デヴィッド・マレイと一緒にワールド・サクソフォン・カルテットというグループを作っていたバリトン・サックス/クラリネット/フルート奏者ハミエット・ブルイエットの2枚組ライブCDです。たぶん1979年のパフォーマンスかな?名盤と言われている『We Have Come To Save You From』に未発表曲5曲を追加して、ライブ完全収録となったCDです。元は1曲入り38分だったのに、これは6曲135分!買うなら絶対にこっちでしょう。。メンバーは、ドン・プーレン(p)、フレッド・ホプキンス(b)、ドン・モイエ(dr)…なんというすごいメンバー、当時のNYロフト最強のサイドマンと言ってもいいんじゃないでしょうか。
そして音楽ですが…よく言えばバラエティに富んでいて、悪く言えば曲ごとにテーマがばらばらで何やりたいか分からない状態(^^;)、「あ、同じ構造なんだな」と気づくまでちょっと時間がかかったライブでした。要するに、デヴィッド・マレイと同じで、オーネット・コールマンやアルバート・アイラーと同じスタイル、テーマとなるメロディだけ作って、ブローイング・コーラスはコード・プログレッションのないフリー、そしてテーマに戻す、という形。例えば、元々のアルバムに入っていた曲「SOBRE UNA NUBE」のテーマは23クラーベのブラジル音楽風。これが、1曲目「OASIS / THE WELL」やディスク2の2曲目「YUSUF/SANKOFA」となると、オーネット風。ディスク2の1曲目「Pretty Tune」だとジャズバラッド風。ディスク2の3曲目「TUNE UP」はメインストリーム・ジャズという感じでした。あれ?これってマイルス・デイヴィスの曲だったっけ?マイルス曲以外は、テーマは違えど真ん中でフリーに突入する点が同じでした。