
超絶テクニックを誇るクラシック・ギターの山下和仁さんによるバッハ集、これはリュート組曲です。ただし、
このCDはリュート組曲の全曲が入ってるわけじゃないので注意。バッハにはリュート曲が7曲あるらしいんですが、そのうち3曲は無伴奏ヴァイオリンまたはチェロの編曲もので、山下さんはこのCDを出すとき、すでに
無伴奏ヴァイオリン全曲と、
無伴奏チェロ全曲を録音していたもので、録音済みの曲を除外したらこうなったみたい。例えば、リュート組曲第3番は全曲が無伴奏チェロの第5番と同じなので、このCDには入ってません。かわりに、組曲以外のバッハのリュート曲すべてと、無伴奏フルートのためのパルティータ全曲(BWAV.1013)のギターアレンジ版が入ってます。まとめると…
山下さんの無伴奏ヴァイオリン全曲入りCD、無伴奏チェロ全曲入りCD、そしてこのCDを買うと、バッハの無伴奏ヴァイオリン全曲、無伴奏チェロ全曲、リュート曲全曲、無伴奏フルートのためのパルティータ全曲、このギターアレンジをぜんぶ聴く事ができるわけです!う~んこれはすごい、アーティストにとって生涯一と言っていいほどの偉業じゃないでしょうか。
山下さんのバッハ全集ものは大ベストセラーだったみたいで、昔は飾り程度にしかクラシックのCDを置いてない町のCD屋さんにすら置いてあるほどでした。若い頃、バッハがよく分からなかった僕が、バッハにぶっ飛ぶ事になったきっかけのひとつが、この山下さんのギター演奏でした。
3コースも同時進行するような対位法音楽をギター1本で演奏してしまう、どういうことだこれは。。まだクラシックギターをよく知らなかった僕にはものすごいカルチャーショックでした。今回、久々に聴いてみたところ…若い頃は気づかなかったんですが、めっちゃうまい。若い頃はこれを弾けるというだけで驚いたんですが、流れるような演奏、それでいてセゴビアみたいに慎重ではなく、突進していきます。山下さんの演奏って、バキバキと前に進んでく感じが独特ですね。セゴビアは安定、ブリームは表現力の高さ、そして山下さんはグイグイと突き進んでく躍動感。いや~カッコいい。。
僕がなんで無伴奏ヴァイオリンや無伴奏チェロのCDよりも、地味なリュート組曲に先に手を出したかというと…若い頃はバッハが苦手だったもんで、2枚組を買うのに躊躇したから(゚∀゚*)エヘヘ。でもこれで山下バッハにぶっ飛び、けっきょく他の山下編バッハにも手を伸ばしたのでした。
ロックでもジャズでも、ギターを演奏する人なら山下さん演奏のバッハは絶対に聴くべき超絶演奏じゃないかと!いや~久々に聴いたけどやっぱり凄かった。。
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