
1984年制作のアメリカ映画です。この映画、日本では多分あまりヒットしなかったんですが、僕は子供の頃に駅に貼ってあったポスターを見て、すごく観たいと思ったんです。『トロン』と並び、CGを駆使した走りとなった映画で、実写部分に本格的なCGを組み込んだのはこの映画がはじめてだったんじゃないかと。
トレーラーハウスの集まるアメリカの田舎町で生活していた青年アレックスは、近くのバーに置いてあったビデオゲームで最高得点をたたき出した。実はこのゲーム機、銀河系を守るパイロット候補を探すために設置されたものだった。アレックスは星間戦争の続く宇宙に連れていかれ… いいところともう一声のところが混在した映画でした。先に残念な所から書くと、子供だましなところがそれなりに目立つこと。テレビゲームをやってうまかったらエース…みたいなストーリーはいかにも子供だましに感じて、そこは残念でした。こういう幼稚さはちょくちょく出てきて、テレビゲームで最高得点を出したからと言って、村の人たちが集まってきてみんな歓声をあげるなんてありえねえだろ、みたいな。。
でも、悪いところばかりの映画じゃなかったんです。良いところの第1は、
脚本を除けば映画としての完成度が実は高かった事。さっきの「ゲームで高得点を出したら、村人がみんな大騒ぎ」というくだりも、台本はひどいんですけど、そこで大盛り上がりする役者さんの芝居とか、カメラワークとか、構図とか、みんなすばらしいんですよ。このへんは、さすがハリウッドと感じました。
良かったところの第2は、この映画の売りだったCG。公開当時の僕は魅了されまくったといっても過言ではありませんでした。いま見たって見れてしまうぐらい良く出来てたんですよね。シーンによっては宇宙戦闘機がすべてCGで描かれていたりするんですが、それが
リアルというより、コンピュータ・グラフィックならではの魅力のある絵で、それに魅了されたのでした。ほら、今ってCGをリアルに近づける方向に走ってるじゃないですか。でも当時は、リアルではあり得ないデジタルならではの部分が強調されていて、そこに魅了されたんですよね。
84年ごろというと、ようやくパソコンが手に入れられる時代になって、いよいよコンピュータが身近になり始めたころ。でもPCを持っている人はまだまだ少数派でコンピュータが描く絵なんてスーパーマリオみたいな2次元がせいぜいでした。その時代にワイヤーフレームをさらに先に行ったポリゴン3DGGですから(^^)。台本さえ良ければ素晴らしい映画になれたかもしれない佳作だと思います。でもアメリカ映画って、70年代後半あたりから、子供向け映画もずいぶん作られるようになった印象…『ベスト・キッド』とかね。そういう意味で言うと、これは中学生ぐらいをターゲットにした映画だろうから、「子供っぽい」という批判はあたらないのかも。いずれにしても、今となってはもう観る事もないかもしれないけど、思い出に残っている好きな映画です。
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