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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『ブルース・クリエイション / LIVE! 白熱のブルース・クリエイション』

BluesCreation_Live.jpg 1971年、第2回フォーク・ジャンボリーに出演した時のブルース・クリエイションのライブを収録した1枚です。後年になってリリースされたので、オリジナル・アルバムじゃないですが、僕がブルース・クリエーションで一番好きなレコードはブッチギリでこれです(^^)。黎明期の日本のロックは、竹田和夫さんに洪栄龍さんに外道の加納秀人さんと、メッチャクチャかっこいいギタリストが何人もいたんですよね。ショーバンドと化していく同時代のアメリカやイギリスのロックや、エフェクター頼りになった90年代以降の日本のロックより、ぜんぜんカッコいいと本気で思います。日本のロックを聴くなら黎明期だ!

 いや~ギターがカッコいい、カッコよすぎる!!竹田和夫さんのギター炸裂しまくり、むっちゃくちゃいいです!ヴォーカルは一応いますが、歌パートなんてほとんどなし、ほぼスリーピースのインストロック。トゥッティで決めるところは決め、即興で突っ走るところは突っ走ります。即興といってもダラダラとしたジャムなんかではなく、熱くまっすぐ突きぬける!プレイもカッコいいですが、野太いギターやベースの音もメッチャかっこいい。「悪魔と11人の子供達」もやってますが、スタジオ録音の40倍はカッコいいです(^^)。

 若い頃に聴いた時も良かったですが、いま聴いてもこんなに悶絶してしまうとは思いませんでした。もう、演奏が完全に自分の肉声と化しています。洋楽とか邦楽とかなんていうのは、スタイルに耳が行くと起きることであって、個人の演奏に耳を奪われると、個人の表現に思えるので、洋楽とか邦楽とか関係なくなるのかも。この時期のブルース・クリエイションは、スタイルとしてはブラックサバスとかクリームとか似たスタイルをあげようと思えばあげられるかもしれないけど、このライブ盤はそんな所にはまったく耳がいかず、ひたすら竹田さんを中心としたバンドの白熱のプレイに耳を奪われるばかり。これはURCが出した1枚ですが、このCDが出た時に、はっぴいえんどや友部正人や遠藤賢司に目もくれずにブルクリとDEWを押えた若い頃の自分を褒めてあげたい。黎明期の日本のロックの大名盤だと思います!!


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『ブルース・クリエイション / 悪魔と11人の子供達』

BluesCreation_Akumato11nin no kodomotachi 71年にブルース・クリエイションが発表したアルバムです。以前に紹介したデビュー作はメッチャかっこいい割にあんまり知られていませんが、こっちは日本のロックの名盤ガイドにはたいていセレクトされてる1枚。だみ声の迫力が凄いヴォーカルの布谷さんが抜けた事で、竹田和夫さんのギターが聴きどころになっていました。

 ギターがデビュー作とは段違い!ムッチャ弾きまくりな上にうまさもレベルアップ、カッコいい!音楽も変化していて、スリーコードでペンタトニック1発のブルースバンドだったブルクリが、リフを基調にしたロックやってる!おお~転調した…これはブラック・サバスっぽいな…これはグランドファンクっぽいぞ…というわけで、ブルースロックからブルース系ハードロックになってました。
 ところがヴォーカルがダメでした。。英語詞なんですが、ものっすごいカタカナ英語なんです。「えぶりでい」とか「ですてぃに~」みたいな。まともに英語を発音できないなら日本語でやれとあれほどいったのに(^^;)。。

 僕にとっては弾きまくりの竹田和夫さんのギターがすべての1枚。それ以外の部分は完全に洋楽の物まねで、日本音楽界がロックを学習していた時期では仕方ないのかな…と思いきや、以降の邦楽はさらに洋楽丸パクリになっていくんですよね。ここに戦後の日本文化を見る思いがするよお父さん。僕はこのアルバムを友人から借りて聴いたのですが、それ以降のクリエイションにあまり深入りしなかったのは、「洋楽の物真似なら洋楽聴いた方がいい」と思ったから…だったんでしょうね、きっと。


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デンジマンのイントロは永遠に 作曲家の渡辺宙明さん、逝去

WatanabeCHuumei.jpg 先週の木曜(2022年6月23日)に、作曲家の渡辺宙明さんが他界なさっていたそうです。享年96歳、大往生ですね。

 1970年代前半に生まれた僕は第2次ベビーブーム世代で、子どもの多さゆえに子供番組の多い事ったらありませんでした。今では信じられない事ですが、どの曜日でも間違いなく新作のアニメか特撮番組が放送されている状態でした。しかも夕方には再放送までやっているわけだから、遊びから帰ったらヒーロー漬け。こうして僕の音楽の原体験が、アニメや特撮の主題歌やサウンドトラックになったのでした。渡辺さんの初期作品だと、72~73年『人造人間キカイダー』のOPとEDが大好きです。ダムの上をサイドカーつきのバイクに乗ってぶっ飛ばすあのオープニングは、毎回見るたびに「ああ、これからキカイダーが始まる!」というワクワク感。あれって絶対、音楽のイントロのカッコよさが期待を何倍にもしていたと思います。

DensiSentaiDenjiman_SoundTrack.jpg 僕が感化されたアニメ/特撮系の音楽の最大のものは、冬木透さんがスコアを書いた『ウルトラセブン』のサントラでしたが、冬木さんがクラシック調なのに対して、渡辺宙明さんはロックを感じる音楽が多かったです。
 ロックを意識した特撮番組の初期体験は、75年『秘密戦隊ゴレンジャー』のOPとED。ギターがコード・カッティングで、ワウをかましていて、すごくカッコよく感じました。75年というと、ダウンタウン・ブギウギ・バンドが「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」をヒットさせた年で、他にもアリスやツイストも活躍してたんじゃないかなあ。ロックが日本でもアングラでなくなりつつあった頃でしたが、同時期のヒット曲が「シクラメンのかほり」や「石狩挽歌」だった事を考えると、それでもかなり先を行っていたのかも。
 で、このワウを噛ませたギターは、ゴレンジャーの後番組『ジャッカー電撃隊』(77年)のOPでさらに進化。この番組、ドラマは面白くなかったですがOPがカッコよくて、食い入るように聴いていました。ボンゴのアドリブ演奏とワウを噛ませたカッティング・ギターのカッコよい事と言ったら。。
 さらに80年『電子戦隊デンジマン』まで来ると、イントロがシンセサイザー。しかもあの16分の三連符って、シーケンサー使ったんじゃないかな…。80年でシーケンサーって、きっとPCじゃなくて専用のシーケンス・マシンですよね。80年って、シャネルズ「ランナウェイ」や五輪真弓「恋人よ」の時代だというのに、なんとロックで新しいんだ!でも、デンジマンまで来ると、僕はもう特撮ヒーロー番組じたいを観なくなっていて、このへんが渡辺さんの音楽にお世話になった最後かも。

 一方、ロックでない音楽では、東映版『スパイダーマン』(78年)のEDが、めっちゃくちゃにいいバラードで、泣けました。この番組は雲人間が気をスルスルと登ったり壁をはいずりまうぇあったりする特撮も良かったですが、歌も良かったです。時代劇のEDっぽい雰囲気もあって、特撮のED曲の中でも特に素晴らしい曲だと思います。

 思いつくままに書きだすだけでもこれだけ出てくるんだから、影響を受けていないわけがないですね。70年代って、アイドル歌謡よりもアニメや特撮番組のOP/ED曲の方が優れていたように思うのですが、それも優れた作家がいたからこそ。子供のころに、夢を与えてくれてありがとうございました。今日は昭和の特撮ヒーロー番組の主題歌をBGMに、1日献杯しようかな。。


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『Keith Jarrett / Creation』

Keith Jarrett Creation というわけで、聴けども聴けどもキース・ジャレットの音楽が面白いとは感じられなかった僕ですが(でもそれって、僕が聴いてきたアルバムに限って言えば、好き嫌いとは別に正当な評価だと思います…)、僕にとってのキース・ジャレットの評価が180度ひっくりかえり、猛烈に感動したアルバムがあります。それがこれ、2014年のライブ録音、キース・ジャレットのピアノ独奏を集めたCDです。録音は東京、トロント、ローマ、パリの4か所。たしかこれが最後の来日公演だったんですよね。

 恐らくどの曲も即興演奏なんでしょうが、音楽が見事でした。側だけ言えば、即興と言ってもアヴァンギャルドではなく強く調性を感じるもので、ジャズを感じる演奏は少なく、むしろ4度進行…というか、もっと露骨に言えばバロック(ヘンデルとかの華やかな方じゃなくて、宗教音楽時代のバッハ的な重厚な方向)を感じました。でもそういうことじゃなくて、こういうシリアスな音楽に真摯に向かっている人間性に惹かれるというか。
 特に良いと感じたのは1曲目と4曲目。入りのモチーフがよかったのが6、7曲。1曲目なんてコードプレスがほとんどなのに、これだけで感動してしまうって何なんだろう…バロック時代の宗教曲のような荘厳さを感じたとか、何か音楽の背景にあるものを感じさせられたのかも知れません。

 あと、ピアノの音…会場の響きや録音も含めて、音が素晴らしくて感動しました。場所も録音エンジニアも違うのに、こんなに音に統一感が出るものなんですね。もしかしてベーゼンドルファーのインペリアル指定のコンサートだったのかな?あれ、でも紀尾井ホールってスタンウェイだったよな。オーチャードでは曲が始まった途端に咳してるお客さんが…ホールにコンサートを観に行くときは、ぜったいにのど飴を持っていくようにしましょう。これでけっこう耐えられますよ(^^;)。。

 みんなすばらしい音でしたが、なかでもトロントのロイ・トムソン・ホールというところの音がヤバいほどの素晴らしさ。パリはちょっとあったかい感じ。これってミックスで機械リヴァーブを付加した音に聴こえるので、昔のクラシック録音みたいな純然たるホールの音ではないんでしょうが、だとしたらミキシングで音をここまで揃えても、ピアノの個体差って残るものなんですね。音数が少ない演奏だけに、ピアノのサウンドが音楽の優劣を決めているといってよいほど、ピアノのコンディションと録音が重要なアルバムかも。

 この録音の時にキース・ジャレットは70歳。さすがに速く強い演奏は出来ず、ゆったり嚙みしるような演奏しか出来ませんでしたが、それが若い頃に指を動かすだけの演奏の何十倍も素晴らしい、本当に素晴らしい。。音楽って頭と心と技術だと痛感させられました、指じゃない。
 このCDで最大に感動した音について。これ、レコーディング・エンジニアはマーティン・ピアソンという人で、ヤン・エリック・コングスハウクじゃなかったです。ECM っぽい透明感ある音でしたが、でもあの加工された変な音ではないです。キース・ジャレットのECM録音ではこのエンジニアさんの名前をよく見かけますが、キースさん指定のエンジニアなのかも知れません。


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『Keith Jarrett, Charlie Haden / Last Dance』

Keith Jarrett, Charlie Haden Last Dance 発表は2014年ですが、これも『ジャスミン』と同じ2007年録音、キース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンのデュオによるスタンダード演奏集です。これもキース・ジャレット宅の自宅録音だったので、『ジャスミン』未収録の録音を集めたのかも。

 やっぱり録音が素直で、よく言えば自宅録音独特の良さはあるかも知れません。「Every time we say goodbye」や「Everything happens to me」といったナンバーをリラックスしたムードで演奏してるので、こういうのはECM っぽい冷たいサウンドよりも宅録の方が雰囲気はいいかも。
 でも、本当にスタンダードナンバーを素直に演奏しただけなので、なんというか…普通でした。これ、「昨日寄ったジャズバーで弾いてた若手の日本人ピアニストだよ」と言われても、僕は信じてしまうなあ。同じスタンダードをやるんでも、リヴァーサイド時代のビル・エヴァンスみたいにゾクッと来るリリシズムを感じるとか、ラン・ブレイクみたいに独特の和声やアプローチを作り出すとか、そういう何かがないと、今さらスタンダードをそのまま演奏したピアノ・アルバムを聴かされてもな、と感じてしまいました。

 でもECMからしてみたら、それが狙いなのかも。キース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンがリラックスして演奏したジャズ・スタンダード集、みたいな。そういうのを求めている人には、変な事もしないし破綻もないので、BGM としていいかも。


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『Keith Jarrett, Charlie Haden / Jasmine』

Keith Jarrett, Charlie Haden Jasmine 2007年録音、キース・ジャレットチャーリー・ヘイデンのデュオによるポピュラー曲集です。ベースの方とジャズのデュオ演奏をする依頼が来たときに、あわてて「最近のジャズ・ピアノってどういう演奏するんだろう」と買いあさったCDの中の1枚でした。僕の探し方が下手だったのかもしれませんが、新譜でピアノとベースのデュオって意外とないもんですね。

 あれ?ECM にしては音があまり加工されてないな、あの画一的なこぎれいリヴァーブサウンドは趣味じゃないけど、ここまで自宅で録音したかのようなそっけない音もつまらない。とくにベースなんてダイナミック・マイクで録音したんじゃないかと思うほどにボコボコした音、ケイヴライト・スタジオってどこだ…と思ったら、キース・ジャレットの自宅でした(^^;)。

 曲はミディアムからスローのナンバーが大半で、長調か短調の既存曲で普通。アレンジも独特なリハーモニゼーションが加えられているわけでも何かの挑戦をしているわけでもありませんでした。演奏も残念で、アドリブに斬新なアプローチがあるわけでも、表現力の高い叙情的なピアノ演奏が聴けるわけでもなく、歌わない平坦な演奏。
 例えば…冒頭に大名曲「For all we know」を演奏してましたが、テーマメロの「We will never meet again」の部分をタッチやデュナーミクを変化させるでもなく8分音符でスクエアに演奏したりしてる…これじゃ音楽が歌うはずもない、ビル・エヴァンスどころかダニー・ハサウェイにすらとうてい及ばないっす。なんで弾けるピアニストが、こんなダメ演奏をリリースしちゃうのか僕には理解できなかったです。

 ECM やキース・ジャレットの名前でこれを買う人はいるでしょうが(あたしだよ!)、いいと思う人なんていないんじゃないかなあ。これをリリースしていいと思うミュージシャンやレーベルってどうなんでしょう。これって、ECM のリリース・スケジュールを埋めるためだけに出されたんじゃないのかなあ…。


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『Keith Jarrett / Death And The Flower』

Keith Jarrett Death And The Flower 邦題「生と死の幻想」、1974年録音(発表は75年)のキース・ジャレット・カルテットのアルバムです。若い頃の僕は、キース・ジャレットって悪い方に出た時のフュージョンかライト・クラシックをやっている気がして、食指が動きませんでした。でもこのアルバムはメンバーにデューイ・レッドマンとチャーリー・ヘイデンというフリージャズのつわものが参加していたし、レーベルも左寄りのジャズ・レーベルだったインパルスだったので、いけるかも…そんな気持ちで恐る恐る手を伸ばしたのでした。ちなみに、デューイ・レッドマン(sax)、キース・ジャレット(p)、チャーリー・ヘイデン(b)、ポール・モティアン(dr) というこの編成でのキース・ジャレットのバンドは、アメリカン・カルテットなんて呼ばれています

 1曲目「Death and the Flower」はラテン…というよりアフリカン・パーカッション的なサウンドの上でフルートが怪しげな即興をする出だし。これは面白いかも、色彩感もムードも表現もなかなかいいぞ…と思ったのも束の間、5分ほどたってキース・ジャレットが出てくると、リズムがインテンポになってロクリアンでパラパラと演奏…悪い意味でのモードかフュージョンでした(^^;)。
 以降、B面1曲目「Prayer」はインパルスよりECMに似合いそうなジャズ・バラード、2曲目「Great Bird」も楽譜の上に書いたような音楽。残念ながら僕にはちょっと合わない音楽でした。

 この手のフュージョンの何がつまらなく感じるかというと、無菌室で育ったガリ勉くんに感じる所です。教科書に書いてない事は何ひとつ出来ない人に感じちゃうんですよね。たとえば、リズムだってもっとグルーヴさせればいいのに、クリックに合わせたようにスクエアです。それが他のところにも言えて、スケールは教科書に出てるこれ、コード進行は常套句以外は無し…みたいな。こういうPTA推奨的な傾向は、以降のメインストリーム・ジャズがそうだったんじゃないかと。ジャズって本当につまらない音楽になったよな、みたいな。
 こんなような音楽だろうと予感してたのに、「食わず嫌いはいけないな」なんて思って意を決して飛び込んだあげく、ものの見事に予感どおりだった音楽でした。残念。


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『J.S.バッハ / オルガン作品集 カール・リヒター(org)』 グラモフォン/アルヒーフ録音盤

JSBach_OrganSakuhinshuu_Richter_Archive.jpg 指揮者/オルガン奏者のリヒターが、グラモフォンとアルヒーフに残したバッハのオルガン演奏集、CD5枚組です!バッハのオルガン曲は膨大な数が残っていて、リヒターも何度か録音していますが、彼がグラモフォンとアルヒーフに残した録音はこれですべてだそうです。

 まずは、勉強になった事を。トリオ・ソナタ」は、バロック室内楽の中心曲種で三声。自由なバス声部の上で、上2声が模倣しあうもの
 パッサカリアとシャコンヌの違い。変奏が積み重なるのは同様ですが、パッサカリアはそれがバッソ・オスティナートの上に重なるもので、シャコンヌはそれが定型和声上に重なるもの。

 そして、リヒターの54年ロンドン録音と比べての差。収録曲での差は、この5枚組に入ってない54年録音は、BWV639「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」とBWV.606「高き天よりわれは来たり」の、ふたつのコラール前奏曲。
 演奏の差は、どちらも完璧に感じてしまって僕には分りませんので、音の差を書くと、こちらの全集は3つの教会での録音があるようで、ライナーにはそれぞれのオルガンの仕様がペダルから何までみっちり書かれていました…これは僕みたいな素人にはぜんぜんわかりません(^^;)。で、ロンドン・レーベルの録音のものがハイが落ち着いて音像がしっかりしている(悪くいえば暗くて地味?)のに比べ、こちらはハイが派手なものが一部にあって(Disc1とか)、ステレオ感も強いかったです。これは人によって趣味が分かれそうと感じました。僕は前者の方がより好み、音像がしっかりしてなくてハイがきついと、なんかシンセで弾いてるようで、教会という空間を感じられないんですよね(^^)。でもそんなのは聴いて3分も立てば馴れてしまうので、そこまでこだわるもんじゃないかも。すべてがそうというわけではなく、Disc3 のトリオ・ソナタあたりは、54年録音に近く感じました。

 オルガンの練習用に書いたんじゃなかろうかなんてものもあったので、すべて良いと感じたわけじゃないんですが、特に良いと感じたものは「トッカータとフーガ」や「パッサカリアとフーガ」「前奏曲とフーガ」といった前半と後半で別曲をセットにしたもの。対比構造が構造美と劇性を増すのかも。

 チャーチ・オルガン自体がものすごいサウンドをした楽器でもあるので、BGM に音だけ聴いていても楽しめるかも知れませんが、やっぱり細部を追ってこそバロック音楽。ものすごい構造美に圧倒されました。「有名曲は聴いたし、要点は抑えただろうから、これ以上バッハのオルガン曲を追わなくてもいいや」と思っていた選外曲がここまで凄いとは、考えを改めないといけないかも。これは買って良かった、生涯聴き続けるCDになる気がします!


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『J.S.バッハ:オルガン曲集 カール・リヒター (org)』

JSBach_Organ Kyokushuu_Richter こちらはリヒター演奏によるバッハのオルガン曲集です。録音は1954年ごろ、リヒター28歳の時の演奏です。レオンハルトの録音とは対照的に、低音が充実してすごくリッチな音!ちょっと古い感じがしなくもないけど、音だけで言えば、バッハのオルガン曲集ではこれが一番好きです。ちなみに、レオンハルトはチェンバロやオルガン演奏の権威ですが、リヒターはバッハの権威、どっちもすごい人です。
 そうそう、CDの感想の前に、解説にすごい事が書いてあるのを発見。「チャララ~ン、鼻から牛乳~」のメロディで有名なトッカータとフーガ・ニ短調BWV.565 ですが、「大バッハではなくアルンシュタットかミュールハウゼンの作品」なんてサラッと書いてありました。ええ~マジか、バッハのオルガン曲でいちばん有名なのに、バッハが書いたんじゃないのか。。でもたしかにバッハらしくない終止を使ってるし、バッハをちゃんと調べてる人が聴いたら、こういうのって一発で分かるのかも。専門家ってすごいなあ。

1. トッカータとフーガ ニ短調BWV565
2. コラール前奏曲「主イエス・キリスト,われ汝を呼ぶ」BWV639
3. パッサカリアとフーガ ハ短調BWV582
4. 幻想曲とフーガ ト短調BWV542
5. コラール前奏曲「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV645
6. コラール前奏曲「汝イエスよ,今天より降りたもうや」BWV650
7. コラール前奏曲「高き天よりわれは来たれり」BWV606
8. 前奏曲とフーガ ホ短調BWV548

 レオンハルト演奏のバッハオルガン曲の録音の感想で、「バッハのオルガン曲の神髄はコラールらしい」なんて書きましたが、コラールに属さないオルガン曲は「自由曲」というんだそうです。このCDは、コラール前奏曲(プロテスタント教会の讃美歌の前に演奏される曲)以外にも色々入っていて、どうしても宗教的な意味よりもバッハの音楽書法に注目して聴いてしまう僕には、ものすごくバランスがいいセレクトに感じました。色んな書法のバッハが聴けるんですよ!たとえば、パッサカリアとフーガ ハ短調」BWV.582 なんて、バス・オスティナートの上で変奏が次々に繰り返されて(そもそもパッサカリアって、オスティナート・バスと短調と変奏をする曲の事だと思うので、当たり前といえば当たり前なんですが^^;)、すでにベートーヴェンの原型が出来てます。特に、バス主題が抜ける瞬間にゾクッときてしまいました。

 これは素晴らしい音楽と演奏、そして音でした!そして、リヒターさんが演奏したバッハのオルガン曲集には、ドイツ・グラモフォンとアルヒーフに残したCD5枚組なんてものもあるんですが(このCDとは録音違い)、それを買おうかどうか迷い続けてもう何十年たつんだろう。1万円ちかい出費になっちゃうけどどうしよう、アマゾンに安く出ていたら買っちゃおうかな…。


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『J.S.バッハ:オルガン作品集 グスタフ・レオンハルト(org)』

JSBach_OrganSakuhinshuu_Leonhardt.jpg 大バッハのオルガン曲は、全部聴こうと思ったらとんでもない量。時間もお金も大変です。というわけで、僕みたいなちょっとかじりたいだけのシロウトは選集あたりに留めておくのが無難…でも何を選んだらいいのでしょうか。
 このCD、バッハのオルガン選集にしてはけっこう選曲が渋いです。もちろん「チロリ~ン、鼻から牛乳~」でおなじみの「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」は入ってるんですが、なぜ2枚組の作品集で渋い選曲をするんだろう。その理由は…

 ホテルについてる結婚式用の教会で、オルガン演奏のアルバイトをした事があります。その時に、僕と交代で演奏していたオルガニストの女の子に「バッハのオルガン曲のCDでおすすめあったら教えて」ときいて、推薦してもらったのがこのCD。その子が言うには、「バッハのオルガン曲の神髄はコラール」とのこと。コラールとは、プロテスタント教会で歌う讃美歌で、この形式を使った曲もみんなコラールっていうんだそうな。そして、このCDを聴くと…おお~なるほど、曲名のうしろに「コラール・プレリュード集より」とか「18のコラール集より」と書いてあるものがいっぱい。つまりこのCDの選曲は、有名かどうかじゃなくて、優れた曲かどうかで決めたんじゃないか、な~んて思うわけです。

 さて、音楽。こういうCDのオルガン演奏って、いわゆるチャーチ・オルガンという教会ごと楽器になってるようなヤツを演奏するじゃないですか。だから、ただでさえ音がボワ~ンと回り込みまくりなのに、オルガンって鍵盤から指を離さないとず~と音が鳴ってるもんだから、何やってんだかわからないような凄い事になりそうですよね。でも…いやあ、こんなにきれいに響いちゃうんだ、きっと考えまくって作曲したんだろうなと感心しちゃいました。バッハってオルガン演奏の名手だったらしいですけど、この楽器の鳴り方にまで精通してたんだろうなあ、すごいです。あ、このCDに入ってる曲でいうと、「我らの救い主なるイエス・キリスト」のBWV666の方と、「われ汝の御座の前に進みいで」BWV668 が、個人的には好み。心が洗われるようで、どちらも「18のコラール集」の中の曲。あと、パルティータ「おお汝正しく善なる神よ」BWV767は、まさにパルティータで同じ主題を執拗に使っていましたコラール・パルティータというのを僕が聴いたのは人生で多分この曲だけ。17世紀バロックというよりルネサンス音楽に近く感じでした。「幻想曲 ハ短調 BWV 562」、これは宗教曲とフーガが混然となったような雰囲気で、なんとも言えない魅力がありました。

 演奏は…こっちの世界にまったく疎いものだから、いいか悪いかまったく分かりません(。・・。)。でも、聴いていて不満に思うところはなにもありませんでした。不思議に感じたのは、いかにも「ジャ~ン」みたいなオルガンの音だけじゃなくて、サンポーニャみたいな音になる時があるんですね。これって、教会のそのオルガン特有のものなのかなあ。ちなみに、このCDで演奏しているグスタフ・レオンハルトは、オルガンやチェンバロといった鍵盤古楽器リバイバルの先駆者で、こっち系のCDを漁るとよく出会う人です。

 音は…僕はこういうチャーチ・オルガン系のCDを何枚か持ってるんですが、低音なのか中音なのか、そのへんが充実してなくて、高い方ばっかり鳴ってる感じでした。このCDもそうで、ちょっと物足りないと思ってました。でも今回、「残響がすごい教会でそんな音域を充実させた楽器を使ったら、それこそ倍音だらけになって不協和音程だらけになっちゃうから、実際の教会の音も実はこんな感じなのかな」と思い直し、うちにある大きいスピーカーで(僕、スピーカーを3本持ってます、いいでしょ!)、大きい音で聴いたら…おお~これは気持ちいい!このCDを充実した音で聴きたかったら、いいオーディオセットで、音を大きめにして聴いたほうがいいかも。小さいスピーカーと大きいスピーカーでこんなに聴こえ方の違うCDも珍しいと思っちゃいました。

 というわけで、選曲は渋めで有名曲少なめだけど曲の内容は最高な、バッハのオルガン作品集でした!


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『J.S.バッハ:音楽の捧げもの リヒター(cembalo, cond.)』

JSBach_Ongaku no Sasagemono_Richter 大バッハの音楽を観賞用として聴いている人って、どれぐらいいるんでしょう。大バッハって、オルガン奏者時代や教会専属時代など、自分の役職によって音楽の傾向が4回ぐらい変わっていった作曲家ですが、教会専属でミサ曲を書いていた時代を除けば、若いころの僕にとってのバッハの音楽は明らかに勉強用でした。ジャズもロックもポップスも、今の西洋の軽音楽は和声進行&メロディという構造のものがほとんどですが(メロと伴奏という構造をホモフォニーと言います)、昔のヨーロッパにはそうではない音楽の形式がありました。そのひとつが複数の旋律を同時進行させる対位法。対位法の中からカノンフーガという技法が発展、その極めつけともいえるのがバッハの「フーガの技法」と「音楽の捧げもの」、みたいに僕は習って、それで聴いたんですから、やっぱり教科書ですよね。というわけで、今でもこの曲を、純粋に観賞用の音楽として聴く事が出来なかたtりして。

 カノンはかなりシステマティックな作曲技法で、ひとつのメロディを作ったら、他の声部に移してそのメロディを少し遅れて輪唱のように重ねていくものです。実際には重ねるメロディの音価を変えたり、和声的に不具合が起きないように「対位法規則」というのが設けられてるので、いざ作曲してみると事は単純じゃないんですが、それでもメカニカルですよね。この重なっていくメロディの数が2つなら2声カノン、3つなら3声カノンと呼ばれます。一方のフーガは、カノンの発展形ぐらいな感じ。そしてこの「音楽の捧げもの」には恐ろしい逸話がありまして…大バッハがプロイセン王フリードリヒ2世からメロディをひとつ渡されて、「これで3声フーガを作ってくれ」と言われたんだそうです。するとバッハはその場で3声フーガを即興演奏してしまったんだとか(゚ロ゚ノ)ノスゲエ。。つうか、3声フーガを演奏できるだけでもすごいだろうに、それを即興でやるって、僕からしたら天才どころか超能力者に近いです。

 というわけで、「音楽の捧げもの」は、バッハからプロイセン王に捧げられた音楽です。プロイセン王の作った主題から、たくさんのフーガやカノンを作っています。これが、ひとつの主題からどうやってカノンやフーガを作るかという絶好の教材になるわけです(^^)。「音楽の捧げもの」の中にはチェンバロでは(恐らく)演奏できない曲もあるからだと思いますが、このCDではチェンバロ独奏のほかに、弦やフルートの室内楽として演奏しているものも入っています。

 僕は、もうカノンやフーガという技法を使った作曲から20年以上離れているというのに、このCDを観賞用に聴こうと思っても、いつの間にか教科書のように分析しながら聴いてしまうのでした(^^;)。でもそれが悪いかというと、ムッチャクチャ凄いと思って感動するんですけどね。でもその感動って、感じて起こる感動じゃなくて、考えて起こる感心に近い感じ。僕自身がそう聴いてしまってるもので、BGMのように音楽を聴きたい方にはおすすめできないのですが、「カノンとかフーガってなんかすごそうだな」と興味を持っている人には間違いなくおすすめ、中世以降の西洋音楽の中で一度は聴くべき作品のひとつとは思います。旋律と伴奏みたいな聴き方したらつまらなく感じるでしょうが、全部独立した旋律として追いかけて聴けば、バッハをつまらないと思っている人も面白く感じるようになるかもしれません(^^)。


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映画『マネー・ボール』 ブラッド・ピット主演

MoneyBall.jpg アメリカ発祥の現代野球理論に「セイバー・メトリクス」というものがあります。得失点率をもとに限られた予算で最善のチーム編成を目指した理論で、バントや盗塁は損、2番バッターに強打者を据える、打率よりも出塁率を重視などなど、統計学をもとにそれまでの野球の常識に反するいくつものセオリーが打ち出されました。実際、アスレチックスのGMだったビリー・ビーンは、セイバー理論を採用してチーム編成を行い、低予算で編成されたチームをプレーオフにまで導いて一世を風靡しました。その模様を映画化したのがこの映画です。2011年公開で、主演はブラッド・ピット。しかしこの人、カッコいいぜ。

 野球というだけでも視聴者を選ぶのに、ましてセイバーというマニアックな題材のため、野球ファン限定のマニアックな映画かと思いきや、僕みたいな野球にうとい(好きですけどね^^)人でもこんなに感動できる映画になっているとは…。低予算で編成せざるを得ないチームを優勝させるため、多くの見識者の反対を押し切って新しい理論に基づいた編成に乗り出すGM。もう引退かという選手は、新たに与えられたポジションで奮闘。イノベーションが成功して弱いチームがメジャーリーグ記録に並ぶ連勝を遂げ、そして記録のかかった試合では統計を超えるサヨナラホームランが飛び出し…知的興奮と対戦スポーツならではのドラマのゾクゾク観がたまりませんでした。そして、勝ち残ったプレーオフで敗れ去るその姿にも…。

Moneyball_pic1.jpg なんでこんな感動したかというと、この信じがたいドラマが実話である点が大きかったです。さらに演出・映像・シナリオという点でも立派にプロフェッショナルな映画作りであるから余計に感動しました。シナリオでいえば、選手として野球を諦めた経験を持つGMが、人生を賭けて周囲の反対を押し切って優勝するためにあらゆる手を尽くすそのモチベーション、まさに人生を賭けての命がけの取り組みにフォーカスしたところが良かったのかも。必死に生きた機関だけが人生で輝いている時なんだな、みたいな。そして、それを通り過ぎた後の切なさもまた人生だな、みたいな。まったく期待せずに何気なく見た映画だったのですが、感動のあまり泣いてしまいました。これはおすすめ!


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映画『セブン』 ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン主演

Seven.jpg 1995年公開(日本は96年)、サイコサスペンス系のアメリカ映画です。この映画、今は無きMというレコード会社のディレクターさんに薦められて観たんです、懐かしいなあ(^^)。僕にとっては、モーガン・フリーマンもブラッド・ピットも、この映画ではじめて観たのでした。そしてもうひとり、のちに映画『交渉人』でも素晴らしい演技を見せたケヴィン・スペイシーの素晴らしい演技も印象に残っています!

 キリスト教の7つの大罪になぞらえた連続殺人事件が起きる。肥満男の死体の近くには「暴食」という文字、悪徳弁護士の死体のそばには「強欲」の文字が残される。定年まであとわずかとなったベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と、若手刑事ミルズ(ブラッド・ピット)は、犯人の目星をつけるも、すんでのところで取り逃がす。その際にミルズを殺す事も出来た犯人だが、なぜか犯人はミルズを逃がす。
 事件を防ぐことが出来ないままついに5人が犠牲となり、連続殺人の犠牲者は残りふたりのところまで来る。残りの罪は「嫉妬」と「怒り」。犯人は自首をしてきて、サマセットとミルズだけに、残り二人の犠牲者の死体の在処を伝えると取引をしてくる。その場所には…


 この映画をはじめて観た時、始まってしばらくは、『羊たちの沈黙』のバリエーションと思っていたんですが、見終わった時の感想はけっこう違いました。サイコサスペンス映画なのに、カッコいいとすら思ったんですよね。それも、刑事の活躍がカッコいいのではなくて、映画自体がスタイリッシュでカッコいいな、みたいな。
Seven_pic1.jpg 僕にこの映画を薦めてくれたディレクターのSさんは、この映画の中でモーガン・フリーマンが言ったセリフが胸に沁みたと言っていました。「人生を後悔した事は無いが、あの時選ばなかったもうひとつの人生について考えなかった事は無い」みたいなセリフです。Sさんがそう言ってたからという事もあるんですが、このセリフをずっと覚えてるんですよね。このセリフだけでなく、セブンにはいいセリフが多いです。有名なヘミングウェイの一節の引用もそう。でもって、僕の心に残ったセリフのほとんどが、定年退職間際の老刑事が言うセリフでした。これが、人生を考えさせると同時に、映画をスタイリッシュなものに仕上げていると感じました。

 こうしたスタイリッシュさはセリフだけでなく、映像や編集にも強くあらわれていました。猟奇殺人の現場ですら何となくカッコイイんですよ。犠牲者となった娼婦を殺害した凶器までデザインセンスがあってスタイリッシュ。リアリティよりも映画自体のカッコよさを追ったものなのかな、と思いました。
 たしかに90年代の映画はそういうスタイリッシュなセンスに溢れたものが多かったです。ティム・バートンが監督した『バットマン・リターンズ』も、キアヌ・リーブス主演の『マトリックス』も、トム・クルーズ主演『ミッシン・インポッシブル』もそう感じました。でもそういうカッコつけって、少しでも外すと逆に寒かったりガキくさく感じたりしがちですが、セブンはまったくそう感じなくて、すごく良かったです。

 僕がサスペンス映画好きだったからか、最後のオチが途中で分かってしまって、そこだけはちょっとだけ残念でしたが、記憶に残っている作品です。ブラッド・ピットの出演映画ではこれが一番好き…とある時期までは思っていたんですが、その後にこれを超える映画を観ました。その話はまた次回!


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映画『12モンキーズ』 ブルース・ウィリス主演、ブラッド・ピット出演

12Monkeys.jpg 1995年公開のアメリカ映画で、読み方は「トゥエルブモンキーズ」です。タイムスリップをガジェットとして使った映画で、ウイルスが蔓延して50億人が死んだ未来世界が舞台。終身刑の囚人コール(ブルース・ウィリス)が、特赦を条件に過去世界にタイムスリップし、ウイルスをばらまいた犯人を突き止めるというもの。ブラッド・ピットがメンタルのイカれた患者役をやるんですが、本当にイカれているように見えて怖かったです。お尻をペロンと出すし(^^;)。

 90年代のアメリカ映画って、良い意味でも悪い意味でも作り込まれたものが多かった印象ですが、この映画もそうでした。ストーリーも映像もセットも編集もそう。たとえばこの映画のストーリーは、過去と未来の関係がちょっと複雑で(分かりやすく説明しないし、また敢えてよく見てないと理解できないように複雑してあるようにも見えました)、ついていくのが大変。「あれ?さっき90年に飛んだのはミスで、今度飛ばされた96年が正解って事?」とか、ずっと考えてないといけないんです。だから、見ている間はずっと集中させられたというか、惹きつけられた感じでした。実際、見ている時は面白かったんです。

 ところがいざ見終わると、内容が薄いと思ってしまいました。だって、ずっと追ってきた事件の真相と思しき「12モンキーズ」は事件とまったく関係なくて、犯人は別の人なんですから(^^;)。では作り込まれたものは何だったかというと、これは観客の裏をかくためだけであって、内容自体は無いという。というわけで、1回観たらもう2回目はない映画でした。まあでも、エンターテイメント映画と割り切れば、なかなかいい映画かも知れません。


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DVDの音声トラックだけを抽出する方法!

 むかし撮影してもらったライブのDVDがあるんですが、DVDをほとんど再生しなくなってきたし、そもそも映像を観る事もあまりないので、DVDから音だけを抜こうと思いました。そんなの、Windows でもMac でも付属のソフトだけで出来ちゃいそうだし、それが無理でもアドビのPremire やプロツールスを使えばわけないだろうと思ったら、これが意外に難しかったです(^^;)。出来れば新しいソフトを入れたくなかったんですが、アナログで抜きたくなかったので、簡単なら多少は仕方ない。
 というわけで、1時間ほど苦闘した結果、いちばん簡単だと思った抽出方法をご紹介。ソフトは「VLC Media Player」というものを使います。無料なので、ダウンロードして使ってください。以下、操作手順です。

【VLC Media Player を使った音声抽出方法】
1. DVDをPCにセット
2. VLC Media Playerから、[メディア]→[変換/保存]を選択
3. [ディスク]を選択、ディスク選択の[DVD]にチェックを入れ、画面下の[変換/保存]ボタンを押す
4. [変換]を選択、プロファイルのドロップダウンリストから、好きなオーディオ形式を選択
5. 同じ画面で保存先を選択、[開始]ボタンを押す!

 以上でした!今ってDVDやBlu-Rayって使わなくなりました。僕はソフトはひとつにつきひとつのメディアに保存した方が、整理の観点から良いと思うんですけどね(^^)。もしHDが飛んだらと思うと、けっこう顔面蒼白です。。


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『Beck, Bogert & Appice / Live』

Beck, Bogert Appice _Live 1973年の日本公演を収録した、ベック・ボカート&アピスの2枚組ライブ盤です。スタジオ・アルバムでのこのバンドのレコードは、ジェフ・ベックが大人しく、ダビングもあからさまに分かるので、ライブの方が良いのだろうとは思ってました。そういう予想って当たるんですよね(^^)。

 ジェフ・ベックが弾きまくり!今さらですが、これだけ弾きまくれるんだ、みたいな。そりゃ引く手数多にもなりますよね。しかし本当の凄さはそこじゃない、ティム・ボガートとカーマイン・アピスのリズム隊が強力でした。ドラムはドカドカ叩きまくり小技入れまくり、ベースは低音でブンブン鳴りながらしっかりカウンター入れたり。ドラムとベースでここまで埋めてくれたら、フロントは相当楽ですよね。

 ただ、ちょっと演奏が落ち着きません。良くいえば勢いあるけど悪くいえば雑、演奏が曲をまとめられません。このトリオには「Lady」というなかなかインパクトのある曲がありますが、曲の大事な所であるブレイク後の縦線が揃わなかったりと、さすがにそこは決めないと駄目だろという所までラフ。ヴォーカルとコーラスも揃わないし。
 それはサウンドもそうで、中域たまりすぎてボワンボワンだから、よけいにアバウトに聴こえてしまいました。この録音をした鈴木智雄さんって、当時のソニーの録音エンジニアの切り札かもしれなくて、マイルス・デイヴィスの日本公演もこの人がエンジニアでした。でもはっきり言ってこの人の音が良いとは思えない…。前年のディープ・パープルの日本公演の録音が凄かったから、つい外タレが「俺も日本で録音したい」と思ったんでしょうか。でもディープ・パープルの『Live in Japan』って、エンジニアはイギリス人なんですよね。。

 このアルバムの価値を言うなら、ヴァニラ・ファッジのふたりの演奏がなかなかすごい事、そしてジェフ・ベックがギター1本でリードもサイドも務めたライブとしてはこれが一番かも知れない事じゃないかと。でも荒いです。僕はジェフ・ベックが大好きで、はみ出しまくり暴れまくる所なんて特に好きですが、でもそれってうまくやらないと、音楽が安定しなくもなる諸刃の剣なのかも。この直後に来るフュージョン期は、リズムセクションが超タイトですが、それってベック・ボガート&アピスの反省があったんじゃないかなあ。そう考えると、キャリアを通じて洗練を極めたスタイルが『Blow by Blow』以降のジェフ・ベックだったのかも知れません。


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『Beck, Bogert & Appice』

Beck, Bogert Appice 1973年発表、ヴァニラ・ファッジカクタスのメンバーだったティム・ボガートとカーマイン・アピス、そしてジェフ・ベック・グループを解消したジェフ・ベックが手を組んだスーパー・グループ唯一のスタジオ録音アルバムです。元々はカクタスより先にこのグループを結成するはずが、ジェフ・ベックが自動車事故を起こしてお流れになっていたそうな。それがジェフ・ベックが病院から出てくると、ボガート&アピスはとっととカクタスを抜けて…これはひどい、カクタスの他のメンバー可哀想。
 このアルバムを買ったのは中学の頃で、僕はまだ若かったです。あまりに若すぎて、すごいメンバーが揃ったスーパー・グループには気をつけないといけない事を知らなかったのです(^^;)。

 いま聴くとそれなりに面白かったけど、若いころに聴いた時には、本当につまらなく感じました。なにがそんなにつまらなかったのかな‥。ひとつ言えるのは、たしかに曲は面白くないと言えば面白くないです。ひねりのないリート形式の曲ががすべてですから。でもいま聴けばそこまでひどい曲とも感じません。
 つまり、曲が面白く感じられなかった事に理由があって、スリーピースのバンドが演奏した事で、曲を重層的にアンサンブルさせられなかった事、これじゃないかと。ジェフ・ベックはあくまでリード・ギターのすごい人であって、曲をまとめる演奏が出来るタイプじゃないんですよね。荒いし雑だし無駄な音が多すぎ。リッチー・ブラックモアあたりもそうですが、荒さってリードギター的にはカッコいいけど、アンサンブル面でいい事ないです。
 さらに、苦手なサイドギターに手を取られる分だけ、尖ったリードギターもあまり聴けません。そして、ジェフ・ベックは歌っちゃいけない人です(^^;)。う~んたしか面白くないアルバムかも知れませんね。中学生の時の僕はある意味正しいな。。

 それでも、いま聴くとそこまで酷評するアルバムには思いませんでした。リズム隊がうまいんですね。でも、若い頃はドラムの細かい技とか、ベースがカウンターを取ってるとか、そういう所には耳が行ってなかったから、余計に面白く思えなかったのかな。ベースやドラムの技を聴くのって、サッカーや野球でエースはいないけどディフェンスの強いチームの試合を見るようなものですし。

 エリック・クラプトンにジンジャー・ベイカーにスティーヴ・ウインウッドが揃ったスーパーグループのアルバム『Blind Faith』が、曲も演奏もまったく面白くないセッションだった事は以前に書きました。あそこまでではないにせよ、これもやっぱり面白くない…こうやって、スーパーグループには気をつけないといけない事を学んだ僕でした(^^)。ただし、このバンドにはライブ盤もありまして…その話はまた次回!


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『Cactus』

Cactus.jpg ヴァニラ・ファッジを脱退したティム・ボガートとカーマイン・アピス、それにデトロイト・ホイールズのギタリストだったジム・マッカーティらが参加して結成されたロックバンドがカクタスです。これは1970年発表のデビュー・アルバム。カクタスは70年代前半に3~4枚ほどアルバムをリリースして空中分解しましたが、かっこいいバンドでした。

 1曲目「Parchman Farm」、曲はシンプルなロックンロールでしたが、ドラムがすげええええ!!スネア捌きのバリエーションだけでロックに名を残す名ドラマーであること間違いなし。カーマイン・アピス生涯ナンバーワンの演奏ってこれじゃないでしょうか。録音も音が太くていいなあ。そうそう、最後の方に長いドラム・ソロが出てきましたが、もうこの頃にはスーパー・ドラマーの評価はあったんでしょうね。
 ギターのジム・マッカーティも、テン・イヤーズ・アフターのアルヴィン・リーばりにペンタトニックで弾きまくり。音もカッコよくて、アンプのナチュラル・ディストーションだけじゃなくてファズ噛ましたみたいなかなか烈しいサウンド。ロックンロールに演奏を組み立てるのも、なるほどデトロイト・ホイールズ出身ですね(^^)。それがカントリー調のアコースティック・ギターを弾くと突然メッチャうまくなるあたりは、カントリーやフォークの時代を経験した世代のアメリカのギタリストだな、みたいな。
 一変して2曲目以降はカントリー・ロック、フォーク・ブルース、ブルース、ロックンロール調の曲がズラリ。そうだった、アメリカのバンドだったな…。というわけで、手数は多いわ激しいわでハードだけど、音楽自体はかなり明るくシンプル。アメリカン・テイストたっぷりのハード・ロックと感じました。60年代前半のアメリカ音楽の先を行った音楽は、アルバム最後の曲がそうかも。

 もしかすると、ティム・ボカートやカーマイン・アピスって、ヴァニラ・ファッジみたいに演奏するのがちょっとめんどくさい音楽じゃなくて、シンプルなもので演奏しまくりたかっただけなのかも知れませんね。次に結成するベック・ボカート&アピスもそんな感じだったし。


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『Vanilla Fudge / Renaissance』

Vanilla Fudge Renaissance 1968年発表、ヴァニラ・ファッジ最高傑作との評判もあるサード・アルバムです。ポップスやロックのヒット曲にバンドアレンジを施して、ヘヴィーに馬鹿テクで演奏したファースト・アルバム『Vanilla Fudge』に比べ、オリジナル曲が大半になってました。

 曲が劇的に構成されているものがほとんどで、大作指向に感じました。ルバートでゆったりとしたイントロ部分があって、アッチェルしていってドッカーンと曲に入って、曲は途中で大きく展開して…みたいな。サイケやアート・ロックの良さのひとつって、アメリカン・ソングフォームでメロディやコード進行だけ入れ替えて、飽きられたら次の曲…みたいな所から脱したところにあると思います。そういう音楽が普通に出てきてたのって、ロックの中だと60年代末から70年代前半だけだった気がするなあ。
 そして、演奏のレベルが高いと感じました。本当に4ピースバンドの演奏か?というほどにオケがぶ厚いです。ティム・ボガートやカーマイン・アピスだけじゃなく、ギターのヴィニー・マーテルという人も、オルガンのマーク・スタインという人も一定以上のレベルにある、プレーヤー集団ではあったんじゃないかと。

 ただ、曲とアレンジがちょっと残念に感じました。これはロックに限らずクラシックにもジャズにも共通するプレーヤーあるあるですが、素晴らしい演奏をするプレーヤーだからと言って、作編曲がきちんと出来るわけじゃないんですよね。せっかくギターとオルガンがいるのに、ギターはアルペジオ、オルガンは和音を押さえてるだけ、みたいなシーンが普通にありました。だから楽節単位で見るとアンサンブルが弱くて、手数が多く音が分厚いわりに歌メロとコードしか感じない状態で、曲としての印象が残らないんですよね。これが「なんとなく劇的だったなあ」という印象だけが残る理由じゃないかと。

 プレイアビリティをテクニックのために使わずに音楽を生かすために使った所は、いいバンドだと思いました。まして、68年のアメリカのバンドで、これだけの演奏能力を持っていて、劇的構成を持った音楽を提示出来たバンドはあまりいなかったので、そのあたりは素直に「すごい」と言いたくなります。一方で曲やアレンジは悪くはないけど褒めるほどのものではないので、それがもうひとつ評価されない理由かも。つまり、ヴァニラ・ファッジの「知る人ぞ知る」ぐらいのポジションって、実は真っ当なのかも知れません。それにしてもジャケット・アートが素晴らしいっす、ロックの黄金時代って間違いなく67~74年あたりだと思ってしまいます(^^)。


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『Vanilla Fudge』

Vanilla Fudge 1967年発表、アメリカのロックバンドのヴァニラ・ファッジのデビュー・アルバムです。邦題は「キープ・ミー・ハンギング・オン」、今になって見ればティム・ボカートとカーマイン・アピスという強力なリズム隊を擁したバンドとして有名なんでしょうが、はじめて聴いた中学生の時の感想はちょっと違いました。

 カッコいいと思う反面、混乱したんですよね。カッコいいと思ったのは、ギュインギュインと鳴りまくるハモンドB3オルガンの強烈さ、コーラス・アンサンブルや劇的構成を含めたアレンジの見事さ、えらくヘヴィーな演奏、そしてMCが間に挟まったり実験的なサウンドが飛び交うなどするアート・ロック的なところ。こういう所だけなら、ブルー・チアークリームやクイックシルヴァー・メッセンジャーズ・サービスあたりと対等で、問答無用で好きになったと思うんですよね。
 ところが演奏する曲は、ビートルズ、インプレッションズ、ゾンビーズ…さっきの特徴とは裏腹の、ヴァニラ・ファッジより格下に感じる軽いビート・ミュージックのカバーばかり。これをどう理解していいのか分からなかったんですよね。だって、自分より格下のグループの曲なんて、普通カバーしますか?というわけで、クソカッコいいと同時に売りに走ったアルバムなのかな、とも思ったんです。クリームのセカンドとか、ああいうイメージ。

 久々に聴いて、僕はブリティッシュ・インヴェイジョン以降しばらくのアメリカのロックの歴史がよく見えてないのかも、と思いました。たとえば64~66年あたりのアメリカのロックにどういうものがあったのか、パッと答えられないんです。その時代ってフォーク・リバイバルのちょい後で、もしかしたら本当にアメリカのバンドの多くはビートルズに憧れていたのかも知れません。考えてみたら、ジミヘンだってビートルズのカバーをしてましたしね。ヴァニラ・ファッジも決してビートルズを格下になんて見ていなくて、自分たちの好きな音楽を、自分たちなりのアート・ロックな解釈と演奏技術でやったらもっとカッコよく出来るんじゃないか…これぐらいの気持ちだったのかも。

 67年というと、クリームにせよ何にせようまいバンドはイギリス、アメリカではフランク・ザッパですらまだマザーズ時代でうまいとはいいがたい状態でしたが、ジミヘンやヴァニラ・ファッジの登場でようやくアメリカン・ロックのレベルがイギリスに追いついてきたのかも知れません。ただ、全曲カバーという所が、演奏は追いついたけど作曲はまだまだ。アメリカン・ロックの独立蜂起はあと少しだけ後。しかしカッコいい演奏だなあ、アレンジはもちろん、カーマイン・アピスだけでなくプレーヤー全員が素晴らしいです(^^)。


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『福田進一 / 翼 ―イン・メモリアム武満 vol.2』

FukudaShinIchi_Tsubasa_In memorium Takemitsu2 クラシック・ギターの福田進一さん演奏による武満徹作品集の第2弾で、武満さんの曲と、武満さんにちなんだ曲が収録されていました。
 福田さんの武満作品集の第1弾には「フォリオス」「すべては薄命の中に」「エキノクス」という武満さんのギター作品の代表作が入っていました。でも、よく考えたらこれらの曲が武満さんの代表作になったのは、福田さんのような影響力の強いギタリストが取り上げてきたからなんですよね。クラシックの名曲って、有名プレイヤーが取り上げることが第1段階、それを誰かが評価するのが第2段階、そうやって徐々に認知されていくんだと思うので、まずはプレイヤーが拾わないとどうにもならないのですよね。僕がこのCDを買ったのは、武満徹さん音楽が好きなのに、まったく知らない曲がいっぱい入っていたからでした。武満さんクラスの作曲家の曲でも、取り上げられず音盤になってないものがいっぱいあるんですねえ。

 武満さんは、思いっきり硬派な芸術音楽を書く作曲家という一面だけでなく、フォークミュージックのような映画音楽を書くこともあるし、ビートルズのギターアレンジなんかもやった事があるもんで、僕は全面的に信頼しているわけではないんですが(^^;)、このアルバムもそういう色んな顔を持った武満作品を取り上げていました。でもやっぱり惹かれるのは芸術音楽方面の曲で、3楽章からなる森のなかで」(1995)は、冒頭のアルペジオのサウンドを聴いただけで引きずり込まれてしまいました。ちょっとフォリオスに似ているところがあって、悪い言い方をすると過去の自分の作品の焼き直しを作ってしまうという作曲家が陥りやすいところにハマった気もしますが、それでもこの思いっきり武満なサウンドが僕は好きです。う~ん、こういういい曲だと楽譜を買わないわけにはいかないじゃないですか、お金ないんです助けてください。。
 同様にして、「キターのための小品~ブソッティの60歳の誕生日に」(1991)も素晴らしいサウンドでした。ただこれはサウンドイメージだけで、学識を形成するところまで来ていなくて、まだ曲になっていない感じかな?

 武満さん以外の曲では、ブローウェル作曲の「ハープと影~武満徹への讃歌」が、なかなか良かったです。ただ、ブローウェルのギター曲は、ある時期からどれも彼が書いたギター曲「ソナタ」のバリエーションのようで、似ていますね(^^;)。。ほかには、北爪道夫さん作曲の「青い宇宙の庭」の2曲も、なかなか面白かったです。なんでこの曲が武満作品集に入っているかというと、第2番が武満さんに捧げられているんですね。そういうだけあって、要所要所に武満さんっぽい音型や和音が出てきていました。

 そして、ポピュラー系の曲で意外に感動したのは、アルバムタイトルにもなっている「翼」の、福田アレンジのギター二重奏版。なんだか古い日本の名画のハッピーエンドでかかるような曲で、自分が死ぬ時は「いい人生だったな」と思いながら、こういう曲が頭の中で流れてくれたらうれしい曲に思えて、泣けてしまいました…。考えてみたら、僕が青春時代に心を震わせた武満さんは、もうとっくに故人なんですよね。武満さんも、死ぬ時にそんなことを考えたのかなあ。

 このCDが出たのは2006年。僕が武満さんの音楽から離れてしばらく経った頃でした。そして、このCDを僕が買ったのは2018年ごろ。80年代以降の武満作品には興味を失っていたので、安くなるまで買うのを控えていたんですよね。ところがいざ聴いてみると、素晴らしい曲と演奏が何曲か入っていて、やっぱり買ってよかったなと思いました。曲自体は素晴らしいので、これらの曲がギター音楽のスタンダードになるかどうかはプレイヤー次第。人気曲ばかりでプログラムを構成しがちな日本人ギタリストの皆さん、ぜひとも知られていないけどいい曲というのをどんどん取り上げて、いい曲をスタンダードの地位まで持ち上げてほしいです!


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『武満徹 映画音楽⑥ 市川崑・中村豊・恩地日出男監督作品篇』

TakemitsuToru_EigaOngaku6.jpg 武満徹さんの映画音楽集、昔はこれがラストで、他には6枚全部買うと貰えるボーナスディスクというのがあっただけなんですが、今は7集とか8集とかも出てるみたいです。う~ん、もし『心中天網島』のサントラがあるならそれも聴きたいなあ。

 第6集、一瞬で心を奪われたのが、市川崑監督の美術ドキュメンタリー映画「」のサントラ。純邦楽と西洋音楽、前衛音楽と伝統音楽が見事に融合していて、美しさとヤバさ、光と闇が同居したような音なのです。いやあ、これはスバラシイ。。このドキュメンタリー映画、僕は観てないんですが、オリベッティが制作した美術映画シリーズ「せレ・アルテ」の中の1本らしく、京都の美しさを四季を通して描いてるらしいんです。これはいつか見てみたいなあ。。

 「太平洋ひとりぼっち」も市川崑監督の映画で、制作は石原プロで石原裕次郎主演。これはドキュメンタリーではないもののノンフィクションで、実際にヨットで太平洋横断をした堀江健一さんの大冒険の映画化です。これは青春映画的な音楽で、爽やかでビックリ、昔聴いた時は古くさいと思ったけど、いま聴くと逆にそれが新鮮でした。

 中村登監督「古都」。別の場所で育った双子の姉妹とある男の出会いを、京都の四季の移り変わりと重ねて描いた作品です。この筋だけで、すでに傑作の匂いしかしませんが、実際に素晴らしい映画でした。1963年の大映映画ですが、昔の日本映画の高尚さや質の高さって本当にすごいです。今の映画興行収入ランキングを見ると、白痴化、文化の幼児化が分かりますよね、。文学だって、昔はサルトルやヘミングウェイがベストセラーで文化の牽引車だったのに、今ときたら…。そして、プリペアド・ピアノとストリングスを使った劇音楽、これがまた素晴らしかった。60年代日本映画の異常なハイクオリティ率は、音楽に寄る所も絶対に大きかったと思います。

 紀ノ川、これも音楽が強烈に素晴らしい!箏なんかの邦楽器とオーケストラ、そして「ドドン」と鳴っているプリペアドな音は何なんだろう…プリペアド箏なのか、ピアノなのか。西洋の伝統音楽と前衛音楽の融合、また西洋音楽の純邦楽の融合が見事、感動してしまいました。この映画の音楽は18分ぐらい入ってるんですが、これが第6集の白眉ですね(^^)。

 「二十一歳の父」、これもタイトルだけで名画の匂いしかしませんが、僕は観てないです。音楽は、シューマンのピアノ曲の主題をギターで変奏していくというもの。

 以降は、けっこうテレビ劇版的な無難な音楽が多かったかな?クラシックギターを使ったギター曲が意外と多くて、もしかしてこの頃の武満さんはギター音楽に取り組んでたのかな?でも、最初のギター作品「フォリオス」でも1974年ですよね、どうなんだろう。

 僕的には「京」と「紀ノ川」の素晴らしすぎる音楽が入ってるだけでも感涙ものでした。サントラなんて馬鹿に出来ない、これは演奏会用の音楽と並べて聴いても、武満さんの傑作のひとつに入るんじゃないでしょうか。久々に聴きましたが、いや~素晴らしかったです!!


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『武満徹 映画音楽⑤ 黒澤明・成島東一郎・豊田四郎・成瀬巳喜男・今村昌平監督作品篇』

TakemitsuToru_EigaOngaku5.jpg 武満徹さんの劇伴音楽オムニバス第5集、とうとう色んな監督さんの寄せ集めになってきました(^^;)。「乱」で僕の中ではケチがついてしまった黒澤&武満コンビのもうひとつの作品「どですかでん」が入ってるもので、買うかどうか迷った1枚でしたが、大好きな映画である成瀬巳喜男監督の「乱れ雲」が入ってるので、結局手にしたのでした。

 黒澤明「どですかでん」。僕はこの映画を観てないんですが、音楽はクラシックギターの鈴木大介の演奏で聴いた事がありました。知恵おくれのろくちゃんという人から見た、夢を持った人々の物語というわけで、人情劇っぽい古い日本のテレビドラマの音楽みたいでした。このCDの解説に武満さんのインタビューが出てるんですが、やっぱり黒澤監督は作曲家に具体的な曲を指示するみたいですね。この映画の場合、「アルルの女」を指定されたみたいです(^^;)。う~んそういう仕事の仕方をするなら、作家主義の作曲家でなくて職業作曲家を使わないとまずいですよね…なるほど、黒澤さんと武満さんの共同作業が少ない理由が分かった気がしました。
 比較的保守じゃないのは「怪談」の音楽でした。尺八使ってドロドロドロ~って感じで、昔の神社でやってた見せ物小屋のお化け屋敷みたい。面白い。かなり雰囲気あるので、子どもが聴いたらチビるかも。。でも、あくまで雰囲気ものかな…って、映画音楽って本来そういうものですもんね。
 そして僕の本命「乱れ雲」。自動車事故で夫を失った未亡人と、その加害者の青年の愛の物語で、劇中にジャズが出てくるんですが、これが聴きたくてこのCDを買ったようなものですが…おお、入ってた!良かった。。でもひとつ発見が。僕はこの映画の音楽が好きなんじゃなくて、映画自体が好きだったんだなと(^^;)。

 第5集に入っていた音楽は、武満ワールドではなくて、ドミナントの見えるオーソドックスな音楽が多く、第4集とは対照的な内容でした。「青幻記」に沖縄音階を使った曲があったりはするんですが、それも結局はドミナントに吸収されますし。じゃあつまらないかというとそうではなく、僕にとっては自分が幼稚園に入るより前に、親が夜に観ていたテレビから流れていた音楽を聴くような感じで、なんだかものすごく懐かしく感じたのでした。きっと、スコアだけでなく、録音の質感とか、演奏の癖とか、色んなものに60~70時代の美感や質感というのが出てるんでしょうね。。


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『武満徹 映画音楽④ 勅使河原宏監督作品篇』

TakemitsuToru_EigaOngaku4.jpg 武満徹さんの映画音楽CD、第4集は勅使河原監督作品集です!このCD、メッチャいいです!僕的には、「ジェモー」とかの武満さんの80年代後半以降の純音楽より、この映画音楽の方が好きです(^^)。そして…いや~勅使河原監督はマイ・フェイバリットのひとり、絵作品もけっこう観てきました。安部公房作品の映画化、強烈な社会派ドキュメンタリー映画など、日本の映画監督として素晴らしい仕事をした人でした。原爆投下の後、広島に生まれた様々な奇形児を隠すことなく世界に伝えた『世界は恐怖する』は強烈でした。本当に顔の中央に大きなひとつ目をもって生まれた映像は強烈。どういう理由があろうとも、いまだに核兵器保有を肯定している政治家や一般人には見て欲しい映画です。

 そんな勅使河原映画のサントラですが、いちばん実験音楽色が強かったのは「おとし穴」でした。ほとんどループのような曲、ジョン・ケージ・ショック直後に実験的に作られたかのように聴こえるプリペアド楽器の作品などなど。「おとし穴」は劇映画とはいえ台本が阿部公房さんですし、あのATG映画の第一作ですし、これぐらいあってもおかしくないですが、こういうのを今の映画で聴くことが出来るというと、なかなかね。。今が保守なのか、当時が前衛なのか。興行的にどうかといえば今のほうが合理的なんでしょうが、芸術性で言えば当時の完勝ではないかと。
 芸術性でいえば、「砂の女」の音楽はやっぱりすごい。これは弦楽の中に風の音を加工して滑り込ませるミュージック・コンクレート的な作品。

 「燃えつきた地図」も前衛的。これは、なんとびっくりコラージュ音楽。プレスリーのハウンド・ドッグとヴィヴァルディが交互に出てきます。68年ということはターンテーブル的な発想ではなくて現代音楽のミュージック・コンクレート的な発想なんでしょうが、これは映画の内容も加味した選曲なんでしょうね。

 一方、前衛方面でない音楽も、素晴らしいものが多くて驚きました。まずはなんといっても「他人の顔」のアコーディオンと弦をバックにドイツ語で歌われるワルツが、なんとも言えない味わい。美しいんですが、どこか江戸川乱歩的な情感やヤバさを感じます。
 「サマー・ソルジャー」は一転してジャズ調。エレピのソロも、ジャズトリオの演奏も、夢の中を漂うようで気持ちいい。このエレピ、めっちゃいいけど誰だろう、佐藤允彦さんあたりかな…。
 「ホゼ・トーレス」は、なんといったらいいか…ソウルミュージックを弦楽でやった感じ。この弦の質感が妙に艶めかしも清々しくもあって、これに似た音楽を僕は聴いた事がありません。う~んこれはいい。

 当時の前衛音楽のほか、ジャズ、クラシック、そして当時の日本の劇伴の典型と、色んな音楽を万華鏡のように聴く事の出来るCDでした。それでいてどこか共通する美観を感じるのが面白かった!武満さんの映画音楽集を買うなら、この1枚は優先順位が高いかな(^^)。


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コピー譜『Joe Pass Omnibook』 

Joe Pass Omnibook ジョー・パスのギター演奏33曲のコピー譜です。300ページ近くて分厚いし、そもそもプロのジャズ・ギタリストだって33曲ぜんぶ演奏する人はいないでしょうから、充分じゃないかと(^^)。僕はある曲が目当てでこれを買ったんですが、3曲ほどしか拾いませんでした。でもそれでいいんだと思います。ジャズの演奏をマスターしたいなら、何曲かは好きなプレーヤーの演奏を完コピすべきと思いますが、逆に言うとそれは何曲かだけでいいと思うんですよね。あとはおいしいフレーズだけいただく、みたいな(^^)。

 このコピー譜、5線への採譜だけでなく、TAB譜もついてるしコードネームも書いてあるので、僕みたいなジャズギター初級者には超絶に嬉しかったです(^^)。あと、普通の本のようにのり付けで閉じておらず、バインダー状になっているので、ページ数が多くても特定のページを開きやすく、使いやすかったです。

 僕にとってのギター演奏は、暇な時についつい始めてしまう趣味。いつまでたってもうまくならないけど、弾いていて楽しいです (^^)。で、どうやればジャズ・ギターを弾けるようになるかを考えると、もしピアノと同じであれば、ある程度は汎化されたメソッドを身につけるのが先でしょうが(ジョー・パス自身のギターのメソッド本も何冊かあります)、そこさえ過ぎれば、あとは好きなプレーヤーのソロをいくつか拾っていい運指やフレージングを増やしていって…みたいな。こういう本は後者の段階でとっても役に立ちます。自分で耳コピすればいいんでしょうけど、こういう本があると作業を少し減らせるのが良いです(^^)。
 ジョー・パスをコピーしていると、単独で動くバスのテクニックも身につきますし、バンドではなく独奏にも対応できますし、オーソドックスなジャズ・ギターの手本にするには、ジョー・パスとジム・ホールは最高の教科書だと思っています。

 僕はジョー・パスのトランスクライブ本を何冊か持っていますが、何曲かダブりはあるものの、どの本も、その本にしか載っていない曲があって良いですね。その中でも、もっとも曲数が多いのがこれなので、1冊だけ選ぶならこれがいいんじゃないかと!


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DVD『JOE PASS ‘75 -Norman Grantz’ Jazz in Montreux presents-』

JoePass 75 前回に書いた、ジョー・パスが出演した75年のモントルー・ジャズ・フェスティバルの映像です。あのCDを聴いていたら、「こんな風にギターが弾けたらいいな」な~んて思ってしまって、研究のために動くジョー・パスを観たくなったのでした。そんな事をやったのも、もう10年以上前、時のたつのははやいです。僕は輸入DVDを買ったんですが、リージョンフリーではなかったもんで、PCに取りこんだから観たりして、なかなか苦労したのもいい思い出です(^^;)。

 録音日は1975年7月17-18日なので、CDと同じ音源。でも、CDに入ってない曲も入っていて、逆にCDに入っているけどDVDに入ってない曲も2曲。初日はスーツで演奏していたけど、2日目はラフな格好で演奏していました。2日目は予定になかったけど、初日が評判を呼んでリクエストに応えて飛び入りで演奏した感じなのかな?。

 おー、ギブソンの175を指弾きしてるのって、なんか面白いです(^^)。そうか、考えてみれば当たり前だけど、ああいう演奏するならそうなるわけですね。もちろんピックを使った演奏もあって、メッチャ参考になりました。
 ピックアップはフロント、アンプはジャズコーラスでしたが、コーラスやトレモロ入れずにストレートに使ってました。。
 左手は想像以上に力が抜けていて、押さえる指先だけしっかりしてる感じ。右手もアタックの瞬間だけ少しだけ力が入ってるだけで、軽く見えました。右手も左手も、僕より指が弦に垂直に当たってるぞ。クラシック・ギターみたいにギターを左足に乗せるわけじゃないけど、やっぱりギターは45度ぐらいに立っていて、指板と目線が近いです。でもこれでどうやってギターを安定させるんだろ…あ、なるほど、座っていますがストラップをつけていました。
 しかし、ファースト・フィンガーな演奏は、凄すぎていきなりは無理だなあ。むしろバスとコードとメロディをきちんとメソッド化して、ゆっくり演奏するところから徐々に店舗をあげてコツコツやった方がよさそう…

 な~んて感じで、ビデオ見ながらずっと一緒に演奏してましたが、見ているだけもすごーく勉強になりました!やっぱり目で見ないと分からない事っていっぱいありますね。ギターっていいですね、ひとりでこれだけ弾けたら楽しいだろうなあ。買って良かった、ギタリストさんがジャズ・ギターの教材としてジョー・パスの作品をひとつだけ買うなら、もしかしたらこれなのかも知れません。


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『Joe Pass / At The Montreux Jazz Festival 1975』

Joe Pass At The Montreux Jazz Festival 1975 ノーマン・グランツ最後のレーベル・パブロからリリースされたジョー・パスのライブ・アルバムです。共演者なしの完全な独奏なので、『ヴァーチュオーゾ』シリーズのライブ編みたいな感じでした。

 音色や音質にこだわらないジョー・パスなので、スタジオ録音はくそショボい音の時があって、名盤とされてる『ヴァーチュオーゾ』ですらライン録音じゃないかというほどの音の細さにげんなりしたもんですが、これはちゃんとアンプから出したジャズトーンで、しかもエアーもちゃんと拾われたいい音でした。こうでなくっちゃ、音楽はこういう豊かないい音で聞きたいんですよ!
 スタジオ録音だろうがライブだろうが、ジョー・パスの演奏は正確無比、まったくそん色なくて素晴らしかったです!1曲目はスティーヴィー・ワンダーの「You’re Sunshine of My Life」でしたが、これがギター独奏でのアドリブ演奏の宝庫。ギターソロを練習するとき、今度はこの演奏を見本にしてみよう、そうしよう…な~んて軽口を叩きましたが、すべての曲がギターのアドリブ演奏の参考になりそう、しかもどれもとても簡単に真似できそうなもんじゃありませんでした(^^;)。

 音楽はちょっと楽しげにスイングしたり、馬鹿テクを見せつけたり、ため息をつきそうなリラックスしたアメリカン・ソングだったり。音楽としては保守的なので、過激なものや刺激的なものを聴きたいときには合わないかも知れませんが、リラックスしながら名jン芸を堪能するという、いかにも古き良きジャズ的な聴き方をしたいときにはうってつけ。個人的な意見ですが、名盤と持ち上げられている『ヴァーチュオーゾ』もいいけど、あれを聴くなら、音がきちんと作られていて、しかも演奏に勢いがあるこっちのアルバムのほうがおすすめ。いやーこれは名人芸を堪能できる素晴らしいアルバムでした。ただし、これはビデオも出てまして…その話はまた次回!


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『Joe Pass / Virtuoso #2』

Joe Pass Virtuoso2 1976年録音、ジャズ・ギタリストのジョー・パスによるギター独奏シリーズ第2弾です。第1集があれば2集は必要もなさそうなのに何で買ったんだろう…あ、ジョン・コルトレーン「ジャイアント・ステップス」が入ってるからですね。ギター独奏であれをどうやって弾くのか、そもそも弾けるのか、そこに興味を惹かれたのでした。

 さて、期待のジャイアント・ステップスですが…耳が慣れないとちょっと強引な進行に感じるコルトレーン・チェンジをどれだけ自然にフレージングできるかが重要な曲だと思うんですが、それぞれのコード構成音を丁寧に演奏していて、いまいち面白くありませんでした(^^;)。ガシガシ弾いて欲しいのに自分のテンポで演奏しちゃってますし。むしろ、「Limehouse Blues」のソロが、火の出るような高速プレイで熱かったです!いや~これはすごいわ。。

 ちょっと思ったのは、ジョー・パスってジム・ホールと並ぶ白人ジャズ・ギターの超大御所ですが、和声アプローチが意外とジャズっぽくないんだな、みたいな。僕がちょっとだけジャズのピアノを弾ていた時期があるからそう思うのかも知れませんが、ドミナントでも意外とオルタレーションしないんですよね。もしかすると、ジャズにそこまでのこだわりがあるわけじゃなくて、カントリーだろうがポップスだろうが、ギター音楽であれば何でもひとりで演奏していた人だったのかも知れない、な~んて思ったり。

 なんだかんだ言いつつも、僕はジョー・パスのギター独奏が好きです。その好きというのが鑑賞対象として好きなのではなく、ひとりでコードもバスもメロディもアドリブ演奏するジャズ・ギターの演奏の教科書として好きなのです。アドリブの組み立ても表現もあまり音楽的ではなくて、こういう所はジョー・パスのみならずジャズ全般のダメな所なんでしょうが、そう思うなら自分で演奏すればいいんですもんね。そういう表現より、どうやれば演奏できるかのメソッドが先。その格好の教科書なのです。
 これを演奏できるようになったら大体ジャズのギター演奏はどんな編成でも大丈夫なんじゃないかなあ…やっぱりリスナーというよりプレーヤーご用達のアルバムなんじゃないかと。


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『Joe Pass / Virtuoso』

Joe Pass Virtuoso 1973年録音、ジャズ・ギタリストのジョー・パスのギター独奏集です。スタンダード・ナンバーの演奏で、言ってみればジャズ・ギター独奏のお手本集みたいな感じでした。

 僕は、ギターってアンサンブル楽器である以前に独奏楽器だと思っているんですが、ジャズ・ギターで独奏できるプレーヤーって意外に少なくて、その意味でもこのレコードは貴重。というか、ジャズのギター独奏のレコードでいちばん有名なのってこれじゃないかと思います。そして、ジャズに限らず、西洋のポピュラー音楽で、リードシートを見てアドリブ込みで演奏したいギタリストにも、これは持ってこいの教科書と思いました。このレコードに入った演奏を拾った楽譜も、いくつも出てますしね(^^)。
 パッと聴きでいえば、ジョー・パスのギター独奏の組み立ては、小節の最初にコードかバスを弾いて、残りはラインのアドリブ、みたいな。これがベースにあって、リハーモニゼーションしたブロークンコードのアルペジオで作る旋律とか、表拍バス裏拍コードのコンビネーションとか、上行なり下降なりのシングルラインで埋めるフレージングとか、そんな感じ。それぞれは一種のユニットになっていて、「あ、ここはコードを押さえたままだな」「ここはスケールアプローチに行ったんだな」「ここは決め打ちの循環コードソロだな」みたいに演奏している立場になって聴くと、あのジャズ・ギターの神様のソロのトリックが分かる、みたいな。そうやって聴くもんだから、きいていてメッチャ疲れました(^^;)。でも聴いていると、ギター弾きたくなっちゃったりして…理屈は分かるので弾ける気になっちゃうんですが、いざやるとこれが相当難しいんですよね。野球や音楽見たり聴いたりしてああだこうだいうアマチュアの人がいますが、いざやってみると出来ないものなんですよね(^^)。

 反面、どうしても「リードシートに合わせて演奏するギター演奏見本集」と聞こえてしまって、純粋に音楽として鑑賞できませんでした。どうしても「あ、こうやるのか」という所に耳が持ってかれてしまうというか。実際、あくまで運指でしか音楽を表現してないですし、音色だってギブソンのフルアコをアンプ直結して出しただけみたいな感じでぜんぜん色っぽくないですしね。でもジャズ・ギターというジャンル自体が左手アドリブの完成披露宴みたいな所ありますし、ジャズ・ギターのファンならそういうのは問題ないのかも。いずれにしても、好き嫌いはともかく、ジャズを含めた西洋ポピュラー音楽のギタリストなら一度は聴かないといけないアルバムじゃないかと!


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コミック『手天童子』 永井豪

Shutendouji4.jpg 永井豪さんは日本人漫画家のベスト10に入る人だと思うんですが、話に収拾がつかなくなることもしばしば。代表作で連載時にうまく着地できたのは『デビルマン』ぐらいなもので、『マジンガーZ』『キューティーハニー』『凄ノ王』といった有名作はどれも収拾がついておらず、未完作品だらけなのです(^^;)。そんな永井作品の中で、実にうまく話がまとまってると思った作品がこれ、『手天童子』です!いや~とても永井豪さんの作品とは思えないほど見事な伏線回収でした…こんないい方は失礼か(^^;)>。

 とある夫婦が、突如現れた鬼に咥えられた子供を救いますが、鬼は「15年したら迎えに来る」という言葉を残して去ります。この子供・手天童子郎が成長するとともに怪事件が頻発するようになり、次第に鬼たちと手天童子との争いの様相を呈していきます。そんな鬼の本拠地にたどり着いた童子ですが、本尊の頭上には手天童子の育ての母の姿に酷似した像があり…

 血みどろの殺し合いになる展開や雰囲気は、デビルマンやバイオレンス・ジャックと同じ。童子を失って精神病院に入った母はその壁に鬼の絵を描き続け、童子を守る鬼は「子郎も彼を守る2体の鬼も、それどころか鬼の世界も、ある日突然誕生した」と語り、話がいきなりSFになり、鬼の本拠地である星の形が壁のような形で…物語の冒頭から張り巡らされたいくつもの伏線が一気に回収されていく終盤は見事!それはそうなのですが…

 先に筋を固めたからか、『デビルマン』や『バイオレンス・ジャック』ほどの勢いがないと感じました。クラシック音楽で、スコアをなぞっているだけな演奏ってあるじゃないですか。スコアにはたしかにそう書かれてるんだろうけど、スコア通りに演奏するだけじゃなくて演奏をもっと躍動させてくれ、みたいな。でも勢いだけでオチがつかないフリージャズを聴くと、「もう少し作曲してからやればいいのに」と思ったりもするわけで、今までの永井作品がフリージャズ的で、『デビルマン』みたいにうまくいけばいいけど失敗の方が多いので、はじめてクラシックのようにしっかりデザインしてから作ってみたのがこれなのかも知れません。でもまだ慣れていないから、スコア通りに演奏するので手いっぱいで、変に小さくまとまってしまった、みたいな。音楽でもなんでも、いい作品を作るって難しいですね。

 僕的には、永井さんの作品は『デビルマン』がずば抜けていて、2位が『バイオレンス・ジャック』、3位が『手天童子』。というわけで、『デビルマン』と『バイオレンス・ジャック』を読んで、まだ永井作品を読み足りないという方がいましたら、おすすめしたい作品です。


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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