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Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

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『Eric Dolphy / The Berlin Concerts』

Eric Dolphy The Berlin Concerts 1961年の8月以降、エリック・ドルフィーは2度目となるヨーロッパ・ツアーを敢行しています。その時の録音はけっこう残されていて、有名な『イン・ヨーロッパ』3部作もそのひとつ。あれはデンマークのコペンハーゲン公演での録音でしたが、この2枚組アルバム『ベルリン・コンサート』は、コペンハーゲン公演の約1週間ほど前となるドイツ・ベルリンでの公演を収録。録音日は61年8月30日ですが、ふたつの会場でのライブ録音を収録しているんだそうです。曲によって多少の差はあるものの、基本は2管クインテット編成。メンバーは、ドルフィー (a.sax, bass\cl, fl)、ベニー・ベイリー (tp)、ペプシ・アウアー (p)、ジョージ・ジョイナー (b)、バスター・スミス (dr)。

 コペンハーゲン公演を収録した『In Europe』との違いは、まず耳についたのは、共演者がこちらの方が優秀な事。現地ミュージシャンとの共演となったコペンハーゲン公演と違い、ベルリン公演はトランぺッターとしてベニー・ベイリーが参加するなど、メンバーが豪華なんですよね。それは名の通ったミュージシャンかどうかというだけでなく、実際の演奏もたしかに上と感じました。『In Europe』も、決してひどい共演者だとは思わないんですが、続けて『The Berlin Concert』を聴くと「あ、違うな」と(^^)。
 録音もこの『The Berlin Concerts』のほうが良かったです。これって、ベルリン公演の録音にドイツの名門ジャズ・レーベルだったエンヤが絡んでいたからなのか、ドイツとデンマークの差なのか…。ちなみに、世界的に優秀なマイクって、ドイツ/オーストリア製が多いですよね。ノイマンもショップスもドイツ、AKG はオーストリアですし。さすがクラシックの聖地かつヨーロッパきっての工業国という所でしょうか、色んなものを含めて本当にいい録音なんですよ、50~60年代のアメリカのジャズ録音はこのレコードを見習ってくれと言いたくなるほど。…あ、私はこのアルバムをヴィニールで持っていて、まずまずのオーディオ装置で聴いてそう感じました。CDとかだと、どうなんですかね…。実は、「どうせライブ録音だしな」と、最初はレコード針の消耗をケチって、デジタル配信の某録音を聴いたんですが、それがベースですら良く聴こえないほどショボかったもんで、「あれ?こんなレコードだったっけ?」と思って、アナログ盤を聴いたら、音の良さにのけぞった次第です。いい音楽は、ちゃんとした録音とちゃんとした再生環境で聴くと感動が違いますね(^^)。オーディオを馬鹿にする人がいるけど、いいオーディオで良い録音のいい音楽を聴くと、その音だけで持っていかれそうになるほど凄いんですよ!

 そして、ドルフィーという主賓にだけフォーカスを当てたコペンハーゲン公演と違い、こちらはバンド全体の音楽をして聴かせていました。つまり、モダン・ジャズの2管クインテットの定型フォーマットで演奏していて、ここが実は評価の分かれ道かも。だって、モダン・ジャズのコンボのレギュレーションに従うという事は、ドルフィーだけじゃなくてペットにもピアノにも、曲によってはベースやドラムにもブロー・コーラスを渡すという事じゃないですか。それ自体はまったく悪い事じゃないですが、ドルフィーをもっと聴きたいのに、ドルフィーがあまり聴けないというジレンマが(^^;)。
 例で言えば、冒頭曲「Hot House」でのドルフィーのアルト・サックスでのアドリブがとんでもなく凄いんですが、他の人にもソロを渡してしまうものだから、「もっと聴いていたかったなあ」と思う自分がいるんですよね。それでも2番バッター以降が面白ければ気にならないんでしょうが、このメンツはみんなさすがにプロでうまいとは思うけど、野球で言えば2番ショート河埜ぐらいの感じで、無難というか普通というか、ドルフィー級の「うおお、すげえ!」とはならないんですよね。。
 面白いのは、じゃあドルフィーの参加していたチャールズ・ミンガスのコンボでも同じように感じるかというと、そんな事ないんですよね。それってメンバーの演奏を含めた音楽能力の差かというと、そうとも思えません。ほら、ミンガスのコンボって、あらゆる場面でアッチェルしたりブレイクしたりポリフォニー化したり、ドラマが色々あるじゃないですか。じゃあ、けっこうオーソドックスなハード・バップっぽい音楽をやっていた頃のマイルス・デイヴィスのコンボは?マイルスの場合、次に出てくるのがコルトレーンですから、むしろ2番の方が凄いまであったりして。松井を敬遠したらうしろに落合がいる、的な。

 つまりこのバンドの音楽が、楽曲も普通のハード・バップなら、その構成もアメリカン・ソングフォームで書かれた曲をコーラスで回しているだけという、特に工夫もしていない典型的なモダン・ジャズなので、よほどアドリブが面白いというのでもない限り、つまらなく感じちゃう自分がいました。たとえば、「Hi Fly」という曲で、けっこう長い事ベースにソロを渡すんですが、下手とは思わないけど特に何を演奏してるわけでもないので、シーンを変え尺を稼ぐというためだけのものに思えてしまって(^^;)。。

 「リート形式で書かれたテーマを演奏して、ソロ・オーダーに従ってアドリブを順番に回して、テーマに戻る」というモダン・ジャズの定型って、バップ系のジャズ共通の長所であり弱点であって、これを超えようという工夫がないと音楽的には痛いことになる事がある反面、この定型があるからこそ、ほぼ初対面のプレーヤー同士でもこれだけの音楽に出来てしまうという事でもあるんでしょう。この演奏を聴くと、61年当時のジャズ和声や楽式では、もうドルフィーの独創性に富んだアドリブを支えられなくなっているのが実際の所なんじゃないかと思えてしまいます。ドルフィーは61年のヨーロッパ公演から帰ると、自分のバンド結成を目指してコルトレーンのユニットに脱退を告げますが、その話はまたいずれ(^^)。
 あ、こんなこと書きましたが、バップ系の音楽が好きな人だったら、間違いなく気に入る良いレコードだと思います。なんといっても、録音に恵まれなかったドルフィーのレコードの中でも、かなり上位に来る良い録音という事もありますし(^^)。「God Bless The Child」なんて、『In Europe』と同じ無伴奏バスクラで、アレンジも同じですが、とにかく録音が段違いに良くて、この音だけで僕は感動しちゃいました。




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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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