
1985年リリース、
ローリング・ストーンズのヴォーカリストであるミック・ジャガー初のソロ・アルバムです。ローリング・ストーンズのアルバム『ダーティー・ワークス』の前年にリリース、思いっきり80年代のチャート音楽でした。
このアルバムをはじめて聴いた時、僕は中学1年生ぐらい。ストーンズもミック・ジャガーもよく分かってませんでした。友達の兄ちゃんが持っていたストーンズの60年代のレコードを聴かせて貰った事はありましたが、それだっていまいちピンと来てませんでしたし(のちにピンと来るようになりました^^)。
このアルバムの日本語帯に、「あの
ジェフ・ベックが参加!」みたいに書いてあって、僕は新日本プロレスで使われていたジェフ・ベックの「
スター・サイクル」という曲に猛烈に感動した事があったもんだから、期待しまくり。で、いざ聴いてみると…どれがジェフベックだよというほど、どのギタリストも適当にしか弾いてない(^^;)。いま聴いたら分かるのかなぁ。
他にも
ピート・タウンゼントとか
ハービー・ハンコックとか
ヤン・ハマーとかスライ・ダンバーとか、有名人の名前が30人ぐらいズラッと並んでましたが、みんな演奏がテキトー、ありがたがって聴くようなもんじゃありませんでした。
ビバリーヒルズ・コップのBGMみたいなんですよ。
そうそう、85年と言うと、ジェフ・ベックが『
Flash』というアルバムを出した年ですが、その絡みで言うと、ナイル・ロジャースも参加していました。
ナイル・ロジャースって、70年代に「Chic」という軽めのディスコ/ファンク調音楽を演っていたグループにいて、どんな音楽も軽い音でギターをカッティングして、全部ディスコ調にしちゃう人なんですよ。アイドル物のヴォーカルのアルバムのプロデュースとかだったらいい気がするけど、アーティストもののアルバムでもこれをやっちゃうのは…大きい声では言えませんが、このアルムもベックも『Flash』も、ダメにした3割ぐらいはこの人なんじ(以下自粛)。
音楽って、ジャズでもクラシックでもロックでも、最初は右も左もわからないから、当たりもハズレも見当がつかなくって、何でもかんでも聴いちゃうじゃないですか。そんな時に掴んでしまった悲しき1枚。もう少し経験があれば、有名バンドのメンバーのソロ作なんて「やる気があるのは本人だけで、その本人だってバンドを離れてどれぐらいの能力があるかもわかったもんじゃないし、レコード会社もプレーヤーもバイトでチャチャッと終わらせたセッションなんだろうな」ぐらいの予想はできただろうに。。でも逆に言うと、その右も左も分からずに音楽を聴いていた頃が、今となってはたまらなく懐かしいです。なんだろ、今とはまったく違うウキウキした気持ちで音楽を聴いていたんですよね…。
そうそう、このアルバムみたいに、音楽を生産ラインに乗せて流れ作業のように作っちゃうのも80年代でしたよね。
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