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Category: CD・レコード > クラシック   Tags: ---

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『バルトーク:弦楽四重奏曲 第3番、第4番 アルバン・ベルク・カルテット』

Bartok_StringQ_3-4_AlbanBergQ.jpg バルトークの弦楽四重奏曲、続いては3番と4番です!僕のバルトーク初体験はこの2曲。音大の授業でいくつかの楽章を聴いたんですが、あまりの凄さに戦慄。まだ楽式の勉強すらまともにしてない頃だったので、何となくのニュアンスで判断しただけでしたが、それでも背筋にゾクゾク来たのを覚えています。若い頃、自分の音楽観を一撃で変えられた驚異の音楽でした。

 第3番は1927年作曲。3楽章ですが切れ目なく演奏されます。3番は4番のひな形みたいな所があって、演奏時間は全楽章合わせて15分ほど、6曲の中で一番短いです。でも構造面での意識が前衛に向かっていて、そのひりつく感じの響きや、対位法的な処理の緻密さは、「ああ…」とため息が出るものがありました。ちょっと抽象的な言い方になってしまいましたが、もう少し具体的に言うと…たとえば1楽章冒頭。バルトークはチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンと低い音域の楽器から順に音を積み上げていき、これを持続音として鳴らします。その音は、C#,D,E,D# の4音。展開してオクターヴ以上離しているとはいえ、密集した和声帯です。この和声提示の上で第1ヴァイオリンがメロディを演奏しますが、その音はA#,B#(C),A,G,A#,G#,B,,E#(F),F##(G),A#までが上行…持続音と同じ音はひとつもなく、逆に和声に含まれない音はすべて演奏されます。要するに、無調音楽としての12音列技法と、和声の色彩拡張という意味での印象派の両方が半音階でアウフヘーベンしてるんじゃないかと。ああ、もう既存の技法の中でヴァリエーションや可能性を追うという段階を抜けたんだな。歴史に残る作曲家って、いい曲を書いたかどうかなんて当然で、その先の作曲とは何かというところに踏み込んで、その両方を成立する形を示した人たちの事なんだな…なんて思ってしまいました。
 これはすごい…と思いきや、切れ間なく続く2楽章が一転してダイアトニックな音楽でリズミカル。聴いていて混乱させられてしまいました(^^;)。さらに、次の第4番がさらにすごいので、あとから聴くとこの3番が4番を用意する踏み台に聴こえたのかも(^^;)。

 第4番は、3番の翌1928年作曲。5楽章で出来ていて、3楽章を中心とした対照的な構造を作っています。バルトークってこの形をたまに使うんですが、シンメトリックなものも好きな僕はこの形式、メッチャ好きです(^^)。ただ、この5楽章がアーチ系になってることを聴き分けるには、多少の音楽能力が必要かも。だって、1楽章に使われたなかなか覚えにくい主題が、15分後ぐらいの5楽章に変形して出てくるのを聴き分けられないといけないのでね( ̄ー ̄)。
 中心に位置する第3楽章はノン・トロッポ・レントの緩徐楽章。緩徐楽章と言ってもテンポがゆったりというだけで、温かみあるわけでなく、とっても不思議な響き。というのも、これも第3番の1楽章と同じで、和声構成音と、旋律を奏でるチェロで共通音を持たないようになってました。当時の無調って、調をなくしたいわけでなくて響きを拡張したいという要請から来てるんじゃないかと思う時がありますが、その組み合わせからこれだけ色んな響きが生み出せたのは、西洋音楽の大きな進歩だったんじゃないかと。3楽章を挟み込む2楽章と4楽章は急速調で、2楽章はすべてコン・ソルディーノ(弱音器をつけての演奏)、4楽章はピチカートでの演奏。4楽章は2楽章のヴァリエーションと言えるんじゃないかと。1楽章と5楽章も照応関係にあって、主題の変形が使われるんですが、これはけっこう音楽能力の高い人じゃないと聴き分けられないんじゃないかなあ。1楽章はソナタっぽい形をしていて、これが5楽章ではロンド形式。ソナタと言っても主題部、展開部、再現部というのがソナタというだけで、各声部の関係構造は相当に独特、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンは斜行の関係にあるし。。他にも、何度も聴けばそのたびに色んなものが見えてくるんじゃないかと思いました…って、感動してもう4回もリピートしてるんですが(^^;)。

 僕は、バルトークの作品では「弦チェレ」と弦楽四重奏曲のふたつが特に好きなんですが、弦カル曲の中ではこの3番と4番が一番好きです。弦楽四重奏曲第3番あたりからしばらくのバルトークの音楽の凄さは、言葉では表現しきれないです。3番は2番から約10年空いてますが、2番と3番の間にバルトークは作曲をやめていた時期がありまして、そこで何かがあったんじゃないかと。復活後は、偉大な作曲家の後を追っていい曲を書くとかそういうのではなく、前衛色が強いです。無調的、半音階的、絶対音楽的、そして声部の有機関係がルネサンス音楽なみに精緻。バルトークの弦楽四重奏曲の3番と4番は、クラシックファンなら聴いていない人なんかいないというほどの大傑作ですが、それ以外の音楽のファンの人も、音楽が好きならこれを聴かないなんてもったいなさすぎるというほどの傑作と思います!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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