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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『アイヴズ:《コンコード・ソナタ》 《四分音による3つの小品》 リュビーモフ(p) 他』

Ives_ConcordSonata_Ryubimofu.jpg アイヴズのコンコード・ソナタ(ピアノソナタ第2番「コンコード」)を聴きたくて買ったCDです。正直いってプレイヤーにこだわりはなく、カップリングしてある曲が四分音を使った曲のものを聴いてみたいな…と思っていたところ、これがビンゴだったものでゲッチュ!

 「コンコード・ソナタ」は、アイヴズの室内楽曲では一番有名な曲です。そして、ピアノ・ソナタと書いてあるくせに、途中でヴィオラやフルートが入ってきます。しかも、いる必要あったのかというぐらいにちょっとだけ(^^;)。コンコード・ソナタは、構造的に理解しようと思うとなかなか難解な音楽で、そこが「セントラルパークの夕暮れ」や「ニューイングランドの3つの場所」と違うところ。でも、自由作曲と思って聴くと、実はわかりやすい音楽だと思うんですよね。3楽章と4楽章なんて、諧謔で書いたんじゃなくて、ガチでいい曲だし。
 アイヴズはこの曲の各楽章に、「エマーソン」や「ホーソーン」など、アメリカの小説家や詩人や思想家の名前を記しています。明るく楽しげでありながらどこかぶっ壊れていて、アメリカの楽観主義と暗部がごっちゃになった音楽に僕には思える音楽でした。楽しげな音楽がどんどんアッチェルしてグチャッと不協和音で終わるとか、その直後にムッチャ神秘的な和声が美しく響く楽章が始まるとか、若い頃は、こういうのをめっちゃクールと思ったんです。理解させない、されてたまるか、みたいに思えてね(^^)。

 「2台のピアノのための四分音による3つの商品」、最初ってプリペアドに聴こえたんですが、どうなんでしょう、楽譜を見てみたい…。まあそれはそれとして、もう響きの時点でやられました。ヤバカッコいい、この響きだけで満点です。4分音というのは、西洋音楽の場合、普通は1オクターブを「ド、レ♭、レ、ミ♭、ミ…」みたいに12に分割して音高を得てるんですが、それをさらに半分に分割した音の事です。これで音楽を作るとどういう響きになるか、というのがこの音楽。インドやアラビアの音楽の微分音って、それが所属しているすぐ隣の音というのがあるんですが、これはアジアの微分音に比べると4分音が独立した音程として聴こえます。でも、キモ格好いい響きにはなっているもののアヴァンギャルドには聴こえず、古き良きアメリカ音楽のような雰囲気が結構残っていたのが不思議でした。最後にどっかの国歌みたいなメロディも流れて聴こえますが、ジミヘン以前にこういう事をやる人がアメリカにはいたんですね(^^;)。さすがアメリカ、ぶっ壊れ具合が普通じゃないです。

 どちらの曲も、相当楽しい音楽でした。こういう音楽って、クラシックを聴いている人より、ロックやビート文学あたりを楽しんでいる人の方が肌に合うんじゃないかなあ。「コンコード・ソナタ」なんて、マジメに何枚も聴いて「分からない」と言ってすべての演奏に星ひとつつけてるクラシック・ファンの方がいらっしゃいましたが、そういう頭でっかちな聞き方してしまうと、むしろ理解は難しいんじゃないかと。もっと音を聴こうぜ。僕個人は、クラシックとしてというより、アメリカ文化の中の1断片として聴いていて、「お、これは!」と感じた部分が多かったです。演奏も清廉としていて、いいCDでした!


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『アイヴズ:《ニューイングランドの3つの場所》 《交響曲第4番》 《宵闇のセントラルパーク》 小澤征爾&T・トーマス指揮、ボストン響』

Ives_NewIngrand_Ozawa_Boston.jpg このCDに「答えのない問い」が入っていないので、バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルのアイヴズ管弦曲集を選ぶ人が多いと思うんですが、僕がアイヴズの管弦楽CDを1枚だけ推薦するとしたら間違いなくこれ!スコアの解釈や演奏が素晴らしいです(^^)。

 鍵盤音楽や室内楽まで入れれば、アイヴズはクウォータートーンを使った作曲なんかもあるのですが、アイヴズの管弦楽曲のエッセンスは「ニューイングランドの3つの場所」「宵闇のセントラルパーク」「交響曲第4番」に集約されていると思います。そして、その3つがすべて入ってるのがこのCDのすごい所。上記ふたつは、交錯するふたつのバンドや、並行して進む別のリズムなどの書法の完成型を聴く事が出来ます。
 そしてアイヴズ生涯の大作交響曲4番は、アイヴズが愛したクラシック交響曲そのものだけでなく、騒音主義の先がけでもあり、引用音楽、無調など、以降の20世紀音楽の先駆けとなった色々なものが詰まっていて驚きました。合衆国の田舎の普遍的な雄大さと、ニューヨークのような大都市の狂気が同居しているような音楽。ほぼ第1次世界大戦と重なって作曲されているというのも偶然ではない大作だと思います。

 そしてこのCD、演奏が素晴らしいです。バーンスタイン指揮NYフィルのものと被った選曲は「宵闇のセントラルパーク」ですが、小澤征爾&ボストン響のこちらの方が、音楽をダイナミックに表現しています。セントラルパークを横切るマーチングバンドのフレーズみたいなものが変奏される箇所があるんですが、バーンスタインはこれをマーチングバンドそのものとして表現してるんですが、小澤さんはそれを「主題と変奏」という形で音楽に還元して、さらにふたつのオーケストラが交錯していく純音楽として表現するんですよね。どちらが正解という事はないと思いますが、音楽的に迫力があって心を揺すぶられるのは、やっぱり音楽的に表現した方じゃないかと(^^)。バーンスタインの「宵闇」しか聴いていない人は、この演奏を聴いたらビックリするんじゃないかと。

 アイヴズのCDながら「答えのない問い」も「交響曲2番」も「コンコード・ソナタ」も入ってないCDですが、実際にはこれがアイヴズ管弦楽の集大成だと思っています。それを選んだのは音楽監督の素晴らしさでしょう。「おお、僕と同じ考えの指揮者さんがいるのか」と思えた事で、うれしくなっちゃったりもしました(^^)。大推薦!


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『アイヴズ:《交響曲第2番》 《はしご車のゴングあるいはメインストリートをゆく消防士のパレード》 《音の道第1番》 《讃美歌》《ハロウィーン》 《宵闇のセントラルパーク》 《答えられない質問》 バーンスタイン指揮、ニューヨークフィル』

Ives Symphony2 Bernstein チャールズ・アイヴズは、19世紀後半から20世紀中盤までを生きたアメリカの作曲家。不協和音、ふたつの無関係なオーケストラの交錯、クウォータートーン(半音よりもさらに細かい音程の分割)を用いた作曲など、アメリカ実験音楽の出発点みたいな人です。でもデタラメ実験音楽ではなく、管弦楽の書法は見事。前衛性はドイツみたいにバリバリの理詰めでシリアスなものじゃなくって、アイデアの斬新さで勝負という感じ。どこかユーモアがあるというか、場合によっては面白がってそういう事をやっているんじゃないかと感じる事すらあります。アメリカですね(^^)。このCDは、同じアメリカ人のバーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニーによる、アイヴズの管弦楽作品集です。

 「交響曲第2番」は、アイヴズの作品にしてはかなりオーソドックスで、評論家に高く評価されてきた曲です。たしかにしっかりした筆致で、アメリカの色々な風景を描き出しているような交響曲で美しいです。変わっているのは、最後に鳴らされる不協和音ぐらい。でも、アイヴズの作品の多くを聴いたうえでこの曲を代表作として評価するというのは、どうかと思うんですよね。メシアンのトゥーランガリラ交響曲もそうですが、クラシック原理主義者な評論家さんは、バッハやベートーヴェンみたいな視点からしか音楽を評価できない脳梗塞を起こしてるんじゃないかと。だって、これまでにないものを色々ぶつけてきている作曲家の作品の中で、いちばん何もしてない作品を「これがいい」っていうのは、結局普通以外の事をされると何も理解できない、自分で価値を見つけることができないというだけの事じゃないかと思うんですよ。ビートルズ全盛期にハードロックをやっているバンドがいたとして、その中で1曲だけビートルズっぽい曲をやったら「これがこのバンドの代表作だ」なんていう批評をするようなもんです。というわけで、アイヴズの交響曲2番は悪い作品ではないと思うけど、アイヴズにしたら習作期の作品であって、持ち上げるものじゃないと思います。

 このCDで、アイヴズ色が強くなっていくのは「はしご車のゴングあるいはメイン・ストリートをゆく消防士のパレード」以降。この曲は、のちにアイヴズが多用した、ふたつの別の音楽が同時進行して交錯していく曲のひとつ。短い曲ですが刺激的!まだオーケストレーションが弱く、この段階ではアイデアを音にしてみたという感じですが、これが「ニューイングランドの3つの場所」や「宵闇のセントラルパーク」みたいな傑作に繋がっていくんですね(^^)。

 「音の道 第1番」は無調といっていいほど調的印象の薄い主題を対位法的に組み合わせていく曲。「3つの屋外の情景」の中の1曲「ハロウィーン」も似たような構造をしていて、こちらは大きな構造は対位法的に絡むストリングスではなく、ピアノが受け持ちます。いやあ、こういう発想が出てくる事、そしてそれを具体的な形にしてしまう作曲能力、これはどちらもすばらしい!

 「讃美歌」は一変して神秘的な響きのとても美しい曲。刺激的な音楽の間にこういうのを挟まれたもんで、グッと来てしまいました。バーンスタインめ、やるな(^^)。

 個人的には「ニューイングランドの3つの場所」「コンコード・ソナタ」に並ぶアイヴズの代表作と思っているのが、「宵闇のセントラルパーク」。無限に循環を続けて不思議な空気感を生み出す弦楽の前で、木管楽器や独奏ヴァイオリンの主題のヴァリエーションを作りながら重なり、通り過ぎ、そしてピアノが別の主題を奏で、それが一点にのぼりつめていきます。そしてすべての音が轟音の中に巻き込まれて消え去った後、あの弦楽が残っています。アイデアもそうなのですが、この構造の堅牢さは新古典なみ。ただ、バーンスタイン&ニューヨークフィルの演奏は軽くて、遊びの音楽のように響いてしまっています。それを狙ったんでしょうけど。

 答えられない質問」は、アイヴスの作品の中で1番有名なものと思います。弦楽の上で管がいくつかの主題を交換していくという構造は「宵闇のセントラルパーク」と同じ。弦楽が美しいだけに、管とのコントラストが強烈。これも面白いなあ。

 アイヴズの素晴らしさって、これらを「面白いから」とやったところに留まらなかった点だと思います。そこに留まっていたら、良くてアイデア勝負、下手すると冗談音楽だったり皮肉屋で終わったかも。そうではなく、みんなが当たり前だと思って信じて疑わないところからはみ出し、そのルールの外で見事な音楽の構造を提示して見せたことがスバラシイ。みんな信じて疑わなかった調性もソナタも対位法にも従わず、それと同等以上の堅牢な音響構造を作り上げたのは、皮肉屋では片づけられないです。このCDは、アイヴズの作曲技法の移り変わりを一気に聞く事の出来た、なかなかの1枚でした。


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『機動戦士ガンダム TV版総音楽集』 曲:渡辺岳夫、編:松山祐士

KidousenshiGundam_TVbanSOuOngakushuu.jpg ガンダムのテレビシリーズのBGM集、CD3枚組です!ガンダムって、その後いろんなゲームにもなりましたが、そういう時に使われるBGMはだいたいこのTVシリーズのものだったので、ガンダムのBGMというと僕はまっさきにこの音楽を思い浮かべるます。ああなつかしい。

 ガンダムがカタパルトから射出されるシーンの勇壮な音楽、番組冒頭で流れる「人類が増えすぎた人口を…」のうしろで流れる音楽…いい悪い以前に、懐かしすぎて涙が止まりません。まだ僕には帰れる所があるんだ、こんな嬉しいことはない。ガンダムに狂った事がある人なら、BGM は文句なしでしびれるでしょう!!音楽を聴いてるだけで、マチルダさんが空中に放り出されるシーンとか、ミハルが大西洋に吹き飛ばされるシーンとか、いろんなものを思い出してしまって涙が止まらないよ。

 ただ、ガンダムのBGMが音楽として優れているかというと、ちょっと微妙。あまりに聴きすぎて自分では分からなくなってますが、管弦楽法的に言うと、和弦ばかりで色々と手抜きが目立つし、宇宙戦艦ヤマトの宮川泰さんや、映画版銀河鉄道999の青木望さんの力作に比べるともう一歩かな(゚∀゚*)エヘヘ。。でも、こういうのを聴く時の気持ちにとっては、そんなことはどうでもいいですよね。

 ところでテレビ版って、BGMはいいんですが、主題歌や挿入歌が思いっきり幼児向けで聴いてられません。「燃えあが~れ~ガンダム~」とか「シャア!シャア!シャア!」とか、小学生の時ですら、マジでやめてほしいと思ってました(^^;)。そしてこのボックスの2枚目は、そんな恥ずかしい主題歌&挿入歌を集めたもの。ディスク3はME集で、BGMに爆発音とかの効果音を入れた、セリフのアフレコをする前の音声トラックです。…こんなの聴きたい人いるのか?ぜったい、LPで買った人に「LPに入ってないものも入ってますよ」と買わせるためだけのいらないディスクです(- -*)。
 というわけで、ディスク1は懐かしくて最高でしたが、ディスク2と3は僕には無用の長物でした。。ディスク1だけ売ってるのかな?もしそうなら、よほどのマニアの人以外はディスク1だけで事足りると思います。


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『機動戦士ガンダム 劇場版総音楽集』 曲:渡辺岳夫、編:松山祐士

KidousenshiGundam_GekijoubanSOuOngakushuu.jpg 映画版の機動戦士ガンダム3部作こそ僕にとってのガンダム!このCDは、映画3部作すべての総音楽集です。レコード時代には分売されていたものが、こうしてひとつになるのは良いですねえ(^^)。映画版はテレビと違って主題歌もいいし、2作目以降は書きおろしの音楽もあって、これがまた素晴らしいんです!

 まずは、主題歌。1作目の主題歌は、谷村新司作曲でやしきたかじん唄。うわあ、おやじくせえ…というわけで、子どものころから1作目の主題歌はダメ(゚ω゚*)。素晴らしいのは2作目と3作目の主題歌と挿入歌で、作曲と歌は井上大輔!やっぱりフォークロックよりグループサウンズの方が上ですね(^^)。特に2作目の主題歌「哀戦士」は、子どものころの自分の大フェイバリット曲でした。一方、挿入歌の「風にひとりで」は、詞が素晴らしかったです!「憧れたって何になる、居はしないのさ、そんな人」…とても子ども向けアニメの詞とは思えません。同時期に流行していた松〇聖子や田〇俊彦より大人っぽい詞だと思っていた小学生の僕でした(^^)。
 この2曲、ヤ〇ザになってしまった友人と一緒に、ゲーセンのジュークボックスで聴きまくり、何回も聴くもんだから、「レコード買った方が安くね?」って事になって、レコードを買ったのです。それがこのCD BOXのディスク2。聴いてるだけで少年時代にタイムスリップしてしまう。。さらに、3作目の挿入歌「ビギニング」。2がロック調だったのに、3は例えようもなく壮大な音楽でした。これがキングクリムゾン『リザード』に果てしなく似ている事を知ったのはずいぶん後になってからでした(^^;)。

KidousenshiGundam_SoundTrack1.jpg そして、BGM編。ガンダムのBGMはTVシリーズのスコアが有名ですが、映画1作目はテレビのBGMと同じスコアの録り直しが多かったです。そんな中で素晴らしいのは、まずM-14。次々に人が死んでいくアニメの中で、中立地帯にたどり着いた束の間の安堵を表現したような安らいだ雰囲気。それでいて宇宙的な雰囲気もあって、映画版ガンダム1の中で屈指の名曲だと思いました。これ、そういえば子どものころに放送していたガンプラのCMのBGMにも採用されてました。
 もうひとつは、映画の最後、ギレンが演説をするシーンで流れた不穏な軍楽、これが秀逸。同じ曲をくりかえしながら、どんどんクレッシェンドしていって最後は圧巻のサウンド!そこから急転直下アダージョになって美しすぎる合唱へ。この流れは絶対マーラーだろ…いや~これも映画1作目を代表する楽曲、見事です!

 映画第2作は、オリジナルスコアが増え、サスペンスタッチの楽曲多し。ガンダムでは映画の2作目が一番好きですが、理由のひとつは映画の冒頭を飾るコントラバスのアルコ。「何かが起こる」っていう予兆がすごいんですよね、ひと弓撫でてるだけなんですが(^^;)。
 もっとも素晴らしいのは、フラミンゴの群れと一緒に宇宙へと飛び立つ映画のラストに流れるM-21。地球の夕焼けシーンをそのまま音で描くような美しいアダージョから、戦艦が出航する勇ましい軍楽、そして宇宙を表現する打楽器を排しての女声斉唱…これは次作に登場するヒロイン・ララァを表現してるんじゃないかと。いや~これも素晴らしい!

KidousenshiGundam_SoundTrack3.jpg 映画3作目、宇宙的な音楽が増え(3は舞台が宇宙)、ディレイやリヴァーブが多用され、打楽器を控えて音の隙間を多くした楽曲多し。そして、映画音楽としては前2作と比べると格段の完成度、純粋に音楽だけ聴けば3が一番じゃないかと。2までは、書き溜めて「あとはテキトーにシーンとあった音楽を使ってね」という感じだったのに、3はシーンごとに作曲してるのが分かります。それってオペラやミュージカルの作曲の仕方ですが、つまり3を制作するころには人気が出て予算が今までより多く確保できたんでしょうね。トラック数なんて、1や2の倍以上ですし。

 ディスク4はおまけみたいなもんで、LPを買った人にも買い直させようという意図が満々(^^;)。内容は、主題歌や挿入歌のカラオケと未使用BGM集…僕には不要の長物でした(*´ェ`*)。

 僕にとっては、少年時代の想い出とリンクしてる音楽、「風にひとりで」なんて、聴いてるだけで小学校4~5年生のころがブワッとよみがえってきて、涙がこぼれそう。。最高のCDボックスでした。ただ、ガンダムのBGMって、音楽として優れているかというと…宇宙戦艦ヤマト銀河鉄道999風の谷のナウシカあたりのアニメ映画と比べると、そこまで良い出来とは感じませんでした。和弦をはじめとしたオーケストレーションはちょいと稚拙に感じなくもないし、ミックスも雑、演奏も初見のやっつけ仕事に聴こえてしまいます(^^;)。とはいえ、子どもの頃にあれだけ熱狂したアニメの劇伴ですから、僕にとって価値ある一生もののCDであることに変わりはありません!


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映画『機動戦士ガンダム』『同Ⅱ 哀・戦士』『同Ⅲ めぐりあい宇宙』 富野喜幸監督

KidousenshiGundam2.jpg ガンダムって何十種もありますが、テレビアニメの第1作は、今では「ファーストガンダム」なんて呼ばれてるみたいです。そしてファーストガンダムは、『機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士』『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙』という3作の映画にまとめられました。というわけで、この映画3本はワンセット。テレビ版も夢中になったけど、僕が本当にハマったのはこの映画3作。小学4~6年はガンダム一色だったもんで、映画版の第3作を観てすべてが完結した後は、なんだかひとつの時代が終わったと感じてしまったほどでした。

 食いつきが悪かったもんで、僕がガンダムにようやくのめり込んだ頃、すでに映画の1作目の上映は終わっていました。僕のまわりでも映画1作目を観に行った友人は少なかったです。だからリアルタイムで観たのは2作目『哀・戦士編』から。テレビ版にあった合体ロボットやらなにやらの幼児向け設定は薄れ、枝葉のストーリーもざっくりカット。これが良かったです。
 大人になってから観ても素晴らしいと感じるところがいくつかあります。兵站の描写、戦争の悲劇の描き出し、SFの細かいところの描写、セリフ回し、この4つです。

■兵站の描写の素晴らしさと編集の妙
 兵站の描写の素晴らしさはTV版の感想に書いた通りですが、短くなったはずの映画版の方が良いと思えるところがあります。テレビ版だと、なんとなく主人公たちの乗っている戦艦だけは大丈夫だし、終盤になると序盤ほどの兵站のリアルな描き出しはなくなってご都合主義になってきたかな、と感じなくもありませんでした。ところが映画版3部作は緊張感がヤバい!序盤だと、急襲を受けて出港せざるを得なくなった戦艦が目的地までたどり着くのはすでに不可能ではないかというほどの緊張感。戦艦はボロボロ、ようやく来た補給部隊も破壊され、若いパイロットは戦死、主人公は恐怖や戦争に利用されている感覚から出撃を拒否し…こういう緊張感にフォーカスした編集と感じました。すげえ、主役が無敵で必勝の古い戦争映画や西部劇よりよほどリアルだよ。
 テレビアニメの映画編集が簡単と思っちゃいけないと思うんですよね。「あしたのジョー」なんて、テレビは素晴らしかったのに映画化されたらクソつまらなくなっちゃいましたから。編集で大幅に短縮しながらその方がスバらしいというのは奇跡的で、なにを棄てて何を取るかという明確なビジョンがあったからこそ、映画版の成功があったんじゃないかと。

KidousenshiGundam3.jpg■SF描写の素晴らしさ
 僕たちは実際に宇宙生活をしているわけではないですし、また人類が宇宙に行ったと言っても実際に生活できているわけでも、まして飛行機が宇宙を飛び交っているわけでもありません。こういう状況の中で、「実際に宇宙に行くとどうなるのか」という描写のリアルさが、ファーストガンダムは素晴らしかったです。アニメ評論家の岡田斗司夫さんに言わせると、ガンダムが先駆けになって海外SF映画などの標準になった表現も多いんだそうで。
 例えば、宇宙戦闘機が着艦する際は、ワイヤーに引っ掛けて止まります。これは実際の戦闘空母などで見る事が出来る光景ですが、それまでのロボットアニメでこんな細かい所が描かれるなんてなかった事でした。なるほどよく考えたら、宇宙空間には抵抗がないから、負荷をかけないと自然に止まる事はないのか!こういう細かいところまで描かれているんですよ!
 無重力空間でのリアルな描写は、宇宙船内も同様。船内で何人もの人が移動するときに、動く丸いジャングルジムのようなものにつかまって移動する描写があるんですが、これもつかまってないと浮いてしまうとか、そういう事を考慮した表現だと思うんですよね。通路を移動する時に、動くレバーにつかまって移動して、それを離すと宮中を遊泳する形になって、仲間が捉まえて止めてあげる、みたいな描写もありました。なるほど、無重力だとこうなるのか!こういう細かい描写がことごとく面白かったです。

KidousenshiGundam1.jpg■戦争の悲劇の描き方に泣いた
 ガンダムは戦記物ですが、戦争に巻き込まれていく個人の悲劇も大量に描かれていました。それは軍人ばかりでなく、民間人の描写まで。やっぱりいちばん心を動かされたのはここ
 親を亡くし、スパイをして収入を得ながら弟と妹を育てる少女の話。彼女が海に散る瞬間は、子どもの頃より大人になってから観た時の方が泣けてしまう…。
 政争に敗れて厳しい戦地ばかりに追いやられながら、部下たちの生活向上のためにその仕事を引き受ける武官ランバ・ラルの話。軍人でも民間人でも、そこに哲学を築いている人がいる…こんなロボットアニメ、それまでにあったでしょうか。ランバ・ラルばんざい。
 補給部隊に務めて、戦時中でも何かを生み出そうとしながら、無慈悲にも戦死する女性士官の話。堕落して自分の利益しか考えなくなった官僚の傲慢によって死んでいく人たち。もう、勧善懲悪もののロボットアニメなんてものではありませんでした。下手な大人向け時代劇や西部劇よりも、戦争の現実を克明に描き出した作品だったと言えるかも。しかも、ただ「戦争はひどい」というんじゃなくて、軍人の視点、官僚の視点、市民の視点…もう、あらゆる角度から戦争が描かれてるんですよね。しかも、どの視点から見ても悲劇という点もリアルでした。戦争の永久放棄という憲法を改正しようとする政治家や政党は、悔い改めてガンダムを見るがいい。

■セリフ回しが素晴らしい!
 セリフ回しがカッコいい!!1作目では、独裁者の息子ガルマの死因を演説する将軍の演説を聴いて、彼を嵌めて殺した張本人の少佐シャアが「坊やだからさ」とつぶやくシーンがあります。これ、「ガルマが死んだのはガルマが坊やだから」という意味と、「俺がガルマを殺したのは俺が坊やだから」という両方の意味に取れて、深いセリフ回しだと思いました。そしてもし後者だとしたら、後のシャアの行動を暗示することにも…いずれにせよハイレベルな台本だと思いました。
 そのシャアは、士官学校時代からの友人だったガルマのことをどこかでずっと覚えていて、映画3作目のクライマックスで、ついに自分の両親を死に追いやった独裁者一族のひとりキシリアに復讐を果たすときに、こうつぶやきます。「ガルマ、私の手向けだ。姉上と仲良く暮らすがいい。」これも意味がふたつ考えられて、「ガルマよ、私からの手向けとしてキシリアを送ってやるから、あの世で姉上と仲良く暮らすがいい」という意味の他に、「ガルマが死ぬまでが私の手向け(登りきったところ)だった」という意味にもとれそうです。だいたい、「手向け」なんて言葉、子供番組で使っていい単語じゃないと思うんですよね、大人だって意味を知らない人多そうですし。
 まあこんな感じで、ガンダムには大人が見ても意味深と感じるセリフ回しが多くてカッコよくて、これはルパン三世のテレビ第1作レベル。ハードボイルドってセリフに出るんですよね。

 というわけで、僕的には、ガンダムと言ったら劇場版の3作!映画版のシェイプされた素晴らしさによって、ファーストガンダムは名作として後世に名を残す事が出来たんじゃないでしょうか。ガンダムは、今となっては一般教養。大人でも「見てない」なんて許されません。何を見たらわからんという人は、この映画3部作を見ましょう!これだけ見てれば必要充分です。


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TVアニメ『機動戦士ガンダム』 日本サンライズ制作

KidousenshiGundam_TV.jpg 観たかどうかはともかく、日本人なら爺さんから小学生まで「ガンダム」という言葉を知らない人はいないんじゃないかと。僕が小学生のころに超がつくほどの大ヒットを飛ばしたロボット・アニメです!当時はほとんど社会現象でしたね。

 最初の喰いつきは悪かったです。ガンダムが放送される直前までやっていたロボットアニメというと、「マジンガーZ」「コンバトラーV」「ライディーン」など、かなり幼児向け。「あしたのジョー」と出会った瞬間にウルトラマンや幼児向けアニメから卒業してしまった僕にとって、ガンダムは幼児向けロボットアニメの亜種にしか思えず、親友が僕に薦めてくれても「まだロボットアニメなんて見てんの?」と言いかえす始末でした。
 こういう僕の態度が変わったのは、ガンダムを観ないと仲間外れにされるほどの大ブームになってから。いわば付き合いで嫌々ながら観始めたんですが、いざ見てみるとこれが面白くて夢中になったのでした!

 プラモデルが社会現象を巻き起こしたぐらいでしたから、もちろんロボットにも熱狂しました。でもそれ以上に惹きつけられたのが兵站のリアルな描写でした。たとえば、それまでのロボットアニメやファースト以外のガンダムで何度か見かけたのは、敵軍が奇襲してくると「よし、出撃だ」とか言ってパイロットの独断で出撃できたりしちゃう、そういうシーン。でもファーストガンダムは違いました。戦艦が航行するためには乗務員のための塩が足りず、どこかで塩の補給をしないといけない。スペア・パイロットの養成を急がないといけない。故障した民間機のふりをして、戦争条約にのっとって給油を受ける口上で敵戦艦に乗り込んでスパイと接触…それまでのロボットアニメではとうてい見た事のない描写で、このリアルさにのめり込みました。

 壮大な物語にも惹きつけられました。それまでのロボットアニメは一話完結だったんですが、ガンダムは全話を通しての大きな物語。そこには民間人が死んでいく悲劇、腐敗した政府、悲しき職業軍人のドラマ…さまざまな物語が大きな流れとともに語られていました。こういう大河ドラマ調のアニメって、ガンダム以前だと「アルプスの少女ハイジ」とか「母をたずねて三千里」あたりの高畑勲さんや宮崎駿さんのアニメぐらいでしか見た記憶がなく、それを男の子好みの戦記物でやってくれたもんだから、面白く感じて当然だったかも。

 とはいえ、テレビ版のガンダムは、子どもの頃の僕が観てもガキくさく感じた所もありました。敵戦艦の窓の形が悪魔みたいなシルエットをしていたりね(^^;)。また、バンクフィルムで引っ張るシーンが多くて、そこもけっこう萎えました。毎週、ガンダムのドッキング訓練という同じフィルムを繰り返し観させられたり。子ども心に、「これは超合金やプラモデルを売りたいんだな」と察してしまったほどにしつこかったなあ、あれ(^^;)。

 というわけで、たしかに思いっきりハマったクチなのですが、本当にガンダムにのめり込んだのは、このテレビシリーズをまとめた映画3部作が出てから。映画3部作に関しては、また次回!


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映画『エルヴィス・オン・ステージ That's the Way It Is』『エルヴィス・オン・ツアー Elvis on Tour』

Thats the Way It Is どちらも1970年代のエルヴィス・プレスリーのドキュメンタリー映画です。『オン・ステージ』は70年のラスベガスでのショーのドキュメンタリーでオリジナルタイトルは『That's the Way It Is』。『オン・ツアー』は72年アメリカツアーのドキュメンタリーで、オリジナル・タイトルは『Elvis on Tour』。どっちを先に観たのかは覚えてないんですが、一本見て興奮、そのままレンタルビデオ屋に走ってもう一本も借りました。それまでも全盛期の50年代に発表した「ハウンド・ドッグ」や「ワンナイト」といったナンバーは大好きだったんですが、僕が心の底からプレスリーにぶっ飛んだのはこの70年代のプレスリーのライブ映像を見た時だったんですよね。

 内容は計算され尽くされたエンターテイメントな音楽ショー。衣装はえりが高くてビラビラがついてスパンコールギラギラのジャンプスーツ。プレスリーの物まねをする人が着るあれは、70年代のプレスリーをパロってるんですね(^^)。一歩間違えば笑っちゃってもおかしくないんですが、でもヴォーカルがすごすぎて圧倒されました。パフォーマーとしてもヴォーカリストとしてもビートルズやストンーズとは格が違う、またヴォーカリストやミュージシャンという以上の何かが体から出ているようで、「ああ、これがロックンロールのカリスマか」と魅せられてしまったのでした。
 どっちの映画だったか忘れましたが、客席に降りていってお客さんの女性とキスしちゃうシーンがあるのを覚えていますが、ポリティカル・コレクトネスとか何とかやたら口うるさくなった今ではとてもできないこういうパフォーマンスをやっても決まっちゃうのはプレスリーのキャラクターがまさにカリスマ的であったからこそ出来た事なんじゃないかと。こんなのされたらその女は一生ファンになっちゃうでしょうしね(^^)。。

 プレスリーって、50年代にデビューして大旋風を巻き起こすも、数年で兵役についてシーンから消え、戻ってきたらムードミュージックの歌手みたいになっちゃったり映画出演ばかりしてかつての面影は失せ、そうこうしているうちにビートルズが大旋風を巻き起こして完全に消えちゃった人でした。ところがビートルズが引退するや見事返り咲き、若い頃よりも貫禄がついて大物感漂うショービジネスのカリスマになっていました。でも、77年に死んじゃうんですよね。プレスリー以前の大衆音楽はジャズでもタンゴでもシャンソンでもみんな大人向け。でもプレスリーの登場で、大衆音楽の中に若者向けのものが生まれ、以降のアメリカや日本の産業音楽シーンでそれが主流になったという歴史的大転換点となった人でもあったと思います。


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『Elvis Presley / Elvis Is Back!』

Elvis Presley_Elvis Is Back 1960年発表、徴兵を無事務めあげたエルヴィス・プレスリーがシャバに帰ってきて発表したアルバムです。でも60年あたりの合衆国の音楽シーンってどんな感じだったんでしょうね。ビートルズを筆頭にしたブリティッシュ・インヴェイションはもう少し先でビーチボーイズですらまだデビュー前、ロックンロールの初期衝動はそろそろおさまっていただろうし、ちょっと落ち着いたころだったのかなあ。

 50年代よりオケはまとまって感じました。コーラス隊なんてしっとりしているとさえいえそう。かわりにプレスリーやスコッティ・ムーアが暴れていたあの50年代の勢いはなくなって、なんだか結婚して落ち着いちゃったお父さん、みたいな。やっぱりね、ロックンロールって「もう9時か、帰って家族と一緒に過ごそう」じゃ駄目で、「まだ9時か、今日はオールでバカ騒ぎしようぜ」じゃないとね(^^;)。

 エルヴィスって、徴兵から戻った後は映画で主演を務めはじめて、音楽もムードミュージックやハワイアンみたいなバラードを歌い始め…僕の中では、ここでプレスリーとは一度サヨナラ。実際、入れ替わるようにビートルズの大流行が来て、完全に過去の人にされちゃいましたしね。ところが、そのあとに70年代のプレスリーのコンサートの様子を記録したドキュメンタリー映画を観て、「うわあ、プレスリーってやっぱりちょっと格上だな」と思わされたんですが…その話はまた次回!


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『Elvis Presley / The King of Rock'n Roll –The Complete 50's Masters-』

Elvis Presley_King of Rockn Roll エルヴィス・プレスリーの50年代のオリジナル・アルバム2枚の感想を書いてきましたが、僕がその2枚のアルバムを持っていたのは短い期間でした。「監獄ロック」「ハウンド・ドッグ」「ハートブレイク・ホテル」という超絶に素晴らしいナンバーがアルバムには入っていなかったもんで、何とかうまくコレクションできる方法はないかと考えたのです。ベストアルバムも色々出てたんですが、どれも帯に短したすきに長し。50年代のプレスリーのレコードをうまくコレクションできないものか…そんな風に思っていた時に「50年代のコンプリート」と銘打たれたこのCD5枚組ボックスの存在を知り、飛びついたのでした(^^)。RCA原盤のものは当然として、RCA契約前のサン・レコード吹込みのもの、さらにエルヴィスがアセテート盤制作のために自費で録音した音源まで収録。いや~徴兵前のプレスリー黄金期を聴くならこれは決定版でしょう!


 まずは何より音が良い、マスタリングの丁寧さがすごい!たとえば、RCA契約前のサン・レコードでの録音。これは他のレコードで聴いたことがある曲もあったんですが、音がボケボケだったんですよね。それがこのボックスでは「マジか、これが同じ録音なのか」と思うほどいい音で、ビックリしました。クラシックやジャズのようなアコースティック楽器のいい演奏ではないのでどうしてもああいう見事な立体感は出ないけど、それでもすぐそこでプレスリーが歌ってるみたい。

 そして、実際の音楽。デビュー前から徴兵されるまでのプレスリーの軌跡がビシビシと伝わってくる!!あ~ヤバいこれはカッコよすぎる。。プレスリーってトラックの運転手をやりながらプロ歌手を夢見て、がんばっていた人なんですよね。レコード会社やラジオ局への売り込みのために自腹でレコーディングしてアセテート盤を作って…みたいな。で、エルヴィス人生初のレコーディングの自費録音「My Happiness」の時点で、シンガーとしてもう表現力が素晴らしくてビビりました。デビュー前はカントリー&ウエスタン色がより強くて、演奏もそっち寄り。それがさらに黒さや激しさを増して、歌もロックンロールではヴィブラートを強くしたり、バラードでは喉を緩めてふくよかな声にしたりと、自分がどういう音楽をやるかを絞り込んでいきながら、それに合わせて歌い方も色々と変えて完成させていったんだな、みたいな。
 そしていよいよ「ハートブレイク・ホテル」や「ハウンド・ドッグ」に辿り着いた時には…たまたま運よくヒットしたんじゃなくて、ヒットして当然のあれを生み出すために必要な事を全部きちんとやって登りつめてきたんだな、みたいな。最初はアップテンポ曲でもギャロッピングとかのカントリー調だったギターが、バスでトレモロかけたりして徐々にロカビリーっぽいロックの表現様式を確立していって、みたいな。この頃そういう音の使い方はなかっただろうから、まさにこの瞬間に発明して作り上げた記録なわけですよね。デビュー前からデビューして大ブレイクするまでのプレスリーとギターのスコッティ・ムーアは一心同体と感じました。
 あと、売れて以降は、クリスマス・アルバムを作ったり、いかにも「みなさん、エルヴィス・ショーの始まりだ!」みたいなものをやったりもしてました。50年代からこういう事をやってたんだな…人間って、成功して以降よりも成功するまでのがむしゃらに走っている時の方が魅力的だったりするもんですね。。

 ブックレットも僕が持っている日本盤はLPサイズで88ページ、どういう録音なのかの解説も全曲に入ってました。ただ音だけじゃなくて、どういう録音なのかも重要じゃないですか。これはプレスリーのレコードを買うなら決定版、僕のレコード棚にはフィル・スペクター・ボックスの隣にこのボックスが並んでるんですが、この満足感がたまらないっす(^^)。エルヴィスの極めつけボックス、ロックファンならマストアイテムじゃないでしょうか?!


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『Elvis Presley / Elvis』

Elvis Presley Elvis これも56年発表、エルヴィス・プレスリーのセカンドアルバムです。エルヴィス全盛期の50年代に発表されたスタジオ録音のアルバムって実は3枚しかなく、うち1枚はクリスマス・ソングを集めた企画アルバムなので、実はロックンロールな50年代エルヴィスを聴けるオリジナル・アルバムはセカンドまでの2枚だけ。というわけで、ロックンロールも好きならエルヴィスにもしびれた僕がこのアルバムに手を出すのは時間の問題でした。

 このアルバムの10年ほど後に始まるロック黄金時代以上の熱さ!それでいて、攻撃性やヤバさは感じずに明るい!言ってみれば、アメリカ合衆国が最も幸福だった時代って50年代なかばから後半までの数年間だったんじゃないかと思わされる多幸感に満ちた音楽でした。当時は腰を振りまくって社会問題となったプレスリーですが、それだって今から聴けば退廃的とか反社会性というんじゃなくて、若者らしい活力に感じるんですよね。たとえば「Rip it up」を聴いていても、「さあ、ハイになって騒いで楽しくやろうぜ!」以上の他意を感じる事はなく、不幸も引きずっていなければ無産階級の怒りも社会的メッセージもなくて、人生を享受して、コーラを飲んで(ちょっとしたトリビア:プレスリーは酒が飲めない!)、女の子と恋に落ちて…みたいな。実際のところ、プレスリーってすごくいい人だったらしいですね。おまけに公民権運動もまだ盛り上がっていないこの頃のアメリカで、黒人ミュージシャンを平然と自分のバンドに入れる公平さも持っているし。
 ロックンロールを歌えばあの強烈なヴィブラートを乗せたグルーヴがカッコいいし、バラードを歌えば女の子だったらクラッときてしまいそうな甘く情熱的な声、これはアメリカ中の若者が熱狂したのもうなづけますね(^^)。なんでそんな史上最高のロックンロールスターがアルバム2枚で忽然と消えたかというと、58年から60年まで徴兵されて軍隊にいたため…戦争なんてしなくて済めばいいのになあ。

 「プレスリーを聴くならアナログ盤だろ」とか「オリジナル・アルバムで揃えたい」いう人なら、初期の2枚は絶対!でもそういうこだわりがないのであれば、エルヴィス全盛期の50年代は、CDでコレクションした方が効率がいい気がします。最初の2枚のアルバムはRCAからリリースされていますが、RCAだと「ハートブレイク・ホテル」「ハウンド・ドッグ」「監獄ロック」あたりがエルヴィスの切り札だと思いますが、これらはオリジナル・アルバムには未収録なんですよね。。というわけで、僕は最初はオリジナル・アルバムを買っていたんですが、あるボックスが出た時にオリジナルLPを手放す決断をしまして…その話はまた次回!


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『Elvis Presley』

Elvis Presley 邦題『エルヴィス・プレスリー登場!』、1956年発表、エルヴィスのファーストアルバムです。ファーストアルバムと言ってもエルヴィスは54年からシングルをリリースしていたので、遅すぎたアルバムデビュー…でも50年代だと情報の広がるスピードってそんなものかも。50年代のアメリカのチャート・ミュージックはシングルが基本だから、アルバムデビューが遅れるとか、そもそもアルバムが出ないなんてことは普通に起きたんでしょうね。CD化の際にシングルやアルバムをうまく整理してくれたものが出るまで、コレクションしている人も大変だっただろうなあ。

 1曲目の「Blue Suede Shoues」からいきなり全開、ヴィブラートのきいたロックンロールがカッコイイ!!プレスリー版のこの曲の良さは、サイドギターがアコースティック・ギターである事で、これがカントリー色を出していて、「あ、黒人ロックンロールとは色が違うな」と感じました。ロックンロールばかりじゃなくてカントリー&ウエスタン調の曲、フィフティーズ調、まるでハワイアンのような曲など色々やってるんですが、ロックンロールやロカビリー調の曲がやっぱり抜群にカッコいいと感じました。いやあ、これは一世を風靡するわけだわ。
 で、歳をとってから聴いて感じたのは、実はヴォーカルだけでなくギターやドラムももかっこいいな、みたいな。特にギターのスコッティ・ムーアがキーマンというか、ギター色の強いエルヴィス的なスタイルのロックンロールって彼の色なんじゃないか、とすら思ってしまいました。さっきあげた「ブルー・スウェード・シューズ」もそうだし、「トゥッティ・フルッティ」のギターアレンジなんて、よくこういうものを思いつくなと感心しきりでした(^^)。初期のロックンロールってジェリー・リー・ルイスやファッツ・ドミノみたいなピアノ主体のものもいっぱいあってギター優位ではなかっただろうに、以降にロックンロール・リヴァイバルが起きるたびに踏襲されるのは、エルヴィス・コステロにしてもストレイキャッツにしてもジョン・スペンサーにしても、みんなスコッティ・ムーア的なスタイル、みたいな。

 僕が洋楽をたくさん聴きはじめる前のプレスリーのイメージはロックンロールではなくてハワイアン。音楽も古く感じて、ロックの歴史はビートルズからだろうと思ってたんですよね。ところがプレスリーの50年代のロックンロールや70年代のライブを見てビックリ、パフォーマーとしての迫力が段違い、ビートルズやストーンズとは比較するのもおこがましい凄さで、圧倒されました。シングルが基本のアメリカン・オールディーズはコレクションが難しいですが、さすがにこれは名盤確定。チャック・ベリーリトル・リチャードやプレスリーやエディ・コクランのいったロックンロール黄金時代って最高です!


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『ドビュッシー:月の光 ピアノ名曲集 モニク・アース(p)』

Debussy_TsukinoHikari_MoniqueHaas.jpg 1970~71年にフランスのエラートが録音したモニク・アースのドビュッシーピアノ曲演奏は名演として知られています。これはそのオリジナル盤じゃないんですが、全録音の中からいいものを引っ張り出してCD2枚組で発表したもの。ERATO は、過去録音を再編集して「室内楽全集」とか、けっこうこういう事やるんですよね。なんとなく聴かないまま通り過ぎていたので、中古盤屋で見かけた時に「おっ」と思って買ってきました。

・ベルガマスク組曲
・ピアノのために
・夢
・夜想曲
・ロマンティックなワルツ
・映像 第1集、第2集
・2つのアラベスク
・レントより遅く
・前奏曲 第1集、2集(抜粋5曲)
・版画
・組曲「子供の領分」

 録音はけっこう味気なかったです。狭いサロンで録音したような音で、低音が少ないので音の豊かさに欠けた感じでしたが(これは僕が古いグラモフォンの録音に慣れてるから?)、エラートの録音ではピリス演奏のモーツァルトもそうだったので、レーベルの録音方針がこういうものなのかも。
 しかし演奏が素晴らしかった!王道って感じ。ずっと弾き続けてきた曲を、満を持して録音って感じだったんじゃないかなあ。指先で弾いてるのじゃなくて体に入ってる演奏というのはこの事、全身で表現してるみたいでした。音の方針は、鋭い音で横(時間軸)方向の表現をきわだたせるんじゃなくて、音色に配慮して縦方向のニュアンスを活かす、みたいな。これって、ロマン派時代のドイツ音楽と、印象派以降のフランス音楽の差そのものかも知れません。

 どの曲もそうですが、例えば「映像1」の中の「水に映る影」。この曲、ゆったりした曲想とは裏腹に、16分音符で変わっていくコードプレスをしなきゃいけないとか、ヴァリエーション部分で64分音符の13連みたいなのが10回ぐらい続いたり、なかなか大変なんです。そんなもんだから、自分で弾くといつの間にかスクエアになってしまいがちなんですが、1小節の中でもアゴーギクして歌うように弾かないと、なんか駄目なんですよね。それを、全身を動かしながら大きなうねりを作って演奏してる、みたいな。僕はよく知らないけど、「映像」の演奏史ってあると思うんですが、この演奏って以降のドビュッシー演奏に影響したんじゃないかなあ。。

 ドビュッシーのピアノ曲はいくつか重要なものがあって、「映像第1集」「映像第2集」「版画」「前奏曲集1巻」「同2巻」あたりはマスト。あと、技法でなく人気曲だと、ベルガマスク組曲の中の「月の光」とか「レントより遅く」あたりでしょうか。このCD、そのほとんどを網羅している所も素晴らしかったです。「前奏曲集」だけは何曲かの抜粋でしたが、全曲入れたら3枚組になっちゃいますしね。あと、今回このCDで「夢」という曲を聴いたんですが、こんなにいい主題だったっけ?展開部以降は月並みで僕の趣味じゃありませんでしたが、主題部分はシンプルながら素晴らしい着想に感じました。ロマンチックでもあるし、若いころの作品なのかな?あとでがんばって弾いてみよう。。

 今回のリスニングで、うちにあったドビュッシーのピアノ演奏のCDの半分以上を手放す事にしましたが(部屋が狭い!CDで床が抜ける!)、これは絶対に手放しちゃダメなやつです、素晴らしい演奏でした!


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『ドビュッシー:《映像》 《版画》 《喜びの島》 etc. ベロフ(p)』

Debussy_Eizou_Beroff.jpg ドビュッシー「映像」のいい演奏&録音を求めてさまよっていた僕は、中古でベロフの録音を見つけて飛びつきました。フランス人ピアニストのミシェル・ベロフというと、僕の中ではメシアンのピアノ曲録音で大感激した人。この録音もドビュッシーのピアノ曲集だし、フランスもののスペシャリストなのかな?
 そして…お?これはついに僕の「映像」第1集の名演&名録音を追い求める旅も終わりか?演奏も録音もいいぞ?!これはかなりの高得点でした!

・版画
・映像 第1集
・映像 第2集
・忘れられた映像
・喜びの島
・マスク

 録音は、ほとんどが96年にフランクフルトのフェステブルク教会というところで行われてますが、「喜びの島」と「マスク」だけはハノーヴァーの方のベートーヴェンザール(クラシックでは、ベルリンにあったベートーヴェンザールがフルトヴェングラーの録音でよく使われていて有名でした)というホールでの録音。これはエンジニアがうまいのか、ふたつの録音の差で違和感を覚える事がありませんでした。そして…

 演奏は、ゆったり水彩画を描くようなドビュッシー演奏の伝統とはちょっと違って、華麗な器楽演奏という趣。テンポも全体的に速めで、盛り上がると楽譜の指示関係なしにフォルテになりアッチェルしたりして、すごい勢いで弾き倒していました。これは好き嫌いでしょうが、見事である事は間違いなし。ハマる人にとっては超名演に感じるスーパープレイじゃないでしょうか?!個人的には、男性的にゴツンと来るミケランジェリより、こっちの方が好みかな?

 でも、あくまで個人の趣味をいえば…もし「前奏曲集」がこれだったら問題ない気がするんですが、「映像」や「版画」は、プレイヤーの忘我の境地を聴かせるより、もう少し曲の水彩画のように鮮やかな色彩を聴かせてほしかったと思ってしまったりして。4度と6度がブワッと広がるような和音の部分は、極端にいえばもっとジャズみたいに均等にコード・プレスしちゃった方が、印象派的な色彩が出るような気がする…いや、そんなのは考え抜いたうえでやってるんでしょうから、やっぱりこれは好みの問題なんでしょうね。
ああ、ギーゼキングの録音がいい音でさえあれば、僕はドビュッシーの映像の演奏をこんな何枚も聴かなくて済んだのに…。というわけで、僕のドビュッシーのピアノ曲の決定的録音を求める旅はなかなか終わらないのでした。自分の好きな解釈で聞きたいならもう自分で弾くしかないのか…それがいちばんダメですね(^^;)。


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『ドビュッシー:ピアノ名曲集 サンソン・フランソワ(p)』

Debussy_PianoMeienshuu_Francois.jpg これは、サンソン・フランソワによるドビュッシーのピアノ曲集。曲は、前奏曲第1巻から「亜麻色の髪の乙女」や「沈める寺」など4曲、ベルガマスク組曲から「月の光」など2曲…みたいに、ドビュッシーのピアノ曲の名作のオムニバスです。1961年録音。

 演奏が見事!鼻歌でも歌うかのような軽やかに躍動しますが、そんな簡単な曲じゃないはずなんだけどな。サンソン・フランソワは、ラヴェルのピアノ曲の演奏でも素晴らしいと思った事がありましたがドビュッシーも素晴らしかった!!やっぱり世界の一流ピアニストとなるとレベルが違い過ぎるんだなあ。印象派のあの色彩感を見せる和音も、メロディにそっと添えられる感じだったりして、素晴らしかったです。「レントより遅く」も「沈める寺」も、これは文句なしの演奏なんじゃないかと。

 ただ、録音がもうひとつでした。悪い音だとは思わないんですが、なんかボワーッとしちゃってるんですよね。録音って難しいんだなあ。

 サンソン・フランソワさんは、最晩年にドビュッシーのピアノ全集録音にも挑戦していたと思うんですが(このCDとは別録音)、そっちの音はいいのかなあ。こうして、ドビュッシーのピアノ曲の良い演奏&録音を求める僕の旅はまだ続いたのでした。このレコードには一番の目当ての「映像」第1集が入ってなかったのも大きかった。。


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『ドビュッシー:《映像》第1・2集、《子供の領分》 B.ミケランジェリ(p)』

Debussy_Images1 2 Childrens Corner_Michelangeli 以前にギーゼキング演奏によるドビュッシーのピアノ作品集を取りあげた事がありましたが、あれを超名演と思っている一方で、いかんせん古いので音が悪いのがきついのです(^^;)。というわけで、ここから僕のドビュッシーのピアノ曲の名演名録音をさがす旅が始まってしまったんですが、そういう人は多いはず(^^)。ドビュッシーのピアノ曲の名演というと、ギーゼキング、モニク・アース、ミケランジェリあたりはすぐに名があがると思うんですが、これはその中のひとり、イタリアのアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの演奏です。名盤として名高い1枚で、71年録音です。

 さすがにギーゼキングより録音が良かったです。ピアノ演奏の教科書として音は拾いやすいし、タッチなどなど色々な事が見えるので、これはオススメ(^^)。しかし観賞するとなると、ギーゼキング盤のあの色彩感覚には届かず。いや、ものすごく素晴らしい演奏で、ドビュッシーの曲ってあの聴いてる時の心地よさとは裏腹にかなり弾きにくくて、これだけ弾けるというのはうらやましいぐらいです。ただ、ギーゼキング盤と比べてしまうと色彩が弱いかな、みたいな。例えば、映像第1集の「水に映る影」なんて、最初のブワーッと色があふれ出るところが感動を左右すると思うんですが、それが足りなく感じました。音が混じらないんですよね…。
 でも、それがホールの音が少ない録音のためなのか、それともピアニストの音色操作のためなのかは、ちょっと僕には分かりませんでした。たぶん、ホールの選択を含めた録音のせいなんでしょうね。だって、このミケランジェリの演奏も音色コントロールは「うわ、これはペダルを含めて素晴らしいわ」と思いますし。そうそう、ミケランジェリは初見が苦手、でもテクニックがすごくて「リストの再来」なんて言われた人です。ポリーニアルゲリッチもミケランジェリにレッスンを受けた事があるんだそうです。

 クラシックの大名曲の録音あるあるですが、曲は好きなのに演奏と録音の両方が「これだ!」とピタッと一致するものになかなかたどり着けなかったんですよね。でももしギーゼキングの演奏を聴いてなかったら、僕はこの演奏を聴いて、それでドビュッシーのピアノ曲録音を探す旅なんてしなかったんだろうな。。名演である事は間違いなし、ドビュッシー「映像」を聴くにも演るにも避けて通れない1枚と思います。


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『チェコとスロヴァキアの民俗音楽 Music from Czechoslovakia』

Cheko to Surovakia no Minzokuongaku 1960&66年録音、ARGO 原盤、チェコスロヴァキアの民俗音楽のCDです。2021年時点でチェコとスロヴァキアは分離独立していますが(1993年に分離)、僕が学生のころまで両国はチェコスロヴァキアというひとつの国でした。

 いろいろな編成の音楽が入っていましたが、みんな歌や演奏がうまい!これ、村のバーなんかで演奏している職業演奏家じゃないのかと思うぐらいのレベルでした。ヨーロッパの民俗音楽って、村のほうの民謡とかになるとそれなりにアマチュアっぽかったりしますが、もうそういうレベルじゃなかったです。アコーディオンやフィドルを使った演奏は実際にそうなのかも知れませんが(フィドルのピッチの良さなんて、アマチュアバンドとは思えないうまさ!)、アマチュアであろうわらべ歌ですらリズムや音感が素晴らしく、民謡独特の癖があるヴィブラートも綺麗。チェコスロヴァキアって、演奏のレベルが高いと思いました。

 音楽。合奏器楽はヨーロッパの街角で演奏している大道芸バンドみたいな楽しさ(^^)。使われる楽器はダブルリード楽器、金管楽器、アコーディオン、ツェムバロン、フィドル、アルコで演奏されるコンバスなど。これは舞曲が多いのかな?2拍子と3拍子が入れ替わる曲なんてのもあって、東欧の舞曲独特の変拍子も健在でした。
Cheko_Map.gif 歌。CDの半分ぐらいは独唱か合唱で、その大半が無伴奏でした。独唱は透明感のあるゆったりした歌が多く、無伴奏合唱はハーモニーが恐ろしく綺麗。合唱は聞いているだけで「ああ、人間に生まれてきてよかったなあ」と思ってしまいました、それぐらい綺麗!アルバニアの無伴奏合唱の素晴らしさにものけぞった事がありますが、このあたりは合唱文化がすごいんですね。しかもこれ、儀礼音楽でも人に聞かせるためでもなく、自分たちで楽しむために歌ってように聴こえるんですが、もしそうなら、これほど音楽を深く楽しむために使えていてうらやましいです。モーダルとファルセットを入れ替える無伴奏合唱なんてのもあって、これはブルガリアにまでつながる東欧の民音の歌唱の伝統なのかも。

 音楽全体でいうと、チェコ(ボヘミア)のほうが7音音階&長調的で明るく楽しげ、スロヴァキアのほうが5音音階&短調気味のものの呼吸の深い音楽が多く感じました。地勢的な理由もあるのか(チェコはドイツやオーストリアと隣接してます)、クラシックと接触している部分も感じるし、ヨーロッパの民謡や古い大衆音楽の良さもいっぱい残ってるし、実に素晴らしいCDでした!チェコスロヴァキア、行ってみたいなあ。


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『ハンガリー 農村ジプシーの音楽』(世界民族音楽大集成)

Hungary NousonGipsy no ongaku キングレコードの民族音楽大集成シリーズの74巻、ハンガリーの農村ジプシーの音楽です。1964年の現地録音、小泉文夫さんのチームの録音。さすが小泉さん、このCDの解説が素晴らしかったです!

 この録音がされた1964年、ハンガリーには30~40万人のジプシーがいて、そのうちの1割は音楽を職業にしていたんだそうです。いやいや、人口の1割が音楽家ってすごすぎないか…。ハンガリーの音楽というととにかくジプシーのものばかり耳に入りますが、この国は音楽というとジプシーがやるものなんでしょうね、江戸時代の日本で公に音楽をやる人が僧侶か幕府指定の音楽所子弟の家に所属する人に特定されていたようなものかな?(あれ、浄瑠璃ってどういう社会階層に入るんだろう…。)でもって、ハンガリーのジプシーには定住してハンガリーに溶け込んでいる都会ジプシーと、ハンガリーの農村社会に溶け込まずに村はずれにテントを張って棲んでいる農村ジプシーという2種類がいたんだそうで。このCDに収録されているのは、後者の農村ジプシーの音楽でした。

Hungary_Map.gif 無伴奏、フラメンコのような独特のこぶしを利かせた歌い回しと発声、エキゾチックな旋法…マジで思いっきりジプシーっぽい音楽でした。これはカッコいい、なるほど音楽の民であるだけの事はありました。

 音楽は2種類に分かれていて、ひとつは自由リズムのゆっくりした叙情歌「ロキギ-リLokigili」または「ハルガトーHallgato」と呼ばれるもの。もうひとつは、踊り歌で「ケリマスキギリKhelimaskigili」または「パットゴーシュPattogos」と呼ばれるもの。どちらもうまいんですが、エンターテイメントな感じはしなくて、まるで儀礼音楽のような、自分たちのためにやっているように感じる響きでした。お客さんに合わせるんじゃなくて、自分たちにとって素晴らしいものをやっている音楽って魅力が全然違うなあ。。

 東欧に住んでいるジプシーの音楽の録音っていっぱいありますが、ハンガリーの農村ジプシーの録音はレアなんだそうです。音楽も素晴らしかったし、これはおすすめの1枚ですが、今ではちょっと手に入れにくいかも。民族音楽、フリージャズ、現代音楽のレコードって、欲しい時に買っておかないと手に入らなくなりがちなんですよね。。


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『ルーマニア 失われた農村の伝統 Roumanie: Musique de Villages』

Roumanie Musique de Villages 『ポーランド 民謡と踊り』に続いて、ジュネーヴ民族博物館のシリーズの1枚です。ルーマニアもぜんぜん知らない国ですが、ポーランドよりはイメージできるかも。コミック『マスターキートン』の最終話がルーマニアを舞台にした見事な長編だったのでね。正教会系で、けっこうモンゴロイド系の顔だちの人が多くて、社会主義以前の封建農家が生きていて、大草原の広がる田舎が多い東欧の農業国…って、マスターキートンの情報だけという事に今気づきました(^^;)>。そんなルーマニアの民族音楽ですが…エキゾチックで、メッチャかっこよかった!!

 このCDの音源は、ルーマニアの民族音楽のCDで一番の重要な資料なんじゃないかと。というのは…ハンガリーやルーマニアの民謡研究と言えばバルトークですが、そのバルトークのルーマニア音楽研究を引き継いだ人にコンスタンチン・ブライロユという人がいたそうです。この人、ルーマニア作曲家協会に所属する民族音楽研究所を設立して、1933-43年の10年間、ルーマニア国中を歩き回って、民謡を採取したそうです。その録音はもともとSP盤で3枚に記録されていましたが、その一部をまとめたのがこのCD。(*僕が買ったのは日本編集盤ですが、オリジナルのフランス盤だと3枚バラで完全版が出てます。)おお~すごい!民謡とか土着の音楽って、ヨーロッパの帝国主義にどんどん滅んでいくので(日本なんて全滅状態)、いま採取しようとしても出来ないんですよね。実際、このCDに記録された村の民謡の一部は、民謡どころか村自体が滅んで今はないのだそうで。だから超貴重なのです。

Roumania_map.gif このCDでは曲種ではなく地域別に3分割して音楽を収録してありました。3つというのはオルテニア(M1~9)、モルダヴィア(M10~24)、トランシルヴァニア(M25~)の3つ。音楽はなかなか複雑な様相をしてしていると感じました。たとえば、日本なら、民謡ってどれも似ていると思いません?源流が似ているというか。ところがルーマニアの音楽は実に多彩。スラブ音楽的なところでは田舎歌的や複雑なリズムの舞踊曲、それに葬式の時に泣き女が歌うラメントあたりがそんな感じ。でも、それだけでなく、トルコ音楽っぽい器楽、ラテン色の強い音楽、ジプシーのヴァイオリン音楽…もう、色んな音楽のチャンポンでした。ジプシー色なのかマジャール色なのか分かりませんが、「なんだこれは?!」という音階やリズムも結構あって、ゾクゾクきました。民族音楽を聴く楽しさって、英米の長調か短調のどちらかという狭い範囲の音楽からはみ出した快感があると思うんですが、ハンガリーは音階にしてもリズムにしても、東欧の中でもエキゾチックさの際立った音楽と感じました。そして、土着の音楽なのに高度な部分、これは民謡ではなくジプシーのプロ楽団やトルコから流入したんじゃないかと思われるアラビア音楽あたりがそうなんでしょう。どこの国の音楽でも、やっぱり専門に音楽をする人がいた地域の音楽は高度に発展するんですね。

 ルーマニアの音楽はとてもエキゾチックで、西洋を感じるものですら西ヨーロッパではなくスラヴ色が強くて、それですらベースにあるものは西洋音楽じゃない感じ。えらくプリミティブな感じもするし、逆に偉くアヴァンギャルドにも感じました。要するにそれって僕が西ヨーロッパを中心に音楽を捉えてるという事ですよね。つくづく政治的グローバリゼーションに毒された感性を持ってるんだなあ。フラットとまでは言わないまでも、せめて日本音楽を中心に考えられる人間でありたいもんですが、その日本自体の文化が西洋かぶれの100年ですから、これは仕方ないか。ルーマニアの音楽、メッチャクチャ面白かったです!


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『ポーランド 民謡と踊り Poland: Folk Songs and Dances』

Poland Folk Songs and Dances ポーランドの音楽で僕がまっ先に思い浮かべるのはショパン、以下シマノフスキペンデレツキルトスワフスキ、グレツキあたりのクラシック系は思いつきますが、ポピュラーや民族音楽は全然知りましぇん。ポルカがポーランドの踊りという事ぐらいかな?国のイメージもあんまりなくって、映画『戦場のピアニスト』で見たポーランドは大戦でボロボロの市街地ばかり、ドイツやロシアに占領された悲劇の国という印象のみ。主要産業すら分かりません。というわけで、このポーランドの民族音楽のCDはワクワクでした!

 このCD、ポーランドの音楽をザックリ分けて収録してくれてるので分かりやすかったです。器楽(M1~7)、日常の歌(M8~12)ざれ歌と踊り歌(M13~15)、抒情的な語り物の歌(M16~19)、民族楽団の演奏(M20~22)、少数民族の音楽(M23~30)。いや~こういう編集が素晴らしい!さすがはユネスコ制作のCDだけある、ポーランドの音楽をこの1枚でひととおり聴けた気がしました(^^)。

 器楽アンサンブルポーランドの南部で盛んで、特に山岳地方には優れた楽団が多いらしいです。音楽的にはスロバキア文化の影響(もっと大きく見るとジプシー文化)の影響が強くて、ヴァイオリンやバス・フィドルを使った楽団が多くて、ほかにはバグパイプをつかったものもありました。なるほど、フィドル系の演奏はポーランドというよりバルカン半島一帯に広がるジプシー音楽という事ですね。バグパイプは、ヨーロッパ全体に広がっている楽器なので、これもポーランドというより汎ヨーロッパ的なムードでした。

 日常の歌は、無伴奏の歌。歌詞は分かりませんでしたが、「洗濯するぞ~」とか「ネズミが米食っちまう」とか歌ってるのかなと勝手に想像(^^)。いや~こういう素朴な歌って、僕好きなんですよ。あ、ポーランドの歌はポリフォニーのものはないのが印象的でした。すぐ近くのウクライナやロシア、ドイツ、あるいはバルカン方面はすごい合唱音楽を持ってるのに、ちょっと意外でした。
 語り物の歌も無伴奏で、イギリスのチャイルド・バラッドよりもさらにプリミティブ。このCDだとおばあさんとおじいさんみたいな声の人が歌ってましたが、これが味わい深い。。どの国も、田舎の農民の老人はいい歌を持ってるんですよね。

 民族楽団の音楽、ここでようやく知っているポーランドの音楽が登場、ポルカです!これもやっぱりヴァイオリン属の合奏音楽で、楽しげな舞踊音楽でした。でも、少なくともこのCDでは、こういう器楽の方が少なかったので意外でした。むしろポルカみたいな音楽の方が少ない、みたいな。

 というわけで、東欧なのに意外にも変拍子の舞曲が少なく、ロシアに近いのに歌が多声ではなく、ポーランドといえばポルカだと思ってたのにああいう舞踊音楽は少なく、田舎の素朴な歌が多かったです。ジプシー系を除いたら、マジで無伴奏の日常の歌しかないのではないかという感じ。でもそれが生活に密着しているように感じられたところは、すごくよかったです。たぶん今はこういう歌も減ってるんでしょうが、エンターテイメントや商音楽でない生活の歌やワークソングって、人が心で思っているウソ偽りない言葉やメロディという感じがして、聴いていてホッとするんですよね(^^)。歌や農作業や家族と一緒に生きて、生まれた土地で死んでいく、みたいな。こういう歌、資本主義グローバリズムに駆逐されずに残って欲しいなあ。


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『武田和命 / ジェントル・ノヴェンバー』

TakedaKazunori_JentleNovember.jpg 1979年録音、テナーサックス奏者・武田和命さんの数少ないリーダー・アルバムです。ワンホーン・カルテットで、山下洋輔さんや森山威男さんといった山下さん関連のミュージシャンがバックを務めていました。なぜか…なるほど山下洋輔さんがプロデューサーなんですね。山下さんと武田さんは、山下さんが伝説のトリオで有名になる前からの付き合いだったそうで、そんな旧友のリーダーアルバム制作に山下さんが一肌脱いだ、という事のようです。山下洋輔さんって、阿部薫さんの葬式にちゃんと参加したり、律儀で漢気もハートもある人という印象があります。このアルバム、収録曲はすべてバラードで、前半が「Soul Trane」などジョン・コルトレーンがらみの曲、後半が武田さんのオリジナル曲でした。

 うわあ、これも見事なバラード演奏だ…。調律を含めたピアノの音だけがちょっと残念でしたが、そこを除けば優秀録音と言っていいんじゃないかと。録音の良さだけでなくて、ミュージシャンの出す音も見事。とくにサックスの武田さんの演奏が素晴らしかったです。フレージングとか何とかもそうだけど、とにかく出音とアーティキュレーションが鳥肌もの…演奏って表現につきるなあ。表情もつけずに指だけ動かしてパラパラ音を出すフュージョン以降のサックスは好きになれませんが、そりゃそうですよね、こういう音を一度聴いてしまったら元に戻れなくなろうというもんです(^^)。ドラムもベースも一流、山下さんは…左手が躊躇したりして、 もう一声だったかな?きっと、スタンダードなジャズの演奏からしばらく離れていて、自分でも「あら?あらら?」って感じだったのかも(^^;)。

 若いころ、山下洋輔さんに森山威男さんといえば超ラウドなフリージャズという認識で、それを期待してこのアルバムを買いました。ところがよもやのバラード集、最初は肩透かしを食ったというか面食らったというか、期待外れに感じたんですよね。ところが、アルバムを聴き終わった頃には、山下さんでも森山さんでもなく、武田さんの虜。今も大事に持っているCDです。それにしてもアコースティックの音楽は録音がムッチャクチャ大事と感じます、こういう素晴らしい音で演奏しても、録音が悪いと表現がごっそり削られちゃいますから。


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『山下洋輔トリオ / モントルー・アフターグロウ』

YamashitaYosuke_MontreuxAfterglow.jpg 森山威男さんから小山彰太さんにドラマーが代わった山下洋輔トリオ、1976年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音です。すごいなあ、モントルージャズ祭、出てみたかったなあ。そしてこのアルバムのジャケットに映っている小山さん、若い(^^)。それにしても山下洋輔トリオはドラマーに恵まれましたね、日本のジャズ・ドラマーでも超トップクラスの森山さんに小山さんが在籍したんだから。もしこのふたりじゃなかったら、対等なトリオではなく、山下さんのバックバンドになっていたんじゃないかと。

 とか言いながら、このアルバムは、残念ながら僕にはちょっと合いませんでした。例によって「音や音楽が何を望んでいるかは無視して、とにかく指を速く動かせ!フォルテで演奏しろ!」みたいな、ザ・山下洋輔トリオな音の雨あられ。ピアノもクラスターが目立つようになってきたし、芝居がかっているというか、大道芸っぽいんですよね。。

 僕は70年代の日本のフリージャズがすごく好きです。もちろん他の音楽と同じように当たり外れはあるけど、富樫雅彦さん、高柳昌行さん、佐藤允彦さん、高木元輝さんに吉沢元治さん。みんな本当にすばらしいミュージシャンだと思います。でも、でも山下洋輔さんはちょっとこれらの人とは違うというか、音楽の大事なところをつかまえないで、フリージャズというスタイルだけを真似したように思えてしまうときがあって、もうひとつのめり込むことが出来ませんでした。山下洋輔トリオは、ジャズをやらせたら上の人たちよりはだんぜんうまいぐらいのテクニシャン揃いでしたが、これだけ音を使っている割には音楽が鳴ってこない…そんな印象でした。


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『山下洋輔トリオ / キアズマ』

YamashutaYosuke_Kiazuma.jpg 1976年に山下洋輔トリオが出演したドイツのジャズ音楽祭でのライブ録音です。メンバーは『Frozen Days』と同じで、坂田明、山下洋輔、森山威男でした。

 最初の2曲がすごく良かったです!フリージャズというより、バップのコード・プログレッションをシンプルにした音楽のようで、ハートが実にジャズでした。コンポジション抜きのインプロヴィゼーションだけで勝負に行った時のセシル・テイラーみたい。無理をして頑張っている感じはなく、自然に音が出てきているような。演奏ってこうじゃないとね。
 でもそういう音楽的に自然に歌う演奏ばかりじゃなくて、押しの一手で指を動かしまくってフォルテから一歩も引かない、みたいな山下洋輔トリオのトレードマークのような演奏もありました。何となく分かってきたぞ、こういう過剰な音楽を大道芸的な売りにしようとやってたんじゃなかいかなあ。ある意味でその狙いは成功していて、ドイツの観衆はスタンディングオベーションでした(^^;)。。

 ピアノを弾いていたからか、僕は若い頃から山下洋輔さんが気になる時期が周期的にありました。天下の山下さんだったらどう演奏するのかな、みたいな。で、いざ聴くとカッコいいけどどこか違和感を覚える、みたいな。その違和感というのは、みんなうまいんだけど無理してハードなフリージャズにしているというか、心も音も望んでないのにスタイルとしてフリージャズっぽいものに近づけているように感じるんですよね。『DANCING古事記』でも『フローズン・デイズ』でも、僕が好きな山下トリオは無理やりラウドなフリーやってるところじゃなくて、もっと音楽的に音楽を作りに行ってるところですし。
 それに、なんというか…スケールでも和声でもいいんですけど、そういう所が月並みなものをいくら高速で演奏したって、そんなに刺激的にはならないんですよね。ものすごい高速でドレミファと弾くより、ゆっくりでいいからドラ♭ミ♭ソと弾いた方がだんぜん刺激的だと思いません?そういうサウンド面やコンポジション面での工夫をせずに、とにかくスピード&パワーというのは、フリージャズというイデオロギーに固執するがあまりに正解が見えなくなっている、みたいに感じました。でもこの頃はプレイヤーも全員若かったし、まだ結論に達する前のジャズマンが即興演奏というものに挑戦してみた青春の1ページ、という事なのかも。


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『山下洋輔トリオ/ Frozen Days』

YamashitaYosuke_Frozen Days デビューから70年代までの山下洋輔さんは、完全にフリージャズの人でした。音大で作曲科に進んだ人なので、むちゃくちゃしか出来ない人とは違うはずなんですが、僕にとってはべらぼうに多い手数に任せた即興演奏がフリージャズ期の山下さんの印象です(^^;)。これは1974年録音の第2期山下洋輔トリオのスタジオ録音盤。メンバーは、山下洋輔(p)、坂田明(a.sax)、森山威男(dr)です。

 やみくもにフォルテ、指は動かせるだけ動かす…みたいな山下洋輔トリオが好きな人は、このアルバムの最初の10分は面白くないかも知れません。でも僕は逆で、山下洋輔トリオらしくない冒頭の10分が最高でした!
 1曲目がビル・エヴァンスと現代音楽の間ぐらいな感じで、「おっ?これは」と期待させられました。いい響きなんですよね(^^)。これがジャズでいうヘッド部分の役割を果たしてなかなかカッコよかったです。このヘッドからオープンパートに突入した役割を果たすのが2曲目で、弾きまくり吹きまくり。最後に現代音楽的なテーマに戻った役割を果たすのが3曲目冒頭。僕的にはここまでを通して1曲に聴こえて、すごく良かったです。フリーだろうが何だろうが音楽って時間の外に出る事は出来ないので、時間軸に沿った構成って、ない音楽よりある音楽の方が間違いなく面白いですよね、これは覆せない真理じゃないかと。

 でも、他のところはいつもの70年代山下洋輔トリオでした(^^;)。サックスもピアノもこれでもかと言わんばかりに限界まで指を動かしまくります。これ、最初の1~2分は圧倒される時もあるんですが、音楽的にそうするべきじゃなさそうな所でもずっと全力投球を続けるので、音はいっぱい鳴ってるけど音楽がぜんぜん鳴らせていないように感じちゃうんですよね(^^;)。

 野球の守備を見ていると、ここはゲッツーを打たせたいからカーブをひっかけさせに行くとか、ここは点をやってもいいから中間守備に戻してダブルプレーを狙いに行くとか、状況を捉えながらメリハリをつけているじゃないですか。でも山下洋輔トリオの演奏は、どういう状況でも全力投球で三振を取りに行っているような感じ。というわけで、フリージャズやっている頃の山下洋輔トリオの録音の中では好きな方のアルバムですが、そもそも僕は力任せにフリーやってる時の山下さんは好きじゃないのかも…大御所に向かってこんな事を言ってしまって、かたじけない。でも、山下さんのアルバムでは、これが2番目に好きです。


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『山下洋輔トリオ / DANCING古事記』

YamashitaYosuke_DancingKojiki.jpg 日本フリージャズの最重要グループのひとつ、山下洋輔トリオのファーストアルバム、ライブ録音です。時は1969年、録音場所は早稲田大学4号館のバリケードの中…つまり、70年安保闘争で封鎖された大学構内でのライブでした。メンバーは山下洋輔 (p)、中村誠一 (sax)、森山威男(dr) 。黄金の山下トリオです!

 ふたつのセットを収録していて、ファースト・セットはフリージャズで苛烈そのもの。中村さんのサックスも強烈だし、ドラムの森山さんは伝説になるだけのことはある強烈なドラミングでした。でもよく聴くと、山下さんのピアノは第1主題を発展させてテーマを作るし、最後は見事なコーダを作るし、やり方としてはクラシックの古典派に習った王道の音楽でした。やっぱりフリーだけでここまでの完成度にするのは無理ですよね。。
 セカンド・セットはなんと露骨な長調からスタートする美しいジャズ…かと思いきや、要所要所でフリー化してました。でもオルタードを使った進行がチラッとでてきたりして、あくまでジャズをベースに発展させた表現だと感じました。そして、その表現が熱くてすごい!!サックスが入ってきたところなんてカオスで鳥肌が立ってしまうし、美しく締めるクライマックスなんてフリージャズなんてものじゃなく芸術音楽と思いました。

 この苛烈な音楽、音楽だけをひっこ抜いて語るのはちょっと筋が違うように感じました。最初に学生運動のアジテーションを入れているあたり、レコードの制作意図もきっとそうでしょうしね。音楽だけでなく、70年代安保闘争の学生運動の空気を伝えるレコードでもありました。ジャケットやタイトルがダサい気がして、買う時は躊躇したレコードなんですが、いざ聴いたらぶっ飛ばされました。山下洋輔トリオのアルバムでは、これが一番好きです(^^)。


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『プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集Ⅲ ジョン・リル(p)』

prokofiev_piano sonatas 3_ john lill ジョン・リルによるプロコフィエフのピアノソナタ全集第3弾です。全集もののⅠとⅡを買ってしまうと、Ⅲも買わないとなんとなく損した気持ちになってしまって買ったCDでした。しかもⅡが「戦争ソナタ」の途中で終わってるもんだから、買わないと気持ち悪くてね(^^;)。

・ピアノソナタ第7番「戦争ソナタ」
・ピアノソナタ第8番「戦争ソナタ」
・ピアノソナタ第9番

 ピアノソナタ7番プロコフィエフのピアノ・ソナタでいちばん有名なのは、たぶんこの曲ポリーニホロヴィッツもプレトニョフも弾いてましたし。パワーみなぎる曲ですが、作風は古風に感じました。でも3楽章の変拍子も入り込んだ激情系な変奏の連続はバルトーク的でもあって、ロシア~東ヨーロッパ世界のほの暗い熱さみたいなものも感じたりして、3楽章はカッコ良かった!みんなこの3楽章を演奏しますしね(^^)。

 ピアノソナタ8番。これは7番とは対照的で、抒情的というか、まるでショパンの曲のよう。

 ピアノソナタ9番、プロコフィエフが完成させた最後のピアノソナタです。普通にドミナントを感じる曲で、クラシックの中のポップスみたい。かなりシンプルで、潔いというか清々しいというか、そういう印象でした。この清々しさ、もしかしたら晩年のあきらめの境地なのかも…というのは、考え過ぎですかね(^^)。

 というわけで、ソ連に帰ったあとのプロコフィエフは、先鋭や難解の真逆で、保守で平明と感じました。プロコフィエフ自体の作曲のモチベーションは「ソビエトの同胞が楽しめる音楽を」というものだったのかもしれませんが、それがどうも職業作曲家的に僕には聴こえてしまって、その部分が僕がいまいち好きになりきれない理由かも。


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『プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集Ⅰ ジョン・リル(p)』

prokofiev_piano sonatas 1_ john lill プロコフィエフのピアノソナタ4番に感動した僕は、有名な戦争ソナタではなく、初期のピアノソナタに興味を持ったのでした。まだ作曲科に転科する前、ヒイヒイ言いながらピアノ演奏してたなあ(^^;)。でもって、第2集の演奏がなかなか良いと感じたもんで、リルが演奏した同じ全集の1巻に手を出したのでした。

・ピアノソナタ第1番
・ピアノソナタ第2番
・ピアノソナタ第3番「古いノートから」
・ソナチネ1
・ソナチネ2
・束の間の幻影

 ピアノソナタ1番と3番は、どちらも単一楽章。いずれも弾きまくり系のソナタで(3番は急緩急)、後期ロマン派なムード。ピアニストとしても才能ありまくりだったプロコフィエフが自分で弾きまくりたくて書いたに違いないな、こりゃ(^^;)。でもちょっと保守でしょうか。

 それに比べると「束の間の幻影」は面白い作風で、印象派的。全20曲から出来ている小品集でソナタのような大きな構造はなく、どの曲も何らかのムードだけを漂わせてあっという間に終わりました。

 ソナタ2番ソナチネ2曲は、学生時代の作品と「束の間の幻影」の中間みたいな作風でした。ソナタ2番でいうと、1楽章と3楽章が新しい和声を意識した感じで、2楽章と4楽章が後期ロマン派的。まさに折衷です。
それに比べると、ソナチネの2はより不思議な感じ。ところで2曲のソナチネは、ソナチネと言いつつソナタ1番や3番よりも長い3楽章形式…どういうこっちゃ、調べたら何かわかるのかなあ。ソナチネの2番の2~3楽章がちょっと面白くて、調感は保ちつつも新しいサウンドが随所にある、みたいな。雰囲気でいうと、音列技法前の無調周辺のシェーンベルクとかスクリャービンとか、ああいうふわっとした感じの和音です。2つのソナチネを書いたころはヨーロッパにいた頃なので、ソ連当局の注文がなかったのかも。

 というわけで、プロコフィエフの初期ピアノソナタ作品と、その他のピアノ曲は、いかにも新古典も印象派もシェーンベルクも登場した20世紀初頭のあの時代の音楽という感じでした。20世紀初頭のメジャーなロシアの作曲家全般に言える事ですが、新しい音楽を作るというよりも、既存のスタイルの上で良い音楽を探っている、みたいな。プロコフィエフって、どういう音楽が作りたい人なのかよく分からなくって、「これは習作期だったのかな」「これはソ連政府に要請された作風なのかな」「これはスクリャービンからドビュッシーあたりを学習してたのかな?」みたいに思ってしまい、本音が見えません(^^;)。でもソ連時代の保守一辺倒な音楽よりよほど面白いとは感じました。

 あ、そうそう、ピアノのジョン・リルの事を前回も書き忘れてしまいました。イギリス人で、チャイコフスキー国際コンクールで優勝したピアニストです。軽やかというよりも「ダダ~ン」みたいに腰の据わったピアノで、かなり力の強い人だな、と感じました。これは僕の好きなタイプ(^^)。見た事ないですけど、きっとがっしりした体格の人なんじゃないかと。


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『プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集Ⅱ ジョン・リル(p)』

prokofiev_piano sonatas 2_ john lill 僕がはじめて保守に走っていないプロコフィエフの作品を聴いたのはピアノ・ソナタでした。プロコのピアノ・ソナタといえば「戦争ソナタ」が有名ですが、これは複数ある戦争ソナタのひとつが入ったCDでした!

・ピアノソナタ4番「古いノートから」
・ピアノソナタ5番
・ピアノソナタ6番「戦争ソナタ」
・田園風ソナチネ

 ピアノソナタ4番は保守的なロマン派風作品ですが、しかし第2楽章が夢の中を漂うようで美しい、まるでシューマンのピアノ曲を聴いているよう。「急進的」「難解」なプロコではありませんが、これはいい曲すぎて聴きほれてしまった。

 ピアノソナタ5番には初版(作品38)と改定版(作品135)がありますが、このCDに入っていたのは初版。これは20世紀初頭らしい色んな和声的挑戦がチラホラ見える作品でした。フランクやスクリャービンあたりと似た匂いを感じる、みたいな。調は感じるけど響きは不思議、少しだけフランス入ってる、みたいな。これは聴くほどに味の出るいい曲でした。個人的には、ソ連復帰前の1~5番の中では、これが一番いい作品だと思いました

 ピアノ・ソナタ第6番6番から8番は「戦争ソナタ」と呼ばれていて、プロコフィエフの代表作のひとつに数えられています。なぜ戦争ソナタと呼ばれるかというと、1940~44年という2次大戦中に書かれたからで、この6番以降がソ連に帰国後の作品になります。第1楽章は相当に不穏なムード。2楽章も明るい中に不協和音が混じり、3楽章も長調と短調が同時に鳴ってるような不思議なムード。この曲の作曲は1940年なので、独ソ戦開戦前夜です。当時のソ連市民から見た政情って、帝政ロシアをぶっ倒してソヴィエト樹立は嬉しかっただろうけど、戦争の恐怖はただならぬものがあったんじゃないかと。偉そうにしていたフランスがドイツにボコボコ、ドイツとソ連の緩衝地帯もどんどんドイツに潰され、「こりゃマジでやべえ」みたいな。なんでそんな所に帰ったんだプロコフィエフ…と思わなくもないですが、たしか病気のお母さんがいたんですよね…。そんなムードが漂う不穏な曲で、このダークさはショスタコーヴィチの後半交響曲っぽい印象を受けました。形式的にちょっと保守なところもショスタコっぽい。

 プロコフィエフって、ソ連に生まれてなかったらピアノソナタ5番あたりから先を突き進んだのかもと思う時があります。ただ、技法には無頓着で作品を重要視する事自体が20世紀初頭のロシア的とも思えるので、その前提自体が成り立ってないかも知れませんが。ところがソ連に帰ってからは、とくに大きな作品となるとソビエトの大衆のための分かりやすく健全な音楽…みたいになって、音楽を書く動機自体が、芸術的なものではなくなったと感じます。政治に左右された事もあるんだろうけど、音楽の才がありながら、音楽の芸術面よりも職業面(?)を優先したところがモーツァルトっぽくも思ったり。でも、ゴルゴ13を読む限り、当時のソ連の政治的圧力の厳しさは、今の日本に住んでいる僕なんかでは想像出来ないぐらいに厳しいものだったんでしょうね。戦争ソナタ6番を目的で買ったCDでしたが、4番と5番に感動させられたCDでした(^^)。


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『My Bloody Valentine / Ecstasy』

My Bloody Valentine Ecstasy 1987年発表、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのミニアルバムです。これもアナログ盤だけのリリースで、そういうちょっと意味ありげな姿勢が音楽にも反映されているというか、センスよく感じました。

 85年『This is Your Bloody Valentine』ネオロカビリーでパンキッシュな雰囲気はなくなって、ちょっとダークなポップロックという感じ。ネオロカビリーな野卑な色を出していたヴォーカルのデイヴさんが脱退したからこうなったのかな?ここからはポップな曲調とノイジーなギターが特徴になるので、バンドはギターと作詞作曲のケヴィン・シールズさんが仕切っていたのかも。ギターのノイズ加減だけがこれ以前の名残りかな?

 シューゲイザー期と比べると、バンド・アンサンブルがバランス良く感じました。翌年以降のシューゲイザー期みたいにギターにエフェクターかけまくって音の壁を作ってしまわないので、他の楽器とのアンサンブルがもう少し機能して聴こえるる分だけ、曲の個性を感じやすい、みたいな。

 でもこれだとアングラ色のあるポップロックというだけのものというか、フックが弱かったんでしょうね。良いんだけど人目に留まりにくいというか。ポップスって分かりやすさと個性の両方を要求されるので、さじ加減が難しいんでしょう。ちょっとアンダーグラウンドな雰囲気を持ったポップロックが好きな若い人だったらカッコよく感じる音楽かも。そうそう、このミニアルバム、のちに3曲を追加して『Ecstasy & Wine』というタイトルで再発されたそうです。


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『My Bloody Valentine / This is Your Bloody Valentine』

My Bloody Valentine This is Your Bloody Valentine 1985年発表のマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのミニアルバムです。リリース当時、CDではなく12インチLPだけを出したところにセンスを感じる(^^)。このアルバムの存在を知っていたもので、88年『Isn't Anything』がファーストアルバムだときいて「ん?」と思った僕的には、このバンドはブレイク以前の方が全然カッコいいと思っていて、その代表格がこのミニアルバム。クソカッコいいです!!チープな音楽満載だった80年代の洋楽でこれだけカッコいいロックをやったバンドもなかなかいないんじゃないかと。

 音楽は、ネオ・ロカビリー調というかガレージ調というか、アンダーグラウンドなやさぐれたカッコよさに溢れていました。ヴォーカルはロカビリー調に叫ぶし、キーボードやギターはガレージにかき鳴らされるし、スプリングエコーで作ったサウンドはアンダーグラウンドさを見事に表現してるし、悪そうだし、最高です。なるほど、このアルバム発表時に在籍していたヴォーカルのデイヴ・コンウェイとキーボードのティナというメンバーが、こういう音楽を目指していたのかも知れません。このレコードを出したTycoon はドイツのレーベルですが、こういうダークで悪そうな色って確かにドイツのものでもあるのかも。

 80年代もなかばになると、一時期は純音楽なりフォークロアのレベルにまで達したロックもかなり産業音楽に戻されてしまって、けっこうつまらない音楽がマジョリティを占めるようになっていました。でもそれってレコード産業界の大手が思いっきり資本主義な考え方をしたからそうなっただけの事であって、アンダーグラウンドではカッコいい事をやっているバンドがそれなりにいたという事ですよね。僕にとってのマイ・ブラッディ・ヴァレンタインはシューゲイザー以前のアンダーグラウンド時代です!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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