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Category: CD・レコード > クラシック   Tags: ---

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『ヒンデミット:室内音楽選集 1番、4番、5番 アバド指揮ベルリンフィル』

Hindemith SitunaiOngaku 1-4-5_Abbado 晴らしかった作曲本『作曲の手引』を書いたヒンデミットの実際の音楽をちょっと紹介。19世紀と20世紀をまたぎ、後期ロマン派から現代音楽の時代をリアルタイムで経験した作曲家は、作風を掴むのが難しい人が多いです。ベートーベンならソナタ、ブラームスならロマン派、ドビュッシーなら印象派…な~んてある程度分かりやすく把握もできるけど、1890年あたりから1970年あたりまでを生きた作曲家の作風は時代でコロコロ変わる事が少なくないです。ヒンデミットもそのひとりで、有名な「画家マティス」を聴いた時、僕は「あ~新古典主義から現代音楽の間ぐらいときいてたけど意外と普通で保守的だな…」な~んて思ったのでした。その考えをひっくり返されたのが、この「室内音楽 Kammermusik」。ヒンデミットはKammermusik を第7番まで書いていますが、このCDはそのうちの1・4・5番が入ってます。

 ヒンデミットの「室内音楽」(楽器編成の事ではなくて、こういうタイトルの曲なんです)は、曲ごとに編成もやる事も変わります。たとえば1番「12の独奏楽器のための室内音楽」は、クラシック室内楽とナイトクラブの軽音楽のチャンポンみたいな音楽。しかも打楽器やらハルモニウムやらまで鳴り響くので、ナイトクラブで行われたダダの騒音音楽イベントみたいに聴こえたりして。ところが4番「独奏ヴァイオリンと大編成室内管弦楽のための室内音楽」になると、奇妙なオスティナートと金管楽器のファンファーレから始まるエキセントリックさは感じるものの、独奏楽器を中心に据えた協奏曲になります。第5番となると、エキセントリックさの中に混じって、ロマン派音楽として捉えても恐ろしく見事な室内協奏曲が混じってきます。

 ヒンデミットって多彩な人だったそうで、ヴァイオリンやヴィオラといった弦楽器を演奏すればソリスト級のうまさ、他にも演奏できる楽器多数。作曲はロマン派・新古典・実験音楽から軽音楽まで書きこなし、音楽教育にも積極的です。こういう所からして、アーティストなだけではなく音楽博士とか研究家肌の人でもあって、彼の音楽は良い音楽を探求したというよりも何が音楽かを探求したんじゃないか…な~んて思うのです。このCDで感じるヒンデミットの音楽は、バッハのカノンシェーンベルクの12音列技法のように、作曲技法を根底から作り上げたものではなく、当時のステレオタイプだった機能和声音楽の内側に入って、その横をつなぐ方法に対位法みたいな方法を使ってみたり普通に機能和声を鳴らしたりして、デフォルメしていっているように聴こえます。
 室内音楽の1番が書かれたのは1915年で、ストラヴィンスキー「春の祭典」と同じ年、バルトークはまだ「かかし王子」を書いている頃で弦チェレ前夜。ラヴェルの「ラ・ヴァルス」もシェーンベルクの「5つのピアノ小品」も登場前。そういう時期にこのエキセントリックさですから、音楽そのものも面白いですが、「もういい加減にブラームスのバリエーションみたいな音楽を作り続けるのはやめようぜ、もううんざりだよ」という意志表明をした一面も強くあった気がします。後期ロマン派の代表的作曲家のR.シュトラウスがロマン派のムードたっぷりのオペラを量産していた時期にこういう音楽をやっていたという事を想像すると…めっちゃパンクでヒップだわ(^^)。僕的には、ヒンデミットの音楽を知りたいなら、「画家マティス」より「室内音楽」を先に聴く事をおすすめしたいです。特に第1番と第4番は必聴じゃないでしょうか?!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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