
1961年録音、
ジョン・コルトレーンのアトランティック最終作は、
エリック・ドルフィーを含むセクステットです!3管編成で、トランペットに
フレディ・ハバード、曲によってはベースがふたり(!)のセプテットになっていて、これは完全にImpulse移籍第1作『Africa Brass』とかぶったメンツ(^^)。そうそう、ドルフィーは、ここでは名前を変えてクレジットされてますが、きっとマッセイホールのチャーリー・パーカーみたいに、他のレーベルとの契約の問題があったんでしょうね(^^;)。というわけで、コルトレーンとドルフィーの共演盤という事で飛びついた1枚でしたが、実はどんなレコードだったか全然覚えてない(^^;)。というわけで、久々に聴いてみよう!
テーマでホーンアレンジをしているわけではないので、あんまり3管という感じはしませんでした。そして、タイトル曲「オレ」は、思いっきりフラメンコ調、フリジアンです。でも、ワンスケールで全然コード・プログレッションしないからつまらない(^^;)。まったくコード進行しない曲を18分続けて演奏されてもな…。順番にソロを回すだけでなく、大楽節でもなんでも作って曲として面白くすれば良かったのに。ミの旋法はそれ自体が強烈なキャラクターを持っているので、ただ使っちゃうと「ああ、フラメンコみたいなのやりたかったのね」で終わっちゃうところがあって、それを乗り越えて個性や独自性を表現するのが難しいのかも知れません。マイルスもギル・エヴァンスもミンガスも同じ失敗をしてますし(^^;)。また、演奏がただスケール・プレイしているだけみたいに平坦で、盛り上がりませんでした。
次の「ダホメイ・ダンス」も、月並みなコード進行の上で順番いアドリブを披露するというもので、個人技を堪能する分には楽しいけど、音楽としては並以下かな…。
唯一面白かったのは、テーマで3拍子とフォービートが交錯するバラード「アイシャ」。マッコイ・タイナー作のモード曲なんですが、フレディ・ハバードのソロもいいし、良かったです。でも、この1曲だけにお金を出すのも何となくもったいない気が(^^;)。
せっかくドルフィーとの初共演盤だというのに、やっつけ仕事っぽくて残念でした。
マイルスのマラソン・セッションの4枚みたいに、プレスティッジとの契約を消化するためだけに終わらせただけみたい。だって、このレコードの前は
『ジャイアント・ステップス』でコルトレーン・チェンジを披露、
『マイ・フェイバリット・シングス』ではモード、
『プレイズ・ザ・ブルース』では独特のブルース解釈。次の『アフリカ・ブラス』では管楽器アンサンブルを聴かせるのに、このレコードは…。