
そんなバルトークの
ミクロコスモスをピアノ練習用の教材としてみると…メッチャいいんじゃないかと!!ちなみにミクロコスモスは、第6巻まであります。
僕は日本のオーソドックスなピアノ訓練法を受けてきた人間だと思うんですが、それ以外の練習法をきくだけで「その方法だとこういう問題点が出るんじゃないか」とか、とかく批判しがちになってしまう所があります。これは島国根性というやつで、実際に自分以外のものにどういう良さがあるかを考えるより先に、相手の違う部分を攻撃して自己正当化したくなるんでしょうね(^^;)。ダメですねえ。。でも僕がやってきた日本のオーソドックスなピアノ練習法は、根性がある人にはいいかも知れないけど、そうじゃない人には苦行みたいな側面もあったと思うんです。
楽器の練習を嫌がる人って少なくないと思うんですが、あれは半分しかたない。だって、実際に苦痛を伴いますし、大体つまらないですからね(^^;)。でも、ミクロコスモスはいい!何がいいかというと、苦じゃない、飽きない、面白い!練習曲に求められてるものって色々あると思いますが、一番大事なのは、必要な技術が身につく事と、それを飽きずに継続できること、なによりここが一番だと思うんです。
なんでミクロコスモスが苦じゃなく飽きないかというと、1曲が短いからです。特に最初の方は、1曲が8小節とかだったりするので、取り組んでからクリアするまでが速いんです。3巻だって16小節ぐらいで1曲だし。だから、自分がやりたい量に合わせられるし、1曲をクリアするのに何日も「俺、練習が進んでる!」感があって、やる気が持続できる(^^)。もちろん、どんな人も自分のレベルを超えた課題になったあたりから進むのが遅くなると思うんですが、それでも1曲が短いので、あるページの前で何週間も何カ月も停滞という事がなく、「突破できた!」みたいなゲーム的な達成感があるのです。ここがとにかくいいです。そうそう、バルトーク本人は「ピアノを練習し始めて1~2年の間に3巻までは演奏できるようになってね」みたいな事を言ってます。
そして、一般論にはならないかも知れませんが、僕にとっての良さは、4巻以降の曲のよさ。5巻以降となると、演奏会で演奏しても十分通用するレベルです。
古色蒼然としたピアノ教本をやると、指や音の動きは難しくなるのに音楽そのものは長調か短調ばかりで、学校でしか聴かないようなつまらない音楽に感じてしまうのです。でもミクロコスモスは、減五度、リディアン、ブルガリアのリズム、半音階に全音階…今の現代音楽やジャズやロックを聴いている人にとっても刺激的な音楽がバンバン出てきて、音楽自体が面白のです!バルトークはピアニストとしても一流だったそうですが、それ以上に学究肌の作曲家としてすごい人だったので、こういうものが作れたんでしょうね。
達成感があって継続して練習できるうえに、音楽的にも引きつけられる見事な練習曲と思います。音大を目指すとか、そういう場合はこれを優先してやるわけにはいかないかも知れませんが、ピアノや音楽を楽しんで学びたいという方には、個人的に超おススメ!スコアは色々な音楽出版社が出していて、オリジナルはブージー&ホークス社から出たものですが(今でも入手可能)、個人的にはとっても読みやすいヘンレ社のものがオススメです(^^)。
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