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心に残った音楽♪

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ProTools  オーディオデータのタイムストレッチ方法!

ProTools_TCE.png 音質が劣化するとの事で、タイム・ストレッチは極力使わずにやってきたんですが、この前とうとうタイムストレッチを使わざるを得ない状況に。で、使ってこなかったもんでやり方をすっかり忘れていました(^^;)>。というわけで、備忘録として、プロツールスでのオーディオのリージョンのタイムストレッチ方法です!

(ProTools でオーディオデータのタイムストレッチ方法)

 1.操作パネルにあるトリムツールから、時計マークがついた「TCE」を選択

 2.オーディオをビヨ~ンと引っ張る(あるいは縮める)。


 以上でした!なんて簡単なんだ。。でも、やっぱり音の劣化は一聴して分かりますね。やっぱりなるべく使わないようにしよう。。


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『Djivan Gasparyan / Apricots From Eden』

Djivan Gasparyan Apricots From Eden ジヴァン・ガスパリアンが1996年に発表したアルバムです。ダブルリード楽器のドゥドゥク2本だけでなく、ダラブッカのような音がする打楽器が入ってました。

 独特の表情をしていたアルバム『I Will Not Be Sad in This World』に比べると、アラビア音楽っぽさが多く混じってました。全曲ってわけじゃないんですけど、打楽器の使い方とか、旋法とかなのかな?ほら、笛を吹いたら壺の中から蛇が出てくる音楽ってあるじゃないですか。あんなかんじ。あとは、小品を並べたような印象も受けました。フォークダンスのための伝統曲が4曲ほど並んでたこともあるのかな?でも、フォークダンスの曲といっても、やっぱりどこかもの悲しげに響いてましたけどね(^^)。
 
 アルバムタイトルになってる「Apricots From Eden」はアルバムの最後に入ってましたが、いかにも聖書の世界のタイトル。他にも「They Carried Her Away」とか「The Years Of My Youth Have Gone」とか、音楽と同じように悲しそうなタイトルの曲が多かったのが印象的でした。これらの曲も、もしかすると聖書や民話に関係するのかな?そこはちょっと分かりませんでしたが、やっぱりガスパリアンの音楽は、他ではちょっと体験できない独特の空気感で溢れていました。ガスパリアンのアルバムは、気をつけないとワールドミュージック系フュージョンみたいなチープなものもあるので注意が必要ですが、これは伝統的なアルメニアの音楽といった感じでで良かったです。でも、個人的には「I Will Not Be Sad in This World」の方が好きかも(゚∀゚*)エヘヘ。


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『Djivan Gasparyan / I Will Not Be Sad in This World』

Djivan Gasparyan_I Will Not Be Sad in This World 現代のアルメニアのミュージシャンって、僕はジヴァン・ガスパリアンしか知らないです。僕はocora のCD『アルメニアの音楽』で、ドゥドゥクというダブルリード楽器を知りましたが、ガスパリアンさんはドゥドゥクのマエストロ。このCD、ワーナー制作で世界発売されたので、ワールドミュージックのCDの中でも、学術的な録音ではなく資本主義的な考えで世界マーケット向けに作られたものと思うんですが、内容はイージーリスニングの亜流みたいな甘いものじゃありませんでした。

 ほぼアルメニアのトラディショナルで、4曲目は18世紀にアルメニアで活躍したトルバドール達の音楽だそうです。一聴して、ユダヤ教の宗教音楽みたいだな、と感じました。演奏は、ドゥドゥク2本のデュオで、ガスパリアンさんがメロディを奏で、VACHAGAN AVAKIAN という人がドローン担当。このドローンが循環呼吸で、ブレス一切なしで何分も吹きつづけられるんですが、これが独特のトリップ感覚。曲のテンポもすべて遅めで、まるで瞑想音楽のよう。そして、曲は基本的に旋法に対応していて、これがコンディミ調だったり、とにかくモーダルなんですが、選ばれるスケールがもの悲しげなものが多いです。3曲目なんて、フリジアンに長6度が足された特殊な8音音階に聴こえるんですが、基音から5度までは短調的ですがそこから上は長調的。これって純粋対位法時代に使われていた、ドゥクスとかコメスとかの上下2分割のモードというやつなんだろうか…こんな感じなので、カソリックや正教どころかユダヤ教も含めたこの地域の宗教心というか、そういう精神性を音から感じてしまう素晴らしい音楽でした。

 カトリコス・コミタス以降の1000年以上に渡るアルメニアの民族感情や宗教心が詰まっているような、深遠さを感じる瞑想的な世界でした。商目的の英米軽音楽に浸食されていく現代だと、まるでそれ以外の音楽がないように感じてしまいがちだし、また自分で探さないとそれ以外の音楽にはなかなか出会う事が出来ませんが、こういう素晴らしい音楽が世界の各地にあるんですよね。音のうしろに思想や民族感情を強く感じる音楽って、すごくないですか?これは傾聴に値する音楽ではないかと思いました。必聴です!



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『KOMITAS: Levon Eskenian, The Gurdjieff Folk Instruments Ensemble』

KOMITAS_Levon Eskenian, Gurdjieff Folk Instruments Ensemble 前回紹介した1912年録音のコミタス音楽集は、本人の肉声が入った歴史的録音ですが、なにせ録音が古くて音がよく聴こえません(^^;)。こちらは2015年にECMからリリースされたコミタス・ヴァルダペットの作品集。アンサンブルによる演奏で、曲によって楽器が出入りしていました。そして、これが素晴らしかった!

 何曲かはCD『The Voice of Komitas Vardapet』と曲がダブってるんですが、編成が違うので、ぜんぜん違う音楽のように聴こえる事すらありました。そしてこちらのCD、ドゥドゥクにケマンチェにウードなどなど、いかにも西アジアな民族楽器で演奏されるので、キリスト教音楽ともクラシックとも違って、アルメニアの民族音楽と宗教音楽の真ん中のような雰囲気でした。そしてこれがアルメニア音楽的で、独特の透明感と悲哀を感じさせて、なんとも独特。いや~これは素晴らしい。歴史的にはコミタス自身の声が収録された『The Voice of Komitas Vardapet』の方が価値が高いんでしょうが、いまコミタスの音楽を思想ではなく音楽として聴きたいのであれば、こっちのディスクのほうが分かりやすいんじゃないかと。少なくとも、僕はそうでした。

 ところで、このCDで演奏しているグループの名前に、グルジェフという名が入ってますね。グルジェフはアルメニア出身の魔術師。舞踊や音楽を通じスピリチャルな視点で人間の覚醒を目指したような人(と僕は理解してます)ですが、彼をリスペクㇳしたグループなのか、それとも実際にグルジェフが作ったグループの末裔なのか、ちょっと興味があります。ちなみにこのグループ、やっぱりECMからグルジェフ自身が書いた音楽の作品集も出してるんですよ。その話はまたいつか!


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『Komitas Vardapet / The Voice of Komitas Vardapet』

KomitasVardapet_Voic of アルメニアには、カトリコス・コミタスのほかに、もうひとり有名なコミタスという名の音楽家がいます。コミタス・ヴァルダペット、アルメニアでは「アルメニア音楽の父」なんて言われるほどの巨人です。世界中に熱狂的なファンを持っていながら録音が少なく、日本では知る人ぞ知る存在という感じ。比較的コミタスの音楽に近いクラシック系の愛好家ですら、知っている人の方が少ないのではないでしょうか。モーツァルトベートーヴェン当たりしか聴かない人は知らないんじゃないかなあ。

 コミタス・ヴァルダペットは19~20世紀の人(1869~1935)で修道士バルトークがハンガリー民謡を採取して研究しながら作曲したように、コミタスはアルメニアの音楽を収集しながら作曲しました。僕自身は持ってませんが、ふたつほど録音を紹介したジヴァン・ガスパリアンもコミタスの曲を演奏していたはず。それが民族音楽や宗教音楽ファンでない人にもアルメニア音楽やコミタスの名を伝える事になったかも。そしてこのCDの凄さは…なんとコミタス・ヴァルダペットの肉声が一部収録されているのです。すげえ。

 まずは無伴奏独唱。修道士というから、もっとグルジアやロシアといった正教会系の音楽かと思ったら、かなり民族音楽的で、素朴な歌でした。でも、それが東欧の田舎の村にある生活の中で歌われてそうなフォーク調というとそうでもなく、祈りに近いものと感じました。ひとつの音符が長くて朗誦という印象があるとか、圧倒的に短調系で悲壮感があるとか、そういう所でそう感じるのかも。これはちょっとゾクッと来る…。
 次に、ピアノ伴奏の歌曲。これは民謡をベースにした音楽なのかも。日本でいうと唱歌っぽい雰囲気です。
 そして、一番感動したのは、最後の方に入っている弦?オルガン?それにドゥドゥク?伴奏の(なにせ1912年録音なので音が悪くて良く分からない^^;)を伴奏に歌う宗教歌。アルメニア音楽の「これは音楽というより祈りではないのか?!」というゾクゾク感は、ジヴァン・ガスパリアンの演奏なんかを聴いても感じるところですが、あれはコミタス・ヴァルダペットからそのまま繋がってるのかも。いや、もっというと6世紀のコミタスからも繋がって感じました。

 なるほど、なんでコミタスが「アルメニア音楽の父」なんて呼ばれるのか、何となくわかった気がしました。こういう音楽家や音楽、そして録音というのは、好きとか嫌いではなく、人類が聴きつないでいければ、人間はもっといい方に行けるんじゃないか…な~んて思ってしまいました。下世話な意味ではなく、本当の文化遺産じゃないかと。


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『Arménie: CHANTS LITURGIQUES DU HOYAN-AGE ET MUSIQUE INSTRUMENTALE アルメニアの音楽』

Arumenia no Ongaku アルバニアとアルメニアって、間違えませんか?僕は「バ」ルカン半島にある方がアル「バ」ニア、という覚え方を編み出すまで、ずっと混同しっぱなしでした(^^;)。アルメニアは、ザカフカス(南コーカサス)にある国です。コーカサス地方って、ロシアの影響の有無とか、イスラムか正教系かなどなど、色々ゴチャゴチャしてて分かりにくいです。昔、ザカフカス一帯がグルジアの天下という中、唯一キリスト教を受容したのがアルメニア。そして、ようやくアルメニアが勢力を広げた後でアゼルバイジャン人が勢力を広げてアゼルバイジャン国が出来…みたいな感じで、常に侵略の憂き目にあってきたのがアルメニアらしいです。こうした歴史が、音楽に思いっきり色濃く影を落とす事になったんじゃないかと。
 このCD、僕が持っているものはOCORA原盤の「Arménie: CHANTS LITURGIQUES DU HOYAN-AGE ET MUSIQUE INSTRUMENTALE」というものですが、日本語解説つきのものだと、キングが出した「世界民族音楽大集成」というシリーズの69番「アルメニアの音楽」がそれです。

 アルメニアの宗教音楽と器楽が半々ぐらいで収録されてました。前半の宗教音楽はアルメニアの歴史そのものといった感じで、正教会系の無伴奏合唱または独唱6~7世紀のアルメニアの作曲家にカトリコス・コミタスという有名な人がいますが、その人の作曲したものや編纂したものも含まれていました。これは超貴重。だって、コミタスのレコードって、いまだに一番重要な録音がLPのままですよね…。バッハですらせいぜい18世紀な事を考えると、これはヨーロッパ音楽の最深部にある音楽とっていいんじゃないかと。コミタスの作曲作を含め、アルメニアの宗教音楽は西ヨーロッパのそれと違って、悲しみに満ちあふれてる感じでした。聴いていて、死ぬ前に救いを求めるぎりぎりの祈りのように聴こえてきてしまうほどに悲しげ。コミタスは、キリスト教化の時に、単に聖歌を取り入れただけじゃなくて、それ以前からアルメニアにあった音楽とフュージョンさせたのかも。
 メシュロク・マシュドツ作曲の懺悔の歌も収録されていました。マシュドツは4~5世紀の人で、アルメニアのキリスト教受容のタイミングと一致してるので、もう最初の段階から「アルメニア」という確固たるアイデンティティがあったんじゃないかと。アルメニアの宗教音楽って、常に侵略し続けられ、そして宗教に救いを求めてきたアルメニアの心象そのものなんじゃないかなあ…。同じキリスト教でも、宗教の社会的意味合いが西欧と全然違うんだろうな、と感じました。これは本当に素晴らしい音楽。唯一残念だったのは、言葉の音楽だけに日本語訳をつけて欲しかった。。

 一方の器楽は、タール(撥弦楽器)やドゥドゥク(縦笛)やズルナ(ダブルリード楽器)あたりが入ってました。という事は、トルコ音楽やアラビア音楽の影響が強かったんじゃないかと思いました。そして、文化が混じっている感じ。打楽器の強烈な演奏はトルコっぽいし、細竿の撥弦楽器のものすごい弦楽器の即興はイラン音楽っぽいし、どこかやっぱりもの悲しいのはアルメニア調っぽいんです。色んな文化が流入してきたんでしょうが、それが日本みたいに丸コピーにならないのは、常に侵略者と地続きのところにいるもんだから、自分たちのアイデンティティが常に要求されて、何が入り込んできてもどこかアルメニア調になるのかも。

 見事な音楽。聴いていて、ずっと引き込まれ続けてしまいました。何度聴いても、そしてどれを聴いても、東ヨーロッパから南アジアにかけての民族音楽って、果てしなくすごい音楽だと思います。音楽の深度も演奏の熟練度も、ちょっとやそっとのプロ音楽では手も足も出ないレベルです。本当に感動して打ちのめされてしまいました。これは超おすすめです!


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『Quincy Jones / This is How I Feel About Jazz』

Quincy Jones_This is How I Feel About Jazz 1956年発表、クインシー・ジョーンズのデビュー作品です。とはいえ、スプリット・アルバムが、この前に1枚出てるみたいです。名盤ガイドでよく見かけた1枚なので、けっこう評価の高いアルバムなのかな?

 「これが私がジャズに対して感じる事」…タイトルからして深い事をやってそう、オーネット・コールマンの「ジャズ来るべきもの」やジョージ・ラッセルの「宇宙時代のジャズ」みたいな感じだし、ジャケットもスコアを広げてドヤ顔してるし、硬派で先鋭的なビッグバンド・ジャズが聴けるんじゃないか…聴く前はそう感じていたんですが、実際に聴いてみると、エンターテイメントで保守的なビッグバンド・ジャズでした(^^;)。スイング時代のアルバムと言われても信じちゃいそうです。

 というわけで、『Big Band Bossa Nova』やこのアルバムで、僕はクインシー・ジョーンズのことをアーティストではなく職業作曲家アレンジャーなのだと思うようになりました。実際のところ、その後の活動をみても、そんなにジャズにもアーティスティックな音楽にも思い入れがあるわけじゃなさそうですし、「お客さんが楽しんでくれるものが音楽だ」みたいな考えを持っていそうな人なのかも。アフロアメリカンのバート・バカラック、みたいな。でもって、僕が「ああ、クインシー・ジョーンズはジャズとして聴くと物足りないものが多いけど、プロの劇伴作家として聴くととんでもなく素晴らしいんだ」と思うようになった音楽がありまして…その話はまたいつか!


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『Quincy Jones / The Quintessence』

Quincy Jones_Quintessence 1961年発表、クインシー・ジョーンズ3枚目のアルバムです。レーベルはインパルス、編成はビッグバンド。このアルバム、僕はCDで持ってるんですが、ヤバいぐらいに音がいいです!!

 ファースト・インプレッションはすごくモダンで粋に感じるビッグバンド・ジャズ!ところがよく聴くとアレンジは意外と古典的。カウント・ベイシー的なトゥッティが多くて、ビッグバンドの幾つかのセクションが折り重なっていく波状攻撃がこの音楽の良さなんじゃないかと。「Straight, No Chaser」なんてその代表例で、いくつかに分けたセクションが競うようにドッカンバッカンと絡んでいくその決まり具合がめっちゃ気持ちいい!これって、セクションの息の合い方の見事さを「おお~すげえ!」って楽しむ音楽なんじゃないかと。

 僕がこのアルバムを良いと感じる原因って、実は録音じゃないかと。だって、サウンドがカッコイイと思ってるのに、よく聴くとブラスアレンジはそれほどじゃないんですよ。それなのに響きに悶絶するという事は、実は録音がいいんじゃないかと。極端に言うと、このレコード、ビッグバンドのアンサンブルの定位を分かりやすく分けていて、ある一群は完全左、ある一群は完全右、みたいにしてあるんですよね。音が良いうえに、アレンジが見えやすい録音なのです。もし自分がレコーディング・エンジニアなら、ビッグバンドジャズの録音はこうやりたいと思うほどです。でもこれって、かなりビッグバンドのアンサンブルが分かっている人じゃないと、こういうミックスは出来ないかも。見事でした!

 クインシー・ジョーンズの才能がいちばん発揮できるのは劇伴だと僕は思っていますが、ジャズ方面でのクインシー・ジョーンズの最高傑作をあげるとすれば、僕なら間違いなくこれを選びます。新しい事はやってないですが、手が混んでいて、シロウトくさいところなんてまるでないプロのスコアと思いました。クインシー・ジョーンズのレコードって、最初の『This is How I Feel About Jazz』にしても、ボッサ調だった『Big Band Bossa Nova』にしても、録音が良くないんですが、これはしびれるほどに音が良い!そう考えると、録音ってメッチャクチャ大事なんですね。


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『Quincy Jones / Big Band Bossa Nova』

Quincy Jones Big Band Bossa Nova クインシー・ジョーンズがアレンジ&指揮のビッグ・バンド・アルバム、1962年作品です。曲がみんなボサノヴァの名曲なので、ちょっとしたコンセプト・アルバムなのかな?レーベルはマーキュリー…もしかするとレーベル主導の企画盤なのかも知れません。

 新進気鋭のビッグバンド・アレンジャーのクインシーさんが、ボッサの有名曲をどうアレンジするのかが聴きどころ…だと思うんですが、僕にとっては唯一のクインシー作曲作「Soul Bossa Nova」がこのアルバムのすべてでした。この曲、モード学園のCMに使われていた事があるんですが、そのインパクトが大きすぎるのです。ウイリアム・テル序曲を聴くと、ロッシーニではなく「オレたちひょうきん族」を思い出してしまうようなものですね(^^;)。そのぐらいインパクトある曲なので、もちろん曲がいいのでしょうね。良いといっても、高度な事をやっているというよりも、すごくキャッチ―という意味でいいのです。「アイアンサイドのテーマ」といい、クインシーさんはキャッチーなメロディを作るのがうまいなあ。キャッチ―なメロディから音楽を作らせたら天下一品という人って、今よりも昔の職業作曲家に多いイメージです。日本で言うと、小林亜星さんなんかがそうですしね。

 音楽は、いつかこのブログでも書いた『黄金の7人』のサントラみたい、でもあれよりさらにいなたいかも。なんでそう感じるのかな、アレンジがそうなのか、録音が古臭いのか…分かりません(^^;)>。
 というわけで、「Soul Bossa Nova」のいなたさが好きで、たまに引っ張り出して聴いてにやけてしまうアルバムです…なんだかんだ言いつつ、要するに好きなんですね(^^)。


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『Quincy Jones / Smackwater Jack』

QuincyJones_SmackwaterJack.jpg ジャズ、クロスオーヴァー、ディスコと、アメリカの商業的な黒人音楽なら何でもござれなクインシー・ジョーンズが1971年に発表したアルバムです。レーベルはA&M…今ならクインシーとA&Mというキーワードで「大体こんな感じの音楽だろうな」と予想がつく程度にはレコード道に年季が入ってきた僕ですが(^^;)、このレコードを買った当時は、クインシーに対して「モダンジャズのビッグバンドアレンジャー」という知識しかなかったんです。だからギル・エヴァンスあたりの先鋭的なビッグバンド・ジャズをやっていると思い込んでました。でも中古盤で安く売っていたこのレコードを買って聴いてみると、思いっきりクロスオーヴァーだった(^^;)。予想とまったく違ったわけですが、でもそれがいい方に出たのでした(^^)。

 買う前に気づかない僕も僕なんですが、アルバムの中にマーヴィン・ゲイの「What's Goin' On」が収録されている時点で、クロスオーヴァーだと予想できた筈なんですよね。それにしても信じられないほどいい音がする録音!他にも、奇麗なブラス・アンサンブル、エレピやフルートやヴィブラフォンやハーモニカ(トゥーツ・シールマン!)の気持ちよさ…こういうものに浸っているうちに、すっかりクロスオーヴァーな洒落たサウンドの虜になりました。クロスオーヴァーは今でもにそこまで好物じゃないんですが、このアルバムは別。メッチャ好きです(^^)。

 もうひとつ嬉しい出来事が。昭和30~40年代生まれの方ならご存じ、ゴシップニュース番組「ウィークエンダー」のテーマとして有名な「テッテレッ、テレッテー」が入っていたのでした!あのテーマ、クインシーさんがアメリカのTV刑事ドラマ『鬼警部アイアンサイド』のテーマ曲として書いたものだったのです。あの音楽は番組用に作られたものだと思い込んでいたんですが、クインシーさんが書いた曲だったのかと知ってビックリ。それにしても、これもあまりの音の良さに完全に魅了されました。実は、「アイアンサイドのテーマ」は、このアルバム収録のものも神ですが、番組サントラは更にその上を行くカッコよさ。でも今となってはサントラ音源の方を手に入れるのは大変じゃないかと。

 何度聴いてもこのレコードは音が良くってビビります。さすがはレコーディング・エンジニアが見本にするCDだけの事はあるんだな、みたいな。クロスオーヴァーがそれほど好きでない僕ですら「ああ~これはいいなあ」と思ってしまう必殺の一枚、推薦です!


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『武満徹:《ジェモー》 《夢窓》 《精霊の庭》 若杉弘指揮、東京都交響楽団』

TakemituToru_Gemeaux_WakasugiHirosi.jpg 武満徹さんの管弦楽曲を集めたCDで、注目はなんといってもダブルオーケストラのための「ジェモー」。他の録音も少なく(もしかするとこのCDしかない?)、武満さんが書き上げるまでに15年かかった大作。15年かかって1曲か…ブラームスの交響曲第1番みたいだ(^^)。

 「ジェモー」の創作に時間がかかったのは、途中で委嘱者が降板したり、第1楽章の演奏会がキャンセルされたかららしいです。演奏や録音の機会が少ないのは、2つのオーケストラを必要とする点が大きかったのかも知れませんね。他にも、もともとは独奏者としてホリガーのオーボエとグロボカールのトロンボーンを想定していて…要するに、規模も話も大きすぎてとん挫したという事ですね(^^;)。ちなみに初演は東フィルと新日フィルのダブルオーケストラ、ソリストはグレッツナーとグロボカールだったそうです。
 音楽は、72年着手のわりに前衛っぽくなく、フワフワ宙をただようような武満サウンドがブワ~ンと鳴ってる感じ。ダブルオーケストラという事なので、オケがもっと対立していくのかと思ったんですが、意外とそうでもなかったです。ただ、和弦は少なくて、個々の楽器群がそれぞれのフレーズを演奏し、それが絡み合っていく感じ。そういうサウンドのオケでそれをやるのって、作曲も演奏も相当に大変だったんじゃないかなあ。独奏楽器も、いわゆるクラシックの協奏曲みたいにガシガシ演奏するかというとそうでもなくて、ぼっとして聴いてると「あれ、独奏パートあった?」と思うほど。というわけで、細かく見ると対立的かも知れないけど、全体としては「雨の樹素描」みたいな色彩の音楽に感じました。そういうドラマが4楽章最後に唯一出てくるフォルテシシモのレ♭にブワ~ってまとまっていく所は、機能和声音楽的ですらありました。
 こういった色彩の音楽という傾向は、85年と94年に書かれた他の2曲も同じこのCD、ありがたい事にモチーフになった和声の音符を武満さん本人が開示してくれてますが(これだけでも買った甲斐あった!若い頃は「おお!」と思ったもんです)、説明が丁寧なので、楽譜が読めない人でも「ああなるほど、こういう事を考えて作曲したのか」と分かるんじゃないかと。

 このCD、録音が恐ろしくいい!巨大オケだというのに、まるで室内楽のようにバランスがいい!残念な録音だった「武満徹室内楽全集」を作ったスタッフは見習ってほしい、これがキングとDENONの差ですね(^^)。ただ、80年代以降の武満さんの作風って、僕的には思いついた音の色がすべてという感じで、あんまり好きじゃないかも。色はいいけど、横に繋がっていくものがとぼしくて、15分も20分も集中して聴いてられない自分がいるのです(^^;)。印象派のドビュッシーラヴェルも、武満サウンドの最初のアイデアになったメシアンも、ドミナントを使わずとも時間軸の流れがもとしっかりしていたと思うんですよね…。


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『武満徹:ピアノ作品集 ピーター・ゼルキン(p)』

TakemitsuToru_PianoSakuhinshuu_PeterSelkin.jpg 色んなピアニストの武満ピアノ作品集をとりあげておきながら、ピーター・ゼルキン演奏のものを取りあげていないとは、なんていい加減なブログなんでしょう(^^;)。
 クラシックの作品の出来上がり方のパターンのひとつは、オケなりプレイヤーなり公演主催者が作曲家に委嘱するというものです。武満さんにとってピーター・ゼルキンが特別なのは、ゼルキンさんが武満さんに作曲依頼をしたからです。たしか「閉じた眼Ⅱ」あたりはゼルキンさんの委嘱作品だったはず。ピアノはモーツァルトから現代までレパートリーがズラリと揃っている楽器なので、その状況で自腹を切って新作を委嘱するんですから、これはメッチャ意識が高い行為だし、立派な事と思います。だって、新曲ゼロで、ありものの有名曲を並べるだけのリサイタルってあるじゃないですか。古楽の特集をするとか特別な事情があれば別ですが、一定レベル以上の演奏家がリサイタルでそれをやるのはインチキだと思うんですよね。
 そして、作曲家って委嘱してきたプレイヤーと色々やりとりしながら作品を完成させるのが常なので、武満さんのピアノ曲の一部には、間違いなくゼルキンさんの色が入ってるはずなのです。そういう意味で、ゼルキンさんや高橋アキさんの武満作品の演奏は、他の人の演奏とはちょっと意味合いが違うのです。

 さてこのCD、録音が4回に分かれていて、場所も時代も違います。ただしホール録音はなく、すべてスタジオ録音。それでも音質や演奏に統一感があって、寄せ集めに聞こえませんでした。また、半分以上の曲が、武満さん本人立ち合いで録音したとの事で、そういう意味でも特別な録音じゃないかと。
 どの曲にも共通して感じたのは、響きがあたたかく、テンポが遅め、高橋アキさんのようなアタッキーな演奏ではなくて、タッチがソフトな事でした。ゼルキンさんのタッチのソフトさは、鍵盤をおさえる力自体はむしろ高橋さんや藤井さんより強く感じるので、指を落とす速度の問題な気がしました。結果どうなったかというと、音の混ざり方が強く、中域の膨らんだ音色になるので、余韻も温かみが増す、みたいな。一方、犠牲になっているのはアタック感で、これが武満音楽の非人間的な感触から離れた原因かも。
 比較でいうと、いちばん人間的なぬくもりを感じる演奏がゼルキンさん、抜群にうまいのが高橋さん、スコアの意図を綺麗に汲み取ったのが(というか、現代的な解釈をした演奏が)藤井さんやウッドワードさん、みたいな。ウッドワードさんと藤井さんの演奏を聴き分けるのは難しいですが、それ以外はブラインドでも演奏者を当てられるぐらいに演奏が違います。これはもう色の違いなので、どれが優れていてどれが劣っているという事ではなく、聴く人の好みじゃないかと。

 クラシックのピアニストを目指し、途中で無理と断念して作曲科に移って現代音楽の勉強をした日本人の僕にとって、武満さんのピアノ曲は、演奏面から見ても作曲面から見ても、自分の求めてるものが何もかも入った音楽。好き過ぎるのです。そんなわけで、気がつくと武満さんのピアノ曲の録音をいっぱい持っていたのでした。今回武満さんのピアノ曲のCDをまとめて聴いた目的のひとつは、聴き比べて数を減らすつもりだったんですが、これだけ色が違うと決断がむずかしい(^^;)。ただ、ゼルキンさんは他の凄すぎる演奏に比べると少し見劣りするかも…いや、やっぱり捨てがたい(^^;)。それにしても、あらためて素晴らしい音楽と感じました。武満さんのピアノ曲、絶品です。


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『武満徹:高橋アキ plays 武満徹』

TakemituToru_TakahasiAki plays 武満徹ピアノ曲、藤井一興さんの演奏に感動しましたが、うまさでいえばこっちが凄い!高橋アキさん演奏による武満ピアノ作品集です。1曲目「閉じた眼」を聴いただけで、「あ~これは別格だわ」と思ってしまいました。2000年録音。僕は、高橋さんの武満作品の演奏は、『響きの海』という武満室内楽全曲演奏会で体験していて、とんでもない凄さだなと思っていたので、中古盤で見つけた時に躊躇することなく購入。このCDは完全なスコアが現存しない「2つのレント」はもとより、武満さんの没後に発見された「ロマンス」まで入ってました。武満さんの代表的なピアノ曲は大体収録かな?僕が知ってる曲だと、入ってないのは図形譜の「コロナ」ぐらいかも。

 高橋アキさんのピアノは、テクニックのレベルが別格です。日本だけでなく世界的に見てもすごいんじゃないかなあ。演奏困難なピアノ曲を書く世界の現代音楽の作曲家が、こぞって「タカハシに演奏して欲しい」というほどですからね。ある指揮者なんて、高橋さんによる石井真木さんの新曲の初演をきいて、「録音したピアノと共演した作品なんだな」と思ったんだそうです…別のテンポのピアノが同時進行していたので、ひとりで演奏できる曲とは思えなかったから、そう思っちゃったんだそうな。このCDの演奏も、高橋さんの凄さ完璧さが見事に出ていて、何となく弾いてしまう所なんてひとつもない、この曲ってたった今即興であふれ出て来たんじゃないかという思うほどの生々しさ。生きた演奏です。これは異次元、完璧でしょう!
 ただ、カツーンと冷たい響きや神秘的な部分が、武満ピアノ曲の特徴のひとつと思っていた僕からしたら、あのスコアをこんなに人間的に演奏していいのかと、ちょっと戸惑ってしまいました。「遮られない休息」なんて、非人間的なところがゾクッとする音楽と思っていたのに、まるで人の感情表現であるかのような音楽になってるし。ギターの福田進一さんが演奏した「All in Twilight」もそうですが、ある時期から、武満さんの音楽って、こういうプレイヤーの身体を感じる演奏が主流になっていったように感じます。90年代以降って、戦後間もなくの現代曲的な解釈をしなくなってきたのかも。

 このCD、録音もいいし、演奏も完璧、おまけにこの1枚で武満さんのピアノ曲はほぼ網羅できるので、けちのつけようのない1枚だと思います。レーベルがイーストワークスだからとか、プレイヤーが日本人だからと軽く見たら損をする名演!録音もメッチャ素晴らしくて、これを武満のピアノ作品の最上のCDと感じる人も多いはず。ただ…僕にとってこれはエスプレッシーヴォすぎる演奏かな(^^;)。いや、本当に完璧だと思うんです、単に好き嫌いだけの問題だけで。


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『武満徹:鍵盤作品集成 藤井一興(piano)』

TakemituTooru_Kenbansakuhn_Fujii.jpg 以前、藤井一興さんのピアノによるCD『武満徹ピアノ作品集』の感想を書いた事があります。武満さんのピアノ曲は素晴らしい作品が多いので、曲だけで名演になってしまう事が多くて、いい録音が結構あります。そんな中、藤井さんの演奏は、きれいな音をした録音を含めて、研ぎ澄まされた居合抜きのような演奏で、僕はメッチャクチャ好きなのです。そして最近、こんなCDを見つけました。あら?藤井さんの武満ピアノ作品集、ジャケットが変わったのかな?まえのCDは82年録音、こっちは90年録音(「雨の樹素描Ⅱ」だけ95年録音)…別の録音だああ!!貧乏な僕は曲のダブりはなるべく避けるようにしてるんですが、こっちには前に発表されたCD に入ってない「リタニ」「閉じた眼Ⅱ」「雨の樹素描Ⅱ」「夢見る雨」が入ってるぞ。。あ、でも「2つのレント」は入ってないのか。う~んどうしよう…買っちゃいました(^^;)。妻には言えないな。。

 息を潜めて聴いてしまいました、素晴らしい!フォンテックから出ている藤井さんの武満ピアノ作品集って、2枚とも実は録音が素晴らしくて、それで演奏も3割増しで聴こえるのかも。武満さんのピアノ曲って、ちょっと難しいリズムなので初見は苦労するんですが、一度体に入れると超絶的なスピードを要求されるところはないので、けっこう演奏出来ちゃうんです。そんな武満さんのピアノ曲ですが、藤井さんの演奏って、アーティキュレーション以上に音色な気がしてしまいます。もちろん藤井さんのタッチが素晴らしいですが、音の美しさには録音もある気がしました。最初のCDの方がホールの響きが多くてこちらは少ないですが、音のコンセプトは同じ。この「あったかいんじゃなくて透明感がある」「太いんじゃなくて高音が綺麗に抜ける」みたいなところが、武満さんのピアノ曲に絶妙にマッチしてる気がします。
 そして、もし2つのCDのうちどちらだけを聴くなら…曲数はこっちがお得。「2つのレント」以外は、1枚目に入っていて2枚目に入ってない曲はないです。では録音&演奏は?聴き比べて初めて分かるぐらいの感じでしたが、「閉じた眼」あたりで比較すると、前のCDの方が演奏にキレがあるかな?どちらも素晴らしいんですが、前のCDの方は「うわ、これはすごい…」と、ゾッとする感じがありました。もちろん、こっちも素晴らしかったんですよ!

 前に紹介したCDから「2つのレント」がカットされていますが、もしかするとそのあたりに再録した理由があるのかも。「2つのレント」って、楽譜の断片しか残ってないはずなのです。そしてそれを改作したのが「リタニ」。このCDには「2つのレント」に代えて「リタニ」が入ってるので、まあそのあたりに何か事情があったのかな、と。僕は武満さんの音楽を聴いていると、雨の石庭をずっと眺めているような気分になってきて、死んだ後もこの景色は残るんだろうな、みたいなことを考えたりするんですが、その体験って、実は藤井さんが演奏する武満作品が元祖だったのかも。う~ん素晴らしい、やっぱり藤井さんの武満曲の演奏は、僕にとっては鳥肌ものです。


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『Foghat / Rock and Roll Outlaws』

Foghat_Rock and Roll Outlaws 『Energized』と同じ1974年発表、フォガット4枚目のアルバムです!フォガットといえば『Fool for the City』と『Live』が名盤として伝えられてるだけで、あとのアルバムはほぼ聴かれない…というのが日本での相場になってる観がありますが、実はこの『ロック・アンド・ロール・アウトローズ』と76年の『Night Shift』がガチ。このアルバムは、僕は聴いてすぐに「いい!」と感じたわけではなかったんdねすが、引っかかるものがあって何回も聴いてるうちに虜になってしまったスルメなアルバムでした。ブギのリズムの強烈さではたしかにこれが最高傑作かも。

 サヴォイ・ブラウンやブラックキャット・ボーンズというイギリスの名ブルースバンド出身のメンバーで作られたフォガットなので、メンバーのプロフィール的に思いっきりブルースロックになるかと思いきや、そうなりません。このバンドの音楽は3つの要素から出来ていて、ひとつはロック、ひとつはポップス、もうひとつはブルース。この3つのバランスが、アルバムごとにあっち行ったりこっち行ったりするんです。そして、ふたつ目のポップスな要素がこのバンドの面白さのひとつと同時に弱点にもなりかねない諸刃の剣で、いい意味でいうとスリーコードでペンタトニックなブルースバンドと違って、転調もすれば展開も出来て、これが単純なブルース系のロックから脱却する要素になってると感じます。一方でこのポップさが実力派バンドのフォガットをショーバンドのように感じる要因にもなってるという(^^;)。硬派なブルースロック信者からは、サヴォイ・ブラウンをやめて売りに走ったように見えてしまうかも知れないという怖さがあるところ。
 そんな危ういバランスの上に成立してるバンドですが、このアルバムはショー的な要素が少なく、女性コーラスやホーンの参加もなし。バンドのプレイだけでの真っ向勝負!曲もポップな曲はなくブギーにブルースにロック、曲を展開させまくったり演奏勝負でギターソロを大フューチャーしたりしているうちに6分超えになる曲が3曲と、実にガチです(^^)。フォガットのファンの間では、「これがフォガットのベスト・アルバムだ!」という人も結構いるみたいですが、『Night Shift』はちょっとハードロック過ぎてフォガットらしくない所もあるので、ガチ勝負のアルバムでこっちがベストという気持ちは分かる気がします。たしかにカッコいい。。
 若いころに僕がよく分からないと思ったのは、たぶん長い曲なんでしょうね。間奏で展開して最後に転調して最後にテーマに戻ってきてラスト・コーラスに入る1曲目「Eight Days on the Road」なんかは、アホな中学生には難しすぎた(^^;)、でも分かってくるとたまらなく感じるのは当然です。同じ事が最後の「Chateau Lafitte '59 Boogie」にも言えて、最初に聴いた時は明確なメロディラインも感じられないただのロックで長いジャム・セッションみたいに感じていたものが、聴いているうちに、イントロと間奏のスライドギターのカッコよさに気づいてぶっ飛び、間奏中で転調が繰り返され、曲の要所要所でズバズバとトゥッティが決まり…などなど、曲の構成とバンドのうまさに感激!

 そんなわけで、これはバンドが売る事を度外視して自分たちのやりたい事を本気でぶつけてきた唯一のアルバムなんじゃないか…そんな気がします。とくに「Chateau Lafitte '59 Boogie」は必聴!!


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『Foghat / Energized』

Foghat Energized 邦題は『電撃のフォガット』、フォガットのサードアルバム、1974年発表です!サヴォイ・ブラウンのメンバーがごっそり脱退して作られたフォガットがポップでロックなハード・ブギー・バンドとしての音楽性をはっきり確立したのは、このアルバムからだったんじゃないかと。

 1曲目の「Train Kept a Rollin’」(このアルバムだと「Honey Hush」というタイトルになってます)のアレンジが、ヤードバーズやオリジナルのビッグ・ジョー・ターナーとまるで違って、えらくハード!でもどこかポップ。つまり、フォガットな感じです(^^)。それは、バディ・ホリーの「That’ll be The Day」も同じで、ギターがドライブしまくってロック、でも曲はポップ。グランド・ファンクがやった「Locomotion」みたいなもんですね。

 個人的に大好きなのが、超傑作アルバム『Foghat Live』にも入っていた「Home in My Hand」。スタジオ録音はホーンセクションが入ってさらにポップ、でもギターはギュインギュインいっててしかもむっちゃくちゃうまいので、えらくロックでもある所がたまりません。フォガットは、リード・ギターにブラックキャット・ボーンズのロッド・プライスを連れてきたところが成功の原因だったんじゃないでしょうか。ロッド・プライスが図抜けてうまく、しかもロックなんですよね。

 同時期のロックでポップなバンドというと、AC/DC とかエアロスミスとか色々いますが、フォガットはさすがスタジオミュージシャンの集団だけあって演奏のレベルが違いました。また、イギリスのバンドだけあってアメリカのロックバンドの雑さやいなたさとは無縁で、洗練されてます。曲もいいし、ベアズヴィルというローカル・レーベルと契約しなければもっと売れていたバンドなのかも。


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『Foghat / Rock & Roll』

Foghat_rockandroll.jpg サヴォイ・ブラウンという渋いブルースロック・バンドから独立して作られたフォガットのセカンドアルバム、1973年発表です。このアルバム、タイトルがファーストアルバムと同じ『FOGHAT』なんですが、それだと見分けがつかないので、ジャケットの岩(Rock)とロールパン(Roll) を合わせて通称「Rock & Roll」…な~んてのは、ネット時代になってから知った事で、僕が若いころは普通にセカンドって呼んでました。

 なかなか渋カッコよかったファーストアルバムと比べて、ものすごくポップなロックでした。1曲目から女性コーラスが入るし、名盤『Foghat Live』にも収録された「Road Fever」も、ブラスが入ってえらく軽い(^^;)。面白い曲もいっぱいあって、ギターのカッティングがアウフタクトから始まる「I Feel So Bad」とか、歌とギターが掛け合いになっているという「Helping Hand」とか、意向を凝らした曲が満載。
 このポップさを聴いて、3大ブリティッシュ・ブルース・バンドの猛者が集まったバンドが、なんでベアズヴィルなんていうアメリカの小さいレーベルと契約したのか、その理由が分かった気がしました。巨大マーケットのアメリカで売れたかったんだな(^^)。バンドの看板ギタリストのロッド・プライス(ブラックキャット・ボーンズというめっちゃ渋いイギリスのサイケ気味なブルース・バンドにいた人)が脱退するまでのフォガットのアルバムでは、これがいちばんポップと思います。

 フォガットは8枚目までと『Girls Chat & Boys to Bounce』だと思ってる僕ですが、その中での異色作。ジャケットがダサく感じた上に、ホーンセクションがとにかく嫌いだった若いころの僕は、初期フォガットの中では敬遠気味のアルバムだったんですが、いま聴くとなかなか楽しいポップロックでした (^^)。


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『Black Cat Bones / Barbed Wire Sandwich』

Black Cat Bones_Barbed Wire Sandwich 70年代に、フォガットというロックバンドがいました。ブギーをやらせたらZZトップかフォガットかというほどにかっこいい!そんなフォガットのメンバーは、ほとんどがサヴォイ・ブラウンというイギリスのブルース・ロック・バンドに雇われていたミュージシャンですが、唯一サヴォイ・ブラウン出身じゃないロッド・プライスというギタリストがすごいんですよ!そのロッド・プライスがいたのがブラックキャット・ボーンズで、これは1970年のアルバムです。LP時代はレア盤として有名で、見つけるだけでも困難、仮に見つかったとしてもすごい高いお金出さないと買えないアルバムでした。

 まだクソガキだった僕は、「黒猫の骨」というバンド名からヴ―ドゥー教や黒魔術みたいなものを連想して、面白い音楽が聴けるんじゃないかと思ったんです。そういうのに惹かれちゃうところが子供でしたね(^^;)。。ところがいざ聴いてみると、普通のブルースロックでした。でもさすがロッド・プライス、フォガットの時ほどの縦横無尽さはないものの、それでも素晴らしいプレイ。チキン・シャックみたいな「おお、B.B.キングみたいな泣きのギターだ!」という味で勝負じゃなくて、ブルース・ブレイカーズにいたころのクラプトンみたいに弾きまくっちゃうロックなブルース・ギター。旋律だけ弾くんじゃなくて、ジミヘンみたいにひとりでコードも旋律もぜんぶ弾いちゃうんです。クラシック・ギターを聴くようになってからは、そんなのギターでは当たり前のことなんだと知るようになりましたが、まだロック野郎だった子供のころ、一人でリードギターもサイドギターも演奏しちゃうのはすごかったしカッコよかったです。やっぱりロッド・プライスはいいなあ。

 というわけで、ギターは悪くはないんですが、ヴォーカルは弱いし音楽に個性はないし…幻のレコードになってしまった理由が分かった気が(^^;)。こういう数多あるバンドの中から光る人たちだけが次のバンドを組んで…という事を繰り返して、いいロック・バンドが完成していったんでしょうね。レッド・ツェッペリンクリームディープ・パープルもフォガットも、みんなそうやって完成していったバンドなんだと思います。


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『ナイルの詩 エジプトの近代歌謡』

Nile no si_Egypt no KindaiKayou エジプトの古典音楽を聴いてきたものの、いまだに僕のエジプトのイメージはピラミッドにスフィンクスにラクダ…2000年前で止まっていますね(^^;)。日本といって忍者や侍を想像する外人を笑う傾向にありますが、人の事を笑えない、それどころかピラミッドを思い浮かべてるようじゃ忍者の10倍は遅れています(^^;)。というわけで、近代のエジプト音楽も聴いてみよう、そうしよう。

 おお、この歌謡音楽を聴いて最初に思い浮かべたのは、インド映画でよく流れてる怪しい合唱音楽。あれにそっくりでした(^^;)。なるほど、南アジアや西アジアで、西洋楽器を使わず伝統楽器を使って西洋型の歌謡音楽を作ると、あんな感じになるのか。普通にドミナントとか転調とかあるしね、これは表現や楽器や匂いはエジプト、形式は西洋音楽です。19世紀後半にイギリス支配を受けて西洋音楽が入り込んで、でも民族運動がおこって西洋の丸パクリは避け、文化侵略を巧妙に避けてここに至る、という事なんですね。

 これがなかなかどうして魅力的な音楽。伝統を守るのも大事、外から良いものを取り入れるのも大事ですが、それらを止揚してさらに良いものを作り上げるのが一番大事じゃないでしょうか。音楽文化的には、インドから西アジア、そしてエジプトというラインは一本という気がしました(^^)。


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『ナイルの調べ エジプトの古典音楽』

Nile no sirabe 1991年にキングレコードが日本録音したCDです。ルバーブもアルグールもミズマールも入っておらず、カーヌーン、ナーイ、ウードによる独奏で、すべてマカームでした。そうそう、カーヌーンはツィター属の楽器でした。あと、このCDの解説ではじめて知ったんですが、ナーイはアンダルシアからヨーロッパに入ってフルートの起源になったそう。という事は、トルコ方面からヨーロッパに入ったんじゃなくて、アフリカ大陸のマグリブを通ってスペインから入ったのか。楽器や音楽の歴史って、文化の伝播の歴史をあらわしていて面白いです(^^)。

 OcoraのCD『Egypte: Les Musiciens du Nil』の感想で、エジプトの音楽はアラビア音楽ではあるけどイランやイラクほど高度じゃなかった、なんて書きましたが、全然そんな事ありませんでした。3つの楽器とも、メチャクチャうまい!個人的には、特にカーヌーンの音色の美しさと演奏にやられました。カーヌーンはツィター属なのでメカニカルでクールなものになるかと思いきや、技巧の凄さだけでなく、歌うような演奏で、躍動感がすごい!このCDの演奏はタクシーム(即興)みたいですが、演奏はアブドル・ラフマンという人。いやあ、即興演奏の最高峰はやっぱり西アジアだわ、これはすごい。タクシームだから、パーツはともかく組み立ては本人だと思うんですが、これが見事。

Kanun_photo.jpg ウードの演奏も素晴らしかったです。クラシックギターとかフラメンコみたいに、撥弦楽器でバスとメロディを同時に演奏しちゃうプレイって、僕はみんな魅了されてしまうんですが、西アジアのサズやウードやタールの演奏ってその技術をふんだんに使った上に即興で演奏しちゃったりするので、聴いていて引き込まれてしまいます。しかも、このCDで演奏しているサイード・フセインという人、めっちゃ速弾きだし(^^)。タッピングじゃなくて全部右指でタッチしてこの速さはすごい…。いや~、カッコよかった!

 OcoraのエジプトものCDのプレイヤーは吟遊詩人というか流しというか、そんな感じだったのに対して、こっちのCDのプレイヤーはエジプト国立アラブ音楽アンサンブルという所のメンバー。一流クラシック・オケのメンバーみたいなものなので、うまいわけだわ。あとこのCD、スタジオ録音でものすごく音がいいです。現地録音とは別の良さがありますね(^^)。これは超おススメ、超一流のタクシームを聴くことが出来ます!


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『エジプト:ナイルの恩寵 上エジプトの音楽 Egypte: Les Musiciens du Nil』

Egypte_Les Musiciens du Nil フランスの民族音楽レーベルOcora がリリースした上エジプト音楽のCDです。上エジプトというのは、アシュートからアスワンまでのナイル川の渓谷にそって広がる一帯の事だそうです。この地域にあるルクソール市(位置的には、ナイル川下流から遡ると、カイロとギザが大体同じ、アシュート、ルクソール、アスワンという順)にはルバーブ奏者がたくさん住んでいるそうで、プロの放浪音楽師はアラティアと呼ばれるそうです。あ、そうそう、ルバーブは二胡みたいな擦弦楽器で、ルーツはペルシャ。アラティアは結婚式や祭りや祭祀にも呼ばれ、叙事詩や宗教歌を朗誦するそうです。

 このCD、前半はナイルの音楽家の演奏で、メインはルバーブと歌でした。楽器は基本的にマカームに基づいていて、タクシーム(即興演奏)もありましたが、なんせルバーブの演奏なもんで独特。歌が絡むとさらに独特で(歌はリーダーと追従する複数人、みたいな形が多かったです)、同じメロディを繰り返して歌のコール&レスポンスをくりかえしながらアッチェルしたりア・テンポになったりする感じ。

UpperEgypte_photo.jpg 後半4曲はダブルリードの楽器の合奏でした。5~6曲目はアルグールがメインの音楽。アルグールはダブルリード楽器で、由緒あるエジプトの楽器だそうです。これがアンサンブルで演奏されると、なんとバグパイプみたい。バスにドローンがいるからだな…。7~8曲目は、ミズマールというオーボエに似た楽器の合奏。これはアルケールの音楽にそっくりでした。

 上エジプトの音楽はアラビア音楽ではあるんですが、イランやイラクみたいな高度さは感じず、同じ音楽を奏でながら速度が変化していく音楽でした。ひと口にアラブと言っても、地域によって色々と変化するんですね(^^)。


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『リビア:サハラ砂漠の伝統音楽 Libye : Musiques Du Sahara | Touareg de Fewet』

Lybie_Musiques Du Sahara 民族音楽レーベルMusique du monde がリリースしたリビアの民族音楽のCDです。録音は1978年(もしかするとリリースが1978年なのかも)。録音場所は地中海沿岸から600キロ離れたサハラ砂漠北部、リビアの中でもアルジェリアやニジェールに近い場所にあるフェザン地方という場所。ここにはヤシの木立のまわりに住んでいる遊牧民のアラブ人、スーダン語を話すトゥブの隊商、そしてトゥアレグ族が住んでいるそうです。このCDに収録されているのはトゥアレグ族の音楽でした。

 マグリブの音楽というとお客さんに聴かせるアル・アンダルースという大衆歌謡もありますが、これは自分たちで歌って楽しむ(あるいは部族として何かの意味を持っている)音楽のようでした。音楽的に言うと、トルコあたりのアラビア音楽、スーダンあたりで聴かれる北東アフリカの音楽、そしてフラメンコのハイブリッド、みたいな。ウード弾き語りをしている男性がメインで、これに対して複数の女性コーラスが各種打楽器を叩きながらユニゾンでレスポンスします。

Libya_tuaregu and sahara ウード弾き語り部分は高度なマカームに基づいている感じはなくて、もっとシンプルなパターンを繰り返しているみたいでした。アラビアのフォーマルな伝統芸術音楽よりラフ、クルド人の音楽よりさらにラフに感じました。遊牧民の音楽なのかも。
 そして、ウード弾き語りとはコール&レスポンスの関係にある女性コーラス。これが中央アフリカあたりの複雑なポリフォニーとは違って、スーダンのブルーナイル州で聴いたことのあるプリミティブなユニゾンに似ていました。たまに奇声での合いの手が入るんですが、これだけがややポリリズムなぐらいで、あとは本当にユニゾン。そうそう、動物の鳴き声を模倣したような奇声の入れ方も、スーダンのブルーナイル州の音楽に似てました。近いですから、文化に重なる部分もあるのかも。
 そして、コーラス陣が歌いながら叩いている打楽器。ものは金属カスタネット、メンブレンドラム、手拍子あたりなんですが、このリズムの入れ方がフラメンコそっくりでびっくり!マジでコンパスに基づいてるんじゃなかろうか。。リビアはマグレブなので、アラビア音楽の旋法性とアフリカ音楽の複雑なリズムが混じって、フラメンコの原型になった音楽が生またのかも。これはすごい。

 イメージだけで言えば、サハラ砂漠というより、集落にある共同の中庭みたいなところに集まってやっている音楽のように感じました。地理的に当然ですが、本当に少しアラビア、少しアフリカで、このブレンド具合が絶妙、よかったです!カダフィ政権という政治的な理由があったのか、それともサハラでの録音が過酷だったのか、リビアの民族音楽のCDってあまり見かけません。そういう意味でも貴重な録音じゃないかと。よかったです!


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GOM PLAYER のブックマーク・データの保存場所!

GomPlayer.jpg 動画再生ソフト、僕は色んなものを渡り歩いてきましたが、ある時期からずっと使うようになったのがGOM PLAYER というソフトです。韓国製で、一時マルウェア感染すると騒がれて一時使うのをやめたんですが、今はまた使うようになっています。再生できないフォーマットもないし、色々と使いやすいんですよね。

■GOM PLAYER のブックマーク保存場所
 このソフトはブックマーク機能がついていてそれが非常に便利。そしてこのブックマーク、動画に直接データが書かれているわけではなく、別途ブックマークをxml文書として保管してあります。PCの引っ越しの時、このxmlファイルがどこにあるかで探すのに手間取ったので、備忘録として残しておこうかと。あ、ちなみにこれはWindows10 の場合です。
C:\Users\ [ユーザー名] \AppData\Roaming\GRETECH\GomPlayer\bookmark.xml

■ブックマーク登録した動画の保存場所を移動したときは?
 GOM PLAYERのブックマーク機能は、動画を別フォルダに移動した時に、自動で書き変えてくれません。こうなるとせっかく一生懸命つけたブックマークも全部台無しに。1個や2個ならいいですけど、なん十ヶ所もブックマークをつけたものとなると、もうね。。
でも、そういう時はxmlに書き込まれている動画の保管場所を自分で書き変えればオッケー。

 以上でした!


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映画『マッドマックス サンダードーム』 メル・ギブソン主演

mad max thunderdome オーストラリア制作の大ヒット映画シリーズ「マッドマックス」の第3作、1985年制作です。主演は前作に続いてメル・ギブソン。そして、僕がマッドマックスを見限った作品でもあります(^^;)。。

 僕はマッドマックスが大好きなんです。1作目も2作目も、これまで何度観たか分かりません。グースのバイクにあこがれて、バイクにバックステップをつけた事もあるほどで、青春時代に心を震わせまくったわけです。それほど好きなもんだから、可愛さ余って憎さ百倍、この3作目はマジでなかったことにしたかった(^^;)。。

 マッドマックスって、倫理の破綻に心を震わせる映画じゃないですか。殺人を何とも思わない狂気と、そういうヤツを相手にしても生き抜いてしまう無頼漢の主人公にヒーローを感じるわけじゃないですか。ところが争っている相手がいい奴だったりしちゃうと、もうそれはマッドマックスじゃない。
 格闘試合で客も選手もお行儀よくルールを守ってるなんて、マッドマックスじゃないです。1作目や2作目だったら、リングにあがった奴をまわりで見てるやつがリンチして殺しておしまいだって。なんでみんないい子にルール守って眺めてるんだよ。これじゃマッドマックスどころか、ハリウッドで大量に作られてるご都合主義のセガールな映画とおんなじじゃねえか、みたいな。。

 というわけで、僕的には『スーパーマン4』や『ランボー3』なみに、無かったことにしてほしい続編映画なのでした。大ヒット作の続編って、なんでうまくいかないんでしょうね。外れなしのシリーズ作品って、ちょっと思いつかないなあ。


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『MAD MAX 2 –Road Warriors– original motionpictuire soundtrack』

Mad Max 2_soundTrack 映画『マッド・マックス2』のサントラ盤です。これも1作目のサントラに続いてメッチャクチャかっこいい!
 このサントラには思い出がありまして…高校生の頃の運動会で、友だちが放送委員だったんです。それで「リレーの時、BGMでこれ流せよ」な~んてみんなで企んで、あの最後のカーチェイスのシーンの音楽を流しました。学校にあった運動会の典型的なBGMなんかとは比べ物にならない迫力で、リレーが白熱した事は言うまでもありません。

 マッド・マックス2の音楽も、徹底してハードでダークでやばカッコいいです!1の方もカッコいいんですが、あっちはマックスの奥さんの音楽がバラードだったりと、少しは息をつく間があるんです。でも2作目のサントラはバラードなんて一切なし、最初から最後まで生きた心地がしねえ。やばいよやばいよ。
 どれもカッコいいんですが、僕的に大好きな曲はふたつ。ひとつは、映画でナレーションが終わって最初のカーチェイスのシーンに入ったところで流れるトランペットのテーマ。これは一瞬なんですが、ムッチャクチャにカッコいい上に1作目からの続きというのがこの4小節で分かるという優れもの(^^)。
 もうひとつは、最後の壮絶なカーチェイスシーンで流れる「ン!チャッ!ン!チャッ!ン!チャッ!ン!チャッ!」というあれ。僕的にはドリフのコントの落ちで流れる音楽に並んで、一生忘れないBGMです。これを運動会で流したわけですが、「このカーチェイスに負けたら命はない」という緊張感、ロード・ウォーリアー達の恐怖、強く前に進む感じ…よくもまあここまで映像に合う音楽を作れたもんだと感動してしまいます。これも車で聴いてはいけない曲で、気がつくと法定速度なんて簡単にオーバーしてしまうので気をつけろ!!

 そうそう、2のサントラは、スネアドラムのスナッピーをいかした演奏、それを少し加工した音作り、こういう所で独特の戦闘的なムードを醸し出しているんだと思いました。なるほど、ランボー2のサントラは、これを参考して作ったのかも。。「最近、テンションがあがらないなあ」「自分の元気がなくなってる」「朝起きるのが辛い」「倦怠感が続く」「人を殴りたくて仕方がない」な~んて人に大推薦の1枚です!


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映画『マッドマックス2』 ジョージ・ミラー監督、メル・ギブソン主演

MadMax2.jpg 前作のヒットを受けて制作されたマッドマックス第2弾、1981年の作品です!これも強烈なインパクトで、僕の記憶に深く刻まれている映画です。マッドマックスは1と2が甲乙つけがたい素晴らしさ、最高です!

 大きな戦争で荒廃してしまった近未来の世界。車は前文明が残したものが残っているだけで、それを修理して使っている状態。車だけでなく、ガソリンも武器も何もかもが貴重。しかも、戦争で国が滅んで無政府状態になっているので、道路は暴走族が占拠、強奪が当たり前です。この世界で唯一残ったV8に乗っているマックス(メル・ギブソン)は道路の一匹狼で、ガソリンを求めてうろついています。そして製油所に辿りつきますが、その製油所はヒューマンガス率いる暴走族に攻められまくり、籠城している人々は恐怖のあまり、ガソリンを明け渡して逃げ出そうという人と、戦おうという人で意見が分かれています。マックスは、人々が別の街に逃れるため、ガソリンを積んダタンカーを運転する役を引き受けますが、これを暴走族が襲撃、死のカーチェイスが始まります。

 1作目はリアルな暴走族映画でしたが、2作目は現実からはなれた感じ。でもそれが悪い訳でなく、確固とした世界観をつくり出していて、観ていて引き込まれました。強烈にパンクな世界観が凄まじいです。暴走族は、彼らのいる道路に出た製油所の人を捉え、車の前や天井に縛りつけて脅迫に来ます。そして製油所の人々が交渉に応じないと、製油所の人々から見える所で人質を処刑、火あぶりにします。道路に来たものは皆ごろしにして強奪するのです。やる事に人道主義だの倫理なんてものがまったくないのです。
 彼らはアメフトのプロテクターやホッケーマスクをつけて、モヒカンで…このビジュアルが、マッドマックス2の暴走族のヤバさを見事の形にしていたと思います。こういう恰好をしたパンクな世界像の映画や漫画って結構ありますよね。それは全部マッドマックス2が元ネタじゃないかと。それぐらいエポックメイキングな映画だったんじゃないかと。

 そして、最後のタンクローリーを巡るカーチェイスが強烈!この映画は81年作ですが、これを超えるカーチェイスシーンは今もないんじゃないかと。CGの時代になった今では、もうこの強烈なスタントは撮影不能でしょう。
 このカーチェイスシーン、スタントもすごいですがなにより音楽が燃えました。回頭シーンの「ズン!チャッ!ズン!チャッ!ズン!チャッ!」ってやつ、やばカッコ良すぎませんか?あまりに素晴らしくて、僕はサントラ買っちゃいました(^^)。

 マッドマックスは、1作目も2作目も、倫理観の破壊が強烈です。普通の暴力映画とかだと、悪役も同じ倫理を持っていて、交渉できたりするじゃないですか。でもマッドマックスの1と2はそういうのがまったく通じません。自分たちが暗黙のうちにあたりまえだと思っているモラルを破壊しに行ってるんですよね。人間って、正義を守ろうとしなければ、実はこれぐらい非常になれてしまう生き物なんだと思います。キリストを十字架に張り付けて手にくぎを打ちつけたのは悪魔でもなんでもなく人間でしたし、スパルタカスら何百人もの反乱軍を十字にかけてローマの街道沿いにさらしたのも人間。考えられる限界のモラルは快が生み出す強烈な緊張感、それがマッドマックスの魅力だと僕は思っています。


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『MAD MAX original motionpictuire soundtrack』

MAD MAX soundtrack ムッチャクチャ好きなバイオレンス映画「マッドマックス」のサントラ盤です。若いころ、車の中で聴きたいと思って買ったんですが、いざそうしてみると危険すぎる事が判明しました。気がつくと「ナイトライダー、俺はハイウェイの支配者だボケええ!!!」とか叫んでアクセルをべた踏みしたくなる衝動が押えきれなくなってる自分がいたのです(^^;)。きっと煽り運転はこうして起きるんですね、あぶないあぶない。それ以来、テンションが低いときにうちで聴いて無理やりテンションをあげるための1枚となっています。

 基本的に管弦楽曲なんですが、バイオレンス映画ならではの工夫が色々ありました。管弦と言っても弦が高い方で美しく響くなんて事はまずなくて、チェロやコントラバスが下の方でズズーンと響く!これはヤバい。ヴァイオリンチームはヒステリックにトレモロしたり、不安をあおるような音しか出しません。たぶん、ホルストの惑星を参考にしたスコアなんでしょうが、鮮烈な映画のイメージもあって、ゾクゾク感がヤバいっす。

 そんな中、疾走感を表現するのが金管楽器チームで、とくにトランペットがスッパーンとカッコいい!このスコアの場合、トランペットはインターセプターやV8なんかの警察車両の疾走感やカッコよさを表現する役割なんでしょうが、これが絶妙です。マッドマックスの1と2はどちらも似たスコアですが、1の特徴はトランペットだと思います。あと、ときどきトランペットの音にディレイをかけてありますが、これがクラシックではなく映画音楽ならではの質感を生み出してるんだなあ、みたいな。

 マッドマックスの音楽監督はブライアン・メイ。若いころ、「へえ、クイーンのギタリストってこんな見事な管弦のスコアを書けるのか、見直したわ」な~んて思ってたんですが、どうやら同姓同名。そりゃそうですよね、クイーンにこれは書けない、素晴らしいスコアだと思います!


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映画『マッドマックス』 ジョージ・ミラー監督、メル・ギブソン主演

MadMax.jpg 超がつくほど大好きな映画、バイオレンス映画の金字塔マッドマックス、1979年作品です!『ロッキー』『燃えよドラゴン』や『マッドマックス』を好きじゃないなんて男として認められない、そんな映画でございます(^^)。

 近未来が舞台で、暴走族と警察の交通機動隊の争いを描いています。この暴走族の凶悪さが強烈で、はじめて観た小学生の時にはあまりの恐怖にちびりそうでした。バイクで一般人を引きずって遊ぶ、逃げようとした車を多人数で追いかけて叩き壊し、乗っていた女は引きずり出してレ○プ、警官の奥さんをバイクでひき殺す…この恐怖が、僕がマッドマックスから目を離せなくなった理由じゃないかと。

 この暴走族と対決する警察たちが、またぶっ飛んでます。正義漢でカッコいいというより、立場が警察であるというだけで暴走族さながらのガラの悪さ(^^;)。主人公のマックス(メル・ギブソン)もそのひとりで、警官を殺してV8を暴走させる暴走族ナイトライダーを後ろからあおり運転で爆死させます。今なら大問題だね。これで暴走族から恨みを買った警官たちは暴走族から命を狙われ、マックスの親友グースは暴走族に焼き殺されます。

 僕的には、カワザキZ1000の改造バイクを乗り回すグースが大フェイバリット!テイルスピンしながら急発進するのはめっちゃカッコよかった。。そして、奥さんと親友を殺されたマックスは、暴走族をひとりずつ殺して回ります。やっぱりね、男なら、やられたら法に訴えるんじゃなくて暴力に訴えてやり返さないといかんですよね。事故なら仕方ないけど、悪意ある加害者にはきっちり痛い目を見て貰わないと。

 マッドマックスの魅力は、自分が当たり前に思っている正義や倫理を覆している所じゃないかと思います。人間、いろんなものを当たり前だと解決済みにしているから緊張を解いて生きていられるわけで、それを覆されるとつねに意識を張り詰めてなきゃいけないわけで、これがこの映画の強烈な緊張感に繋がっていると思います。だから、この映画を観ていると覚醒状態になるんです。しかも悪人に地獄を見せる復讐劇だから面白くないわけがないっす。
 というわけで、超おススメどころか、男なら絶対に見ないといけない映画です!!


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『比屋定篤子 / 七色神話』

HiyajoAtsuko_NanairoSinwa.jpg 比屋定さん、1999年発表の6thシングルです。3曲入りで、これはブラジル&Jポップのハイブリッド路線に戻った感じでした。

 いや~ブラジルと日本の歌謡曲のミクスチャー、やっぱりいいなあ。もうほとんどボッサですが、日本語でオリジナル曲というだけでも、かなり日本に近づいて感じます。作詞が比屋定さん本人という事もあるのか、思ってもない事を歌っている感じがなくて、「あ、こういう事をこのぐらいの女性は考えてるんだな」みたいに思えるのがいいです。

 特に素晴らしかったのが、比屋定さんの出身地・沖縄の民謡「てぃんさぐぬ花」を、笹子重治さんのアコギ、それにチェロとパーカッションで演奏したもの。恐ろしく美しい音…僕は笹子さんのギターのファンなのですが、この美しさは尋常じゃないです。ただ、沖縄弁が日本語とは思えないほどでまったく理解できなかったんですが、それを見越してかCDには意訳がついてました(^^)。「てぃんさぐぬ花」というのは、鳳仙花の事だそうです。こうやって聴くと、沖縄の音楽とブラジルの音楽って共通項を感じます。そういえば、ザ・ブームの宮沢さん(でしたっけ?)も、ブラジル音楽に傾倒してましたよね。

 ポップスとはいえ、ピアノが島健さん、ギターが笹子重治さんに古川昌義さん、チェロ柏木広樹さんなどなど、日本のトップミュージシャンがズラリ。一流の、そして大人のJポップ…だと思うんですが、99年というと、MISIA さんや宇多田ヒカルさん。そのへんはまだしも、浜崎あゆみさんに華原朋美さんにGLAYにモーニング娘…Jポップはもう大人が聴く音楽ではなくなっていて、学生のカラオケボックスご用達ぐらいのマーケット。大人の鑑賞に堪えるだけのことをやっているのに、むしろそれが仇になるというダメなジャンルになっていました。僕だって笹子さんがギターを弾いてなかったら比屋定さんを聴いてなかっただろうというぐらいにJポップはまったく聴かなくなっていて、日本の流行歌の終焉は見えていたのかも。


Category: CD・レコード > 日本のロック・ポップス   Tags: ---

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『比屋定篤子 / Sweet Rhapsody』

HiyajoAtsuko_SweetRhapsody.jpg 12cm CDのサイズだけど、4曲(うち2曲はカラオケ)のCDって、なんていうんでしたっけ?シングルCD?マキシ?そういうCDです。というわけで、ブラジル音楽っぽいJポップでまあまあ好きだった比屋定篤子さんのサード・シングルです。作曲はど2曲とも小林治郎さん。

 売れなくて焦ったか、タイトル曲「Sweet Rhapsody」はブラジル色を消したポップス(^^)。でもそれで悪いかというと、すごく面白い曲で楽しかったです。コーラス形式なんですが、ABBでワンコーラス、このBがサビなんですが、転調を含んだサビの和声進行が面白い(^^)。ついでに、Aの最初も並行和音、間奏後も転調。いや~これは面白い、一聴の価値あり!ただ、ストリングス入りのサウンドがなんだか70年代のアイドル歌謡曲みたいに聴こえてしまいましたが(^^;)。こういうところだけは、アーティストよりも産業ロックやポップスの本職の人が作った方がカッコよくなるんだろうな。。
 そしてもう一曲「うつらうつら」は、ストリングス入りで、ギターがボッサ風にコードを刻んで、ピアノが右手だけでぽろぽろ…つまり、思いっきりジョビンでした。編曲を見たらやっぱりショーロ・クラブの笹子重治さん。2曲目でいきなり精神年齢が高くなる大人な音楽、絶対こっちの方がいいと思いますが、でもこれで売れなかったから方針変換したんだろうし、チャート音楽って難しいですね。

 聴いていると2曲だけのためにCDを買うなんて、ものすごく勿体なく感じてしまいますが、これぐらい良く出来た曲が2曲入ってると、何回も聴いて色々と分析しちゃったりして、それはそれでいいですね。素晴らしい2曲だったので、シングルCDだというのにいまだに手元に残してある1枚でした。比屋定さん、久々に聴いたけどやっぱりいいな~。


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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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