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心に残った音楽♪

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Category: CD・レコード > クラシック   Tags: ---

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『プッチーニ:歌劇《トスカ》全曲 ホセ・カレーラス(tenor)、カラヤン指揮、ベルリンフィル』

Puccini_Tosca_Karajan_BerlinPhil.jpg 「蝶々夫人」も「トゥーランドット」も、人の死ぬ悲劇がどこかに入った話でしたが、このトスカは悲劇そのもの、悲しみしかありません。ヴェルディもそうですが、イタリアのオペラって悲劇が多いですよね。こういうのって名前があるんだろうなと思って調べてみたら、ヴェリズモというらしいです。直訳すれば現実主義、19世紀末から20世紀初頭にイタリアで流行した文学の傾向で、現実的な題材を使った悲劇的な内容が多く、客観的に描いているのが特徴みたいです。幻想的なロマン派文学は終わり、現実的な物語が台頭してきたという事なんでしょう。その中で悲劇の比率が多いのは、当時のイタリア社会が、庶民は北イタリアの巨大資本の搾取にあって実際に悲劇的な生活を続けていたからだそうです。そしてヴェリズモのもうひとつの特徴は、それがオペラに波及した事だそうです。なるほど、だとしたらこれはヴェリズモのど真ん中みたいな感じかな?日本でいう浄瑠璃の心中ものに似ています。

 有名女性歌手トスカと画家カヴァラドッシの物語です。ローマの王政に苦しめられていた自分と同志である脱獄囚をかばったために捉えられたカヴァラドッシ。トスカは警視総監に賄賂を払う事で彼を救おうとして、警視総監と見せかけの処刑を行なう密約を取りつけます。その後、トスカは見返りに彼女の体を求められ、その時に警視総監を刺殺してしまいます。
 見せかけの処刑、空砲でカヴァラドッシは逃れるはずでしたが、実は実弾。警視総監は最初からカヴァラドッシを救おうとは考えていませんでした。カヴァラドッシに近寄って実際に死んでいるのを知ったトスカは絶望、そこに兵士が迫ります。彼女はそれを逃れて城の上層階まで行き、投身自殺をします。

 なるほど、たしかに当時のイタリアの苦しい市民生活の現実から生まれた悲劇だ…。トスカはオペラの中でも重要な傑作とされているみたいですが、こと音楽に関しては、プッチーニは後の蝶々夫人のような印象派的な筆致も、トゥーランドットのような名曲のオンパレードでもないと感じました…まあこれは以降の音楽誌を知っている現代人である僕の感想ですけど(^^;)>。それでも、蝶々夫人やトゥーランドットよりも前の作品で、アリアの美しさはさすが。全体の作りもトゥーランドットに似ているので、プッチーニはトスカの時点ではオペラ作家としてもう完成していたんじゃないかと。

 このCD、かなり楽器の輪郭がしっかりしていて、いい録音と演奏だと思いました。あのカラヤン&ウィーンフィルの「蝶々夫人」の神がかった録音には届きませんが、間違いなく名演&名録音じゃないかと。カラヤン指揮のプッチーニのオペラの録音って、いいものぞろいですね。歌手の目玉はカヴァラドッシ役のホセ・カレーラスのテノール。いやあ、さすがなだなあ。そしてカーティア・リーチャレッリというソプラノがトスカ役でしたが、激情的なトスカを見事に歌いきっていてすごかった。僕は歌手をぜんぜん知らないんですが、みんなうまく感じちゃって「みんなすごい!」としか言えましぇん(^^;)>。

 若い頃の僕は、半分は勉強のつもりでクラシックを聴いていたもので、台本が介入するオペラは俗っぽくて好きじゃなかったです。でも、勉強抜きにすると、オペラってよく出来た映画かドラマのようで、あくまでエンターテイメントとしてではありますが、すごく面白く感じます。音楽のクオリティが高い分、映画やテレビドラマより上かも(^^)。悲劇ではあるんですが、それが怒りに向かわずに感動に繋がるのは、悲劇の中で愛を貫こうとする姿勢や、それを音楽で劇的に表現するところにあるのかも。現代だとこれが怒りややるせなさにつながりますが、ヴェリズモの時代は愛でそれを乗り越えようとしていたんじゃないかなあ。そういう当時の人間の意思に感動します。これも深い人間ドラマで、第3幕のクライマックスなんて、心が思いっきり動かされました。良いオペラでした、そのうち舞台でも見て見たいです…その機会はなさそうですが(^^;)。


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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