状態になる。。やっぱり、アイランドから出た世界進出作は西洋を意識して作られた1枚だったんじゃないかなあ。

 アフリカ音楽をベースに、楽器だけを西洋から持ってきてポップ・ミュージックを作った感じ。つまり、日本の演歌みたいな成立の仕方だったのかも知れません。内容はアフリカの幸福を歌ってるみたいな雰囲気だし(言葉が分からないので音のニュアンスだけで言ってますが^^;)、コーラスは教会から伝わったものにしても完全にアフリカ化してるし、延々とループしていく構造はアフリカの打楽器音楽やコール&レスポンスの合唱などの流れにありそう。カリプソやサンバも西洋音楽をチリ入れつつ見事に自文化化された音楽と思いますが、これはそのナイジェリア版、素晴らしいアフリカン・ポップスでした。最初にサニー・アデを聴くなら、世界デビュー前の録音がいいのかも。少なくとも、このアルバムは超おすすめです(^^)。。

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『King Sunny Adé / Juju Music』

King Sunny Ade_Juju Music ナイジェリアのジュジュ・ミュージックの代表的な歌手・キング・サニー・アデです!60年代から活動しているミュージシャンですが、これは82年にアイランドレコードからリリースされた西洋進出アルバム第1弾。アイランドレコードで82年リリースとなると、ワールド系のポップスとしてボブ・マーリーの後釜に持ってきたのか…な~んて穿った聴き方をしてしまう僕は心が汚れているのでしょう(^^;)。でも、欧米の音楽産業って、80年代以降は世界マーケットを狙って、各地のスターミュージシャンをひとり作りますよね。日本のクラシックだと村治佳織とか諏訪内晶子とか、フラメンコだとビセンテ・アミーゴとか、アフリカだとサリフ・ケイタとか。

 ジュジュ・ミュージックというのはナイジェリア生まれのアフリカン・ポップスの事で、アフリカ音楽と英米のポップ・ミュージックのあいのこみたいな音楽です。このアルバムでいうと、リズム・セクションはよく聴くとアフリカの打楽器が使われていますが、西アフリカの強烈な皮面太鼓ではなくて、カバサのような軽い音の楽器が多い感じ。そこに、ボトルネックを使ったエレキギターやエレキベースやシンセが重なって、音だけ聴くとエレクトリックなハワイアンみたいにほんわかしてる印象。曲はアンチクライマックスというか、同じ曲想が延々と続く感じ。

 ただ、このアルバムは、正直いってあんまり魅力ありませんでした。僕はサニー・アデもジュジュ・ミュージックも大好きなんですが(詳しくはないですけど^^;)、これはサニー・アデの良さもジュジュの心地よくトランスしていく感じもなくなってしまった音楽に聴こえてしまいました。西洋に寄せすぎたというか、ボブ・マーリーを意識してメッセージ色を強く出し過ぎてジュジュの気持ち良さもトランス感も消えてしまったというか。
 日本ではサニー・アデというと、大資本のレコード会社の宣伝力や流通的な事情もあってこのアルバムの印象が強いかも知れませんが(ナイジェリア時代のアルバムは入手自体が難しい^^;)、もし僕がキング・サニー・アデで最初に聴いたアルバムがこれだったら、以降サニー・アデは聴かなかったかも。僕がサニー・アデやジュジュ・ミュージックの虜になったのは…それはまた次回!!


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『J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲全集 エガー(harpsichord)、エンシェント室内管弦楽団』

Bach HarpsichordConcertos_Egarr_Ancient 大バッハの協奏曲は、ヴァイオリン協奏曲2曲、ブランデンブルグ協奏曲、チェンバロ協奏曲7曲、2台以上のチェンバロ協奏曲が5~6曲、その他ちょっとです。これ以外の協奏曲(例えばオーボエとか)も見かける事がありますが、それはこれら協奏曲のアレンジもので、同じ曲です。バッハは全部聴こうと思ったらとんでもない事になってしまうので、チェンバロ協奏曲は聴くつもりがなかったんですが、中古盤屋でこんなものを見つけてしまいました。レーベルはハルモニア・ムンディ、そして演奏は…おおお~エンシェント室内管弦楽団ではないですか!このオケ、モーツァルトの交響曲の演奏を聴いた事がありまして、あまりの素晴らしさにのけぞったのです!というわけで、思わず買ってしまいました(^^)。このCDには、7曲のチェンバロ協奏曲(バッハが完成させたチェンバロ協奏曲はこれで全部)と、フルート・ヴァイオリン・チェンバロのための、いわゆる「三重協奏曲」が入っていました。チェンバリストは、リチャード・エガー。指揮者ホグウッドの後をついで、2006年からエンシェント室内管弦楽団の音楽監督を務めているチェンバリストだそうです。

 素晴らしい…。第1番ニ短調の最初の数小節の演奏を聴いただけでノックアウトされてしまいました。オケとチェンバロの混ざり方が神がかりに美しい!なんと素晴らしい音楽と演奏だろう、時間の立つのも忘れて、CDに聴き入ってしまいました。このCD、ハープシコードの音がちょっと小さめで、弦がアンサンブルすると音量負けしてしまいます。でも、実際の楽器の音量がそうなんだろうし、またこの音量だからこそここまで音が溶けあったアンサンブルになるのかも、なんて、新たな発見がありました。

 僕は、バッハの作曲年代を、①オルガン奏者時代(18歳から。数多くのオルガン曲を作曲)、②ケーテンでの宮廷楽長時代(32歳から。ブランデンブルク協奏曲、無伴奏チェロ、平均律クラヴィーア1巻などを作曲)、③ライプツィヒの聖トーマス教会のカントル時代(38歳から。ヨハネ受難曲、マタイ受難曲、ロ短調ミサ、音楽の捧げもの、フーガの技法などを作曲)の3つに分けて考えてますが、チェンバロ協奏曲はライプツィヒ時代に書かれたんだそうです。ライプツィヒ時代のバッハのカントルという役職は、ひとつは教会付属学校での子供の音楽教師と生活指導、もうひとつは教会の音楽監督だそうです。チェンバロ協奏曲は、大学生と一般人で結成された音楽グループ「コレギウム・ムジクム」のために編曲されたもの。作曲ではなく編曲だったのは、ライプツィヒ時代のバッハの仕事があまりに大変だったから。人の曲の編曲もあったそうですが、これって当時はぜんぜんオッケーな事ですからね(^^)。でも「編曲だけか」なんて甘く見ちゃいけない、この編曲の完成度が尋常じゃなかった!全体のアンサンブルはもちろんですが、チェンバロの手の入り方が普通じゃないです。たぶん、バッハ自身かその弟子がチェンバロ演奏を担当したんでしょう、大学生や一般社会人でこんなのを次から次に演奏できる人がそうざらにいたとは思えません…でも、『音楽の歴史と思想』という本を読むと、いたらしいんですよね。当時のライプツィヒの音楽レベルは相当だよ。。
 僕的な大推薦は、ニ短調の第1番と、第4番の2楽章です。1番は、幸福と世界平和を願うすべての皆さんにぜひ聴いて欲しいです(^^)。そして第4番の2楽章、このキリスト教世界的な瞑想と悲しみの響きは心があらわれるようでした。チェンバロ協奏曲は世俗曲ですが、それでもキリスト教世界を感じてしまうほどの清廉とした雰囲気でした。

 そうそう、ちょっとした発見は、ト短調の第7番はヴァイオリン協奏曲1番の、二長調の第3番はヴァイオリン協奏曲2番の、ヘ長調の6番はブランデンブルグ協奏曲4番のアレンジでした(^^)。それにしても、10人編成のエンシェント室内管弦楽団、本当にすばらしいです。お気に入りの古楽アンサンブルに出会えて本当にラッキーでした。「バッハとかクラシックとか全然意味わかんねーよ」という方にこそ、ぜひ聴いて欲しい1枚…じゃなかった2枚組でした!


05 2020 « »
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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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