凄いパワーとスピードです。テクニックもあります。ぜったいにデヴィッド・マレイよりチャールズ・ゲイルの方が凄いわ。。この過剰さこそフリージャズの魅力のひとつで、特に50分ノンストップの2曲目「Jesus Christ And Scripture」での演奏がすごい!! でも…聴いていて、どこか全面的に肯定できない自分がいるんです。こういう音楽を聴くと、いつも「すごいな」と思う自分と、「どうなんだろうな」と思う自分の両方が出てきちゃうんですよね。僕がいちばん音楽に夢中になっていた頃は、フリージャズと現代音楽を交互に聴いている感じでした。なんでそうなるかというと、フリージャズを聴くと興奮する半面「少しでもいいから作曲するところは作曲しておけばもっと良くなるのに」と思って現代音楽が聴きたくなるし、現代音楽を聴くと作曲面でのサウンドや構造にしびれる反面「こんなチマチマやってないでドカンと演奏したらもっとカッコよくなるのに」と思ってフリージャズを聴きたくなっていたわけです。このアルバムは前者の典型で、50分連続で突き抜ける集中力やスピードやパワーにしびれるんですが、その反面で構造やら何やらが単純すぎるので、どうしても飽きるんですよね。。