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心に残った音楽♪

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『Biréli Lagrène / Gipsy Project』

Bireli Lagrene_Gipsy Project ビレリ・ラグレーンさんが2001年に発表したアルバムです。ついこの間デビューしたと思っていた14歳の天才少年が、このアルバムの頃にはもう35歳。フランスでジプシースイングを演奏していた少年は世界進出し、アメリカのコンテンポラリージャズに色目を使ったりセッションミュージシャンとしての仕事をしたりしながら、ついに原点回帰!アルバムの1/3がジャンゴ・ラインハルトの曲で、他もコール・ポーターやガーシュウィンなどの古い曲が並んでいました。

 音楽って、聴いているだけでも、それまでにあった音楽を前提にして意識が進んでいくものだと思っています。色んなものを聴いて、その体験を踏み台にして先に進んでいく、みたいな。もしそうやって自分の音楽意識が進んでいった場合、音楽はどこかに同時代性を持っていないとダメなのかも知れません。仮に昔の曲を演奏するにしても、どこかに「いま」を感じられなかったら、もう自分の中で音楽として鳴ってくれない、みたいな。
 この音楽は、どうやって聴いても40~50年代あたりのジプシースイングそのままに聴こえます。古いスタイルそのままでやってるから、現在リアルにサウンドしている音楽とは感じられず、昔の音楽を紹介するショーのよう。不思議な事に、100年ちかく前のドビュッシーやバルトークの音楽を聴いてもそう感じなかったりするのですが、それは何故だろう…100年前かどうかじゃなくて、その音楽が今の思潮と同じパラダイムにあるか、という事かも。あとは演奏自体が「いま・ここ」のものとしてなってくれているかどうか、とか?そういう意味で言うと、古楽だって「いま・ここ」のものとして聴けるものがいっぱいあるしなあ。

 このアルバム、若い頃のラグレーンさんよりもプレイが洗練されていて、聴きやすいし完璧な演奏だと思いました。ジャンゴ・ラインハルトの曲も、ジャンゴ・ラインハルト本人より明らかにうまいし。でも、ジャンゴとこのアルバムでのラグレーンさんのどっちを取るかと言ったら、僕ならジャンゴです。演奏されていた時点で、何らかの現代性を持っていたものを聴きたいんでしょうね、きっと。このアルバム、ジプシースイングってどういうものかを勉強したいなら素晴らしい資料かも知れませんが、音楽としてはあまり楽しめませんでした。クソうまいですけどね。。


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『Biréli Lagrène / Standards』

Bireli Lagrene Standards 僕がビレリ・ラグレーンにハマったきっかけは、アコーディオンのリシャール・ガリアーノのCDでした。ガットギターでものすごいアドリブを取っていて、マジでぶっ飛んだ!!だから、エレキギターを持ってコンテンポラリージャズを演奏していそうなこのCDは避けてたんです。でも僕はギターは伴奏もメロディもひとりで演奏して欲しい人なので、ピアノもセカンドギターもいないこのアルバムのギタートリオ編成に心が動いて、とうとう手にしてしまったのでした。

 普通に聴いたら、見事すぎるぐらいのコンテンポラリー・ジャズの演奏です。でも僕にしてみれば、あの超絶的なアドリブソロを取っていたビレリ・ラグレーンさん目当てで買ったCD。何の工夫もない普通のコンテンポラリー・ジャズをやられても…それが予想できてたから避けてきたのに、悪い予感が当たってしまいました。。うまいか下手かで言えばめちゃくちゃにうまいのですが、コンテンポラリー・ジャズって型があって、それをいかに上手に演奏するかを競ってるみたいな所に行ってしまうと、創造的なものや表現じゃなくて、プレイヤーがどこまでテクニックを身に着けたかの報告会みたいに聴こえてしまって、面白くないと感じちゃうんですよね。ジャズだけでなくクラシックのプレイヤーもこういうパターンにハマる人が多いですが、どんなに指が器用に動いても、アレンジもしてない、アドリブも型通り、表現も特にしに行っているわけでもない、みたいなことをやられても、「もう1万回ぐらい聴いてきた音楽をまた聞かされてもなあ」みたいな。こういう内容かも知れない可能性を予想できていただけに、買った後の自分の判断ミスが痛かった(^^;)。。

 ジプシースイングでのガットギター演奏からキャリアを始めたなら、それをどう伸ばしていくか、というところにアーティスト性を発揮してほしかったですが、これじゃ大道芸だな、みたいな。でも、ラグレーンさんはフランスのロマなので、もともと音楽を大道芸的な商売道具と考えてるのかも知れないし、ある意味それは仕方ないのかも。こういう人は優れた音楽を創造するバンドマスターの下で、ソロ演奏のエースとして活躍する方が向いてるのかも。あ、でも、コンテンポラリージャズのギタリストのスタンダード集としては素晴らしい演奏だと思います。


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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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