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Category: アート・本・映画 etc. > 本(漫画・サブカル)   Tags: ---

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コミック『まんが道』 『第二部 まんが道』 藤子不二雄A

MangaMichi.jpg 子供のころから何度も読もうと思いながら読まずにきてしまった漫画『まんが道』、ついに読みました!そういう本や映画や音楽の多い事ったらないですが、人生でそのすべてを見れるはずもなし、取捨選択が難しいです。結論から言うと、この漫画は大人になってから読んだとしても、読む時間を割くだけの価値があったと感じました(^^)。藤子不二雄Aさんが亡くなったいま読まなければ、おそらく一生読まなかったでしょうから、最後のチャンスだったのでしょうね。

 話は自伝まんが調でしたが、藤子A先生いわく、かなりの部分がフィクションなのだそうです。でもまあ想像するに、デートした女の子とか、自殺した友人とか、そういうこまごまとしたエピソードがフィクションなのであって、手塚治虫との出会いや漫画家を目指して上京してくる経緯など、物語の軸となっている部分はノンフィクションとは思います。だってそういう所はフィクションにすると問題ありそうですし、フィクションにする理由もないですし、実際にAさんは漫画家になったわけですしね。

 特に面白く感じたところが3つありました。1950年代の日本の文化が見事に描かれていた事、当時の漫画家や出版社の生活や風習を知る事が出来た事、成功した職業作家の努力やメンタリティに触れる事が出来た事です。特に最後の部分は、大人になってからでも読んで良かったと思えて感動。

 まず、1950年代の文化が描かれているところに、ノスタルジーを感じました。電車ではなく汽車(!)で上京。上京した若者は知り合いの家に下宿するのが普通。アパートは共同トイレに共同キッチン…共同トイレは知っていましたが、共同キッチンなんてものがある事は初めて知りました。他の部屋の人が使っていない時間を見計らって使うんですね。そうなるとアパートの住人は共同生活をしているも同然、社会性の高さが重要になるな…なるほど日本的だ(^^)。
 そして電話を持ってないのもデフォルトなので、急ぎの通知がみな電報で来ていました。「シゴトアリ ライシャクダサイ」なん要件まで電報で郵便局員が持ってくるなんて、本当にカルチャーショックでした。昔の郵便局員って大変だったんだな。。あと、テレビがないので、映画が今とは少し違う位置づけで、テレビもビデオもネット配信もニュースもひっくるめた大事なメディアだったんだな、みたいな。あ、でも、そのへんは映画『ニュー・シネマ・パラダイス』で観たイタリアもそうだったな(^^)。

MangaMichi_pic1.jpg 1950年代の日本の漫画家や出版業界の風習を読めたのも、面白かったです。ギャラが取り決められていなくて、仕事が終わっていざギャラが振り込まれると「あ、この前の仕事5000円も入ってるよ」なんて喜ぶ描写がありましたが、これを見て、僕は「出版業界って元々こういう文化だったのか」と腑に落ちたものがありました。
 ずいぶん前ですが、古い日本のレコードメーカーからCDのライナーノートを頼まれたんです。で、現代人の僕は、先に期日、文字数、ギャラを尋ねたんですよね。でも教えてくれず、引き受けてもいないのに「大きいレコード会社からの依頼なんて、ありがたがって書く奴がほとんどだから受けるのが当たり前」みたいな上から目線で応対され、なし崩しに書く羽目に。これはギャラなんて出ないんだろうと思いつつ、付き合いもあって一応ライナーを完成させました。で、いざ提出すると「○○円の請求書を作って、送ってください」と言われたんですよね。なんて仕事の仕方をするんだろうと思ったものですが、こうい仕事のスタイルって実は日本の出版業界のスタンダードなのかも知れないと、この漫画を読んで思わされました。
 日本の出版業界の文化風習が分かった記述は他にも色々あって、出版社ではロビーに並んでいるソファでミーティングなんていうのも、昔に音楽之友社に行った時にそんな感じでした。あ、これは昔の東芝EMIもそうだったな…。

 極めつけは、藤子不二雄さんおふたりや、その目標となった手塚治虫さんの姿に感動。この漫画、プロになってからは締め切りとの戦いばかりが書いてありましたが(^^;)、その仕事に取り組む姿勢が素晴らしかったです。題材を考え、テーマが決まったらストーリーを考え、キャラクターを作り、参考資料にたくさん当たったり実物を見に行ったりしてスケッチを大量に残して、締め切りまでに1日何ページあげればいいかを考え…仕事の進め方が本当にプロ、ここは職業として物づくりをする人は実に勉強になると思いました。そして、作品を作り上げるには2徹3徹は当たり前、すごいなあ。…って、考えてみたら、そんなの自分だってそうしていたか(^^)。

 こういう漫画を近くにおいておけば、頑張りがきかなくなった時にちょっと読み返して、「藤子不二雄だって完成させるために何日も徹夜したりして頑張ったんだ」と励みになるんじゃないかと思いました。売れっ子漫画家のEさんは、今でも仕事場の手の届くところにこの漫画を置いているそうですが、その理由ってそういう事なんでしょう。藤子不二雄さんや手塚治虫さんもそうですが、去年読んだ本で知った高畑勲さんや宮崎駿さんの作家魂と膨大な仕事量にも感動させられました。ジブリの鈴木敏夫プロデューサーさんが、若い時に宮崎駿さんや高畑さんの驚くべき仕事量やその情熱を見て、「いま、日本の作家というのはこういう所に生きているのか」と感激したそうですが、それって漫画家さんも同じだったのでしょう。人生をそこにかけて燃やし尽くすこういう情熱って本当に素晴らしいです。頑張りたいクリエイターさんの素晴らしい精力剤になる本じゃないかと!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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