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Category: CD・レコード > クラシック   Tags: ---

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『クレーメル(vln), アルゲリッチ(pf) / メシアン:主題と変奏、バルトーク:ヴァイオリンソナタ etc.』

 kremer argerich messiaen メシアンは優れた曲をたくさん書いていますが、作品に使われている作曲技法そのものが違っていたりするので、すべての作品を単純に比較する事は難しいです。基準が違うわけですから、ひとつの基準からそれを測りにくい、というわけです。で、メシアンの曲の中で僕が惹かれるのは、やはりメシアン・サウンドが前面に出てきている曲。特に「移調の限られた旋法」を使った曲は、サウンド自体が独創的なものになるので、個性が出まくります。中でも第2旋法あたりのフワーっとした感じのサウンドは個人的なツボで、嬉しいとか哀しいとか、感情をあらわすどんな言葉にも当てはまらないような独特な感覚。で、それがまた素晴らしい。神秘的、静謐、荘厳、どこか不安になるようなサウンド…音楽以外では体験する事の出来ないような感覚なのです。ひとつ前の記事で書いた「世の終わりの為の四重奏曲」なんかもこの傾向にある作品ですが、「ヴァイオリンとピアノのための主題と変奏」もやはり素晴らしい。初めて聞いた時、「死ぬ前に頭の中に鳴り響く音楽って、案外こんな音なのかもしれないな」と思ったものです。

 で、この録音はメシアン縛りのCDではなくって、ギドン・クレーメルという超有名なヴァイオリニストと、マルタ・アルゲリッチというこれまた超有名なピアニストの共演という縛りで制作されたもの。このデュオは他にもたくさんのレコーディングを行っていて、これは近現代曲集という位置づけなのでしょう。バルトーク、ヤナーチェク、メシアンという3人の作曲家の作品を取りあげています。そして…曲も演奏も鳥肌モノの大傑作、大名演。メシアンの「移調の限られた旋法」というのは、旋法(スケール)が先に決定されているので、和音はその旋法を構成するために選び出された音を重ねて作る事になります。で、普通の感覚なら、1・3・5…と重ねていきそうなものなんですが、1・4・7…と積んだりするんです。この「4度積みの伝統」にある音楽って、僕らが慣れ親しんでいる西洋音楽の和声機能から外れてしまうので、表現がちょっと難しくなると思うのです。簡単に言うと、普通の機能和声というのは、一部分だけ音がずれていて、それが人間に、ある調性に戻りたくなるという心理を生み出して、それを原理に音楽を劇的に進行させることが出来る、という感じ。で、この「劇性」というものが音楽の表現のあり方までも規定していく事になるというか、表現というものがどんどんエスプレッシーヴォに向かっていくという事になると思うんですよ。で、実際にこのエスプレッシーヴォを表現できれば出来るほど、たしかに凄いものになっていく。これが伝統の根幹にあるものだから、西洋音楽を学んだ人というのは、みんな表現が「情熱的」な方向に行くことになる。ところが、4度積み系のフランス音楽となると、情熱的な表現を持ち込むとおかしなことになる気がするんです。何と言えばいいのかな、張り裂けんばかりの悲壮感を持って「かつ丼ひとつください」と注文したら、それって滑稽ですよね。例えが悪すぎますが(^^;)、でもまあそんな感じ。で、この独特な響きを持つ曲、演奏をどう表現すれば良いものとなるのかが、かなり難しいと思うんです。
 そしてこのふたりなんですが、クラシックのスペシャリストなだけあって、基本的にエスプレッシーヴォな表現を好むというか、この録音でも基本的にベースは「情熱的」な表現です。しかし、さすがにプロ中のプロというか、この作品をどう受け止めるのかという所にいい加減な所は全然なくって、単純に劇的な表現にすればいいとは思ってない。非劇性にある所と、ある程度エモーショナルな表現にした方が面白くなりそうな部分を混在させています。う~ん、これはうまい事考えたな。いやいや、まずこれを表現できる時点で演奏の技量がとんでもないという事は間違いないんですが、それ以前に、ここまで掘り下げて考えた解釈から表現をデザインしたこと自体が、さすがの頭脳だと思うのです。

 メシアンの「主題と変奏」は、他にも録音があり、どちらかというとこのクレーメルとアルゲリッチの解釈は異端的かも知れませんが、僕はこれが一番好きです。本当に素晴らしい音楽であり、また名演でもあると思います。神秘と人間性が出会う瞬間の音楽、ぜひご一聴あれ!!




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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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