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『Elis Regina & Antonio Carlos Jobim / Elis & Tom』

Elis and Tom 1974年制作、ブラジルのボサノヴァ系女性ヴォーカリストのエリス・レジーナと、ボサノヴァの巨匠アントニオ・カルロス・ジョビンのコラボレーション・アルバムです。レーベルはフィリップスで、ブラジルではなくLA録音。ボサノヴァって、アメリカのジャズ市場でのヒットで世界に広まった節があります。ヴァーヴやA&Mといったアメリカ資本を使ってアルバム制作が活性化しましたし、それで世界市場への宣伝も流通も確保できたのが大きかったでしょうし。

 さすがは合衆国のLA録音、音がメッチャクチャいい!ボサノヴァって、ジョビンにしてもジョアン・ジルベルトにしても、60年代録音やブラジル録音のものは録音がよくないものが多いですが、70年代のアメリカ録音は録音が恐ろしく気持ちよい音になっているものが多くて、このへんは音楽を巨大産業化した合衆国が生んだプロの録音職人の技なのかも。
 アレンジは基本的にギター、ピアノ(たまにエレピ)、ベース、ドラムバンド編成、曲によってうっすらとフルートやホルンなどの管や弦が入る感じ。というわけで、ジョビンのピアノ伴奏を堪能するというよりも、ボサノヴァ特有の心地よいサウンドとアレンジを楽しむアルバムといった雰囲気でした。

 そして、エリス・レジーナの歌が、まるで詩の語り部のようでなかなかの味わい。ボサ・ノヴァって、少なくともヴォーカルに関してはテクニックを聴かせるのではなくて、内省的な詩を自分の言葉で語るところがあると思っています。そういう意味で、エリス・レジーナの歌も良かったです。技巧的じゃないけど下手ではなくて、歌がすべて言葉のほうに向いている、みたいな。僕は、アルゼンチンやブラジルといった南米の歌は、南米の思想を見事に表現してると思っています。ほら、南米って、世界的に見ても相当に犯罪率は高いし、という事はルールを破る人の数がそれなりに高いということだと思うんですが、でも実際には相当に情緒的というか、愛があって、死が身近にある死生観を持っていて…と感じるんですよね。これは音楽詞だけでなく、文学もそう。僕の場合、合衆国のポップスやロックの詩に感動する事は少ないんですが、ボッサの詩はネイティブ・アメリカンの詩の独特な世界観と詩情を継承しているように感じます。
 このアルバム、「トリスチ」「コルコヴァド」「白と黒のポートレート」など、ジョビンの名作ばかりを取り上げていましたが、いずれも詩が素晴らしいんですよね。。実は、ジョビンが直接かかわったジョビン作品集では、『イパネマの娘』や『WAVE』よりこっちの方が好きだったりします(^^)。


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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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