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『石井眞木作品集Ⅲ 西の響き・東の響き』

IsiiMakiSakuhinshuu3_NisinoHibikiHigasinoHibiki.jpg CD「石井眞木作品集Ⅱ」での、西洋の色んな作曲技法をあれこれつまみ食いして音は真似てあるものの、肝心の構造部分はテキトーに感じた作品を聴いて、「サウンドが良くても構造が弱いと音楽ってきついんだな」と感じた僕は、それからしばらく石井さんの音楽を聴かなくなってしまいました。しかしその印象が変わったのがこのCD。作品集Ⅱが西洋音楽のポストモダンだったのに対し、作品集Ⅲは西洋の楽器と日本の楽器の混成による作品集、これが良かったです!

1. 遭遇1番
2. 残照の時
3. 笙とチェロのための音楽
4. 解説
5. 熊野補陀落

 作曲より先に、邦楽器のプレイヤーがめっちゃうまい!2曲目「残照の時」はヴァイオリンと箏のデュオですが、箏の沢井忠夫さんがべらぼうなうまさ、これはすごい。尺八とピアノのデュオの1曲目「遭遇1番」の尺八の三橋貴風さんも素晴らしいです。曲の前に、こうした邦楽器演奏者の演奏のすばらしさだけで、とんでもなく素晴らしい音楽になってます。プレイヤーの力って大きいなあ。。
 曲も素晴らしかったです。シンプルではあるけど大きな構造があって、これが音楽が時間的に続いていく促進力になっているように感じました。前衛から離れて古典的ですが、それが効果的だったんじゃないかと。「遭遇1番」なんて単純な3部形式+コーダですが、序破急がはっきりしていて良かったです。どの曲も一度は盛り上がる所を作り、変化するところを作るので、大きな構造が見えやすいのかも。

 現代音楽を西洋音楽の歴史の上で眺めると、新しい音色を得た面があると思います。それは無調の時代で和声的な意味での新しい音という事もあるし、単に新しい楽器や奏法を使うという直接的な方法もありました。その新しい響きを使って、瞬間的には非常に緊迫感も色彩も豊かで、一方の構造は古典的な分かりやすくまた効果的な方法を使っているので、このバランスがいいのかも。緊張感のある良い音楽を作り上げた感じでした。
 そしてその新しい音の素材が邦楽器となっている事で、楽器自体に付きまとっている日本音楽の特徴も音楽に巻き込まれて民族主義的にも響いて、うまいこと西洋音楽の模倣から逃れて、独特の音楽を作りだしているように感じました。プレイヤーの演奏が素晴らしいものぞろいで、とても素晴らしい音楽でした。個人的に好きな曲は…4曲目のオーケストラの響きと横笛の協奏曲調の曲や、5曲目の義太夫節と楽器と電子音響の作品が特に印象に残っていますが、5曲とも全部好き。というわけで僕にとっての石井さんは、邦楽器を使った現代音楽を書くととつぜん素晴らしくなる人なのでした(^^)。


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『石井眞木作品集 響きの現在Ⅱ』

IsiiMaki_Hibiki no Genzai2 日本の現代音楽作曲家の石井眞木さんの作品集です。この作品集は独奏や2台マリンバなど、室内楽のなかでも小さ目の編成のものを集めてありました。収録は以下の通り。

 1.ブラック・インテンションⅢ op.31
 2. 夜の響き op.82
 3. 飛天生動Ⅱ op.55
 4. ア・グリーム・オブ・タイム(時の閃き) op.53
 5. 失われた響きⅠ-ヴァージョンB op.32

 石井さんは1936年生まれなので、作曲家として活躍を始めたのは戦後、思いっきり前衛の時代を通過しています。でも1曲目のピアノソロ「ブラック・インテンションⅢ」を聴いてビックリ。思いっきり調音楽、しかもミニマルっぽいです。そこからクラスターがドカンと入ってきたり、別のテンポを持つフレーズが重なってきたり…みたいな感じで、ポストモダン的。それにしてもこのピアノを演奏するのは右手と左手がまったく違うテンポで演奏しないといけないところがあるから死ぬほど難しそう。というか、これを弾ける人ってどれだけいるんだろう。高橋アキさんすげえ。

 以降も色んな技法が出てきて、どれもさすがプロ作曲家という丁寧な響き。荒っぽい所がありません。ただ、ちょっと感じてしまった点がふたつ。ひとつは、あの技法この技法とつまみ食い的なので、何がしたいのか分かりませんでした。そういう意味でいうと、現代音楽の技法やアイデアであれこれと作る職業作曲家と感じてしまいました。
 もうひとつは、全体の構造を作るのがうまい人じゃないんだな、と思ってしまいました。部分部分はさすがプロ、パーフェクトな響きで聴き入ってしまうのですが、全体が直線的か、変化してもそれが唐突でうまくない(^^;)。さっきの「ブラック・インテンションⅢ」も、変化するところはいきなりクラスターとか、構造は別のものが別のリズムで折り重なるとか、ちょっと幼稚に思っちゃうんですよね。2曲目の諏訪内晶子さんのヴァイオリン独奏曲「夜の響き」も、サウンドや技法への配慮はプロフェッショナルなのに、全体を感じる事が出来ませんでした。

 この傾向ってなんなんだろうかと考えたんですが、要するにこの人は音楽を「何かの絵を描く道具」と考えてるのかも。僕は石井さんのCDを他にも聴いてきたんですが、自分でライナーを書くことが多くて、その曲説明がちょっと恥ずかしいんですよ。曲タイトルも「飛天生動」とか「ブラック・インテンション」とか、ちょっと中2病っぽいじゃないですか。音楽の説明もそういうところがあって、「敦煌石窟に感動して曲を書いた」とか、「左手と右手のリズムを分離して演奏する曲を書いた」とか、作曲のアイデアが場当たり的で、「俺は音楽をこういうものだと思っている!」みたいに突き詰めた作曲とは思えないんですよね。それも悪い事じゃないと思いますが、戦後前衛の時代を通過した日本人作曲家の中にはいると、軽い作曲に感じました。そんな石井さんのイメージが変わったのは…また次回(*゚∀`)ノ!


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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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