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『ペンデレツキ:悲しみの聖母 –ペンデレツキ無伴奏合唱宗教曲全集– ユハ・クイヴァネン指揮、タピオラ室内合唱団』

penderecki_stabat mater_Tapiola ペンデレツキは、1933年生まれのポーランド人作曲家です。ところがペンデレツキの音楽は、ものによってはぜんぜん現代音楽に聴こえないものもあります。モダンに行くと、モダンどころか超アヴァンギャルドなものも多いけど、とっても調的で宗教音楽的なものもあったりして。このアルバムは後者で、タイトルとなっている「悲しみの聖母」のオリジナル・タイトルは「スターバト・マーテル Stabat Mater」、色んな作曲家が扱ってきたキリスト教の題材で、ペンデレツキの代表作のひとつと言われている曲です。というわけで、最近ゲッチュしたこのCDを聴いてみよう、そうしよう(^^)。

 全体としては、雰囲気は思いっきり古い修道院の無伴奏合唱や、今の正教系の合唱みたい。でも、響きのそこかしこに現代が入ってる感じです。しかも、プロテスタント的な讃美歌なんてなくて、どれも鎮魂歌のよう。現代曲とかポストモダンといった概念を忘れる必要があるんじゃないか…技法とかそういうものを取っ払って、この音楽が扱っているものを聴くと、まさに正教会系の音楽にある物そのものなんじゃないかと感じました。音楽というより、「祈り」っぽいんですよね。短調系の鎮魂歌のような雰囲気の曲が多いので、余計に悲痛というか…。いつか、ロシア正教の合唱について書いた事がありますが、あれと同じです。

 僕がヨーロッパを思い浮かべる時、その文化の中心はドイツとフランスであって、あとは周縁という形でイメージしている気がします。いつぞや「戦場のピアニスト」という映画の感想を書いた事がありますが、ポーランドって左隣のドイツと右隣のロシアに占領支配されてばかりで、悲劇的な土地なんでしょうね。二重帝国を誇った時代なんてはるか昔の事で、地図から国が消えた事も1度や2度じゃないみたいですし。ヨーロッパで厳しい状況に見舞われたのって、東になればなるほどそうですが、そういう地域ほど純粋な形でキリスト教を残したのは偶然じゃない気がします。ペンデレツキにとって、現代の作曲技法がどうとかよりも、そういう宗教が果たした役割の方が重要だったという事なのかも知れません。
 そして、現代音楽的な目で見た場合。このCDでいうと、1曲目「悲しみの聖母」、2曲目「憐れみたまえ」、4曲目「われらの祖先に告げたまいしごとく」、7曲目「来たれ、造り主なる聖霊よ」あたりの和音に、現代曲ならではのものを感じます。でも、それが使われるのはあくまで「祈り」としての宗教音楽上の効果というだけの事であって、技法の開拓とは関係ないように聴こえます。ある時代やある地域の趨勢として、ひとつのものしか見ないという事自体が、もう現代的ではないのかもしれません。ブーレーズやシュトックハウゼンと並行して、こういう音楽が普通に作られるのが、それこそ現代なのかも。

 とてつもなく素晴らしかったです。タピオラ室内合唱団のハーモニーも恐ろしく見事。大推薦!

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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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