1960年4月1日録音、
エリック・ドルフィー 初のリーダー・アルバムです!エリック・ドルフィーは、モダン・ジャズ最高のアルト・サックス奏者だと僕が思っているミュージシャン…いや、この人はアーティストと言って良いと思います。。メンバーは、ドルフィー(a.sax, fl, b-cl)、
フレディ・ハバード (tp)、
ジャキ・バイアード (p)、ジョージ・タッカー (b)、ロイ・ヘインズ (dr)。あれ?ハバードって、ニューヨークでドルフィーとルームメイトだった事があったんでしたっけ?ちょっと記憶があいまい…間章さんが日本語訳した『エリック・ドルフィー』を読み返さないと(^^;)。
6曲中3曲がドルフィーの作曲。曲はバップの範疇でしたが、それでもバップのルールの中で独創性を発揮していて、
セロニアス・モンク のようなある種のねじれ感やある種グロテスクな感覚がありました。「On Green Dolphin Street」のアレンジなんてその最たるもので、主メロの裏にあてたバスクラのレペティションのヤバさと言ったら(^^;)…さすがドルフィー、デビューした瞬間から個性爆発です!
とはいえ、『
ラスト・デイト 』や
ミンガスのバンドでの演奏 に感銘を受けてドルフィーに入った僕にしてみれば、このぐらいの曲はまだまだぬるくて、
本当にヤバいと思ったのは作編曲以上に演奏 でした!とくにアドリブの凄さは初リーダー作にしてとんでもない次元…。1曲目のオープンに入ったトップバッターはドルフィーのアルトですが、そのとんでもないスピード感と言ったら…それが過ぎたと思ったら切れ目なく跳躍フレーズの連発。3曲目「Les」のソロも同様の強烈な演奏、こんなの度肝を抜かれるって…。。
「速い」という事に関して言うと、実際の速度と感覚上のスピード感というのはかなり違うもので、たとえばギターを弱くタッピングしての速さみたいなのって、「タタタタ…」みたいな感じで、本当はひとつのものを均等分割しているだけみたいに感じて、速さを感じないんですよね。ただ、それを強くタッピングするとアタックが出て「ダンダンダンダン…」みたいになってくると、かなりスピードを感じます。強さの裏で多少演奏が暴れるのは、恐らく強く吹いてるからなんでしょうね。スピードだけを追うなら脱力した方がいいに決まってますが、サウンドさせる意識があるからこうなると思うので、音の表情というかサウンドの強さというか、その説得力自体がもう強烈。こういう所がクラシックじゃなくてジャズ、カッコいいです(クラシックがダメとは言ってないですヨ^^)。
また、速いと言っても単に速いだけでなくて、
えらく独創的なラインを組み立てていて、ここが凄い です、聴いていてのけぞってしまいました。単にスケールを上下するだけみたいなラインを作る人っているじゃないですか、あれだったら誰だって速く吹けると思うんですが、こういう聴き手の耳を惹きつけつつ、全体としてはドラマも作っていくラインを、アドリブで、しかも高速で吹くって、尋常じゃないです。指や舌より、脳からの演奏指令の速さに感動します。
そのあまりに独創的なアドリブは、ドルフィーとソロ交換する相手の達人ハバードですら押されまくってました…。とはいえ、「245」でのハバードのペットソロあたりは、本当に見事でした。共演者もさすがは一線級揃い、見事でした…が、ハバード以外はけっこうバックバンドという意識でやってるかな?
やっぱりジャズであれ何であれ、一定以上のレベルの人のアドリブって、見事に起承転結を作ってくるのが素晴らしいですね。この見事さを堪能できるもんだから、ジャズって同じような曲のはずなのに、飽きずに聴き続けてしまいます。。
音楽は個性的とはいえあくまでバップのルール上にあるので、のちのドルフィーの凄さを知っていると、まだ習作期という感じでしたが、いやいや1960年のジャズとして見ると、これは尖ってます。それより演奏…わけてもアドリブがヤバいです!メインストリームなジャズが好きな人なら、むしろデビューした頃のドルフィーの方が好ましく聴こえるかも知れません。なにせとんでもないアドリブですから!
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