まずは、A面の2テイク収録の「Bag's Groove」。これはクリスマスセッションの録音で、メンバーはMiles Davis (tp), Milt Jackson (vib), Thelonius Monk (p), Percy Heath (b), Kenny Clarke (dr)。マイルスとモンクの共演を看板にして、MJQのリズム・セクションを借りてきた格好です。テーマを演奏して、ソロをマイルス、ミルト・ジャクソン、モンク、マイルスの順で回して、テーマに戻って終わりという典型的なハードバップ・セッションでした(^^)。 それにしても、この曲でモンクはテーマとマイルスのソロの時にピアノを弾かないんですね。マイルスが「モンクのピアノの前だと吹きにくいから、俺がトランペットを吹いてるときは演奏しないでくれ」といった、みたいな伝説も残ってますが、実際はどうなんでしょうね。モンクは大御所なので、モンクにバックをつけていただくなんておこがましいと思った、な~んてこともありそうですが(^^)。ちなみに、この日の残りの録音は『Miles Davis and the Modern Jazz Giants』というレコードに収録されているそうですが、残念ながら僕は未聴。
B面は6月セッションを収録、メンバーはMiles Davis (tp), Sonny Rollins (t.sax), Horace Silver (p), Percy Heath (b), Kenny Clarke (dr)。演奏曲は「Oleo」「Airegin」「But Not For Me」というわけで、すべてロリンズの18番。ロリンズってムッチャクチャに性格が良かったと言われますが、マイルスもそんなロリンズを迎えて「いいよいいよ、ソニーの好きなナンバーやろうよ」な^んて言ったのかも(^^)。 アップテンポの曲がなくて、みんなマッタリしたミドルテンポなので、よく言えばBGMとして聴くにはすごく心地よかったです。特に、マイルスはオープンでもミュートでもすごく良い音を出していて、調子が悪いとすぐに音をひっくり返してしまうマイルスにしては相当に好調だったのかも。悪く言えば、みんなミドルテンポなので、ロリンズやマイルスの白熱したプレイは聴くことが出来ない、みたいな。まあでも、強烈な個人技を聴かせるビバップの時代と違って、ハードバップのスタジオ・セッションってこういうものが多いですし、これぐらいが普通なのかな?レギュラーバンドではなく一期一会のセッションですしね。。