『Beggars Banquet』の翌1969年に発表された、ローリング・ストーンズのアルバムです。その間に大名曲「Jumpin' Jack Flash」の入った
『Big Hit vol.2』が挟まってるのかな?なんだかんだ言いつつ、
ビートルズとストーンズのアルバム、けっこう持ってるんですよね…。好きとか嫌いじゃなく、知らないから、わけも分からず名盤と言われるものはなんでも聴いてたんです。あの頃の音楽体験がいちばん楽しかったなあ、メシを抜いてレコード代に充てるほどに夢中でした(^^)。
このアルバムも『Beggars Banquet』と並んで、ストーンズの名盤として知られている1枚です。このアルバム制作中にブライアン・ウイルソンがとうとう脱退。かわりにミック・テイラーが入ってきます。このアルバムも若いときは良さが分からなかったんですが、いま聴くといいと思うものがけっこう入ってました。
1番良かったのは「Midnight Rambler」。ブルースハープとか、途中で入ってくるスライド・ギターとか、メッチャかっこいいです。そうそう、ハープといえば、1曲目の「Gimme Shelter」も素晴らしい!ただ、「Gimme Shelter」は、
グランド・ファンクの強烈な演奏を先に聴いてたもんだから、オリジナルであるストーンズのこの演奏をはじめて聴いた時は、ちょっとショボく感じてしまいました。ずっとユニゾンで歌ってる女性ヴォーカルが、メインヴォーカルよりうまいけどいいのか、とかね(^^;)。でもいま聴くと、ブルースハープの音がカッコよくて、
ジェームズ・コットン張りのサウンドがたまらなかったです。あと、けっこうアメリカの南部音楽の匂いを感じたんですが、
レオン・ラッセルやライ・クーダーも参加してるんですね。なるほど、納得がいきました。
若いときの僕がストーンズを苦手だった理由は、たぶんふたつ。ひとつは、下手な事。でもこれはストーンズのカッコ良さと紙一重で、たとえばヴォーカルの
ミック・ジャガーはルーズさや歌の表現がすっごくかっこいいと思う時があるんですが、あまりにピッチが甘すぎて下手にしか聴こえない時もあったりで、打率2割1分だけどホームラン30本ぐらい打つバッターみたい。2曲目のロバート・ジョンソンの曲とか、ピッチさえ良ければ独特の歌心があってメッチャメチャいいと思うんだけど、ピッチがあまりにロック。でも今の僕は、良い所だけ選んで聴くことが出来る特殊な能力を身につけたのでもう大丈夫(*^ー゜)v。もうひとつは、カントリーブルースとか、シカゴのバンドブルースあたりの音楽の良さが、まだ分かってない頃だったんでしょうね。このへんお音楽の良さが分かってないと、根本的なところでキツイかも。でも、シカゴブルースも普通に楽しむようになった今では、意外とすんなり楽しめたアルバムでした。