
金田正一さん、世代が違うので僕は現役時代を見たことがありません。ロッテの監督時代ですら記憶になく、かろうじて漫画
『巨人の星』で引退の頃が描かれていたのを読んだ事があるぐらい。でも、400勝とか、64イニング(約7試合強!)連続無失点とか、伝説は色々と知ってます。
そんな金田さんの現役時代を記録したものとして、こんなビデオを持ってます。全体の構成は、歴史に残る速球投手の映像が3割と、投手本人へのインタビューが7割ぐらい。もっと全盛期の映像を見せて欲しいと思いましたが、昔の投手になると映像自体があんまり残ってないのかも。また、豪球投手の語りが面白くて、自分の知らないプロフェッショナルの世界を見る思いがして、これはこれでいいのかも。というわけで、取りあげられてるピッチャーで面白いと思ったものを備忘録として書いておこう。
金田正一。とにかく体が大きくて、国鉄スワローズなんていう
弱小球団で400勝しちゃうんだから桁外れに凄かったんだと思います。恐らく、日本プロ野球界でもっとも凄いピッチャーといったらこの人になるんでしょうね。このビデオでは
長嶋茂雄から4打席4三振を奪った伝説のピッチングの映像が入ってました。すげえ、だって長嶋って、入団1年目でヒット数も打率もホームランも打点もとんでもない数字を出してましたよね、それが子ども扱いじゃないか。
稲尾和久。V9以前のジャイアンツがどうしても勝てなかった超強豪チーム西鉄ライオンズの大エースです。日本シリーズで
巨人に3連敗した後に4連勝、その4試合をすべて一人で投げ切った…ありえねえ、化け物か。その伝説の投球が収録されてました。おお~。そして、その時の事を語る稲尾さんの話が面白かったです!
村山実。すべてが全力投球、長嶋茂雄に勝つために野球以外のすべてを犠牲にして、
フォークボールの切れを良くする為に自分の手の水かきをナイフで切るほどのパラノイド型野球狂。ものすごい形相で球を投げ込むさまは、まるで死ぬ覚悟で相手に突っ込んでいく特攻隊みたい。なるほど、ザトペック投法と言われたのも分かる、これはカッコいい!
鈴木啓示。
パリーグのお荷物球団とまで言われた超弱小球団の近鉄で300勝。これ、巨人や阪急にいたら400勝したんじゃないかな…。高校時代の江夏さんが大阪予選で鈴木さんを見て、「カーブは凄いしストレートは速い、この人は別格だ」と思ったらしいです。このビデオでは「相手がストレート待ってるのを分かっていてストレートで三振を取りに行っていた」なんて話してますが、そういう事を出来たのも近鉄だからだったのかも。
堀内恒夫。史上最強、9年連続で日本一という伝説のV9巨人の大エースです。ただ、
門限は破るは悪さはするわで、ついたあだ名が悪太郎。まあでもそれぐらいの肝っ玉じゃないとエースなんて務まらないんでしょうね。そして、この堀内ですら「比較したら失礼」と言われた江夏って、やっぱりトンデモない投手だったんだろうなあ。
江夏豊。子どもの頃、僕はプロレスとプロ野球が大好きだったんですが、今まで観たプロ野球のピッチャーでいちばん好きな人は江夏さんです。好きなだけでなく、
瞬間的には金田さんより江夏さんの方がすごかったんだろうと思ってます。だって、
シーズン奪三振記録とか、ノーヒットノーランしといてサヨナラホームランを自分で打つとか、阪神でのデビューから5年目あたりまではマジで化け物。江夏で有名なのは広島時代の「江夏の21球」ですが、全盛期はやっぱり広島時代ではなくて阪神のエースだった頃。このビデオで扱われてる江夏は阪神時代にスポットが当てられていて、
伝説のオールスター9者連続奪三振の映像を観る事が出来ます(^^)。しかも、9者連続奪三振の時には全盛期を過ぎてるというんだから、やっぱり普通じゃないわ…。傲岸不遜でカッコよいんですよね。
江川卓。きたないやり方で巨人に入団する、退団時も引退理由でしょうもない嘘をつくなど、人間的には大嫌いなんですが、でも投手としては確かに凄い人でした。江川さんは高校時代が一番速かったという伝説が残っていて、高校時代にノーヒットノーランを連発(!)、はじめて登場した甲子園では誰もバットに当てる事が出来ず、はじめてバットに当たったのが7番打者のファイルで、それで球場がどよめいたなんていう伝説も残ってます(^^;)。プロでも速球とカーブしか投げないのにあれだけ勝ったんですから、巨人に入りたいとか言ってないで高校卒業後すぐプロに入ってたら色々と記録も残したでしょうね。でも、このビデオでのトークを聴いたらやっぱり鼻につく奴だった、やっぱり人間的には嫌いだわ。。
江川以外は、まだ一般家庭にビデオが普及する前の映像ばかりなので、貴重な映像が多く見れて良かったです。このビデオはDVD化されてないのが残念ですが、もしするならこのままでは無理かも。今なら野茂と松坂は追加したいところですね(^^)。とにもかくにも、カネやんのご冥福をお祈りいたします。
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