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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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You Tube チャンネル 【1972年のキング・クリムゾン "Earthbound"】 アップしました

King Crimson 1972_thumbnail 大変お待たせしました、キング・クリムゾンの第6回です。今回はアルバム【アイランズ】期のサード・ラインナップのクリムゾンの奮闘について、あれこれ駄弁っていきたいと思います。

 遅くなってしまった原因は、年末で仕事が忙しかった事に加え、BGMのための耳コピや録音に時間がかかってしまった事。しかも今回は「21世紀の精神異常者」と「太陽と戦慄」。ゆ、指が…クリムゾン難しいです。

 この時期のライヴ、最初に聴いた若い頃は、正直言ってあまり良い印象ではなかったです。それがあるライヴ音源に魅せられた事をきっかけに「あれ?カッコいいじゃん。このバンドの聴き所ってぜんぜん違う所にあるのでは?」と思うようになりました。そのへんの話も、バンドの歴史やライヴでの音楽の移り変わり、スタジオアルバムとの差などと合わせ、グダグダと喋ってみようと思います。

 そして、もし楽しんでいただけましたら、チャンネルを登録していただけると有り難いです♪

(YouTube チャンネル) https://www.youtube.com/@BachBach246
(1972年のキング・クリムゾン【アースバウンド】)  https://youtu.be/4tW4OECOHiM


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『King Crimson / Ladies of the Road』

King Crimson Ladies of the Road 初期キング・クリムゾンは大きく分けると3回大きなメンバーチェンジをしていますが(つまりバンドは4つ)、71~72年前半のアイランズ期(サード・ラインナップ)のライヴ音源は、オーディエンス録音含めてけっこう残っています。その頃のライヴやラジオ放送用のスタジオ・ライヴを集めたCDがこれ。ディスク2枚組で、ディスク2は「21世紀の精神異常者」だけが11テイク入っているという(^^;)。

 で、この「寄せ集め」音源というのが判断の難しい所で、ディスク2の精神異常者ラッシュを除くと、音源は以下の4つです。

・71.4.13 Zoom Club, Frankfurt, Germany
・71.5.11 Guildhall in Plymouth, UK
・71.11.13 Eastown Theatre, Detroit, Michigan, US
・72.3.12 Summit Studios, US *ラジオ番組用のスタジオ・ライヴ

 アルバム『アイランズ』の録音は、71年の7月からなので、ドイツとイギリスの公演は録音前。アイランズ期クリムゾンの音源って、72年のものが多いんですが(たぶん、アルバムが71年12月にリリースされたから)、それだけに71年のパフォーマンスをきけたのは、色んな意味で興味深かったです。

 そして…72年当時公式発表されたライヴアルバム『Earthbound』より圧倒的に音が良くてびっくり!単なるジャム曲も入ってないし、曲のセレクトも万遍なしといった感じ。初期4枚のアルバムそれぞれから選んだだけでなく、オリジナル・メンバー時代にライヴだけで演奏されていた曲も演奏していたんですね。なるほど、過去のレパートリーもライヴでしっかり取りあげていた事と、ライヴではかなりインプロヴィゼーションを重視していたのがよく分かります。正直、『アースバウンド』を買うなら、こっちを選んだ方が…とすら思いました。
 ただ、このライヴ演奏をどう感じたかというと…僕の場合、マイケル・ジャイルズやイアン・マクドナルドがいた頃のキング・クリムゾンや、この編成の後に組まれたジョン・ウェットンらが入ったクリムゾンのライヴには完全にノックアウトされたんですが、この時期のライヴである本盤には、そこまで感動を覚える事が出来ませんでした。スマヌス。

 さすがにロック史上でも最高峰レベルと言えそうな、マイケル・ジャイルズがいた頃や、この後のジョン・ウェットンらが入った時と比べたら可哀想ですが、それでも下手なバンドじゃないとは思うんですよ。ただそれって、「ロックだけやってたバンドマンが演奏するには手こずりそうなクリムゾンの曲を、ライヴでよくここまで頑張ったな」ってぐらいの感じ。でもそういう感想って、もう聴いているこっちが上から目線になっちゃってるじゃないですか。そうじゃなくて、「うわ、すげえ」って引っ張りまわして欲しいんですよね(^^;)。何でそうなるんだろう…
 色々あるけど一番のポイントだけを言うと、楽曲が暗に示している方向の即興を演奏するだけの能力がない、これに尽きるんじゃないかと。言い方を変えると、即興がただのジャム・セッションなんですよね。。
 例えば、テーマ部分はニュージャズと言っても良いぐらいの曲「Groon」も、ブローイングコーラスに入るとFのドリアン1発、みたいな。これだったらテーマも曲想も関係ないですよね。アマチュアのロック好きさんたちが、初対面でスタジオ入ってやるあれです(^^;)。オープンに入った瞬間にスケール一発のジャムになってしまうのは、「Get Thy Bearing」も同じ。実際にはスケールどうこうより、そうやって即興で音楽を組み立てるかという部分なんですが、まあ分かりやすい所だけ指摘するならそんな感じです。またよりによって、スタジオ盤と差別するためか、このコンピに収録された曲って、即興多めのものが敢えて選ばれたようにも感じるんです。

 このバンド、良いものも持ってたと思うんです。ドカドカ来るイアン・ウォーレスのドラムは結構な迫力だし、長いサステインを活かしたロバート・フリップのギターソロは時として耳を奪われるし。ただ、もっと大きい所で、これまでのクリムゾンが創り上げてきたものをリアライズできるだけのレベルに達していなかったバンドなんでしょうね…なーんて思ったんですが、次に取りあげるライブ盤で僕は手の平を返すことになったわけですが(^^;)。。
 ちなみに、このCDに収録された先述の4つのライブなりラジオなりの音源って、今はそれぞれ単独でリリースされてます。元々はブート、のちにそれをクリムゾンがファンクラブ限定でリリース、みたいな形で。だから、今からこの編集アルバムを楽しもうとするのであれば、アイランズ期のクリムゾンのライヴをどこまで追うつもりがあるのかで判断するといいかも知れません。


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『King Crimson / Earthbound』

King Crimson_Earthbound 72年リリース、70年代のキング・クリムゾンが活動中にリリースされた、初のライブアルバムです!ところがこのアルバム、僕が若い頃(80年代)はなかなか目にする事が出来ず、ようやく買ったCDは「これってもしかしてブート?」と疑ってしまう音の悪さと怪しい作りでした。でも正規盤も音が悪かった(^^;)。
 録音は1972年の2~3月に行われたUSツアーの中から、4つの会場での音源を集めたもの。メンバーはRobert Fripp (g), Mel Collins (sax, mellotron), Boz Burrell (b, vo), Ian Wallace (dr)。というわけで、『Islands』期のメンバーでのライブ音源でした。このメンバーを僕はサード・ラインナップと呼んでますが、セカンド・ツアー・ラインナップなんて呼び方もあるそうですね。そうか、オリジナル・メンバーでライヴやったあとは、メンバー脱退が相次いで、このメンバーが揃うまでライヴ出来なかったんだな。。

 収録曲は、初期クリムゾンの代名詞「21世紀の精神異常者」と、このライヴをやっている頃に作られたアルバム『アイランズ』から「セイラーズテイル」、この2曲はアルバムを買っていたら聴ける曲。残りはアルバムでは聴けない曲で、「グルーン」はシングルのB面。「ペオリア」と「アースバウンド」はこのアルバムじゃないと聞けない曲…というと聞こえはいいんですが…

 あのクラシックとジャズとロックを融合したような完成された音楽を聴かせたクリムゾンが、ライヴでジャムセッションやってるよ。。「Peoria」と「Earthbound」は、そういう演奏でした。この2曲、EとFのブルースマイナー一発のジャムなんですよ。こんなの、メンバー募集で知り合ったアマチュアが初めて顔あわせた時に1~2曲やる程度のモノじゃないんですかね。。
 さらに、ヴォーカルは「金返せ」と言いたくなるほど下手。アルバム『アイランズ』に入っていた大好きな曲「Sailor’s Tale」は前半をカットしてのフェードイン、最後も途中でフェードアウト。録音は「なにこれ、ブート?」というほど劇悪。まあそんな感じで、最初に聴いた時は、もうとにかくマイナスな要素ばかりが耳に入ってきてしまいました。スマヌス。

 でもよく聴くと、素晴らしい所もあったりします。まず、スタジオ録音のアルバムだと、曲をまとめるので手いっぱいだったように聴こえていたロバート・フリップがアドリブでギターを弾きまくってる!のちに、ライブ音源が大量に出回るようになり、実はロバート・フリップはフランク・ザッパと双璧というほどにロック最強のアドリブ力のあるギタリストだと思うまでなりましたが、このCDを買った頃はそんな事はまだ知らなかったもんで、「こんなに弾ける人だったのか?!」と驚きました。
 もうひとつ良かったのが、イアン・ウォーレスのドラム。手数は多いし、ロック的な破壊力がイイっす(^^)。これは一聴の価値ありですよ、奥さん。ただ、コンビネーションをベースにパワーと手数で押してくるタイプなので、ちょっとパンクっぽいけど(^^;)。。

 要するに、ライブならではのアドリブが多い演奏だったのですが、アドリブに対する考え方や方向性が、リーダーのロバート・フリップと他のメンバーで違っていたんだろうな、と感じました。音の悪さと言い、ジャム・セッションをふたつも入れた選曲と言い、不思議な事がいろいろ。僕の勝手な想像で言うと、72年のUSツアーの中から音源を選ばないといけない何らかの理由があったんでしょうね。ジャムに関しては、まるで未発表の曲があるかのように見えるからだった、みたいな…ちょっと穿ち過ぎですかね(^^;)>?何枚も買ったブート盤を含めて、このメンバーでのライヴでいちばん音が悪かったのがこれでしたし (^^;)。
 でも、さっき言ったこのアルバムの弱点って、同時期の他のライヴを聴くとここまで悪くなかったりするんですよ。サード・ラインナップのライヴを聴くなら他におすすめが…それはまたいずれ!


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『Charlie Parker / April in Paris』

Charlie Parker April in Paris チャーリー・パーカーのウィズ・ストリングスものです。ジャズの管楽器奏者はウィズ・ストリングスに憧れる、なんて聞いた事がありますが、その原点がこれじゃないかと。すべてのジャズ・ウィズ・ストリングスのアルバムで一番有名なアルバムじゃないかなあ。

 パーカーのウィズ・ストリングスのオリジナル・レコードは、この『April in Paris』と『Night and day』の2つがあります。僕は国内盤の『April~』を持ってるんですが、それにはボーナストラックで『Night~』の4曲が入ってました。どちらもヴァーブ時代の録音なので、晩年の演奏…かと思いきや、録音は49、50、52年。ヴァーブ録音の中ではまだ早い方…かな?
 全盛期過ぎという時期的な問題も、ウィズ・ストリングスというムード・ミュージック的な企画内容もあるんでしょうが、全体的にはビバップのブイブイ言わせてる馬鹿テク高速サックスではなく、朗々と歌ってる感じでした。それでも良く聴くとすごいソロがけっこうあります。このアルバムに入ってる「Just Friends」のアドリブは有名で、僕は先輩に「このアドリブソロは学ぶところが多いからアナリーゼしてものにしなさい」と言われ、分析した事があります。曲想がゆったりしてるのでムーディーかと思いきや、サックスのソロは16分音符の連続で、またその繋ぎ方がすごい!聴き専の人も、自分でアドリブしてるつもりで聴くと「うおおお!」ってなるんじゃないかと(^^)。管楽器でもギターでも、このチェンジでのアドリブが取れたらステージに立てるレベルと思います。

 曲も「April in Paris」「Summertime」「Just Friends」「I’ll Remember April」などなど、大スタンダードばかり。ジミー・キャロルのストリングス・アレンジもなかなかパーカー聴くならサヴォイかダイアル時代が本命かと思いますが、ヴァーブ時代ではこのウィズ・ストリングスは外せないんじゃないでしょうか。音は古くて良く聴こえない所も色々ありますが、やっぱりジャズ・ウィズ・ストリングスものの歴史に残る大名盤。これは聴いておいてよいんじゃないかと。


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『Charlie Parker, Dizzy Gillespie / Bird and Diz』

Charlie Parker Dizzy Gillespie Bird and Diz チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーと言えば、ヴァーヴからこんなLPも出てました。49~50年録音で、ほとんどが2管編成のクインテットです。ミュージシャンは色々入れ変わってますが、有名どころではセロニアス・モンクマックス・ローチも参加してます。

 「Leap Frog」が快速でさすがの名人芸が聴けますが、アルバム全体としてはリラックスしたセッションでした。音楽も練りに練られたというものでなく、パーカーとガレスピーそれぞれのアドリブを楽しむ感じ。ここに的を絞ってるので、他の楽器の音がめっちゃ小さい(^^;)。「Leap Frog」も、多分本当はもっとすごい演奏だったんでしょうが、ドラムもピアノもベースもめっちゃ小さいので、すごく大人しく聴こえて迫力がなくなっちゃってました。。そして、パーカーはやっぱりダイアルやサヴォイの頃が至高、ヴァーブ時代はうまいけどあの爆発力は影を潜めてました。でも、ソロを拾って何となく分析して聴くと、なかなかにすごい事やってますが(^^;)。「mohawk」や「Visa」の両者のアドリブなんて、めっちゃ聴きごたえあります、曲がマッタリしてるので真面目に聴いてないと通り過ぎてしまいますが(^^)。

 というわけで、有名作だし、まとまったいいアルバムだと思いますが、これがバードやガレスピーの凄さだと思わない方がいいかも。素晴らしいソロではあるけど、彼らの凄さはこんなもんじゃない、これはあくまでリラックスしたセッションってかんじでした(異論は認めます^^)。


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『The Quintet / Jazz at Massey Hall』

The Quintet Jazz at Massey Hall ホールの名前なのに、ジャズでマッセイホールと言ったらみんなこのレコードを思い浮かべちゃうんじゃないかと(^^)。1953年に、かつてのビバップのプレイヤーたちがカナダのトロントにあるマッセイホールに集まって行ったライブの録音です。

 このライブはビッグネームのセッション、メンツが凄い!チャーリー・パーカーディジー・ガレスピーバド・パウエルチャールズ・ミンガスマックス・ローチです。ビバップ時代の各楽器の本当の代表選手、全員がリーダーバンドを持ってるレベルで、この中のひとりでもいたらそれだけでホールを埋められちゃうメンツですが、5人集まるなんて奇跡的。このメンツのライブがあったら、僕だったら絶対に聴きにいっちゃうなあ。

 音楽はセッションっぽかったです。ソロを渡す瞬間にパーカーとガレスピーがユニゾンしたりするところがあるので少しは書いているのでしょうが、基本的にはそれぞれのアドリブを楽しむ音楽。というわけで、なんとなくBGMで聴いたらあんまり面白くないかも。でも、ちゃんとメンバーのソロに耳を傾けると…おお~カッコいい!!
 ビバップのスタープレイヤー揃いという事で、あのラウドで熱くて超速いジャズを想像しちゃいそうですが、アップテンポのナンバーは「ソルト・ピーナッツ」と「WEE」ぐらい。でも、ソロを真剣に聴くと、ミディアムナンバーでのソロも細かいフレーズをバンバン叩き込んできて、これがカッコいい。どの曲でも好調でカッコいいソロを取るのはディジー・ガレスピー。思い出しました、昔まだビバップをあんまり知らない頃、このアルバムを聴いて「パーカーとミンガス目当てで買ったけど、ガレスピーってすげえな」と思ったんでした。
 あと、全曲ではないんですが、ソロを回してもらった時のマックス・ローチが凄いです。超大物の大先輩たちとのセッションという事もあるのか、他の人のコーラスでは必要以上にリズムキープだけして流してますが、自分のソロになった途端に大爆発!!マックス・ローチのすごさはこのレコードを聴く前に知ってたので印象に残ってなかったんですが、久々に聴いたらやっぱり素晴らしかった!
 パーカーは…僕はどうも50年代のチャーリー・パーカーの演奏は全盛期のヤバいぐらいのキレがなくなってて好きじゃないなんですが、ミディアムテンポの「All The Things You Are」のソロは良かったです。録音がマッタリした音なのでついついマッタリ聴こえちゃいますが、ちゃんと聴くとドミナントになるたびにすごい数の音符を挟み込んでくるし、しかもそのドミナント周辺の音の動きがオルタレーションしまくりでメッチャかっこいいフレージングだし、ソロの組み立てはうまいし、これはさすがの達人技。
 バド・パウエルは…ちょっと録音が悪くて、よく聴こえません(T_T)。

 ミンガスは裏方に徹してて見せ場があんまりなし…ですが、ミンガスはこのレコードで大きな仕事をしているのでした。というのも…このレコードのレーベルはDebut。ミンガスが作ったレーベルです。なんでミンガスがレーベルを作ったかというと、当時ジャズは大ブームの音楽で、有名ミュージシャンとなるとレコードもライブも出せば飛ぶように売れたそうです。でも、制作にお金がかかるレコードは、白人たちの資本に独占されてる状態で、レコードはとんでもない枚数売れてるのに、ミュージシャンのギャラは二束三文。それに怒ったミンガスは自分でレコードレーベルを作った…こんな感じだったそうで。ミンガスほどの人が食えなくて郵便局でバイトしてたらしいですしね、でも、他のレコード会社と専属契約しているチャーリー・パーカーの録音を出すのはまずいという事で、このレコードでのパーカーのクレジットは「チャーリー・チャン」になってます。いや~、ジャズにもいろんな歴史があるんですね(^^)。


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『Eric Clapton / Slowhand』

Eric Clapton_Slowhand 1977年、エリック・クラプトン5枚目のスタジオアルバムです。80年代にクラプトンを聴き始めた人にとっては(あたしだよ!)、これがクラプトンのアルバムでもっとも有名かも。1曲目「コカイン」や2曲目「ワンダフル・トゥナイト」あたりは、洋楽を聴く人ならみんな知ってる有名曲じゃないかと

 以前、クラプトンのソロ名義のスタジオアルバムをいくつか紹介した事がありましたが、ブルース系以外はどれもイマイチ。このアルバムもやっぱりそうで、手を抜いて作った産業ロックにしか聴こえませんでした_| ̄|○ウウ。見事なレイドバック音楽というわけでもない、作曲に優れるわけでもない、すごい演奏が聴けるわけでもないです。ギターは、ソロをえんえん弾いている曲がないわけじゃないけど、ペンタトニックの垂れ流し…これならギター覚えたてのガキでも弾けるよな。。そういう意味では、ギター少年が最初にコピーしやすい音楽ではあるかも。

 クラプトンさんって、「これを世紀の傑作にしてやる!」みたいに気合いを入れて新作を作るタイプではないのかも。契約でアルバムを作る時期が来ると、「さ、作るか」みたいにサクッとセッションしてオシマイ、みたいな。ポップスな曲をやる時のクラプトンで残念なのは、スリーコード以外のプログレッションとなるとギターの対応が甘くなる事…ある時期以降のクラプトンは、ドラッグから抜けだすのに精いっぱいで、ブルース・ギターの追求にしか興味ないのかも知れません。ブルースのアルバムを作る時だけは気合いが入ってるのに、それ以外となると気合いがぜんぜん違うんですよね。
 70年代中盤のクラプトンのスタジオアルバムって、僕が聴いたものはセッションでざっくり合わせて終わりなものばかりでした。77年といったらイーグルス「ホテル・カリフォルニア」もスティーヴィー・ワンダー「キー・オブ・ライフ」もジェフ・ベック「ワイアード」も出ていた頃。そんな時期にこんな雑な事やってるようでは、過去の人になっちゃいますよね…。


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『Derek and the Dominos / Layla and Other Assorted Love Songs』

Derek and the Dominos Layla ブラインド・フェイス解散後にアメリカに渡ったエリック・クラプトンが、生涯ナンバーワンとなるヒット曲「いとしのレイラ」を発表したのが、この2枚組アルバムです。クラプトンのソロ名義ではなくて、デレク&ザ・ドミノスというバンド名義なんですね。ブルース系のアルバムを除けば、ブラインド・フェイス以降にクラプトンが出したアルバムの中では、僕はこれがいちばん好き(^^)。

 お~さすがにアメリカのミュージシャンと作ったアルバム、大味で泥臭いです(^^)。でも、アメリカ南部のレイドバックした音楽の良さも出てるし、バンドもまとまってるし、デュアン・オールマンのスライドギターも味がある、すごくいいアルバムです。レオン・ラッセルとか、ああいうアメリカ音楽のレイドバックした良さってあるじゃないですか、「ベルボトム・ブルース」や「Nobody Knows You When You're Down and Out」「I Am Yours」のレイドバック感がまさにそれで、ものすごくいい!ついでに、「Have You Ever Loved a Woman」や「Key to the Highway」など、バンドブルースもそこそこやってまして、これをやらせたらさすがにクラプトンは素晴らしい!
 なるほど、ギターはうまいけどちょっと凝ったコードプログレッションになると苦労するブルースギタリストなクラプトンは、味のあるアメリカのルーツミュージックと相性が良いのかも。それが悪い方向に出たのが『461』や『Slowhand』あたりのソロアルバムなら、いい方向に出たのがこれ。もしかすると、アメリカ南部の音楽の味わいを持ちこんだデュアン・オールマンの参加が大きかったのかも知れません。

 ところが、このバンドもブラインド・フェイスに続いてアルバム1枚出して解散。クラプトンってあくまでプレイヤーであって、人をまとめていけるリーダータイプじゃないのかも。親友の奥さんに手を出すし、そもそも雇ってくれたデラニー&ボニーからバンドメンバーをひきぬいて作ったのがドミノスだし、たしかに人を引っ張っていく能力はなさそう(^^;)。あ、話が逸れましたが、そんなわけで僕が人にクラプトンを薦めるとしたら、ジョン・メイオールとのセッション、クリームのライブ盤、バンドブルースのアルバム『E.C. was here』、そしてこのアルバムの4つ。クラプトンのアルバムは、レコード会社の太鼓持ち評論家が何でもかんでも「いい」と推してしまうので判断が難しいですが、これは本当にいいアルバムでした。


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『Delaney & Bonnie & Friends / On Tour with Eric Clapton』

Delaney and Bonnie On Tour with Eric Clapton 1970年発表、アメリカ南部の夫婦デュオ・ユニットのデラニー&ボニーが、エリック・クラプトンを含めたバックバンドを得て作ったアルバムです。クラプトン加入のきっかけは、デラニー&ボニーがブラインド・フェイスの前座を務めた事らしいです。ミュージシャンってこうやって人脈を広げるんですよね(^^)。

 音楽は白人のフォークやブルーグラス系のコーラスじゃなくて、かなり黒い感じ。サザン・ロックに黒人系のソウルやブルースやR&B色も混じってるみたい…当時のショー音楽ですね。バンドは、昔の日本でステージにバンドが板付きしてる音楽番組があったじゃないですか、ああいう演奏でした。若いころは、このショー音楽な感じが趣味じゃなかったものでピンとこなかったんですが、いま聴くとボニーさんの歌がうまい!メインヴォーカルはたいてい男声デラニーさんなんですが(デラニーさんだって十分うまい)、サビで重ねるボニーさんがうますぎる。。と思ったら、ボニーさんって、アイク&ティナ・ターナーのバックで歌ってたらしいです。そりゃうまいわな。ってか、よく白人で黒人コーラスグループに入れたな。。ボニーさんがメインヴォーカルを取る「That's What My Man Is For」なんて、「これ、黒人ヴォーカルだよ」って言われても信じちゃうと思います。
 
 というわけで、クラプトンを目当てで聴いたアルバムでしたが、お仕事なバックバンドのいなたい演奏には全然耳がいかず、ボニーさんに聴き惚れた1枚でした。とはいえ、特に持ち上げるほどの音楽じゃないかも(^^;)。そしてこのボニーにクラプトンに…というメンツは、そのまま同年発表となるレオン・ラッセルのデビュー作でものすごい完成度となってあらわれるのでした。


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『Cream / Live Cream Volume II』

Cream Live Cream Volume 2 ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカー、エリック・クラプトンの3人が結成、ロック界きってのスーパー・グループのクリームが残したライブ盤のひとつです。クリームは『Good Bye Cream』や『Wheels of Fire』のようなスタジオ・アルバムにもライブ・サイドが入っているし、ファースト・アルバムもかなりライブな演奏なので、意外とライブはたっぷり聴くことが出来るんですが、それでもクリーム初心者の人がクリームを聴くなら、このライブを最初に聴くのがいいんじゃないかと僕は思ってます!

 なんで僕がこのアルバムをクリーム入門の第1号に選ぶかと言うと、1曲目「Deserted Cities of the Heart」がとってもハードロック調だからです。これがとってもわかりやすいのと同時に、馬鹿に出来なカッコよさなんです!
 クリームのライヴの凄さは、分かりやすい所で言えば、手数の多さや、サウンドの太さ。もちろん、もっと音楽的な所やバンドの絡みが凄いんですけど、そういうのって言葉で表現しにくいんですよね…。でもって、インプロヴィセーションと言っても曲のキャラクターや仕掛けがしっかりしてるので、バップ系のジャズよりも曲が立つし、なにより演奏の圧がすごいんですよね(^^)。
 ただ、ギターのエリック・クラプトンがほとんどペンタトニックなので、長いインプロヴィゼーションになるとやや一本情死になってしまうのもたしかで、それを上回る圧があるからいいけど、その圧に持っていかれない人は「単調だな」と感じてしまう人もいると思うんですよね。ところが「Deserted Cities of the Heart」は、まるでレッド・ツェッペリン初期ディープ・パープルのように、強烈なコーラスと冗長に陥らない瞬発力の高いオープン・パートで一気に駆け抜けるのです!80年代というHR/HM全盛期を生きた僕の世代は、ハードロックという文脈からクリームに入った人が多かったと思うのですが、そういう人にはとくにこのアルバムから入るのが最適じゃないかと。カッコいいですよ(^^)。
 他の曲も、演奏しているのは有名曲だらけ。それらがことごとくスタジオ録音とは比べ物にならない手数の多さで、しかも全員演奏が音楽的な上に馬鹿テクですからね。。特にジャズまがいの見事なトリッパーなどの無数のテクニックを聴かせる見事なドラミング満載の「White Room」も「Sunshine of your love」も、スタジオ録音とは雲泥の差。こういうすごさって分からない人には分からないので、演奏というものを聴ける人じゃないと面白く感じられないかも知れませんが。

 僕がクリームを初体験したのは中学生の頃でしたが、あれから数十年が経ったいま聴いても「熱い上手い音楽性の高い演奏をする、これはカッコよすぎるわ」と思ってしまうんだから、やっぱりスーパーグループだったんでしょう。ちなみに、とっかかりの良さこそこの第2集の方がいいですが、演奏の凄さは1集がさらに上をいくと思ってます。クリームの2枚のライブ・アルバムはロックが好きなら絶対に聴かないといけません!!


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書籍『特撮と怪獣 わが造形美術 増補改訂版』 成田亨

Tokusatsu to kaijyuu naritatooru ウルトラマンやウルトラセブン、そしてその怪獣や宇宙人のデザインをした事で知られる造形美術作家の成田亨さんの本です。恐らくインタビュアーさんがいて、それに答える形で文字起こしされたもの(とはいえインタビュアーのコメントは削除されてました)。たしかに円谷プロでの特撮での仕事を中心に書かれてはいましたが、なかば自伝でした。僕はウルトラマンとウルトラセブンにどっぷりつかった世代なもので面白くないわけがなく、半日ほどであっという間に読んでしまいました(^^)。

 ウルトラマンやウルトラセブンを見ていると、オープニングにクレジットされている人の肩書きを見ても、何をしている人なのかよく分からなかったりしませんか?脚本とか監督とか出演者はまだ分かりますが、監修、制作主任、効果、光学撮影、特殊技術…僕はぜんぜん分かりませんでした。でもって、成田さんが怪獣のデザインをした人だという事は知っていたのですが、実際には美術総監督で、怪獣デザインだけでなく、隊員の制服や装備品のデザインからセットのデザインからレイアウトまで決めていたんだそうで。ただ、他の本(たとえば『ウルトラセブン研究読本』)なんかを読むと、成田さんがすべてのデザインだったわけでもなかったみたいです。

 面白かったのは、造形芸術に関わる人の人生がどういうものなのか、垣間見えた事でした。成田さんは武蔵野美大に絵画で入学するも、途中で彫刻科に転科したんだそうです。なんでも、ジャコメッティやファッツィーニが出てきたころで、時代が絵画から彫刻に移っていた頃でもあったんだそうな。で、大学の後輩から「仕事が間に合わないから手伝って」とゴジラの撮影に呼ばれ、ここから映画や舞台やテレビでの美術の仕事をやるようになっていったんだそうです。
 で、彫刻家というのはまずそれだけじゃ食べられない世界で、だから先生になる人が多いんだけど、先生になってしまうと周りはみんな「自分以下」の人たちになるから脱落してしまうので、なんとか先生にならずに…みたいな生き方になるんだそうです。ああなんか分かります、音楽もジャズやポップスなんかの西洋ポピュラーやってればまだ食えるけど、ガチで芸術音楽の作曲やったら、日本代表区レベルの人でも先生でもやらないと食えないですもんね…。映画やテレビの美術をやって、「美術総監督」みたいなクレジットを入れられるのは、気恥ずかしくてできなかった、みたいな事を言われてましたが、それって、ガチで美術やっている人への引け目なのかも知れません。分かるわ…。

Yata_NaritaToru.jpg この本の中には、特撮ものではない、芸術家としての成田さんの作品の写真が何点か写真で入っていましたが、これが見事で驚きました。造形芸術で具象も半抽象もありましたが、半抽象の「八咫」(やた)という作品にはゾクッと来ました…ああもうこれは本物だよ。なんでもこの作品、新作家賞受賞作なんだそうです。あと、京都のどこかにある3体の鬼の像は、具象でしたがこれも素晴らしかったです。
 あと、本筋とは違いましたが、美術や音楽を考えるにあたって、すごくヒントになった言葉が。成田さんは、風船を膨らました美術や、ウォーホールのポップ・アートあたりを、「美術ではなくデザイン」と呼んでいました。成田さん自身も、じゃその境界に何があるかは難しいみたいなことを仰られていましたが、これは僕にとってはひとつの答えを導き出すヒントになる言葉でした。真剣に道を追ってきた人の言葉って、ためにならないものはないんですよね。。

 僕は今も迷いながら生きています。成田さんと同じで、食べるためにう成田さんでいうウルトラマンみたいな仕事もして、それだって手を抜いているわけじゃなく全力で仕事して、でもそういう事をやっていると「本当にやらなきゃいけないのはこれじゃないんだ」という忸怩たる思いを毎日抱えて…みたいな。そういう苦悩の部分もこの本には隠さず書かれていたので、人によっては読んでいてちょっときつく思える事もあるかも知れないけど、僕は同じような人生を選んだ大先輩としてリスペクトを覚える本でした!


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書籍『特撮の匠 昭和特撮の創造者たち』 特撮の匠取材班・編

Tokusatsu no takumi ウルトラマンウルトラセブンを見ていると、オープニングに表示されるクレジットの中に、よく分からない肩書きが多いと思いませんか?光学撮影とか特殊技術とかは、今までさんざん特撮関係の本を読んできたから何となく分かっているつもりではあるんですが、じゃ「特殊技術は特撮班の監督の事でオッケー?」と言われると、自信が持てないんですよね…。制作主任が2度表示されて、しかも名前が違っていたりもするし。
 というわけで、その長年の疑問に答えてくれそうな本を見つけました。まさにそういう特撮作品の現場で働いてきた人にスポットを当てた本です!なんと、セット内に雲を描いている人にまでスポットを当てていました。これは深い。

 全5章を、監督、脚本、特撮、美術、原作/プロデューサーと振り分け、それぞれ著名な人々にインタビューして構成されていました。特に特撮や美術関連はスペシャリストで、専門知識や技術がないととうてい務まらない分野、話が深かったです。すげえ。
 他にも、全盛期の円谷プロの制作状況とか社内の雰囲気とか、すごく生々しく伝わってくるものがありました。特に面白かったのは特技監督の高野宏一さんと佐川和夫さんの話でした。ふたりともカメラマン出身なので、技術があって素晴らしいんですよね。。

 この本が出たのは2017年。つまりウルトラマンやセブンのデザインをした成田亨さんはもう世を去ってました。もちろん円谷英二さんも。セブンでヒロインを務めた菱見百合子さんか誰かが「関わった人が次々に世を去っていくので、残っているもので証言を残していかないと」みたいなことを仰っていました。子供の頃に特撮番組を見ていた頃は、その映像とドラマに夢中になっていましたが、大人になってから見ると、それを作った人たの事を考えて観ちゃうんですよね。そんな観方をしてしまう人は少なくないと思いますが、こういう本を読んでいると、そういう観方で見える範囲がかなり深くなるのではないかと。
あ、あと…この本って、他の映像作品やら何やらのインタビューがけっこう入っているという話もあるので、そっち系に造詣が深いかたにはダブる可能性があるのかも知れません。そのへんは要注意かもです(^^;)。


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ビデオ『プロジェクト・ウルトラセブン』

ProjectUltraSeven.jpg ウルトラセブンのバックステージものビデオです。企画段階から実際の制作まで、新番組「ウルトラセブン」プロジェクトの全貌を相当に深く掘り下げていました。証言するスタッフの数も多く取材も丁寧で、セブンのこの手の制作裏話作品の中ではかなりよく出来た1本じゃないかと。

 このビデオ、2部に分かれています。1部は、番組が始まる前の企画制作段階のスタッフの証言。テレビ局側のディレクターの証言、製作プロダクション側の証言、監督の証言、ミニチュア製作の板金職人の話、着ぐるみ制作の造形家、メカニックを含めたデザイン、脚本家、キャスティングされた役者の証言、カメラマン、オプティカル合成職人…いやあ、紙に書かれた企画書が、これだけたくさんの人の手に渡って、それがまたひとつの映像作品にまとまっていくんですね。すごいなあ。
 そして、この堀りさげがめっちゃマニアック。防衛軍基地のレーダーにどういう板金技術が使われたかなんてところまで掘り下げてます(^^)。あと、セット撮影の舞台裏も、そういうのを知らない僕にはすごく面白かったです。それぞれの役割を持つ専門家の人々の仕事を掘り下げたこの第1部、めっちゃくちゃ面白かったです!
 第2部は本放送が始まってからのエピソードでした。漫画雑誌や少年雑誌への番組告知や、番組放送と連動させての連載漫画スタートなど。そこから監督、カメラマン、俳優、脚本家などによる撮影の裏話など。また、怪獣人形などのマーチャンの話など、作品外のなかなか取りあげられない部分の動きも掘り下げられていて新鮮でした。

 主役やヒロインを演じた俳優も、そして脚本家も監督もまだ若かったんですね。ウルトラセブンは、僕みたいな視聴者にとっては少年時代の思い出の作品なのですが、若い人が多かった製作者サイドにとっては、情熱あふれる青春そのものだったのだと感じました。これは面白いメイキングビデオ、セブンファンには超おすすめ!


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ビデオ『わが愛しのウルトラセブン』森次浩司出演

WagaItoshinoUltraSeven.jpg テレビドラマ「ウルトラセブン」で主役モロボシ・ダンを務めた森次浩司さんが、ウルトラセブンの製作を回想したビデオです。その他の出演俳優、円谷プロの演出部の人、メイン監督、特撮技術監督、光学合成技師、脚本家などのキャストやスタッフも出てきて証言します。アンヌも出てきます…が、おばさんになってる(^^;)。前後半に分かれているので、もしかするとビデオ2本で分売されていたものをDVD化にあたって1本にまとめたのかな?

 メインは森次さんのエピソード・トークなんですが、他の人の話が面白かった!僕が特に面白いと思ったのは、特撮班のマニアックな説明と、脚本家市川さんの話でした。
 たとえば、光学合成の説明。実際の映像に光を書き込んで合成して行く時に、実際の映像は奥行きがあるのに光は奥行きがないのでそれをどうしたか、など。僕は映像の世界は分からないんですが、音楽だとピアノの調律さんやレコーディングエンジニアさんに話を聞くと、ミュージシャンが知らないような色んな知識や技術をもっていて驚きますが、その映像版というかんじ。裏方の技術者の技術ってすごいです。
 脚本家の市川さん、そして監督の満田さんの話も面白かったです。ウルトラセブンのストーリーというと、「他人の惑星」「第4惑星の悪夢」「超兵器R1号」「ノンマルトの使者」あたりの社会派ドラマのような脚本の秀逸さが目立って感じます。でも、市川さんは「ダンとアンヌの物語が、セブンが他のウルトラシリーズに大きく差をつけた原因。書いている私たちも、若いふたりの行方にひきつけられながら書いていた」と話し、満田さんは「最終回が見えてきたころから、ダンとアンヌの結末を考えて作りこんだ」と話します。製作陣もダンとアンヌに惹かれていたんだなあ。ウルトラセブン、僕はストーリーの完成度の高い社会派ドラマと思ってみてましたが、横軸をつないでいるのはダンとアンヌの物語なんですね。たしかに、大人になってからセブンを見ると、アンヌとダンの描写にけっこう目が行きます。

 このビデオの中で脚本家の市川さんが、「ウルトラマンの脚本はその後もたくさん書いたけれど、ウルトラセブンだけは特別だった。いま振り返るとウルトラセブンしか自分の中に残っていない」みたいに話していましたが、スタッフも人生で何度もないぐらい情熱を込めた作品だったんでしょう。舞台裏作品として、すごく面白かったです!


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You Tube チャンネル 【ウルトラセブン1: スペースレース編】 アップしました

UltraSeven1_Thumb Nail 新シリーズ、ウルトラセブンです!あっ、音楽ファンの方、行かないで…ガチで作ってます。「大人目線で楽しむ恒点観測員340号」をテーマにしたぐらいなので、大人向けのウルトラセブン動画です。

 もうそんなに長くはない人生、どうせまとめや解説の動画を作るなら、自分が本当に好きだったもの、自分の今の研究課題、こういうものの優先順位上位のものから取り組んでいこうと思った結果、バッハやマイルス・デイヴィスより上位にセブンが来てしまいました。なにせ幼少時の英雄ですし、冬木透さんの音楽は死ぬまでに一度弾いておきたいと思ってましたし、なんといってもセブン55周年なんだから、これは義務みたいなもの。頑張りまっす。

 音楽に拘らず、自分がこれと思ったものには積極的に取り組んでいきますので、どうぞお付き合いいただければ有難いです。そしてそして、もし楽しんでいただけましたら、チャンネルを登録していただけると有り難いです♪

(YouTube チャンネル) https://www.youtube.com/@BachBach246
(ウルトラセブン1 スペースレース編) https://youtu.be/y3yd7MqGaDk


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『Cannonball Adderley Quintet / Mercy, Mercy, Mercy! Live at "The Club"』

Cannonball Adderley Mercy, Mercy, Mercy 1967年発表(録音は66年)、ハードバップの権化のようなキャノンボール・アダレイが、間違えてソウル・ジャズの大名盤を作ってしまったという奇跡のレコードです(^^;)。とはいっても、ピアノがたまにエレピになるだけで、やってることはハードバップと大して変わってないんですけどね。1曲目「Fun」のヘッドなんて、作りが完全にハードバップですし。ソウル・ジャズ風、アーシーなクラブ・ジャズ風、ハード・バップと、曲によってスタイルは様々ですが、どれもご機嫌で熱いのが良いです!なんか、聴いていて「イエ~イ」って言いたくなる感じ(^^)。

 キャノンボールとナット・アダレイの双頭クインテットという所は、50年代後半からのキャノンボールのバンドと変わってないんですが、面白いのはドラムのロイ・マッカーディーがたたき出すリズム。特定のリズムフィギュアをループしていく形ですが、こうするだけでクラブ・ジャズ風になるし、フロントマンのソロの組み立ても一点に向かって盛り上がっていくのではなく、ループ音楽の方に向かうのが面白いです。それにしても、キャノンボールもナット・アダレイも熱いソロ取っていて、実にご機嫌でした(^^)。う~んこれはカッコイイ、クラブ・ジャズにマッチするわけだわ。。
 もうひとつの注目点は、鍵盤奏者がジョー・ザヴィヌルという所です。僕はウェザー・リポート結成前のジョー・ザヴィヌルの演奏をほとんど聴いた事が無いんですが、なんだジャズうまいじゃん、みたいな。この時点でもうエレピを使い始めてたんですね。

 実は、ヒットしたソウル・ミュージック風の「Mercy, Mercy, Mercy」よりも、ループで熱いクラブ・ジャズ風の曲の方が好きです。ハードバップで熱いソロを取れる人って、実はソウル・ジャズに合ってるんじゃないかという発見がありました(^^)。考えてみればそりゃそうなんでしょうが、コロンブスの卵ですね。これ、嵌る人はハマるんじゃないかと!


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『Cannonball Adderley / Presenting Cannon Ball』

Cannonball Adderley Presenting Cannon Ball 1955年録音、キャノンボール・アダレイの初リーダー作です!キャノンボールって、大学院の研究員になるためにフロリダからニューヨークに出て来たそうですが、そこでフラッと寄ったオスカー・ペティフォードのライブに欠員が出て、そこで急遽サックスで参加したらサヴォイ・レコードの人の目に留まり、その年にこのリーダー・アルバムが作られたんだそうです。いやあ、人生の転機って何がきっかけになるか分かりませんね(^^)。

 サヴォイの55年録音なんて、プロレスで言えば力道山のいた日プロ時代のプロレス、野球で言えばV9以前の西鉄ライオンズ全盛期のプロ野球ぐらいに古いものを想像してたんですが、想像以上にモダンで驚きました。ソロ・オーダーどおりにアドリブをまわすハード・バップなんですが、そのフレージングも歌い方も、いま聴いても耳になじんでしまう素晴らしさ。「Flamingo」のバラード演奏なんて、色々と考えさせられるものがありました。
 とくに、キャノンボールの演奏が流麗。鳴り物入りでデビューした新人なんて、粗いけど勢いがすごい、みたいになりそうなもんじゃないですか。それがベテランのようなアーティキュレーションでたっぷり聴かせる老獪さ、びっくりしました。これって100ステージぐらい経験してきた人の演奏じゃないのか、絶対新人じゃないだろ…。あまりに堂に入ってるもんで、もっと若さに任せてガシガシ行くアップ・テンポの曲もやってほしかった気も(^^;)。

 トラで上がったステージで注目を集めたというのも納得。録音も、こんなにクリアとは思っていなかったもんで驚き。モノラルでこの音質って凄いな…。音楽的には保守なので、若い頃の僕にとってキャノンボールは縁遠い存在でしたが、いやいや当時ハードバップって決して保守じゃないですよね。フェイバリットなアルト・サックスではないのでたま~にしか聴かないですが、いざ聴くと「いやいや、メインストリームのハードバップではエースのアルトじゃないか」な~んて思わされたりする人です。


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映画『ホーンティング』

Haunting.jpg 1999年制作のお化け屋敷映画で、ロバート・ワイズ監督映画『たたり』のリメイク作品でした。実際には、どちらもシャーリー・ジャクソンの小説「山荘奇談」の映画化だそうです。映画通の友人によると「『たたり』は超名作だけど『ホーンティングはダメ』」だそうで。でも僕は『たたり』を見てないので何とも言えず。機会があれば見てみたいと思ってるんだけど、そう思ってから30年近くたってるな…。

 映画の内容より先に、この映画の舞台になった古城のような大邸宅に魅せられました…って、『シャイニング』と同じような感想だなあ(^^;)>。屋敷の中にメリーゴーランドのような回転する鏡の部屋があったり、城内に庭園があったり、それぞれの部屋が異常に豪華だったりと、とにかくお屋敷に感動。何より、外から見たこのお屋敷のいでたちが素晴らしいんですよ。僕にとっては、この豪華すぎるお城のような大邸宅を見るための映画でした。
 ほかに良かったのは、助演女優のキャサリン・ゼタ=ジョーンズが美人だったこと。見とれてしまいましたが、たしかマイケル・ダグラスの奥さんなんですよね。それから、皆をこの幽霊屋敷の騒動に巻き込んでしまった心理学者のおじさん、どこかで見た事あると思ったら、マイアミ・バイスでアイルランドのテロリスト神父として出演してた人。こういう1度だけ観た事ある人と再会すると、なんだかうれしくなったりします(^^)。へえ、リーアム・ニーソンというのか。

 映画は、お化け屋敷の映画ではあるけど、特に怖くはなく、話も面白くなかったです(^^;)。でもやっぱりお城の中が凄くて、それを見るので最後まで楽しめました。


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映画『ゼイリブ』 ジョン・カーペンター監督

TheyLive.jpg 1988年アメリカ制作のSFサスペンス風の映画です。「ゼイリブ」という語感が独特で、また何とも不思議な印象を覚えるテレビCMがされていて、公開当時に興味をそそられた映画でした。監督はジョン・カーペンター…「ザ・フォッグ」とか「遊星からの物体X」とか、ホラーとサスペンスの間ぐらいの作品を作る事が多い監督さんなのかな?

 この映画ってB級映画扱いされる事が多いようで、それも致し方ない所なのかも知れませんが、僕はけっこう好きです。特に面白いと感じた点がふたつあって、ひとつは宇宙人(サイボーグ?)の造形、もうひとつはサブリミナル効果を題材にした風刺です。
 まず、宇宙人の骸骨のようなロボットのようなルックスの気持ち悪さが最高です!ひと目見て「こいつはヤバいだろ」と分かるのが素晴らしい!こういうのに弱いんですよね。。
 そして、サブリミナル効果を題材にしたところ。この映画が公開された1980年代後半って、「サブリミナル効果」というものがまことしやかに囁かれていました。例えば、テレビのひとコマにコカコーラのロゴマークと「おいしい」という文字を入れておくと、そういうコマを見た記憶はないのに「コカコーラっておいしいよな」と刷り込まれてしまう、みたいな。サブリミナル効果が本当の事かどうか知りませんが(それは嘘という文献も読んだ事があるような…)、この映画はサブリミナル効果が題材として活用されていて、独特の近未来作品感を出していました。人間の世界に紛れ込んだ異星人(サイボーグ?)が人間を洗脳するために、テレビや看板などにサブリミナル効果を取り込んでいて、「服従しろ」「消費しろ」「考えるな」なんていうメッセージを人に刷り込んでるんですよ!

 この刷り込み、明らかに風刺というか、現代批判じゃないですか。ステマなんてその最たるものだし、経済効果があるという一言を盾に中抜きしまくる利権ピックとか愚民政策をとって統治するというやり方とか、そういうものへの当てこすりをSFサスペンス映画の中で表現されて、なんだかありうる未来線のひとつを見せられた気持ちになったものでした。で、今から考えてみればそれはけっこう当たっていたという。

 ところで、宇宙人が人間になりすまして人間の社会に紛れ込み、専用サングラスをかけると宇宙人の本当の姿が見えるという設定ですが、僕は子供の頃にまったく同じ設定のテレビ番組を見たことがあります。これは思いっきりシルバー仮…まあいいですね、面白ければ何でも(^^)。B級には違いないですが、個人的にけっこう好きな映画です!


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映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』 ジョージ・A・ロメロ監督

NightOfThe Living Dead 1968年制作、映画『ゾンビ』制作の10年前にジョージ・ロメロ監督が制作したモノクロのゾンビ映画です。『ゾンビ』が本家なら、こっちは元祖みたいなところでしょうか。

 墓参りに来た兄と弟が奇妙な動きをしたオトコに襲われます。兄は男に食われてしまいましたが、妹はなんとか民家に逃げ込みます。この民家の地下には避難した家族が2組、さらにひとり、ベンという男が逃げ込んで籠城します。テレビでニュースを見ると、放射能の影響で死者がよみがえってゾンビ化している様子、この民家から数十キロのところに避難場所がある事が分かります。なんと脱出を試みようとするベンと、籠城を提案する男で意見が対立し…

 いかにも古い低予算映画っぽい作りでしたが、10年後の映画『ゾンビ』よりこちらの方がエグかったです。ゾンビが生きた人の臓器や手を食ったりするし、愛する娘が母親に凶器を振りかざしたりもしますしね。。カメラワークや演出は稚拙に感じるところもありましたが、バリケードとして打ちつけた板の間から大量のゾンビの腕が出てくる演出や、後半の夜に車を取りに行くも大量のゾンビに囲まれてまるで視聴者が襲われているかのような構図のカメラワークなどは、以降のゾンビ映画のスタンダードになった良い演出だと思いました。

 ゾンビ映画って僕はいくつか見たことがありますが、サバイバル映画としていちばん面白かったのはこれかも。いやー低予算映画や古い映画だからって馬鹿に出来ないんですよね、特にホラー映画の場合はB級にはB級ならではの味わいが強く出たりして(^^)。。


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映画『ゾンビ』 ジョージ・A・ロメロ監督

ZOmbie_George a Romero 1978年制作のイタリア映画で、海外でのタイトルは『Dawn of the dead』または『Zombie』。監督はホラー映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ、音楽やプロデュースに『サスペリア』のダリオ・アルジェントも関わっていました。ゾンビにかまれると感染して自分もゾンビになる、頭を撃ち抜くと死ぬ、手を前に挙げてゆっくり動くなど、映画やゲームでのゾンビの原型は全部この映画だったんじゃないかと思うほど、この映画でのゾンビ像は確立されたものでした。

 アメリカ中にゾンビが溢れかえる事態となる中、SWAT隊員のピーターやテレビ局員のフランら4人は協力して避難。食料や銃器などが豊富に残っているショッピングセンターを見つけ、籠城する事にする。ショッピングセンター内もゾンビだらけだが、なんとか上層階の小部屋を隠れ部屋にして生き延びる。ところが今度は物資を求めて暴走族がショッピングセンターを襲撃し…

 子どもの頃、この映画のパンフレットが家にありまして、そこには頭に斧の突き刺さったゾンビの写真が写っていて、ビビりまくってました(^^;)。でも実際に映画を観ると、ゾンビに襲われる恐怖を描くホラー映画というより、パンデミックに見舞われた世界でどう生き抜くかというサバイバル映画のような作りでした。「オーメン」や「13日の金曜日」よりも、「ポセイドン・アドベンチャー」や「タワーリング・インフェルノ」に近い映画だったんですよね。ゾンビが上がってきにくい部屋を作って、トレーラーで柵をしてショッピングセンターに新たなゾンビが入れなくして…みたいな感じで、なんだか自分が鬼ごっこかかくれんぼをしているような気分で楽しいのです(^^)。「はしごを上に引き上げるような構造にして立てこもればゾンビは入ってこれないんじゃないか」とか、色々自分で想像したりしてね(^^)。いま、こういう疑似体験をしたいなら、映画よりゲームの方がリアルかも。僕、時間がある時にプロジェクト・前ボイドというゲームを進めてますし…2~3週間に1回ぐらいしか出来てませんが(^^;)>。

 まあそんな具合なので、傑作映画でもなければ何度も見たい映画でもないのですが、テレビ番組のように気軽にサクッと見て楽しい、みたいな感じで、僕はけっこう好きです!


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『Kenny Drew / Kenny Drew And His Progressive Piano』

Kenny Drew And His Progressive Piano 発表は54年ですが録音はだいたい53年という、ケニー・ドリューのアルバムです。もともとは6曲入りで『The Modernity of Kenny Drew』というタイトルで発売されていたそうですが、56年にボーナストラックを大量に入れ、装い新たに『Kenny Drew And His Progressive Piano』として発表されたという経緯だそうな。これもほとんどピアノ・トリオ編成で、レーベルはヴァーヴ設立前のノーマン・グランツが立ち上げたNogran。リーダー作も出していない新人ジャズ・ピアニストにブルーノートとヴァーヴが飛びついたんだから、53年のニューヨークのジャズ・シーンではち評判のピアニストだったんでしょうね。

 メンバーは違いますが音楽の傾向はブルーノート盤『New Faces, New Sounds』とほとんど同じでした。でも、こっちの方がちょっと力が抜けている感じ。アップテンポ曲のアドリブ・パートはブルーノート盤ほどゴリゴリにビバップしていないので、この音楽が何かと言われたら「ハードバップ系だけどブルースあがりではなく、ちゃんと音楽教育を受けた経験がありそうなジャズ・ピアニストのアルバム」みたいな所じゃないかと。でも「I’ll Remember April」のアドリブはすごいな。。
 僕の一番の注目は、1曲だけ入っていたピアノ・ソロのバラードでした。いやーこれはハードバップ系ピアニストなんてレッテル貼りしちゃいけない、立派なアメリカ音楽のピアニストだと思いました。ケニー・ドリューって、実はドビュッシーとか好きな人だったのかも知れません…知らんけど。

 のちの活動を見るに、まずは食う事が先行する職業ピアニストとしての生き方を選んだ人なので、ハードバップ時代にはハードバップ、デンマークでアメリカ・オリジナルのジャズが求められればそれを演奏し、フュージョン時代になればもう少しコンテンポラリーなスタイルで…とスタイルを変えていきましたが、本当はジャズにすらそこまでのこだわりがあった人ではないのかも知れません。そんなこと言ったらプロのプレイヤーはたいがいそうでしょうが、自分の好きな音楽だけを追求しているわけにはいかないプロの宿命の中で、音の中にちょっとだけ見えたピアニストの本音がなんだかうれしい1枚でした。でも今の時代にこのレコードを新たに聴く若者なんて、ほとんどいないんだろうなあ。そうやって歴史は風化していくわけですね。諸行無常。


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『Kenny Drew Trio / New Faces, New Sounds』

Kenny Drew Trio New Faces New Sounds 1953年録音発表、ハードバップ系ジャズ・ピアニストのケニー・ドリューの初リーダー作です。いよいよモダン・ジャズにも力を入れ始めたブルーノートからリリースされた10インチ盤が元祖ですが、このレコード、発表当時は全然売れなかったらしいです。

 いやあ、マジでこれ53年録音なんでしょうか、ハードバップどころかビバップと言っても通用してしまうほどの激しいチェンジを見事に弾きこなしていました。しかも熱い!53年時点のピアニストでこれだけのビバップ・チェンジを演奏できる人って、バド・パウエル以外に僕は思いつきません。いやーこれはマジで良いジャズ・ピアニストだと思いました。まだデビューもしていない新人をブルーノートのアルフレッド・ライオンが録音したのも分かります。たぶん、ステージを見て「こいつはすごい!」と思ったんでしょうね。

 これだけの演奏をしておきながらレコードが全然売れずに意気消沈したケニー・ドリューは「そうや、ジャズがくすぶっている東にいるからあかんのや。ウエストコースト・ジャズで沸いている西海岸に移住したろ」とニューヨークを後にしたそうな。ところが西に移ったら今度はウエストコースト・ジャズが沈んで、54年からイーストコーストでハードバップが大ブレイク。いい所づきする奴はダメという事ですかね…。僕が持ってるのは日本盤の12インチLPですが、このレコード、アメリカでは10インチ盤以降は再発されていないんですね。日本のケニー・ドリュー人気は有名な話ですが、アメリカではここまで冷遇されていたのかと思うと、西海岸やデンマークへの移住も分かる気がするなあ。


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『King Crimson / Live At The Marquee 1969』

King Crimson Live At The Marquee 1969 1969年のキング・クリムゾンと言えば、神がかりなオリジナル・メンバーが活動した唯一の年です。2月にバンド結成、4月に初ライヴ、そこからのライヴでジミヘンイエスもジェネシスも、みんなクリムゾンのライヴの凄さにやられ、イエスのジョン・アンダーソンは「俺たち、練習しないとまずいな」とつぶやき、初ライヴの翌月にはまだレコードも出してない新人バンドがBBCラジオに出演して3曲もオリジナル曲の演奏枠を貰って、7月には65万人を集めたローリング・ストーンズ伝説のハイド・パークでのコンサートのオープニング・アクトを務めたら観客がクリムゾンの度肝を抜かれて…これが全部まだレコードも出てない時期の話というのがヤバいです。
 そんなレコードデビュー前のクリムゾンの未来を決定づけたのが、ハイドパークの翌日7月6日に行われたマーキーでのライヴだったそうですが、その時の録音がこれです。このライブが決定打となって、レコード会社が何社もクリムゾン獲得に名乗りをあげる事になったそうです。オーディエンス録音で録音の質は良くないですが、音楽や演奏の内容は壮絶。録音の悪さでつまらなく感じちゃう人もいるかも知れませんが、それさえ脳内保管できたら、これほど凄まじいロックなんてなかなか聴けるものじゃありませんよ、奥さん。

 収録は7曲、うち1曲はボーナス・トラックでマーキーではない時のライブ。マーキーは6曲になりますが、うち1曲が持ち曲を内側に含んだインプロヴィゼーションでした。69年のキング・クリムゾンは、どのライヴでもだいたい同じプログラムなんですが、このライヴは「Get Thy Bearings」を演奏しなかった事を除けば鉄板のセットリストでした。

 「21世紀の精神異常者」のテンションがヤバいです、凄すぎる…。僕はこれ以前のキング・クリムゾンのギグの録音も聴いた事があるんですが(5月のBBCラジオ出演時の録音とか)、もうその時とは演奏の練度が違います。ほら、キング・クリムゾンって最初からすごい完成度のバンドだったじゃないですか。でもあえて唯一弱点をあげるとすれば、ギターのロバート・フリップのギター・ソロがまだ弱かった事。これが、2か月後の7月のこのマーキーではとんでもない上手さ。これだけのギターソロを取れるギタリストって、なかなかいないんじゃないかというレベルで(僕的には、ロックではロバート・フリップとフランク・ザッパが一番すごいと思ってるほどです)、尋常でなし。アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』でも「精神異常者」のギター・ソロって、ぜんぜんパッとしないじゃないですか。あの録音より少し前のライヴだった7月のマーキーではここまで凄かったのかと思うと、なんだかぞっとします。
 すごいのはイアン・マクドナルドのサックス・ソロもそうで、これは慣れ過ぎていたのかもしれないけど、ほとんどフリージャズ。でもあれだと思いませんか、和声上問題ないメロディだけでも、フリーなだけのものでもなく、きっちりした和声を保ちつつ、爆発すべきところはそういう境界を当たり前のように超えていく演奏が一番すごいと主ませんか?プロレスで言う5カウントルールみたいなもので、普段はNGなところを、少しだけ許容していく所に「普段」では表現できないものを出してしまう、みたいな。
 そして、グレッグ・レイクのベースも凄くて…マイケル・ジャイルスのドラムが凄すぎるのはいつも通りの事で、みたいな。

 もう1曲、ファースト・アルバムにも収録された曲で演奏されたのが「I Talk To The Wind」。キーをあげ、そして平歌を全員でコーラスするんですが、こういうアレンジ違いを聴くだけでときめいてしまう僕は、やっぱり重度のクリムゾン・ファンなんでしょう(^^;)>。
 セカンド・アルバムに「Devil’s Traiangle」のタイトルで収録された「Mars」…要はホルストの「惑星」のアレンジですが(^^)、これは当時のライヴのラストナンバー。なんでも、音楽だけじゃなくてストロボ照明を使った照明での演出などを含めたインタラクティブなパフォーマンスで、これで度肝を抜かれた人も多かったらしいです。

 残りはスタジオ・アルバムに収録されなかった曲と即興なんですが、これがまたとんでもなく良い曲と演奏で、なんでアルバムに収録しなかったのか不思議なほど…曲だけを取りあげても「Drop In」も「Travel Wearly Capricorn」も、どちらもかなりレベルの高いジャズの演奏技術を要求される曲なので、このメンバーでない時期のクリムゾンでは演奏自体が難しかったのかも知れません。もしファースト・ラインナップのクリムゾンが解散しなければ、間違いなくアルバムに入ったんでしょうね。

 僕は、69年クリムゾンのライヴ録音ではプランプトン・フェスティバルの録音が一番好きなんですが、このマーキーも捨てがたい凄まじさ…というか、キング・クリムゾンが好きな人だったら、絶対に聴いとかないとまずい大名演だと思います。ロック・ファンだって、これはぜひ聴いておくべき。これ、オーディエンス録音じゃなくてサウンドボードを通してちゃんとミックスしていたら、すごい事になっていたでしょうね…。昔は『The Collectors’ King Crimson Volume One』という3枚組ボックスに入っていた1枚だったんですが(僕はこれを買わされました…どうせなら3枚とも69年のパフォーマンスにしてくれれば良かったのに^^;)、今ではバラ売りもされてるみたいです。大推薦!!


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『King Crimson / Islands』に追記しました

KingCrimson_Island.jpg 60~70年代のキング・クリムゾンをふり返っているここ数か月ですが、若いころに熱狂したのも納得というか、今聴いてもいまだに素晴らしいと思わされるのが凄いです。『In The Wake Of Poseidon』以外は、どれも本当に愛聴してたんですよね…。前半で言えば、『Lizard』と『Islands』は今も大好きです。

 というわけで、聴き直して「あ、これは少しでもいいから触れておいた方がいいな」と思った所だけでもと思い、以前に書いた感想に追記しました。特に詩に関しては、ホメロス『オデュッセイア』を知っているかどうかで、かなり聴こえ方が変わってくるかと思います。

 いやあ、それにしても本当によく出来たアルバムですね。これをつまらないという人がいるのが僕にとってはちょっと残念。記事や動画を通じて好きになってくれる人が増えるといいなあ…。

http://cdcollector.blog.fc2.com/blog-entry-539.html

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You Tube チャンネル 【1971年のキング・クリムゾン “Islands”】 アップしました

King Crimson 1971_ThumbNail 大変お待たせしました、キング・クリムゾンの第5回、アイランズ編です!このアルバム好きなんですよね…というか、最初の解散までのクリムゾンは、青いやつ以外はすべて傑作だと思っています。深みで言うと、何度も聴いていると【クリムゾン・キングの宮殿】ですら浅く思えてきてしまうほどに他が深いというか…。

 若いころ、クリムゾンの曲も演奏する学生バンドに入っていた事があるんですが、その時に演奏したくてもバンドに却下されて演奏できなかった曲がいくつもあったんです。「Sailor’s Tale」はそのひとつですが、この動画に絡めて演奏する事が出来て、もう思い残すことはありません。

 というわけで、今回はかなり暴走気味の解説になってしまいましたが、まあそういう見解もあるぐらいの大きな心で、生暖かく見つめていただければ幸いです。そして、もし楽しんでいただけましたら、チャンネルを登録していただけると有り難いです♪

(YouTube チャンネル) https://www.youtube.com/@BachBach246
(1971年のキング・クリムゾン【アイランズ】) https://youtu.be/yZR-7lAKgTs


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『オリジナル盤による戦前欧羅巴映画主題歌集』

Original ban niyoru Senzen Europe eigashudaikashuu 無声映画からトーキー映画になって以降の、戦前のドイツ映画とフランス映画の主題歌集です。オリジナル音源という所が大事なところで、「嘆きの天使」がマレーネ・ディートリッヒの声で聴けたりするわけです!このCDは2枚組なんですが、1枚目がドイツ映画、2枚目がフランス映画編となっていました。あとで調べて分かった事ですが、これってLP時代にはドイツ編とフランス編で分売されていたみたいです。
 
 このCDを手にした理由は、戦前のドイツやフランスの映画ってどんなだったのかを知りたかったんです。その時代のアメリカ音楽もアルゼンチン音楽も日本音楽もまだ分かるけど、ドイツやフランスって知らないと思いませんか?ミュゼット楽団だって、その時代の録音を僕は聴いた事がなかったし、民謡ではない民間音楽がどんな感じだったのかを知りたかったんです。今の映画だったら、時代や地域を考慮してその時代の音楽に寄せたりもするでしょうが、戦前だとその時代の音楽をそのままやっている気がしたんですよね。
 結果はなかなか面白くて、これが民間音楽だったわけじゃないだろうけど、映画や音楽といったエンターテイメント産業のリアルな音楽だっただろうことは理解できました。管か管弦かスモールコンボかという違いはあるにせよ、プロ楽団が演奏して有名な歌手や女優が歌う、という形式で、音楽自体は長調か短調のリート形式なんですね。つまり、エディット・ピアフあたりの歌うシャンソンと、ほとんど同じ。流行もあったのか、アコーディオン入りでタンゴのリズムで書かれた曲が演奏される事があるあたりも、時代を感じて良かったです。
あと、ドイツとフランスで差が出るのも面白かったです。ドイツはロマン派のクラシック歌曲に近く感じるものが多かったですが、フランスはミュゼットぽいものとか(有名な「巴里の屋根の下」なんてその典型)、大道芸人たちがやっていそうな音楽が当たり前のように入っていたのが印象的でした。
 でもって、どちらもプロ楽団のレベルが高くて素晴らしかったです。なにせアメリカ音楽に毒される前のドイツとフランスの職業音楽家ですから、作編曲家もプレーヤーもみんなクラシックの素養があるんでしょう、戦後の英米ポピュラーとはレベルが段違いでした。曲はリート形式のシンプルなものだけど、でもロマン派時代のクラシックの歌曲とそん色ないものに聴こえました。これっていつか再評価される時が来るだろうなあ。。

 そして音楽の他に書いておきたい事が。このCDには60ページほどの分厚い解説書がついていましたが、そこでの映画評論家の野口久光さんの戦前のヨーロッパ映画の歴史や作品についての解説が凄かったです!!野口さんの解説だけで30ページ近く、歌の日本語訳が25ページほどありましたが、この約60ページのブックレットだけでもこのCDは買う価値があると思います。僕、この解説で面白そうな戦前のヨーロッパ映画のタイトルをチェックして、けっこう見ましたから(^^)。またその映画が素晴らしかったんですが(実はトーキーどころかそれ以前が映画ってすごい)、それについてはまた機会があれば。


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『ワイル Kurt Weill:知られざるクルト・ワイル The unknown Kurt Weill / Teresa Stratas』

Kurt Weill_The unknown Kurt Weill_ TeresaStratas 邦題は『知られざるクルト・ワイル』、ワイルの比較的マイナーな歌曲集です。歌っているのはテレサ・ストラータス、カナダ出身のソプラノです。伴奏はリチャード・ウォイタック(p)。録音は1981年です。

 ワイルは20世紀初頭のドイツ人作曲家で、劇作家のブレヒトと組んで作った芝居やオペラやミュージカル用の曲が有名です。クラシック系の人ですが職業作曲家的な作風で、和声はけっこう保守ですが、けっこう面白い仕掛けを曲に仕込む事があって、僕の中ではなかなかとらえきれないまま今日に至る作曲家です。ユダヤ人だったためにナチ政権時にアメリカに亡命、アメリカではミュージカルなどの音楽を書いて生活して、1950年に亡くなりました。で、音楽なんですが、まさにこのプロフィール通りなのが面白いです。プロ作曲家になるという事は、こういう事なんでしょうね。

 そして、曲です。まず、少し前衛的に感じてカッコよかったのが、ベルリン民謡の「ミートボールの歌」のアレンジ。おお~これは世紀末音楽っぽい退廃さと前衛が良い感じ融合していてカッコよかった! 
 それ以外の曲のザックリした印象は、20世紀初頭から第2次大戦前あたりまでの、西洋のプロ作曲家が作った大衆音楽という感じでした。例えば、フランスのシャンソンとか、マレーネ・デイトリッヒとか(このCDには、実際にワイルがデイトリッヒのために書いた曲が2曲入ってました)、チャップリンの映画の音楽とか、ああいう匂いです。レチタティーヴォが多めなところは、当時の西洋のこういう音楽が舞台を切り離しては考えられない、という事を示してるのかも。実際、マレーネ・デイトリッヒから依頼を受けて書いたという「別れの手紙」は、和声進行とか、メッチャいい!でもデイトリッヒがこの曲を録音しなかったそうなんですよね、なぜだ、こんなに良く出来た曲なのに…。
 他でいいなと思った曲は、「雨ぞ降る」(コクトー詞)、「夜勤シフトの相棒に」(オスカー・ハマースタインJr. 詞)、「あかりを浴びたベルリン」。「あかりを浴びたベルリン」は、ラグタイムとヨーロッパ歌曲のあいのこのような感じでしたが、それもこの時代とプロ作曲の条件にピッタリだなと思いました。
 こういう音楽の匂いを言葉で伝えるのはなかなか難しいですが、詞だと伝わりやすいかも。例えば「ナナの歌」では、「私は17歳で体を売り出し、いやな事ばかり」みたいな。こういう詞って、ロマン派歌曲でも、逆に80年代以降でもあまりないですよね。現代かつベルエポック期から2次大戦あたりまでの大衆歌曲だな、みたいな。

 『三文オペラ』の映画サントラとぜんぜん違う、歌がうまいとそれだけで音楽が素晴らしく感じるんですね(^^)。ついでに、映画サントラはエレキベースが入ってるような、コマ劇場か宝塚かというようなダメダメなサウンドにアンサンブルでしたが、こちらはオリジナルのピアノ伴奏。伴奏って、編成が小さいと色んな楽器の音が飛び出してくる派手さは乏しくなるかもしれないけど、少なければ少ないほど表現力が増すんですよね。これはベル・エポック期から50年代あたりまでの西洋の匂いを感じられる良いレコードでした!おすすめ!


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『三文オペラ オリジナル・サウンドトラック』

SanmonOpera_SoundTrack.jpg クルト・ワイルと言えば三文オペラ!『三文オペラ』というのは、劇作家ブレヒトが台本と作詞、クルト・ワイルが作曲を担当したオペラというかミュージカルというか、そんな感じの舞台作品です。初演は1928年のドイツで、以降は舞台はもちろん、映画化も3回された人気の演目。このCDは、1990年の3度目の映画化のサントラ盤です。

 実は僕、このCDを聴くまで、三文オペラのストーリーを知りませんでした。19世紀のロンドンが舞台で、下町のソーホーを根城にしている盗賊の親分マック・ザ・ナイフが主人公。彼は小娘ポリーを誘惑して結婚すると、手下たちは盗品を持ってきて盛大にパーティー、警視総監もコッソリお祝いに来ます。で、マックのもうひとりの奥さんとポリーが鉢合わせになって大喧嘩になったり、マックが処刑されそうになるけど恩赦で釈放されて年金まで貰えるようになったりと、実にデタラメな内容でした。ブレヒト、ぶっ壊れてるな(*゚∀゚*)。

 さて、音楽です。曲として知っていたのは、「バルバラ・ソング」と、ジャズではスタンダードと化している「マック・ザ・ナイフ」の2曲でした。でもってこのCDの場合、曲じゃなくて演奏がエンターテイメントな感じで、僕的にはイマイチでした。エンターテイメントが悪いというより、「エンターテイメントってこんな感じでしょ?」って手抜きで作ってある感じがね。。

 僕は若い頃にワイルの音楽に一度挫折しました。どういう音楽だったのかすら覚えてませんが、フランスのERATOから出ていたCDだったような記憶が…。ワイルを知ったきっかけはブレヒトと組んだ戯曲ではなく、現代音楽の作曲家としてだったんですよね、それなのに、買ったCDは「なんだこりゃ、普通すぎて面白くないな」と感じ、早々に売っちゃったんですよね。で、ワイルは現代と言っても前衛色はないんだな、刺激がない職業作曲家みたいだしもういいや、みたいな。
 それが、いつか紹介したヒグチケイコさんと神田晋一郎さんの『種子の破片』というCDで演奏されていた「ブレヒト・ソング」が、とてつもなく素晴らしくて再考を迫られたのでした。高橋悠治さんの日本語訳で歌っていて、演奏も歌も素晴らしくてね。でもって、中古盤でこのCDを見つけた時に、「あ、バルバラ・ソングって、三文オペラの中の曲だったのか」と思って買った次第でした。そして学んだことは…ようするに、アレンジと演奏で音楽の価値は思いっきり変わってしまうという事ですね(^^;)。別の人が演奏した三文オペラも聴いてみないと、この戯曲が僕に合っているかどうかは、なんとも言えないっす。


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『中村雅俊 / SONGS ON TV』

NakamuraMasatoshi_SONGS ON TV 俳優の中村雅俊さんが歌ったテレビ主題歌集です。僕は1970年代に生まれたもので、有名な「俺たちシリーズ」は、そこまで観てません。でも、3人の若者が同居しているドラマと、松田優作との刑事コンビのものは飛び飛びで見てましたが、子どもすぎてよく覚えてないんですよね…。というわけで、お目当ては『ゆうひが丘の総理大臣』からうしろ。
 具体的に聴きたかったのは4曲で、うち2曲はひとつ前の日記で書いた『ゆうひが丘の総理大臣』のOP「時代遅れの恋人たち」とED「海を抱きしめて」。残りの2曲は『われら行動派!』のOP「激しさは愛」と、『蒲田行進曲』の挿入歌「恋人も濡れる街角」。この4曲すべての入っているベスト盤が意外とないんですよね。

  『ゆうひが丘の総理大臣』にあまりに感激したものだから、中村雅俊主演というだけで「おおっ!」って思って観たTVドラマが『われら行動派!』でした。再放送されないので1度しか見た事がなく、内容ですらトラックの運ちゃんということぐらいしかろくに覚えてませんが(タイヤの溝がすり減っていて逮捕される話だけ覚えてます)、主題歌がとにかく好きでした。いま聴いてもジ~ンとするなあ。作詞作曲は円広志さん。
 「恋人も濡れる街角」は言うまでもない昭和歌謡の名曲ですね、映画も記憶に残っているし曲も良かったです!この曲の作詞作曲は桑田佳祐。この頃の桑田さんは、『オレたち!ひょうきん族』に「あみだばばあの歌」など、楽曲提供でもいい仕事してたんですよね。僕の場合、桑田さんだからいいんじゃなくて、いい曲だと思ったら桑田さんだったパターンが多かったもんで、子どもながらに「さすがだなあ」と思いました。

 中村雅俊さんってアコースティック・ギターを弾いているのを見た事があるので(何かの風邪薬のCMだったかな?)、フォーク系シンガーソングライターのイメージを持っていましたが、詞も曲も提供してもらってるんですね。作曲家をあげると、小椋佳吉田拓郎筒美京平、鈴木キサブロー、桑田佳祐、タケカワユキヒデ…キャスティングが素晴らしいです。また、薬師丸ひろ子さんと違って、録音物の作りが雑ではなく、編曲もしっかりしてるしオケもなかなか。これってもしかするとディレクターの差だけじゃなくて時代の差もあるのかも。なにせ80年代って技術力もないくせに費用対効果とかばかり考えて、ものづくりにかけてはクソでしたからね。。

 子供のころに感激して聴いていたのに、いま聴くと「あら?こんなにピッチ甘かったっけ?」と思ったのは自分でもびっくり。それでも聴けたのは、セリフのように歌うからでしょうか。70~80年代で役者が歌って成功した例って、中村雅俊さんと薬師丸ひろ子さんぐらいでしょうか。松田優作さんと水谷豊さん…は失敗ですよね(^^;)。その前だと小林旭さん、石原裕次郎さん、海外だとマリリン・モンローにジャズのジュリー・ロンドン…なるほど、技術は期待できないので、味や雰囲気で勝負できるかどうかなのかも。しかし懐かしくてしびれました!


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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