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『ナッセン指揮・ロンドンシンフォエッタ / ストラヴィンスキー:洪水 etc.』

Stravinski_flood.jpg ストラヴィンスキーと言えば「火の鳥」や「春の祭典」という、彼のキャリア前半で発表された作品が有名だと思うのですが、それに並んで大好きなのが、ストラヴィンスキー晩年の作品です。で、中でも一番好きなのが「FLOOD(洪水)」という劇音楽。

 変な話なのですが、「春の祭典」はあまりに好きすぎて、聴きまくっていたものだから、何がそんなに良かったのかが分からなくなってるのです(^^;)。で、ストラヴィンスキーに夢中になっている頃に、どんな作品かも良く分からず買ったのが、このCDでした。中古で安く手に入ったんですよ。予備校の真ん前にある中古レコード屋さん。ある時、懐かしさのあまり寄ってみたら、無くなってました。で、買った当初は、この音楽の良さは良く分かりませんでした。が…

 「春の祭典」とか「火の鳥」というのは、なんというか、アマチュアの手作りのような良さがある作品だと思うんです。手縫いのセーターの良さとか、人間臭いところの良さとか。演奏にしても、制御不可能な部分の「ガシャーン」みたいなところが出て来ないと面白くならない音楽と感じるんです。写真とかでもありますよね。プロのカメラマンが撮った写真よりも、アマチュアの撮った写真の方が良く思える時とかって。それに対し、この「洪水」という作品は、徹底的にプロフェッショナルというか、まさにプロの作曲家が書いた作品!という感じで、もう批判のしようがないというか、そういう完成度を感じるのです。精巧極まる、非の打ちどころのない作品という感じ。晩年のストラヴィンスキーというと、「火の鳥」とかの頃とは違って、もうセリー音楽に手を出しています。セリーではあるんですが、ストラヴィンスキー的なダイナミクスが残った音楽になるという所が面白いです。セリー音楽というと、僕が真っ先に思い浮かべるのはヴェーベルンやブレーズの曲なんですが、あの幾何学的な手触りは残しながらも、ストラヴィンスキーのセリー曲はもっと音楽的というか…説明不能、とにかく素晴らしいのです(これじゃレビューになりませんね^^;)!!

 さらにこの作品、題材も面白いです。タイトルからも想像がつくように、旧約聖書の世界です。聖書の世界って、若い頃は宗教がらみというだけで毛嫌いしていたんですが、物語としても面白いです。特に面白いのが、旧約聖書と黙示文書。非常に暗示的な内容でもあり、芥川賞とか直木賞の小説なんかとは比較にならない面白さです。これがセリー音楽のあの質感の中で、しかも実に見事な構造美の中で進行していって…いやあ、こんなに素晴らしい作品には、なかなか出会うことが出来ないんじゃないかと思います。結局、クラシック音楽というのは人気商売なので、実はポピュラー音楽と同じぐらいに人気のあるなしが重要になってしまう宿命の音楽だと思うのですが、純粋に音楽的な完成度でいえば、「洪水」は人気こそ劣るものの、その完成度は「火の鳥」や「春の祭典」を遥かに上回るストラヴィンスキー最高の傑作と僕は信じて疑いません。そうそう、このCDには他に「アブラハムとイサク」(これも聖書ですよね)、「管弦楽のための変奏曲」、「レクイエム・カンティクルス」(これがまた素晴らしい!現代曲に合唱というだけでゾッとする素晴らしさですが、更にアルトとバスで詩が朗誦されるのですが、ダビデとかが出てくるので、これも旧約の世界ではないかと)なんかも入っています。

 そうそう、このCDですが、録音も物凄くいいです。そういう意味では、この作曲作というだけでなく、演奏や録音を含めたこのCD自体が大傑作なんじゃないかと。あと、物語がとても面白いので、日本語訳のついている日本盤を購入する事をおススメします!これ、テキストは聖書からそのまま取ったのか、聖書をもとに新たに書いたのか、ちょっと僕には分かりませんが、英語じゃない部分があるので、輸入盤を買ってしまうと何言っているのか訳わからないと思います。。



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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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