70年代なかばのジャズ・シーンはフュージョン・ブーム真っ最中で、あんなに勢いのあったフリージャズは、ジョン・コルトレーンもアルバート・アイラーも死んだ後は風前のともしび。そんな中、ニューヨークでは空き倉庫なんかを利用した練習場所やライブスペースから「ロフト・ジャズ」というのが広まったそうで、ここが70年代中盤以降のNYのフリージャズの根城になったんだそうで。たしか、シカゴも似たような状況でしたよね。こういう知識は、僕は清水俊彦さんや悠雅彦さんや副島輝人さんといった日本のジャズ評論家さんの本で読んで得たものなので、詳しい事はよく分かってません(^^)。いずれにしても、このロフト・ジャズのシーンから飛び出してきた若き天才アルト・サックス奏者というのが、僕がはじめてデヴィッド・マレイを知った時の触れこみでした。これは、そのデヴィッド・マレイの出世作と言われているライブ盤です。僕が持っているのは日本盤のボーナストラック3曲入りの2枚組。1976年録音で、メンバーはデイヴィッド・マレイ(tsax)、オル・ダラ(tp)、フレッド・ホプキンス(b)、フィリップ・ウイルソン(dr)。このリズムセクションが、僕が死ぬほどぶっ飛んだアンソニー・ブラクストンの超名作『Town Hall 1972』と同じだったので、鉄板でイケると思って買ったのでした(^^)。