
前作のヒットを受けて制作された
マッドマックス第2弾、1981年の作品です!これも強烈なインパクトで、
僕の記憶に深く刻まれている映画です。マッドマックスは1と2が甲乙つけがたい素晴らしさ、最高です! 大きな戦争で荒廃してしまった近未来の世界。車は前文明が残したものが残っているだけで、それを修理して使っている状態。車だけでなく、ガソリンも武器も何もかもが貴重。しかも、戦争で国が滅んで無政府状態になっているので、道路は暴走族が占拠、強奪が当たり前です。この世界で唯一残ったV8に乗っているマックス(メル・ギブソン)は道路の一匹狼で、ガソリンを求めてうろついています。そして製油所に辿りつきますが、その製油所はヒューマンガス率いる暴走族に攻められまくり、籠城している人々は恐怖のあまり、ガソリンを明け渡して逃げ出そうという人と、戦おうという人で意見が分かれています。マックスは、人々が別の街に逃れるため、ガソリンを積んダタンカーを運転する役を引き受けますが、これを暴走族が襲撃、死のカーチェイスが始まります。
1作目はリアルな暴走族映画でしたが、2作目は現実からはなれた感じ。でもそれが悪い訳でなく、確固とした世界観をつくり出していて、観ていて引き込まれました。
強烈にパンクな世界観が凄まじいです。暴走族は、彼らのいる道路に出た製油所の人を捉え、車の前や天井に縛りつけて脅迫に来ます。そして製油所の人々が交渉に応じないと、製油所の人々から見える所で人質を処刑、火あぶりにします。道路に来たものは皆ごろしにして強奪するのです。やる事に人道主義だの倫理なんてものがまったくないのです。
彼らはアメフトのプロテクターやホッケーマスクをつけて、モヒカンで…このビジュアルが、マッドマックス2の暴走族のヤバさを見事の形にしていたと思います。こういう恰好をしたパンクな世界像の映画や漫画って結構ありますよね。それは全部マッドマックス2が元ネタじゃないかと。それぐらいエポックメイキングな映画だったんじゃないかと。
そして、最後のタンクローリーを巡る
カーチェイスが強烈!この映画は81年作ですが、これを超えるカーチェイスシーンは今もないんじゃないかと。CGの時代になった今では、もうこの強烈なスタントは撮影不能でしょう。
このカーチェイスシーン、スタントもすごいですがなにより音楽が燃えました。回頭シーンの「ズン!チャッ!ズン!チャッ!ズン!チャッ!」ってやつ、やばカッコ良すぎませんか?あまりに素晴らしくて、僕はサントラ買っちゃいました(^^)。
マッドマックスは、1作目も2作目も、倫理観の破壊が強烈です。普通の暴力映画とかだと、悪役も同じ倫理を持っていて、交渉できたりするじゃないですか。でもマッドマックスの1と2はそういうのがまったく通じません。自分たちが暗黙のうちにあたりまえだと思っているモラルを破壊しに行ってるんですよね。人間って、正義を守ろうとしなければ、実はこれぐらい非常になれてしまう生き物なんだと思います。キリストを十字架に張り付けて手にくぎを打ちつけたのは悪魔でもなんでもなく人間でしたし、スパルタカスら何百人もの反乱軍を十字にかけてローマの街道沿いにさらしたのも人間。考えられる限界のモラルは快が生み出す強烈な緊張感、それがマッドマックスの魅力だと僕は思っています。
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