ひとつ前の日記に、「前にツィンマーマンさんの曲は聴いてみたことがあるけどよく分からなかった」なんて書きましたが、それはこの作品の事でした。「Requiem Für Einen Jungen Dichter」(ある若き詩人のためのレクイエム)は、ツィンマーマンさんが拳銃自殺する前年の1969年に作曲されています。たぶん遺作じゃないでしょうか。200人超えの巨大編成というだけでなく、その編成の内容がオーケストラに合唱にナレーション多数、それに電子楽器にテープ&巨大スピーカーにジャズバンド。当時僕は音大でピアノ科から作曲科に転科していまして、作曲科の人はみんなこの曲を知ってました(僕は知らなかった^^;)。でも先生も生徒も賛否両論はっきり分かれてたんですよね。何の先入観も予備知識もないままこの曲をCDで聴いた若いときの僕といえば…分からなかった(^^;)。当時の作曲の最前線の課題のひとつだった電子音楽にナレーションがいっぱい重なり、ビートルズやヒットラーの演説が流れ…要はコラージュ、作曲じゃなくって美術だなと思ったんです。コラージュというと聞こえはいいけど要はつぎはぎやパクリで、他の人のレコードや演説の録音を持ってきて切り貼りするなら、別に作曲家じゃなくったって、その辺にいる芸術家気取りのお兄ちゃんだってできるよな…みたいな。以来20年以上段ボール箱の奥底に眠っていたこのCDですが、なんとなくネットを眺めていたら…うおおお、2015年に日本初演されたのか?!ブログやホームページでコンサートの感想を書いている人多数、しかもみんな絶賛じゃないですか!ついでに主催のサントリー芸術財団のページを発見、この曲の背景やら何やらをはじめて知りました。