
1977年発表の
矢沢永吉サードアルバム、ここから数年の矢沢さんのアルバムのクオリティは半端ではなく、ソロ・ミュージシャン矢沢永吉の伝説の始まり!
まずは、メインとなるプレイヤーが固まります。のちにNOBODYを結成する木原敏雄&相沢行夫というふたりのギタリスト、これが素晴らしい!うまい下手ではなく、リハを納得いくまで続けてものにしないと、ジャズでもタンゴでもロックでも、バンドってだめですよね。それがきちんとしたのが何より大きかったんじゃないかと。
そして残りは当時の日本の一流スタジオミュージシャンがずらり。ベースの後藤次利とキーボードの今井裕はサディスティックスからの参加。スタジオミュージシャンのトップクラスとして、サックスのジェイク・E・コンセプション、パーカッションの斉藤ノブさん、みたいな。これで
セカンドアルバムまでは借り物感が拭えなかったバンドの音が一気に躍動!それにしても、後藤次利さんのエレベは絶品だな。。この頃になると、日本のポップ/ロックのシーンもジャズベー全盛になって、ちょっと前の「ボンボン」じゃなく、「ブーン!」になったんですね(^^)。
バンドが安定した上に、ロックナンバーもミディアムもバラードもいい曲ぞろい。「世話がやけるぜ」「燃えるサンセット」「バーボン人生」「チャイナタウン」が1枚のアルバムに入っているというのは反則でしょう(^^)。年100本のライブをやってるのに、いつ曲を書いてたんだろう、永ちゃんは…。
そして、何曲かに入っているホーンセクションやストリングセクションのアレンジが見事!大名曲
「チャイナタウン」のストリングスアレンジは絶品です。そうそう、この77年アレンジの「チャイナタウン」は、昭和歌謡が好きな方だったら絶対に聴くべき大名曲。コーラス形式ですが、ストリングスアレンジの見事さで、全体が序破急と盛り上がっていく構成に変わっている魔術。
マイルス・デイビスのトランペット・ソロの組み立てと同じ事が起きています。これは弦アレンジャーの大勝利なんじゃないかと。同じ事が、「燃えるサンセット」にも言えます。
そうそう、「チャイナタウン」は、詞がまた素晴らしいんです(山川啓介作詞)。この曲、シングルでは「時間よ止まれ」のB面に入っていて、子どもの頃はB面を何度も何度も繰り返し聴いてました。
空のポケットに夢ばかり詰め込んで生きていたふたりさ
ポニーテールはもう切っただろう
幸せならいいけれど、もう一度お前に会いたい
ロスのミュージシャンと一緒にやるようになるまでの永ちゃんのサウンドのフォーマットは、このアルバムで完成したと感じます。このアルバムと『ゴールドラッシュ』、
『キス・ミー・プリーズ』の3枚は、どれも神がかりの完成度。矢沢さんってパブリックイメージがヤンキーなもんで過小評価されがちですが、僕的には矢沢永吉、
山下達郎、
荒井由実はショボかったそれまでの和洋折衷音楽を進化させた超重要アーティストと思ってます。70年代の
日本歌謡ロックの大名盤だと思います!
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