
1960~70年代は特撮ヒーロー番組がたくさん作られた時代でしたが、面白いものも子供だましのものもあって玉石混合。そんな
無数にある昭和特撮ヒーロー番組の中で最高傑作は何だったかと訊かれたら、僕ならウルトラセブンとミラーマンのふたつと答えます。このふたつだけは、大人になってから見ても視聴に耐えるほどの素晴らしさなのです!
というわけで、今回はミラーマンの紹介をしようかと。面白すぎてすべてまとめての感想だけではもったいないので、面白いと思った話をダイジェストで書いていきたいと思います。まずは、1話から5話まで!
■第1話:ミラーマン誕生 宇宙から人型インベーダーが襲来し、人間の世界に紛れ込みます。カメラマンである鏡京太郎は、インベーダー絡みの事件に巻き込まれます。それを科学防衛組織であるSGMの御手洗教授に話すと、京太郎は驚愕の事実を伝えられます。京太郎は、二次元人ミラーマンと人間のハーフで、彼の父親を殺したのはインベーダーだというのです。
この第1話、超のつくほどのハードSF傑作です!何が素晴らしいって
、特撮のイリュージョンと宇宙人の恐怖描写がすごいのです。誰もいないコンクリートの壁にガラスの破片を投げると、壁から緑の血が流れます。倒されたインベーダーの目は緑色に光り、死体が緑に燃えて蒸発します。何もなかった壁を撮影した写真を現像すると、目の光る男が透けて写っています。そしてインベーダーは壁をすり抜け、平然とビルの中に入ってきます。こうしたインベンダーの映像表現が強烈に不気味で「やばいぞ」という緊張感がすごくて、どうやってこんなすごいやつらに対抗するのかと、見るたびにドラマに引き込まれるんですよね。この第1話が好きすぎて、僕は人生で何十回とこの第1話を見てきたんですが、今回見てもやっぱり引き込まれてしまいました(^^)。ミラーマン第1話は、すべての昭和特撮ヒーロー番組の中で上位に入る大傑作じゃないかと!
ミラーマンは、とりあえず第1話と最終回を見るだけでも、その素晴らしさが伝わるのではないかと。ミラーマンを「ウルトラマンの亜流だ」「子供番組だ」ぐらいにしか思っていない方は、ぜひ第1話だけでも見て欲しいです。素晴らしいSFドラマです!
■第2話:侵略者は隣にいる とあるマンションにUFOが飛来し、インベーダーが最上階の住人たちと入れ替わります。まだ入れ替わっていない最後の住人が京太郎の知り合いの女性で、彼女にもインベーダーの魔の手が伸びます。
この回で秀逸なのも、インベーダーの不気味な表現でした。インベーダーの魔の手が伸びた女性の部屋は色と音を失い、水が止まり、ラジオも電話も使えず、まるで時が止まったようになります。そして、周りの住人が皆サングラスをかけて…いや~、
インベーダーの不気味な侵略の緊張こそミラーマン前半の醍醐味です!また、一般のマンションの住人が入れ替わっていく設定が、子供の頃の僕には他人事とは思えなくてめちゃくちゃ恐かったです。そうそう、特撮では、怪しい隣人の女が炎に包まれて化け物になっていく表現が見事でした!
■第3話:消えた超特急 インベーダーをキャッチするレーダーを開発した科学者夫婦の乗った新幹線が、インベーダーによって異次元空間に引きずりこまれます。そしてSGMの元にインベーダーの交渉条件を伝えられた夫人が解放されます。インベーダーの交渉条件は、ミラーマンの引渡しでした。インベーダーに引き渡された京太郎が乗った車は異次元空間に引きずりこまれ…
不気味な異次元空間を背景に展開するドラマが面白かったです。この話、事件は完全には解決せず、さらわれた科学者は異次元空間に置き去りなのです。いやあ、子供番組でこの不気味な終わり方は恐すぎる、こういうところが子供向けじゃないんですよね、ミラーマンって。
そして、科学者夫人がUFOから開放されるシーンや、新幹線が異次元に消えてしまうシーンの特撮が素晴らしかったです。ミラーマンは特撮のアイデアや技術が見事なところも見所だと思います。そうそう、
この頃は新幹線はひかりとこだましか無かったんですよ、なつかしいなあ。昔、新幹線には食堂車がついていて、子供の頃の僕が食堂車ではしゃいでいたら、ウエイトレスさんに後ろから頭をチョンと突っつかれたんですよ。幼少時のいい思い出です。
■第5話:怪鳥インベラー現わる! 怪鳥が現れて自衛隊機が墜落します。その付近に撮影取材に行った京太郎ですが、森の中で迷子になり、出会った村人に「この先は地獄谷で危険だから引き返せ」といわれます。京太郎は気づきませんでしたが、この村人はのっぺらぼうで、怪鳥とのっぺらぼうは建設中のインベーダーの前線基地に人が近づかないよう、伝説を利用して人を追い返しているのでした。
この話には
インベーダーが3人登場しますが、全員のっぺらぼうです。今までのインベーダーは黒スーツにサングラスで統一されていたのに、怪奇作品にするためにいきなりの設定かよ…な~んていうのは野暮というもので、インベーダーの不気味さの表現が優先なんでしょうね。不気味といえば、怪鳥の放つ光線に当たった人間は白く発光して消えるんですが、この表現も見事でした。
ミラーマンの何に魅せられたかというと、宇宙人の不気味さをベースにしたスリリングなサスペンスと、その恐怖を演出する特撮のイリュージョンです。特に序盤はインベーダーの不気味さを強調した描写が多くて、傑作揃いだと思いました。特撮ヒーロー番組が乱立した第2次怪獣ブームの中で、独特の作風でひときわ輝いていた名作だと思います。6話以降は、また次回!
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