
コンゴ/ザイール関連ネタ、もうちょっとだけ引っ張らせて下さい。これがこのブロクで
ザイールについて書く最後の機会かもしれませんので(^^)。という事は、僕が人生でザイールについて振り返る最後の機会かもしれませんしね。これは、ボクシング伝説の世界ヘビー級チャンピオンだったモハメド・アリのドキュメンタリー映画です。
なんでこの映画がザイールと関係あるかというと、この映画がザイールのキンシャサで行われたアリvsフォアマンのWBA・WBCの統一世界ヘビー級タイトル戦のドキュメンタリーだからです。このタイトル戦が行われた頃のザイールは、クーデターで欧米植民地から逃れた時期で、アメリカ合衆国のやり方に噛みついたモハメッド・アリを英雄視して、当時のモブツ大統領がスポンサーとなってこのタイトル戦が実現したそうです。
この試合は「キンシャサの奇跡」と呼ばれる名試合で、フォアマンに追い込まれ続けたアリが逆転勝ちするという、ビッグマッチに相応しい劇的な展開(^^)。アリは全盛期をとっくに過ぎてますが、やっぱり持ってるな。。
この映画、ボクシングだけじゃなくて独立ラッシュとなった当時のアフリカの状況とか、いろんなものをドキュメントしていて、ものすごくいい映画です。アリ自体が単なるスポーツ選手という枠にはもういなくて、戦争参加に反対して懲役を拒否、イスラム教へ入信してカシアス・クレイからモハメド・アリに改名、など、合衆国内にとどまらずアフリカでも大変な英雄になった人でもあります。そうした思想がこの大イベントにもつながっているわけですね。このドキュメンタリーには音楽的な見どころもありまして、タイトル戦に合わせて、音楽のイベントも開催されたみたい。
ジェームス・ブラウンなどのアフリカン・アメリカンのミュージシャンが多数アフリカに渡ってパフォーマンス、また同じ舞台に現地のアフリカ人ミュージシャンもパフォーマンスするんですが、これがアメリカのエンターテイメント感満載の音楽と違って、ものすごくいいんですよ。。また、当時のザイールの状況も伝わってきて、土の地面の上で子どもたちが宙返りして遊んだり(すげえ!)、村の人たちが娯楽でちょっとやったようなポリリズムの打楽器群と声の演奏がむっちゃくちゃ凄かったり。音楽はお金払って聴くものじゃなくて、自分たちでやるもんなんでしょうね、少なくとも当時のザイールでは。その様子は
ちょっと前に紹介したCDなんかでも想像できます。
というわけで、たんなるボクシング映画じゃない、アフリカ独立の頃のアフリカの雰囲気と、アメリカの迷走を見事に描いた素晴らしいドキュメンタリー映画じゃないかと思います!
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