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心に残った音楽♪

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『ジョン・海山・ネプチューン / ザ・サークル』

JohnKaizanNeptune_Circle.jpg 1985年に尺八奏者ジョン・海山・ネプチューンさんが発表したアルバムです。東芝系のレーベルを離れて以降も海山さんは定期的にアルバムを発表していましたが、アルバムごとにレコード会社が変わるのでショット契約だったんでしょうね。このレコードのリリース元はDENON。DENON はもともとオーディオ機器メーカーだし、それを生かして高音質のクラシックや純邦楽の録音にも取り組んでいたので、音楽面でいえばいい選択だったのではないかと思います。

 これまで、海山さんのアルバムであまりいいことを書いてこなかったですが、それでもなんで海山さんのアルバムをあんなに買っていたかというと、はじめて僕が聴いた海山さんのアルバムはこれで、すごく良いと思ったからでした。海山さんがまじめに作曲や表現力ある演奏に取り組んだアルバムなのです。
 もう、制作への意気込みや準備からして81年までとは段違い、箏やタブラを使うセンスもそうですが、ミュージシャンがちゃんとリハして煮詰めてから録音に臨んだようで、本人も参加ミュージシャンも演奏表現が東芝時代とは雲泥の差。曲も西洋ポピュラーのソングフォーム一辺倒から離れ、色んな楽式を使うようになってました。これがはじめて聴いた高校生の時に「カッコいい!」と感じたんです!いま聴くと作曲はそこまで凄いものでもなかったし、演奏はあいかわらずフルートみたいな吹き方をしてましたが(ここは80年代の都山流なら仕方ないのかな?)、それでも音楽に向かっていく姿勢や、やろうとしている事には感銘を受けました!

 人生万事塞翁が馬。大資本のレコード会社と切れたのは経済的には痛手だったかも知れませんが、それで必要以上にセールスを気にせず音楽に向き合えるようになったかも知れません。逆の道をたどる人もいるわけで、チック・コリアなんて売れる前に小さなレーベルでコツコツやっていた時の方がだんぜん良い音楽をやっていたけど、RTF で売れて以降はエンターテイメントな人になっちゃったわけだし、それを考えたら海山さんの徐々に登って行く生き方の方が音楽家として正しい道筋を歩いている気がしました。ポピュラー音楽の職業演奏家ではない、アーティストとしてのジョン・海山・ネプチューンの歩みはようやくここから始まったのではないかと思っています。


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『John Kaizan Neptune / West of somewhere』

John Kaizan Neptune West of somewhere アルバム『将軍』と同じ81年発表の、尺八奏者ジョン・海山・ネプチューンさんのアルバムです。レーベルはマイルストーン。マイルストーンは60年代にリバーサイド・レコードを創設したオリン・キープニュースがニューヨークで設立したジャズ/フュージョン系のレーベルです。とはいえこのレコードのプロデューサーが日本人なので、東芝の息がかかった制作なんだと思いますけど(^^;)。ミュージシャンは日米混成、キーボードにケニー・カークランド、ギターにコーネル・デュプリー、ベースにバスター・ウィリアムスなんていう名前もありました。今までの東芝制作のアルバムとの差は、作編曲の多くが海山さん本人という点で、つまりこのアルバムで80年あたりに海山さんが考えていることが理解できた気がしました。

 女性ヴォーカル入りのクロスオーヴァーと、ジャズフュージョン寄りのアドリブ・セッションが大半でした。あまり考えずに聞いていると、ジョン海山さんじゃなくてフルートのリーダーアルバムに聴こえてしまうほど。セッションという事もあってか、どの人もあまり表現しにいかず、とにかく小ぎれいに爽やかにまとめるので、クロスオーヴァーどころかイージーリスニングに聴こえる瞬間も少なからずあったりして。

 このアルバムを聴いて、海山さん自身がクロスオーヴァーをやりたかった人で、尺八は音色面で魅せられたぐらいのものだったのではないかと感じました。というわけで、日本で売れていた頃のジョン・海山・ネプチューンさんのレコードはどれも産業音楽な軽いクロスオーヴァー。海山さんのドキュメンタリー映画の中で、「尺八の腕はナンバーワンだったのに外人だから一等を与えられなかった」なんてナレーションがまるでそれが事実かのように語っていましたが、それはあまりに海山さんびいきな意見。これだけ表現が薄いと表現8割みたいな尺八の世界で一等をもらえなくて普通と思ってしまいました。81年の時点では音楽の捉え方がフュージョン程度だったんですね、きっと。邦楽的な色を除外したにしても、デュナーミク、インターバル、アゴーギクなど、表現というものが演奏の中に感じられませんでした。

 ところがこれで終わらなかったのが海山さん。このアルバム以降に東芝はジョン海山さんと契約を切るのですが、そこからのジョン海山さんの音楽が素晴らしくて…その話はまた次回!

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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